2016年6月1日水曜日

とと姉ちゃん(51)ひとりで悩みを抱え込む常子は…

前回の続き、常子(高畑充希)が重い足取りで帰宅していると
青柳商店の前で清(大野拓朗)に呼び止められる「あっ、常子ちゃん、今帰り?」 
振り向く常子「はい」 
清「そう、ご苦労さま」と、天を仰ぎ「いやぁ~…」 
清を見ている常子 
ポケットに差し込まれた清の右手が動く 

<いつもの自慢が始まる…常子はとっさに身構えました…ところが…> 

清は高く上げた右手で自分の額をぴしゃりと叩くと
「じゃあ急ぐんでまたね」と、機嫌よく去っていく 
その後ろ姿を目で追う常子「あれ?」 

タイトル、主題歌イン 

常子が森田屋の前まで来ると
宗吉(ピエール瀧)と隈井(片岡鶴太郎)が将棋を指している
隈井に訊ねる常子「あの…今、清さんにお会いしたんですが
どうかされたんですかね?」
隈井「えっ?」
常子「いつもだったら、はぁ~…ってため息ついて自慢話するのに
今日は急いで行ってしまったので」
笑顔の隈井「あ~若旦那今ね、仕事が乗りに乗ってるんでさぁ
ついこの間もね、大口の注文2件取ってきてねえ
女将さんもまあ全幅の信頼寄せてますよ
そうなるってえとわざわざ自分でね
小さな自慢する必要がなくなるって寸法です」
常子「全幅の信頼…」
隈井「ええ」
宗吉が「それよりどうだったんだ?」と、常子の仕事の件を心配する
「で、無事出来上がったんですか?」と訊ねる隈井に「ええ、まあ…」と常子
宗吉が店の戸を開けて皆を呼ぶ「お~い!常子が帰ったぞ!」
奥から迎えに出て来る一同と、宗吉に背中を押されて店に入る常子
不安そうな面々に宗吉「心配いらなかったみてえだぜ」
鞠子(相楽樹)「じゃあ、間に合ったの?」
常子「うん…なんとか」
安心した様子の一同
常子「ご心配をおかけしてすみませんでした」
まつ(秋野暢子)「あんなに頑張ったんだ、さぞかし褒められただろう?」
隈井「あったりめえでさぁ!評判もうなぎ登りってねえ」
長谷川(浜野謙太)「で…どうなんだよ?実のところは」
喜ぶ一同の声を聞いている常子の背中
長谷川「褒められちまったのか?ん?」
威勢のいい笑顔になる常子「そりゃあもう!」
笑う一同
美子(根岸姫奈)「さすがとと姉ちゃん!」
常子「でしょ?もう褒められ過ぎて疲れちゃった
今日はちょっとゆっくりさせてもらいます」と、明るく振る舞う

お部屋に戻ると座り込み、ひとり落ち込む常子

浄書室
書類を確認している諸橋の前に立っている常子
諸橋(野村麻純)「うん、丁寧なお仕事ありがとう」
常子「はい…」
諸橋「これっぽっちの原稿整理でも時間かけないとできないのね」
常子「すみません…あの…次は何を?」
諸橋「もう結構よ」
常子「でもすぐに終わりますので」
諸橋「いいから休んでらして」
「はい」と、席に戻る常子
2列目右の女(和服)「羨ましいわ、ご休息が頂けて」
2列目左の女(青服)「こっちは猫の手も借りたいほど忙しいのに」
2列目中央の女(水谷)「猫の方が役に立つんじゃない?」と、笑う
諸橋「水谷さん、それは言い過ぎよ」と、一緒になって笑う
水谷「あらごめんなさい」
いじめられている常子に心を痛めている表情の多田(我妻三輪子)
と、ある男性社員が突然ドアを開けて入ってきて常子を指さす「あ~おい君」
常子「私ですか?」
男「先日手形の発行記録をまとめたのは君か?」
常子「はぁ…」
男「俺も頼みたい事があるんだが」
部屋が静まり返る
常子「あ…それはちょっとあの…」
男「どうしてだ?あいつの資料は作れて俺のはできない道理はないだろう?」
女たちの様子も気になり言いよどむ常子「それは…」
男「頼む、時間がないんだ」と、ペコリと頭を下げる
迷った挙句「やります」と、常子
男「来なさい、要領を説明する」
「はい」と、男と常子が出ていくと女たちがざわつく
「聞いた?」
「信じらんない」

男の説明をメモしている常子

総務部
早乙女(真野恵里菜)「やめさせて頂けませんか
小橋さんのために私たちタイピスト全員が迷惑を被っております」
耳かきで耳を掃除しながら山岸(田口浩正)「そう、そんなにひどいの?」
早乙女「秩序を乱されるだけでなく
今まで必死に守ってきた私たちの誇りも小橋さんのせいで台なしです」
山岸「誇りって大げさな」と、バカにしたように笑う
口の端が歪む早乙女「このままでは今までどおり仕事をする事もままなりません
タイピストたちの作業効率も下がり総務部全体の評価も下がり
ひいては山岸課長の評価も下がる事になるかと」
山岸「はぁ…」
早乙女「それだけではありません!正式な手続きを経ず
個人的に業務を依頼するような事が横行すれば社内全体の…」
ドアが開き総務部長佃博文(斉藤洋介)が入ってくる
(男たち一同)「お帰りなさい」
立ち上がった山岸「その件に関しては君に一任するよ、頼んだよ」
と、佃のデスクへ行きおべっかを始める
それを見ている早乙女

下宿でハンカチを手に常子を想う星野(坂口健太郎)

夜、お部屋で今回も仕事を持ち帰り手書きで書類を作っている常子
君子と鞠子が手伝おうとするが「大丈夫」と、常子

翌日、不安な表情で営業部の前まで来るが笑顔を作ってみる常子

部屋に入り「できました」と、男に書類を渡そうとする
振り向きもせず男「うん」
常子「為替相場の資料は取り引きの多い順に並べてあります
それに合わせて輸出品の輸送経路の調査書類も並べてあります
こちらが清書…」
面倒くさそうに男「ああ、もういいから置いといてくれたまえ」
と、手で払うしぐさ
常子「…はい」と、書類を置き「失礼しました」と部屋を出ていく
そんな常子を見ている坂田(斉藤暁)

浄書室に入る常子
早乙女「よろしいですね?」
(一同)「はい」
早乙女「小橋さん、ちょうどよかったわ」
常子「はい」
早乙女「今日付で発表されたタイピストの新しい規律です、ご覧になっておいて」
と、手渡された紙面を読んでみる常子
「浄書室において以下の項目を禁止する
一つ 手書きによる資料の作成
一つ 他部署からの業務依頼を個人的に受けること」
(昭和十二年四月十五日 総務部総務課長山岸隆一 山岸の印)
顔を上げて早乙女を見る常子
諸橋「これでお分かりになったでしょう?
あなたの行為は我々にとって大迷惑であり何の利益も生み出さないの
山岸課長も認めてらっしゃるんだからもう文句は言えないわよね」
早乙女「今後二度と勝手なまねはなさらないで、いいですね?小橋さん」
常子「分かりました」
早乙女「では皆さん仕事に戻って下さい」
(一同)「はい」
常子の方をまばたきしながら見ている多田
と、部屋に男性社員が飛び込んでくる
早乙女の席の前に立った男が書類を突きつける
「おい君、全然違うじゃないか!この原稿どおり打ち込めと頼んだはずだろ?」
早乙女「ええ、確かにそう言われました」
男「じゃあどうして言われたとおりやらない?原稿どおりじゃないじゃないか!」
早乙女「お言葉ですが」と、立ち上がる
「文法がでたらめな文章をそのままタイプした方がよろしかったですか?」
男「あ?」
早乙女「文法だけでなく内容に整合性もありませんでした
そのまま打ち込んでもお客様に伝わらないと思ったので
こちらで修正し打ち込んだ次第です、それがいけなかったですか?
でしたら最初から正しい原稿で依頼して下さい」
男「おい、誰に口利いてる?」
早乙女「それから、我々も名字で呼んで頂けますか?
おい や 君 というのは名前ではありません
男子社員は名字で呼ばれるのに女子社員だけ おい や 君 と呼ばれるのは
おかしいと思います」
男「生意気な事言いおって、もういい君には頼まん」と、部屋を出ていく
早乙女の言動に思うところがあった様子の常子

帰宅してきた常子が森田屋の前で踵を返しどこかへ向かう

青柳商店裏手
職人たちにテキパキと指示を出している滝子(大地真央)を見る常子
一段落した滝子が「さてと…」と、こちらへ向かって来る
常子に気付く滝子「常子」
歩み寄る常子「あの…相談に乗って頂けませんか?」
思いがけないといった感じで笑ってうなずく滝子「ああ…」

(つづく)

冒頭、久しぶりに清の自慢を聞きたかった気もするが…
常子も自慢話を聞かされるぐらいで身構えなくてもいいだろうw
隈井の話では滝子が清に全幅の信頼と意外な感じだが
まあこれは今回ラストの常子が滝子に相談に行く伏線て事かな

心配して玄関に集まった森田屋の面々が口々に「褒められたろう?」
と聞くシーンで常子を背中から撮ってるのは上手い演出だね
常子は浮かない表情をしているはずだけどそれだと絵的に不自然だし
笑顔を作る直前で常子の顔を撮るのがいいタイミングだった

諸橋の「丁寧なお仕事ありがとう」で、諸橋もいいとこあるじゃんて思ったら
次の「時間かけないとできないのね」で、嫌味だったと判ったw
悪役に徹してるね諸橋さん

男が常子に仕事を頼みにきたとき
前の仕事が評価されたのかと思ったら違ったw
しかも手伝った結果の対応まで前回同様酷い
あんなのは現実的にはありえないがドラマの展開上
鳥巣商事の男どもはクズぞろいにする必要があるのだろう

早乙女が必死に訴えてるのに耳かきしてる山岸最低w
部長が戻ったらおべっかしにいくために話を切り上げるし…
早乙女もびっくりしてたね

抗議しにきた男を逆にやっつける早乙女かっこよかった
正論の早乙女に言い返せない男は「もう君には頼まん」(内心涙目かも)
名字の件も回収されたね
やはり女性蔑視問題が理由だった

滝子は常子が相談しに来てくれてちょっと嬉しそうだった
もっと頼ってほしいって宴のときも言ってたもんね












2016年5月31日火曜日

とと姉ちゃん(50)常子に刺さる早乙女の言葉

帰りの遅い常子(高畑充希)を夕食を食べずに待っている森田屋の面々 
やっと帰ってきた常子は「それがまだ…」と、
食事も摂らずに2階へ上がり持ち帰った書類の整理を始める 
常子を心配する一同 
君子(木村多江)たちが2階の常子におにぎりを差し入れる 
おにぎりを食べ「よし」と、さらに頑張る常子 

朝、森田屋玄関 
常子を見送る小橋一家 
鞠子(相楽樹)「とと姉、一睡もしないで大丈夫なの?」 
常子「1日くらい寝なくたって平気平気」 
美子(根岸姫奈)「お仕事間に合いそう?」 
常子「あとはタイプするだけだからなんとか4時までには」 
君子「もうひとふんばりね」 
常子「はい、では行ってきます」と、玄関を出る 
心配そうな3人 

鳥巣商事 タイプ室
タイプライターのセッティングをしている常子
先輩たちが出社してきて挨拶するが無視される常子
早乙女(真野恵里菜)、諸橋(野村麻純)、多田(我妻三輪子)が入ってくる
常子「おはようございます」
早乙女「おはよう」
諸橋「おはよう…」
多田「おはようございます」
常子の机を見る早乙女「小橋さん、一体何を?」
常子「あっ、頼まれた書類を清書しようと」
早乙女「清書するのは勝手ですがタイプライターの使用は許可できません」
常子「なぜですか?」
早乙女「私が使用するからです」
常子「あ…ですがこの書類を今日の4時までに…」
早乙女「それは我々の仕事ではありません」
常子「書類をタイプするのが我々の仕事では…」
早乙女「個人的に依頼された書類の清書は仕事とは言えません
それに会議のための書類整理や準備は男性社員が行うべき仕事
それを私たちにやらせるのは信頼しているからではなく
雑用係だと思っているからです
そのような事を認めていては示しがつきません」
切羽詰まった表情の常子「ですが…」
諸橋「あなたのせいで余計な仕事が増えたらどうするのよ?」
2列目右の女「そうよ、本来の仕事の精度や効率が落ちたら責任取れるの?」
諸橋「そしたら部署の評価にも響くじゃない、迷惑な話だわ、ねえ?多田さん」
多田「ええ…はい…」と、うつむく
常子「ではどうすれば…」
諸橋「そんなものすぐに突き返してらっしゃい、ですわよね?早乙女さん」
早乙女「それは違います」
諸橋「えっ?」
早乙女「一旦引き受けた仕事を途中で投げ出すのはよくありません
あなたの責任において自分でなんとかして下さい
我々の信用が失われますから」
常子「ではタイプライターを…」
早乙女「まだ分からないんですか?
タイプライターは締め切りを抱えた多田さんと私が使うんです
あなたはタイプライターを使用せずになんとかして下さい」
困りきった常子の目が多田に向く
うつむき目を伏せる多田
早乙女「以上でこの件は終わりにします」
常子「ちょっと待って下さい」
もう誰もとりあってはくれない

壁の時計は9時20分

タイプライターが片づけられた机で書類をめくる常子
「どうしたもんじゃろのぉ…」
女のひとりが嫌がらせで常子の書類を床に落とす「あら~失礼」
床の書類を拾う常子に早乙女の言葉が甦る
(いったん引き受けた~投げ出すのは~自分でなんとか)
厳しい顔になる常子「やるしかない…」と、机に戻り万年筆を取る

<タイプライターは使えなくても清書はできる
常子は開き直って手書きで資料の作成を始めたのです>

手書きで清書する常子

星野に算数を教えてもらっている様子の美子
星野(坂口健太郎)「あららら…目の下にクマを…」
美子「はい、で、いつもより早くお仕事に行きました」
星野「常子さん、今日は早く帰れるといいね」
「ですねえ、もうとと姉ちゃんが心配ばかりかけるから気苦労が絶えなくて」
と、首を振る美子に苦笑する星野「ハハッ、そっか」
膳の上のハンカチを見る星野

女学校の廊下を歩く東堂(片桐はいり)と鞠子
東堂「えっ、寝ないでお仕事に?」
鞠子「はい…無事締め切りに間に合えばいいんですが」
東堂「お姉様なら大丈夫でしょう…
彼女ならどんな困難も乗り越えられると思います」
鞠子「その心は?」
東堂「だって手作り歯磨きの時も見事に…」
鞠子「あれは大失敗に終わりましたけど」
東堂「それより受験勉強は順調?」
鞠子「あっ、はい、私なりに…」
鋭く振り向き東堂「あなたならもっともっとできるはずよ」
鞠子「はぁ…」
東堂「今はお姉様の事よりご自分の事を考えなさい」

タイプ室で清書する常子

厨房で心配そうに時計を見ている君子
富江(川栄李奈)に声をかけられハッとなる
照代(平岩紙)「心配なのね常子ちゃん」
君子「ええ…」

時計を気にして常子に振り向く早乙女(時刻は3時55分)
常子「できた」と、書類をまとめて急いでタイプ室を出る

営業部室に入る常子「失礼します!」
依頼された男性社員の所へ行き「お待たせしました、完成です」と報告する
男「えっ?」
常子「昨日頼まれた資料です」
男「ああ…」
常子「タイプはできなかったのですが
読みやすければ資料として使えると思いまして手書きで清書致しました」
男(そっけなく)「はいはい、じゃあそこ置いといて」
その言葉には感謝や労いはなく笑顔のひとつすらない…
何か力を無くしたような表情の常子
男「聞こえなかったのか?用が済んだなら帰りたまえ、仕事の邪魔だ」
書類をそっと机に置く常子にまたも早乙女の言葉が甦る
(それを私たちにやらせるのは信頼しているからではなく
雑用係だと思っているからです)
「失礼しました」と、部屋を出る常子
重い足取りで廊下を歩く

<早乙女の言う事が正しかったのだろうか
常子は自分がどうするべきなのか分からなくなっていました>

(つづく)

なるほどね、前回の「手伝っても意味ないのに」とはこういう事だったのか
タイプ室の女たちはこうなるのが分かっていたから笑っていたんだね
女たちは男性社員への不信感を共有しているのだろう
常子の面接時も山岸(田口浩正)たち男性社員は酷く描かれていた
しかしその事と常子へのイジメは関係あるのだろうか?
常子がまあまあかわいいという理由で採用されたからとか?
それともイジメはただの伝統で
常子が入社するまでは多田が標的だったのだろうか?

早乙女は常子に辛くあたっている印象だが
筋の通った事を言っているというポジションのようだ
有能な早乙女は入社した頃にはいろいろ夢を持っていたのだろう
だが鳥巣商事の男たちと仕事をしていくうちに絶望したのかもしれない
常子の事を気にしているのはかつての自分のようだから?
前々回早乙女が営業室にいた常子を連れ戻したのは
男性社員の仕事を手伝っても結局常子が傷つくだけなのが
わかっていたからかもしれないね


2016年5月30日月曜日

とと姉ちゃん(49)常子と星野の恋~ハンカチとお汁粉

初めて任されたタイプの仕事を終え早乙女(真野恵里菜)に報告する
常子(高畑充希)「早乙女さん、完成しました」と、書類を渡す 
書類を確認しながら早乙女「ご苦労さま、しかしもう必要ありません」 
常子「えっ?どういう事ですか?」  
早乙女「原稿は1時間前に私が仕上げました」 
常子「同じ書類…」 
早乙女「お分かりになりません?なぜあなたに仕事が回ってこないのか…
たかだか2800字の原稿に対して125文字のミスタイプ、所要時間は2時間、
つまり1文字打つのにおよそ2.5秒、
その技術水準のあなたに任せられる仕事はありません」と、書類を突き返す 
屈辱の表情で書類を手にする常子 
諸橋(野村麻純)「タイピストは時間との勝負だってご存知ないのかしら?」 
その後ろの女「迷惑な新人ね、ゼロから教えなくちゃいけないのかしら」 
笑う女たち 
常子「最初からそのつもりだったんですか?私の力を見るために」 
早乙女「仕事がないからといって方々に首を突っ込み勝手な事をされては迷惑です
小橋さんにはタイプではなくお手伝いから始めて頂きます
諸橋さん、多田さん、よろしくね」 
諸橋「はい」 多田(我妻三輪子)「はい」 
早乙女「まずは皆さんのおっしゃる事をよく聞いて勉強して下さい」 
立ちつくす常子 
早乙女「戻って結構ですよ」 
諸橋「早速だけどこの書類を仕分けて営業部のタナハシさんに届けて頂ける?
4時半締め切りだから急いでちょうだい」と、用を言いつけられる常子

星野の下宿
ハンカチを見て常子を思い出し軽くため息をつく星野(坂口健太郎)

常子たちのお部屋
ちゃぶ台に頬杖をつきため息をつく常子
美子(根岸姫奈)「またため息ついた」
常子「ん?」
美子「そんなにお仕事大変なの?」
常子「ううんううん全然全然」と、顔の前で手を振り笑う
鞠子(相楽樹)「何があったか分からないけど
おうちにいる時は仕事の事忘れてゆっくり休んでよ」
「ありがとう」と答えるが、階下からの話し声の「パイプ」や「財布」が
「タイプ」と聞こえてしまい、相当悩んでいる様子の常子
鞠子と美子に労わられていると君子(木村多江)がやって来て
「常子、星野さんがいらしてるわよ」
常子「えっ?」
鞠子と美子が顔を見合わせてニンマリする
常子が玄関を出るが星野の姿はない
「あれ?」と、見やると少し先の電柱の影に星野の姿
近づいて「星野さん」と声をかけると
星野「あっあっ…ああ…どうも」と、驚いたように振り向く
(少し離れた玄関から美子と鞠子が顔を覗かせる)
常子「どうも、なぜそんな遠い所に?」
星野「いや…何だかお会いするのが急に照れくさくなって」
常子「照れくさいって何度もお会いしてるじゃないですか」
星野「はい…なぜでしょうね」
常子「はぁ…」
星野「あっ…今日はお借りしたハンケチを返しに、ありがとうございました」
と、ポケットからハンカチを取り出し常子に渡す
常子「わざわざありがとうございます」
星野「いえ…」
と、いつのまにか真横まで来てニコニコして立ち聞きしている
鞠子と美子に気付いて笑ってしまう常子「ちょっと、早く戻りなさい」
美子「え~」
常子「え~じゃない、はい戻りなさい」と、2人を玄関まで押しやる
美子「いいじゃん、少しだけ…」と、ニタニタして冷やかし気味の2人

店屋に入る常子と星野
常子「すみません、小すずめたちがうるさいので」
星野「いえ、僕はどこでも」
店員が注文を取りに来る

壁に貼られた品書き 
お汁粉二十二銭 ぜんざい二十四銭 
あんみつ十六銭 みつ豆十七銭 わらび餅十七銭 
(春限定の味)櫻あんみつ二十銭 よもぎ白玉あんみつ二十三銭

常子「何にしようかな…」
星野「お汁粉で」
店員「いや~春らしいもんだったらね…」
星野「お汁粉で」
店員「…ん?」と、うなずく
常子「お汁粉で」
店員「はいよ」と去る
星野「好きなんですお汁粉」
常子「あ~そうなんですか…
あっ、研究の方はいかがです?」
星野「それがここ数日手につかなくて…」
常子「へえ~星野さんが集中できないなんて珍しいですね
具合でも悪いんですか?」
星野「いや、そういう訳では…」
常子「そういえばお顔が少し赤いかも…熱でもあるんじゃ…」
と、立ち上がり星野の額に右手を当てる
至近距離で常子を見る星野「あっ!」とのけぞってお茶をズボンにこぼす
常子に渡されたハンカチでそれを拭くのだが
「あ~っ!お返ししたハンケチにまた…」
常子「アハハ、気になさらないで下さい」
星野「いえ、いけません、ここにしっかりと染みが付着している
紛れもなく僕のつけた染みです、もう一度洗い直してきます」
星野を見て苦笑するような常子
「少し気が張ってたんですけど星野さんにお会いしたら楽になりました、フフフ」
星野「あ…それは何より」と笑う

タイプ室
「書類の整理できました」と、多田に報告する常子
多田「ありがとう、ごめんなさいね」
常子「いえ、他に何かお手伝いする事ありますか?」
多田「ううん、大丈夫」
常子「はい」と、立ち上がり
諸橋の前まで行き「多田さんのお手伝い終わりました」
諸橋「だから何?」
常子「他に何かお手伝いできる事…」
諸橋「見て分からない?今あなたの相手をしている暇はないの」
常子「何かありましたらお申しつけ下さい」と、歩き出し他の女にぶつかる
女「ちょっと邪魔!」
常子「すみません」
また別の女「もうそんな所に立たないでよ、陰になって見えないでしょ」
常子「すみません」
諸橋「仕事できないんだからせめて
私たちの邪魔になるような事はしないでちょうだい」
常子「すみません」
と、部屋に男性社員が入ってくる
「誰か手ぇ空いてる者はいないか?ちょっと手伝ってくれ」
返事する者はいない 女たちを見渡す常子
男「誰かいないか?」
早乙女が立ち上がり
「申し訳ありません、私たち今手いっぱいでして」と言って座る
男「そうか…困ったなあ」
右手を上げる常子「私、空いております」
振り向いて常子を見る女たち
男「お~そうか、書類の整理をやってくれ」
「はい、私でよければ」と、男について急いで部屋を出ていく常子
それを見た女たちのヒソヒソ声…

営業部
常子「これ…全部ですか?」
男「そうだ、明日の会議で使う手形の発行記録、
輸出物品検査表、取引物品計算書、それから物品引き渡し表を抜き出して
それぞれまとめてくれ、ついでに机の整頓も頼む
それからこっちはきれいに清書してくれ」
常子「これはいつまでに?」
男「明日の4時だ、時間厳守で頼むよ、では」と、行ってしまう
机にうず高く積まれた書類の山を前に常子「どうしたもんじゃろのぉ…」

<悩んでいる時間はありませんでした
常子が受けた依頼は会議用の書類整理と清書、そして机の整頓
まず机の整頓をして必要な書類を抜き出そうと考えました>

机の書類を整理する常子(早送り)

壁の時計は定刻の5時

机の整頓は終わった様子の常子「できたぁ…」

<整理すべき資料は大量でした
しかも入社したばかりの常子にとっては見慣れない書類ばかりです>

定刻で退社するタイピストたち
「小橋さんいつまでやってるつもりなのかしら」
それを聞いて少し気になるような表情の早乙女
諸橋「頼られたからやらなきゃなんて思ってるんじゃない?」
多田「そうですね、彼女責任感は強そうですから」
諸橋「え?」
女たちが多田を見る
多田「いえ…」
早乙女「お先に失礼します」
(一同)「さようなら」
諸橋「本当困った新人よね」
女「手伝っても意味ないのに」
女たちの笑い声

書類を1枚ずつ確認して仕分けている常子

<退社時間を過ぎても書類整理は終わりそうにありません>

年配の男が常子の肩をたたく
振り向く常子「あの…何か?」
給仕・坂田徳之介(斉藤暁)「手、出してごらん」
常子が「手?」と、右手を出すとキャラメルが置かれる
常子「キャラメル?」
坂田「頑張る人にご褒美」と、囁いて笑う
キャラメルを頬張り笑顔になる常子「よし!」と、仕事に戻る

(つづく)

早乙女すげえ
常子の書類を見て短い時間で125文字のミスタイプを指摘
もはや人間業とは思えないw
それと早乙女のタイプも和文だったんだね
前2列はぜんぶ英文だと思ってた…失礼しました

前回のハンカチですっかり常子を意識するようになった星野だが
思えば浜松の茂雄も常子に怪我の手当てをされてのぼせちゃったんだよね
常子に男からの好意に対しての自覚が無いようなのも同じ
しかし鞠子と美子にあれだけ冷やかされてるのだから
(鞠子と美子はいくらなんでも近づき過ぎだろw)
気付かない訳ないはずだ
気付かないふりをするのが女性の嗜みというものなのだろうか?
店屋に入ってからも「具合でも悪いんですか?」と、すっ呆けてる
もしかして常子って超鈍感の超恋愛音痴設定?

そうそう、あの店屋は甘味屋なんだね
メニューにお汁粉とぜんざいがあって、あれ?って思ったんだけど
関東では汁気の有無、関西では使う餡の違いで区別されるそうだ
お汁粉は汁気がある方とのこと

星野のお汁粉好きがやたら強調されてたけど何かの伏線になるのだろう
もっと先で常子がお汁粉を見て星野を思い出すとかの…
ハンカチとお汁粉は2人の恋愛アイテムになったね

営業部の仕事を手伝う常子の事を「手伝っても意味ないのに」と
タイピストの誰かが言ってたがどういう意味だろう?
部は違っても同じ会社で同じ目的のために働く社員なのだから
無意味ではないと思うのだが…
もしかしてタイピストは歩合給でタイプした分しか報酬を貰えないとか?

公式の登場人物に鳥巣商事のキャラの紹介がないね
もしかしたら鳥巣商事編は短くてすぐに終わってしまうのかな?