退職して去っていく諸橋(野村麻純)の後ろ姿を見ている早乙女(真野恵里菜)
課長の山岸(田口浩正)がやって来て声をかける
「おいおい何やってんだ?片づけは済んだのか?」と、浄書室に入る
山岸「あ~早乙女君、諸橋君は今日付けで辞めてもらったよ
諸橋君に振ってた仕事はみんなで手分けして頼むよ…
本来なら職場の規律を乱したんだ懲戒解雇にしてもおかしくないんだけどね
そこはね僕の優しさで辞表を書いてもらったんだよ」
早乙女「お相手の奥寺さんはどうなるんです?何のおとがめもなしですか?」
山岸「どうもなる訳ないだろう、諸橋君が辞めてくれたら丸く収まるんだよ
戦争でとられて人手が不足してんだ
こっちから男の社員を辞めさせる会社がどこにあるっていうんだよ」
(タイピストたちが口々に)「ひどい…」
早乙女も眉をそびやかす
山岸「何だぁ?不満があるのかぁ!
どうした?不満があるんなら言ってもかまわないんだよ」
常子(高畑充希)が前に出ようとするが
早乙女「では言わせていただきます
諸橋さんだけが責任を取り辞表を出すというのは解せません」
山岸「解せない?
職業婦人だとか言われておだてられて図にのってんじゃねえか?君たちは」
早乙女「私はただ
責任は双方にあるのではないかという事を言いたいだけです」
山岸「書類を清書するだけのタイピストなんて掃いて捨てるほどいるんだ
何を考えているんだか…
女の本分はお国のために子を産み増やす事だ!
それを忘れるんじゃないよ」
タイトル、主題歌イン
ナラザワ洋裁店の看板
裁縫している老いた職人の技を見ている美子(杉咲花)「すごい…」
隣には滝子(大地真央)も立っている
職人(おそらくナラザワ)「お嬢さん、縫い物好きなのかい?」
笑顔の美子「はい、仕上がりを考えながら作っていくのが楽しくて」
ナラザラ「ほう…そうかい」
滝子「久しぶりだね、美子のそんな顔見るの
連れてきて正解だったみたいだね」
美子「ありがとうございます」と、滝子に頭を下げる
滝子「礼を言うなら私じゃなくてご主人に言っとくれ
無理言って仕事場に入れてもらったんだ」
美子「ありがとうございます」
笑うナラザワ「滝子さんの頼みじゃ断れる訳がないよ」
滝子「まあ、アハハハハ!
たまに遊びによこしてもかまわないかい?」
ナラザワ(美子に)「いつでもおいで
あっ、そうだ一人で手が回んない時は手伝ってもらうかな」
目を輝かせる美子「本当ですか?ありがとうございます!」
(富江の部屋かもしれない)
鞠子(相楽樹)「洋裁店?」
美子「し~っ!」と、人差し指を口にあてる
鞠子の隣には富江(川栄李奈)も座っている
鞠子「ごめんごめん」
美子「働く訳じゃないの、簡単なお手伝いをさせてもらうだけ」
富江「お駄賃頂けるんでしょ?」
美子「少しだけよ」
富江「よかったわね、大好きな縫い物でお金が頂けるなんて」
笑顔の美子「ええ」
鞠子「帰ってきたらとと姉に報告しないと」
顔が曇る美子「言わなきゃ駄目?」
鞠子「当たり前じゃない、内緒でやるつもりだったの?」
美子「だって口利きたくないし」と、うつむいてしまう
鞠子「同じ部屋で暮らしてるのに
いつまでもけんかしてる訳にはいかないでしょ
元はと言えば勉強会だってうそついたよっちゃんが悪いんだし」
「ただいま帰りました!」と、常子の声が聞こえる
鞠子「ちゃんと話すのよ」
美子「分かった…」
戸を開けて美子「お帰りなさい」
振り向く常子「あっ、ただいま」
美子「遅かったわね」
常子「一人急きょ辞めちゃってね、仕事が増えちゃったの」と、行こうとする
美子「あっ、とと姉ちゃん…」
部屋から顔を覗かせる常子「うん?あっ、ごめん
資料整理が残ってるから後にしてもらっていい?」と、戸を閉める
少し眉をひそめた美子が部屋に戻り戸をぴしゃりと閉める
鞠子と富江「…」
荒々しくせんべいをかじる美子
資料整理をする常子
壁に掛かった家訓の書かれた額縁
そのまま朝になり、机に突っ伏して眠る常子には毛布がかけられている
常子が目を覚ますと家族が部屋に戻ってくる
君子(木村多江)「常子、起きたの?
朝ごはん早く食べてきちゃいなさい」
常子「朝ごはん?えっ、もうみんな食べたの?」
鞠子「もう食べたよ」
常子「どうして起こしてくれなかったの?」
君子「起こしたけど起きなかったんでしょ」
常子「気付かなかった…」
鞠子と美子は仏壇に手を合わせている
「よいしょ…」と、立ち上がる常子
常子に背を向けたままで美子「とと姉ちゃんだって同じじゃない」
まだ寝ぼけてる目で常子が振り向く「うん?」
美子「偉っそうに家訓は守れって言うくせに自分だって守ってないじゃない」
鞠子が美子を見る
君子「美子?」
常子「しかたないでしょ、お仕事終わらなかったんだから」
美子「へえ~仕事なら破ってもいいの?都合いいのね仕事って」
常子「なんて事言うのよ、私が誰のために働いてると思って…」
振り向いて常子を見る美子「もう!そういうのが息苦しいの!」
と、立ち上がり「いつも家族のため家族のためって言うけど
それを言われる身にもなってよ!
私はもっと自由にやりたいの!とと姉ちゃんだってさ…」
常子と美子の間に入った君子が美子の頬を平手で打つ
「いい加減になさい!常子の気持ちも考えないで勝手な事を…」
頬を押さえる美子「私だけじゃないよ…」と、泣き出しながら
「まり姉だって言ってるもん」と部屋を出ていく
美子が閉めた戸の方をしばらく見ている君子
常子が鞠子を見る「そうなの?」
下を向く鞠子(独り言みたいに)「もう…そういうのは言わないあれでしょ…」
常子「鞠ちゃんもそう思ってたの?」
鞠子「まあ…そう思う時があるのは確かだけど…」
力なく鞠子を見下ろしている常子
立ち上がり説明する鞠子「ああいう言い方してたけど
よっちゃん、とと姉の事いつも思ってるのよ
とと姉、いつだって私たちのためにお給金も時間も使うじゃない?
それをあの子、とと姉が無理してるんじゃないかって心配してて…
私たちの事じゃなく、とと姉が本当にしたいようにしてほしいって」
考えさせられたような顔の常子
叩かれた頬を押さえ登校していく美子
浄書室
元気なくタイプを打つ常子の手が止まる
<家族の幸せとは…
常子はどうしたらいいかわからなくなってしまいました>
迷った時には自然と足が向くのだろうか
星野(坂口健太郎)の下宿の前に来ている常子
星野は家の前で何やら桶を抱えて息を吹きかけている
それを黙って見ている常子
星野が振り向く「あ~こんにちは!」
笑顔を作る常子「こんにちは!」と、歩み寄る
星野「お仕事の帰りですか?」
常子「はい、何されてるんですか?」
星野「ああ…この時期の水は冷たすぎるので
植物にはあまりよくないんです
だからこうして少しでも温めてから水をやろうと ハッ…ハッ…」
常子「えっ?」
星野「ハクション!」と、くしゃみをして桶の水があふれて服にかかる
常子「あっ、大丈夫ですか?」と、ハンカチでそれを拭く
星野の部屋
星野「常子さん、実は…」
常子「はい」
(沈黙)
星野「桜はバラ科の植物なんです」
常子「はい…」
星野「桜はサクラ科ではなく
バラ科モモ亜科スモモ属の落葉樹の総称なんです
ちなみにバラはバラ科バラ属で…」
常子「あああ、あの…あの…」
(少しの間)
星野「実は…今度大阪に行く事になりました」
常子「大阪ですか?」
星野「はい、大阪帝国大学に僕が敬愛する五十嵐教授が
いらっしゃるのですが、その方が僕の研究を買って下さって」
パッと明るい顔になる常子「すごいじゃないですか
おめでとうございます!」
星野「ええ…」
常子「で…いつ行かれるんですか?」
星野「すぐにでも来てほしいと」
常子「へえ~大阪かあ
大坂の面白いお話たくさん聞かせて下さいね」と、笑い
「で…いつ戻っていらっしゃるんです?」
うつむいて小さく首を振る星野「戻りません」
少し口を開いたまま、時が止まったような常子の顔
星野「五十嵐教授の研究室に勤める事になったんです…
だから…もう東京には…」
目を見開いたまま言葉がなかなか出てこない常子
「あ…すいません…突然の事…で驚いてしまって…」
星野「僕の方こそずっと常子さんには言わねばと思っていたのに
遅くなってしまい…」
常子「すぐにとおっしゃってましたが大阪にはいつごろ?」
星野「来月の半ばには引っ越しを」
「来月…」と、瞬きが多くなる常子
「そうですか…あまり時間はありませんね」と、努めて明るい声を出す
「宗吉さんや皆さんにもお伝えして送別会を開いてもらわないと…
みんなさみしがるだろうなあ」と、体を前後左右に揺らす
常子に茶を出す星野「常子さんは?」
目に少し涙を湛えた常子「私は…」
星野「僕はさみしくない!」
少し驚いたような常子
うつむく星野「そう…思うように…自分に言い聞かせたのですが…」
常子を見て「耐えられそうにありません」
涙が溢れそうな常子
居住まいを正す星野「常子さん、僕と…結婚して下さいませんか?」
驚いて口が開きかけるがなかなか声が出てこない常子「結…婚…」
(つづく)
オープニングはちょっとコミカルなシーンがあって
タイトルインするのが普通だけど今回は最悪のシーンだったね
山岸がダミ声で早乙女たちを恫喝して女性蔑視発言からのタイトルイン
入社試験の面接時からずっと鳥巣商事はこんな感じだが
このテーマを深く掘り下げるという事ではなくて
あくまでも「この時代」を写した描写という事なのかなあ?
山岸のクズっぷりは楽しみに見てたけど今回のはさすがに笑えない
鞠子美子富江の珍しい3ショットのシーン
今回、森田屋の面々では唯一登場の富江が
不自然という訳ではないのだが
(むしろ姉妹と富江の交流が描かれてていい感じ)
本日のスタジオパークのゲストが川栄李奈だという事を考えると
もしかしたら当初脚本では鞠子と美子の2人のシーンだったかな?
と、勘ぐってしまう…
(35話の照代のシーンは超不自然だったw)
君子は最悪のタイミングで美子を叩いちゃったね
「とと姉ちゃんだってさ…」と、これから常子の幸せについて語るところ
だったのに…
まあ脚本的にはそれを冷静な鞠子に代弁させる事で
常子の心にもより素直に染みるという事なんだろうか?
君子が娘を激しく叱るなんて珍しいね
自分の記憶では2話で子役鞠子を叱りつけて以来だ
下宿前のシーン
星野に挨拶する常子は口元から笑顔を作っている
人間は自然に笑顔になる時は目元からそうなるものだ
細かいところだがちゃんと使い分けてるんだなあと思った
星野のノートにあった「伝える」事とは大阪行きの事だったんだね
常子を想う気持ちを伝えるんだと思ってたw
まあ結局気持ちも伝えて(耐えられそうにありません)
プロポーズもしたのだが…
常子の返事というか結末はなんとなくわかるよね
常子はとと姉ちゃんだから…(美子の願いとは逆になるが)
桜は種類によって花言葉もいろいろあるようだが
「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡泊」等とのこと
フランスの桜の花言葉「私を忘れないで」というのもあるようだ
バラの花言葉も色によっていろいろあるようだが
全般的に「愛」「美」とのこと
2016年6月8日水曜日
2016年6月7日火曜日
とと姉ちゃん(56)常子と美子の大ゲンカ~タイプ室の修羅場
寺で鞠子と美子を待っている常子(高畑充希)と君子(木村多江)
「くし?」
常子「ええ、よっちゃんが歯が欠けたお古のくしを使ってて
髪通りが悪そうなので新しいのを買ってあげようと思って…
あっ、あと鞠ちゃんが使ってる万年筆も
ペン先がゆがんじゃってて使いづらそうだから買ってあげようって」
君子「アハハハ」
寒そうに腕時計(2:30)を見る常子「…にしても遅い!」
君子「まあまあそのうち来るわよ」
「とと姉かか!ごめんごめんごめんごめん!」
と、傘を差した鞠子(相楽樹)が走ってやって来る
常子「鞠ちゃん遅い~」
鞠子「ごめんね!…よっちゃんは?」
君子「まだなのよ…お勉強会、長引いてるのかしら」
「ねえどこか風の当たらない所行かない?」と、寒そうにする鞠子
常子「でもここで待ち合わせしたから」
鞠子「風邪ひいちゃうよ」
常子「だけどはぐれたらよっちゃんかわいそうだし…」
タイトル、主題歌イン
青柳の家で滝子(大地真央)たちとお仕着せの縫い物をする美子(杉咲花)
置時計の針は3時を少し過ぎている
寺で寒そうに美子を待つ3人
常子「あ~あ~」
出来上がった着物を着て喜んでいる小僧たち
滝子「美子、ありがとうね、恩に着るよ」
美子「いえ」と、首を振り「あ…それじゃ失礼します」と慌てて青柳の家を出る
森田屋居間
帳簿を見てため息をつくまつ(秋野暢子)
「しかし…今年の売り上げはひどいもんだねえ」
照代(平岩紙)「おせちの注文も例年の半分でしたもんねえ」
宗吉(ピエール瀧)「大体よ、白米が買えなくなって
弁当屋がやってられっかってんだよ
玄米でかさ増しなんて…」
まつ「文句言ったってしかたないだろ
しばらくはふんばるしかないよ
ぜいたくは禁止、分かってんのかい?」と、宗吉の酒瓶を指で弾く
宗吉「分かったよ…」
長谷川(浜野謙太)「常子たちは今頃、美術展で楽しんでんだろうなあ」
富江(川栄李奈)「おいしいごちそうも食べるんだろうなあ」
宗吉「話には聞いてたけどよ、タイピストってやつは実入りがいいんだなあ
下手したら今のうちよりもうけてんじゃねえか?」
うらやましそうに2階を見上げる一同
「ブルブルブルブル…」と、首を激しく振ったまつ
「やめな、そんなみっともない事言うんじゃないよ」
宗吉「まあ…そうだな」
と、「ただいま帰りました!」と常子たちが戻ってくる
慌てた様子の常子「美子帰ってませんか?」
照代「一緒じゃなかったの?」
常子「来なかったんです」
(一同)「えっ?」
常子「私たちずっと待ってたんですけどいつまでたっても現れなくて」
鞠子「お友達の家での勉強会だって言ってたから行ってみたんですけど…」
長谷川「いなかったっていうのか」
鞠子「そもそも勉強会なんかやってないって」
(一同)「えっ?」
常子が「もう一度捜してきます」と、出ていき
宗吉が「俺たちも捜そう」と、表に出る
表はもう暗くなっている
一同が手分けして散らばろうとすると美子が走って戻ってくる
常子「美子」
息切れしている美子(ハアハア)「帰ってたのね(ハアハア)
お寺も百貨店も行ったらいなかったから」(ハアハア)
君子「あなたを探しに帰ってきたのよ、どこに行ってたの?」
鞠子「勉強会うそなんでしょ?」
美子「ごめんなさい…おばあ様のところで
小僧さんたちのお仕着せ縫ってました」
常子「どうしてうそをついたの?」
美子「言ったらとと姉ちゃん行くなって言うと思ったから…
いつも勉強しろって…」
常子「だからって…私たちずっと待ってたのよ」
美子「ごめんなさい…だけど終わらなかったんだもん
お駄賃頂くんだからちゃんとやらなきゃって」
常子「お駄賃のために家訓破ったの?
そんなにお駄賃が欲しいの?
おやつ買うとか無駄遣いしかしないのに」
常子を見ていた美子が視線を切り「もういい」と、家に入ろうとする
美子の腕を掴む常子「よくない、待ちなさい
家訓破っといていい訳ないでしょ」
美子「そんなに家訓って大事なの?
どうしても守らなきゃいけない事?」
常子「当たり前でしょ」
美子「どうして?ほかの家に家訓なんかないわ
うちだけおかしいわよ!家訓なんてやめればいいのに!」
動揺する常子(少し泣きそう)「何言ってるの?
家訓はととがずっと大切にしてきた事なのよ
私ととと約束したもの、ととの代わりに2人の事守るって、だから…」
美子「約束したのはとと姉ちゃんでしょ!
私は約束なんかしてないもん!」
君子の表情 鞠子の横顔
美子「私小さかったからととの事もう思い出せないの
だからととがって言われてもはっきり言ってピンと来ない
それに、もしととが生きてたとしても今でも家訓を続けてると思う?
あのころとうちの状況も違うし私ももう子どもじゃないんだから…」
常子「いい加減にしなさい!
家訓をやめるなんて絶対に認めませんからね」
「まあまあ常子…美子が無事だったんだからいいんじゃないの」
と、まつがとりなす
照代「さあ、寒いから中に入って」
物干しでひとり、怒りを鎮めようとしているような常子
君子が来て声をかける「常子…怖い顔して…」
常子「美子はずっと思ってたんでしょうか…ととの事あんなふうに…」
君子「しかたないわよ
ととが亡くなった時、美子はまだ5歳だったんだもの」
常子「それでも許せないんです
自分勝手に家族振り回して家訓までいらないなんて…」
階段に並んで座る鞠子と美子
鞠子「何であんな事…」
美子「だって…」
鞠子「よっちゃんの気持ちも分かるけど
そもそもうそをついたのが悪いんでしょ?
あんな言い方をして私も悲しかったわ
あれじゃあとと姉が怒るのも無理ないわよ
少し言い過ぎなんじゃない?」
美子「だって本当の事だもん」
昭和十五年正月
居間で新年の挨拶をしている森田屋と小橋家一同
<年が明けても常子と美子の間には溝ができたままでした
2人とも口を利く事も目を合わせる事もありません>
甘味屋
星野(坂口健太郎)「そうですか、美子さんがそんな事を…」
常子「悲しかったです
父が大切にしていた家訓なのにあんな言い方…
あ…すみません…新年早々お故郷から戻られたばかりで
こんな愚痴ばかり聞きたくないですよね」
星野「いえ、そんな事は…
僕を作物だと思って下さい」
常子「作物?」
星野「ええ、肥料をやるつもりで
どんどん言いたい事はおっしゃって下さい」
可笑しくて吹き出してしまう常子
お部屋でひとり編み物をしている美子が
壁に掛けられた額縁の家訓を見ている
鳥巣商事の廊下
多田(我妻三輪子)「じゃあ妹さんとはずっと口を利いてないの?」
常子「はい、あの子も意地っ張りで」
多田「あ~」
常子「でも昨日、星野さんとお話ししたらすっきりしました
不思議なんですよね、あの方とお話ししていると
悩んでる事がどうでもよくなってきてしまって
妹ともう一度、話してみようかなあって」
多田「やっぱり、小橋さんの恋のお相手は日曜日の殿方なのね」
常子「違います!星野さんとはそういう関係では…」
と、和服の女(青木さやか)が2人に声をかける
「あの…お尋ねしたいんですが
タイピストがいる浄書室はどちらかしら?」
常子が場所を教えて女が部屋へ入る
席を立つ早乙女(真野恵里菜)「何か御用でしょうか?」
女「諸橋道子さんという方はどなた?」
「私ですが」と、諸橋(野村麻純)が立ち上がる
諸橋を睨みつけた女が「この泥棒猫!」
と、道子の髪を掴んで引っ張りまわす
タイプ室に悲鳴が響く
早乙女「奥様落ち着いて下さい!ここは厳粛な仕事場です!」
部屋に入ってくる常子と多田
早乙女に抱えられ引き離されたた女(諸橋を見て)
「人の亭主寝取るのが厳粛な仕事場でやる事なの?
私は営業課の奥寺の妻です
この女が私の亭主寝取ったのよ!」
あまりの修羅場に驚いた表情の常子
課長の山岸(田口浩正)がやって来て再び暴れはじめた女を引き離す
書類が散らばった部屋を片付けているタイピストたち
「怪しいと思ったのよね諸橋さんと奥寺さん」
「私も、前に一度給湯室で仲よさそうに話してたの見た事あるもの」
「そういえば安藤さんとも仲よさそうにしてたわ」
「まあ諸橋さんならありえそうだわ」
早乙女「仕事中です!口ではなく手を動かしなさい」
(一同)「はい…」
ドアが開き諸橋が入ってくる
早乙女「諸橋さん、課長は何と?」
諸橋「今日付けで退社する事になりました」
息をのむ早乙女
諸橋「長い間お世話になりました」と、頭を下げる
常子「本当にそれでいいんですか?
今日付けで退社だなんてそんな急に…
私が課長に言って…」
早乙女「あなたもクビになるつもり?」
部屋を出ていく諸橋
早乙女「私たちの代わりはいくらでもいるの
会社は私たちをクビにする事なんて何とも思ってないのよ」
寂しそうな表情の常子
(つづく)
ああ、美子の櫛と鞠子の万年筆は常子がお出掛け先を百貨店にした
理由だったんだね
昨日のレビューは深読みし過ぎてたw
常子はあんなに妹の事を思ってるのに今回の展開は可哀想だった
すき焼きエピソードで森田屋の面々が
2階をうらやましそうに見るシーンがあって
自分はただのお笑いエピだと思って省略したんだけど
今回も似たようなのがあった
何か今後の展開の伏線だろうか?
大ゲンカのシーンは常子がお駄賃欲しいから?
無駄遣いしかしないのにって言って美子がキレちゃったね
美子は青柳の小僧たちと交流があるし
滝子が自分の着物をお仕着せのために出したのも知ってるし
清の話を聞いてお仕着せのために自分も何かしたいと思ったのに
常子にあんなふうに言われて悲しかったんだろうね
常子は自身のアイデンティティと言ってもいい
竹蔵との約束や、そのために守ろうとしている家訓を否定されて
ショックだったんだろう…
それにしてもケンカ長すぎるだろw
あの狭い部屋でギスギスしてたら君子と鞠子も大変だろうなあ…
多田の「あ~」は、常子が入社直後に主張を通して早乙女たちと
やりあっていた頃の事なんだろうね(常子も確かに意地っ張り)
諸橋の、前回の恋だって山ほどする…はこういう事だったのかw
でも不倫はまずいよねえ
結束は固そうに見えていたタイピストたちだが
早速諸橋は陰口たたかれてたw
まあ女の世界では不倫は絶対悪なのかもしれない
「くし?」
常子「ええ、よっちゃんが歯が欠けたお古のくしを使ってて
髪通りが悪そうなので新しいのを買ってあげようと思って…
あっ、あと鞠ちゃんが使ってる万年筆も
ペン先がゆがんじゃってて使いづらそうだから買ってあげようって」
君子「アハハハ」
寒そうに腕時計(2:30)を見る常子「…にしても遅い!」
君子「まあまあそのうち来るわよ」
「とと姉かか!ごめんごめんごめんごめん!」
と、傘を差した鞠子(相楽樹)が走ってやって来る
常子「鞠ちゃん遅い~」
鞠子「ごめんね!…よっちゃんは?」
君子「まだなのよ…お勉強会、長引いてるのかしら」
「ねえどこか風の当たらない所行かない?」と、寒そうにする鞠子
常子「でもここで待ち合わせしたから」
鞠子「風邪ひいちゃうよ」
常子「だけどはぐれたらよっちゃんかわいそうだし…」
タイトル、主題歌イン
青柳の家で滝子(大地真央)たちとお仕着せの縫い物をする美子(杉咲花)
置時計の針は3時を少し過ぎている
寺で寒そうに美子を待つ3人
常子「あ~あ~」
出来上がった着物を着て喜んでいる小僧たち
滝子「美子、ありがとうね、恩に着るよ」
美子「いえ」と、首を振り「あ…それじゃ失礼します」と慌てて青柳の家を出る
森田屋居間
帳簿を見てため息をつくまつ(秋野暢子)
「しかし…今年の売り上げはひどいもんだねえ」
照代(平岩紙)「おせちの注文も例年の半分でしたもんねえ」
宗吉(ピエール瀧)「大体よ、白米が買えなくなって
弁当屋がやってられっかってんだよ
玄米でかさ増しなんて…」
まつ「文句言ったってしかたないだろ
しばらくはふんばるしかないよ
ぜいたくは禁止、分かってんのかい?」と、宗吉の酒瓶を指で弾く
宗吉「分かったよ…」
長谷川(浜野謙太)「常子たちは今頃、美術展で楽しんでんだろうなあ」
富江(川栄李奈)「おいしいごちそうも食べるんだろうなあ」
宗吉「話には聞いてたけどよ、タイピストってやつは実入りがいいんだなあ
下手したら今のうちよりもうけてんじゃねえか?」
うらやましそうに2階を見上げる一同
「ブルブルブルブル…」と、首を激しく振ったまつ
「やめな、そんなみっともない事言うんじゃないよ」
宗吉「まあ…そうだな」
と、「ただいま帰りました!」と常子たちが戻ってくる
慌てた様子の常子「美子帰ってませんか?」
照代「一緒じゃなかったの?」
常子「来なかったんです」
(一同)「えっ?」
常子「私たちずっと待ってたんですけどいつまでたっても現れなくて」
鞠子「お友達の家での勉強会だって言ってたから行ってみたんですけど…」
長谷川「いなかったっていうのか」
鞠子「そもそも勉強会なんかやってないって」
(一同)「えっ?」
常子が「もう一度捜してきます」と、出ていき
宗吉が「俺たちも捜そう」と、表に出る
表はもう暗くなっている
一同が手分けして散らばろうとすると美子が走って戻ってくる
常子「美子」
息切れしている美子(ハアハア)「帰ってたのね(ハアハア)
お寺も百貨店も行ったらいなかったから」(ハアハア)
君子「あなたを探しに帰ってきたのよ、どこに行ってたの?」
鞠子「勉強会うそなんでしょ?」
美子「ごめんなさい…おばあ様のところで
小僧さんたちのお仕着せ縫ってました」
常子「どうしてうそをついたの?」
美子「言ったらとと姉ちゃん行くなって言うと思ったから…
いつも勉強しろって…」
常子「だからって…私たちずっと待ってたのよ」
美子「ごめんなさい…だけど終わらなかったんだもん
お駄賃頂くんだからちゃんとやらなきゃって」
常子「お駄賃のために家訓破ったの?
そんなにお駄賃が欲しいの?
おやつ買うとか無駄遣いしかしないのに」
常子を見ていた美子が視線を切り「もういい」と、家に入ろうとする
美子の腕を掴む常子「よくない、待ちなさい
家訓破っといていい訳ないでしょ」
美子「そんなに家訓って大事なの?
どうしても守らなきゃいけない事?」
常子「当たり前でしょ」
美子「どうして?ほかの家に家訓なんかないわ
うちだけおかしいわよ!家訓なんてやめればいいのに!」
動揺する常子(少し泣きそう)「何言ってるの?
家訓はととがずっと大切にしてきた事なのよ
私ととと約束したもの、ととの代わりに2人の事守るって、だから…」
美子「約束したのはとと姉ちゃんでしょ!
私は約束なんかしてないもん!」
君子の表情 鞠子の横顔
美子「私小さかったからととの事もう思い出せないの
だからととがって言われてもはっきり言ってピンと来ない
それに、もしととが生きてたとしても今でも家訓を続けてると思う?
あのころとうちの状況も違うし私ももう子どもじゃないんだから…」
常子「いい加減にしなさい!
家訓をやめるなんて絶対に認めませんからね」
「まあまあ常子…美子が無事だったんだからいいんじゃないの」
と、まつがとりなす
照代「さあ、寒いから中に入って」
物干しでひとり、怒りを鎮めようとしているような常子
君子が来て声をかける「常子…怖い顔して…」
常子「美子はずっと思ってたんでしょうか…ととの事あんなふうに…」
君子「しかたないわよ
ととが亡くなった時、美子はまだ5歳だったんだもの」
常子「それでも許せないんです
自分勝手に家族振り回して家訓までいらないなんて…」
階段に並んで座る鞠子と美子
鞠子「何であんな事…」
美子「だって…」
鞠子「よっちゃんの気持ちも分かるけど
そもそもうそをついたのが悪いんでしょ?
あんな言い方をして私も悲しかったわ
あれじゃあとと姉が怒るのも無理ないわよ
少し言い過ぎなんじゃない?」
美子「だって本当の事だもん」
昭和十五年正月
居間で新年の挨拶をしている森田屋と小橋家一同
<年が明けても常子と美子の間には溝ができたままでした
2人とも口を利く事も目を合わせる事もありません>
甘味屋
星野(坂口健太郎)「そうですか、美子さんがそんな事を…」
常子「悲しかったです
父が大切にしていた家訓なのにあんな言い方…
あ…すみません…新年早々お故郷から戻られたばかりで
こんな愚痴ばかり聞きたくないですよね」
星野「いえ、そんな事は…
僕を作物だと思って下さい」
常子「作物?」
星野「ええ、肥料をやるつもりで
どんどん言いたい事はおっしゃって下さい」
可笑しくて吹き出してしまう常子
お部屋でひとり編み物をしている美子が
壁に掛けられた額縁の家訓を見ている
鳥巣商事の廊下
多田(我妻三輪子)「じゃあ妹さんとはずっと口を利いてないの?」
常子「はい、あの子も意地っ張りで」
多田「あ~」
常子「でも昨日、星野さんとお話ししたらすっきりしました
不思議なんですよね、あの方とお話ししていると
悩んでる事がどうでもよくなってきてしまって
妹ともう一度、話してみようかなあって」
多田「やっぱり、小橋さんの恋のお相手は日曜日の殿方なのね」
常子「違います!星野さんとはそういう関係では…」
と、和服の女(青木さやか)が2人に声をかける
「あの…お尋ねしたいんですが
タイピストがいる浄書室はどちらかしら?」
常子が場所を教えて女が部屋へ入る
席を立つ早乙女(真野恵里菜)「何か御用でしょうか?」
女「諸橋道子さんという方はどなた?」
「私ですが」と、諸橋(野村麻純)が立ち上がる
諸橋を睨みつけた女が「この泥棒猫!」
と、道子の髪を掴んで引っ張りまわす
タイプ室に悲鳴が響く
早乙女「奥様落ち着いて下さい!ここは厳粛な仕事場です!」
部屋に入ってくる常子と多田
早乙女に抱えられ引き離されたた女(諸橋を見て)
「人の亭主寝取るのが厳粛な仕事場でやる事なの?
私は営業課の奥寺の妻です
この女が私の亭主寝取ったのよ!」
あまりの修羅場に驚いた表情の常子
課長の山岸(田口浩正)がやって来て再び暴れはじめた女を引き離す
書類が散らばった部屋を片付けているタイピストたち
「怪しいと思ったのよね諸橋さんと奥寺さん」
「私も、前に一度給湯室で仲よさそうに話してたの見た事あるもの」
「そういえば安藤さんとも仲よさそうにしてたわ」
「まあ諸橋さんならありえそうだわ」
早乙女「仕事中です!口ではなく手を動かしなさい」
(一同)「はい…」
ドアが開き諸橋が入ってくる
早乙女「諸橋さん、課長は何と?」
諸橋「今日付けで退社する事になりました」
息をのむ早乙女
諸橋「長い間お世話になりました」と、頭を下げる
常子「本当にそれでいいんですか?
今日付けで退社だなんてそんな急に…
私が課長に言って…」
早乙女「あなたもクビになるつもり?」
部屋を出ていく諸橋
早乙女「私たちの代わりはいくらでもいるの
会社は私たちをクビにする事なんて何とも思ってないのよ」
寂しそうな表情の常子
(つづく)
ああ、美子の櫛と鞠子の万年筆は常子がお出掛け先を百貨店にした
理由だったんだね
昨日のレビューは深読みし過ぎてたw
常子はあんなに妹の事を思ってるのに今回の展開は可哀想だった
すき焼きエピソードで森田屋の面々が
2階をうらやましそうに見るシーンがあって
自分はただのお笑いエピだと思って省略したんだけど
今回も似たようなのがあった
何か今後の展開の伏線だろうか?
大ゲンカのシーンは常子がお駄賃欲しいから?
無駄遣いしかしないのにって言って美子がキレちゃったね
美子は青柳の小僧たちと交流があるし
滝子が自分の着物をお仕着せのために出したのも知ってるし
清の話を聞いてお仕着せのために自分も何かしたいと思ったのに
常子にあんなふうに言われて悲しかったんだろうね
常子は自身のアイデンティティと言ってもいい
竹蔵との約束や、そのために守ろうとしている家訓を否定されて
ショックだったんだろう…
それにしてもケンカ長すぎるだろw
あの狭い部屋でギスギスしてたら君子と鞠子も大変だろうなあ…
多田の「あ~」は、常子が入社直後に主張を通して早乙女たちと
やりあっていた頃の事なんだろうね(常子も確かに意地っ張り)
諸橋の、前回の恋だって山ほどする…はこういう事だったのかw
でも不倫はまずいよねえ
結束は固そうに見えていたタイピストたちだが
早速諸橋は陰口たたかれてたw
まあ女の世界では不倫は絶対悪なのかもしれない
2016年6月6日月曜日
とと姉ちゃん(55)家訓のお出掛けを大事にする常子とすれ違う妹たち…
昭和十四年十一月
<タイピストとして収入を得るようになって2年が過ぎ
常子は名実ともに小橋家の大黒柱になっていました>
朝、物干しに布団を干して大きく伸びをする常子(高畑充希)
鞠子(相楽樹)は畳をほうきで掃いている
鏡台の前に座り櫛で髪をすく美子(杉咲花)「あっ、痛っ…もう毎日毎日…」
と、髪に引っかかったボロボロに歯の欠けた櫛を見る
常子が後ろから声をかける「そろそろ新しいの買わないとね」
美子「ううん大丈夫、まだまだ使える」
常子「そう」
笑顔で鏡に向かって髪をすく美子
<そして家訓も守っていたのですが…>
タイトル、主題歌イン
森田屋居間で朝食を食べる一同
みそ汁をすすった常子があくびをする
長谷川(浜野謙太)「ゆっくり寝てりゃいいんだよ
会社までまだまだだろ?俺だったら確実に布団の中だね」
常子「家族そろって朝ごはんを食べるのは家訓ですから」
と、誇らしげに語る
常子を見て微笑み少しだけ目が揺れる鞠子と
目を閉じて常子から視線を落とす美子
富江(川栄李奈)「ゆうべも遅くまでお仕事してたんでしょ?」
常子「うん…社員の方が徴兵で減ってしまって
また資料整理頼まれちゃって」
常子が美子に試験も近いから滝子のところに寄り道しないで
勉強するようにと諭す
美子「分かってる」
常子「好きな縫い物もいいけど、ちゃあんと勉強頑張ってよ」
と、大きな口を開けてごはんを食べる
美子「うん、分かってる…」
微妙な表情の君子(木村多江)
<このころ日本では国家総動員や価格等統制令など
国による統制が始まり国民は質素な生活を求められていました>
浄書室で輪になって昼食のタイピストたち
皆の弁当には梅干しがひとつあるだけだが
諸橋のものにはサケの切り身から煮物に卵焼きまで入っている
常子「お~豪華」
多田(我妻三輪子)「日の丸じゃないんですか」
諸橋(野村麻純)「時代がどうあれ私はこうしたいの
パーマネントだってやめたくないわ」
多田「でも周りがいろいろ言いません?
ぜいたくはやめましょうって」
諸橋「言わせておけばいいの
私たちは世の女性憧れの職業婦人なのよ
私はこれからもたくさん稼いで思う存分おしゃれをして
恋だって山ほどするつもり
じゃなきゃ何のために働いてるか分からないじゃない
ねえ?早乙女さん」
早乙女(真野恵里菜)「働く理由は人それぞれでは?」
諸橋「…ですよね」と、常子たちに「あなたたちは?」
多田「私は5人の弟たちを食べさせなきゃいけないので」
常子「私も同じです、家族を支えるためにこの仕事を」
諸橋「それでよくそんな頑張れるわね…嫌にならないの?」
常子「なりませんよ、だってそれが私の役目ですから」
夜、小橋家のお部屋
洗濯物を畳んでいる4人
美子「う~ん別にどこでもいいわ」
常子「何?その言い方
みんなでお出掛けするんだからみんなで話し合うべきでしょ」
美子「でも…」
鞠子「あ~なげやりに言ったんじゃなくて
とと姉のお薦めだったらどこでもいいって事じゃない?」
(少しの間)
美子「うん…そう」
常子「ふ~ん…そう
では、四越百貨店の東亜美術展に行きましょう」
美子「うん、それでいい」
常子「それ で ?」
鞠子(美子に)「それ が いいんでしょ?」
美子(常子に)「うん、そう」
常子「ふ~ん、分かった」
常子が君子に来週の日曜日でいいかと訊ねるが
鞠子「あ~来週は大学の集まりが…」
じゃあ再来週の日曜日に…と言う常子に
鞠子「あ~…国文学の小論文もあって勉強したいから午後からだったら」
常子「ん~分かった、では24日の1時で」
鞠子「うん」 君子「いいわ」
常子「うん…よっちゃんは?」
美子「いいわ」
常子「うん、じゃあ決まり!」と、嬉しそうに鼻歌を歌う
そんな常子に目をやる美子
甘味屋の常子と星野(坂口健太郎)
星野のノートの今週の出来事の最後の行には
(今日こそ常子さんに告げる)
常子がお出掛けで美術展に行くと話すのだが
星野「常子さんはなぜそんなに家訓を大切にされているんです?」
常子「なぜ…?あ~そう改めて聞かれると…
亡くなった父が大切にしていたものでしたし、約束したので」
星野「約束?」
常子「はい、妹たちを守ると…
それで私も父が私たちにしてくれたようにしなきゃって
だから自然と家訓は必ず守るべきものなんだと」
星野「常子さんにとってお父様の存在はとても大きいんですね
すてきな方だったんだろうなあ…」
常子「何だか少し星野さんに似ている気がします
名前が同じってだけじゃなくてこう…眼鏡の感じとか優しい口調も
だからなのかな、星野さんが身近に感じるのは」
星野「え…」
常子「あ…アハハ」と、微妙に笑い合う2人
大学の講義室
鞠子「朗読会ですか?」
木戸(白洲迅)「そう、三好達治の詩を朗読する集いなんだ
急きょ決まってね、小橋君も来るだろ?」
鞠子「あ~…来週の日曜日はその…」
木戸「おいでよ、きっといい刺激になるよ」
「はい」と、笑顔でうなずく鞠子
青柳家
美子「来週の日曜ですか?」
滝子(大地真央)「ああ、お仕着せは毎年女中総出で縫っているんだけど
国家総動員法のおかげで人手が足りなくてねえ
年の瀬も迫ってるっていうのに…」
「これを小僧さんたちの人数分…」と布を手に取る美子
隈井(片岡鶴太郎)「ええ、小僧たちにとっちゃ喜ばしい事でしてねえ
盆暮れの里帰りは何よりの楽しみですから」
美子「あれ?この布地…」と、別の布地を見る
滝子「ああ、私の着物だよ
本当はいいものを買って着せてあげられればいいんだけれど
今は布地も簡単に手に入らないだろ」
清(大野拓朗)「下手な布地でやる訳にはいかないからね
お仕着せの出来不出来は店の沽券に関わるし
きちんといい身なりで里に帰してやって
うちがいい奉公先だと親御さん安心させないと」
美子「へえ~」
滝子「どうだい?手伝ってくれないかい?」
美子「来週の日曜…」と、目が上を向く
滝子「先約があったかい?」
美子「…いえ平気です、やります」
滝子「はぁ~そうかい、助かるよ
その分、礼はさせてもらうからね」
うなずく美子
一家のお部屋
勉強している鞠子の万年筆のインクが出ない
「あ~もう…割れちゃったのかなあ」
それを後ろから気にするように見ている常子
美子「とと姉ちゃん」
常子「うん?」
美子「お出掛けの日なんだけど…」
常子「うん」
美子「ちょっと予定が入ってしまって…」
常子「どうして?前もって言ってあったじゃない
そんなに大事な事なの?」
美子「うん、知恵子ちゃんのおうちでお勉強会しようってなっちゃって」
常子「何もお出掛けの日に入れなくたって…」
美子「ごめんなさい…なんとか早く終わらせるように頑張るけど
1時までには帰れないかも」
君子「まあ、お勉強会なんだからしかたないんじゃない」
常子「はい」と、困った顔になる
常子「では駅前のお寺に集合ね、私とかかと鞠ちゃんは…」
鞠子「ごめん」
常子「うん?」
鞠子「私もお寺でいい?」
常子「どうして?」
鞠子「実は私も同好会の集まりが」
常子「同好会?」
鞠子「文学同好会…
いろんな大学の方が集まって文学について語ったりするの」
常子「そんなの入ってるなんて聞いてないわ」
君子「あら知らなかったの?」
常子「かか知ってたんですか?」
君子「ええ」
美子「私も知ってたわよ」
常子「え~…」
鞠子(気まずそうに)「とと姉お仕事大変そうだから話す機会なくて…ごめん」
「ん~…」と、眉間にしわが寄る常子「では、2時に、お寺に、集合ね」
と、美子と鞠子を見る
(3人)「はい」
常子(ちょっと不機嫌に)「はい」
<こうして迎えたお出掛けの日>
君子「なんだか雨降りそうね、傘持って行きましょうか」
常子「そうですね」と、家を出る2人
同好会の集まり
時刻は1時20分
鞠子「あっ、すいません私そろそろ」
木戸「待って、次の詩がどうしても君に聞かせたいやつなんだ
あと少しだけいいだろ?」
可愛い笑顔でうなずく鞠子「はい」
青柳家で滝子たちと縫い物をしている美子
置時計の時刻は1時55分
傘を差してお寺の境内を歩いてくる常子と君子
手を合わせお寺の軒下で鞠子たちを待つ
<年の瀬も迫ったその日は小雨まじりのとても冷たい風が吹いていました>
風が吹き寒さに首をすくめる2人
常子「お~」
(つづく)
今回は竹蔵との約束を守り続けていく事に迷いのない常子と
成長していく鞠子と美子の心のすれ違いみたいなものが描かれた
朝食でバカみたいに大口を開けて目を横に向けてごはんを口に入れるのも
お出掛けの予定を決めてひとり呑気に鼻歌を歌うのも
妹たちの微妙な心の変化に気付いていないという描写なのだろう
美子の欠けた櫛と鞠子のインクの出にくい万年筆は
物が不足している時代だという描写なのだろうが
それだけではないような気がする
常子との関係においてのそれぞれ何かのメタファーなのではないかな?
欠けた歯が何なのかはハッキリとはわからないけど…
いや違うか、櫛や万年筆など目に見えるものには気付くけど
心の変化といった目に見えないものには気付かないという
対比の演出なのかもしれない
鞠子の同好会の件を常子だけが知らなかったのは
現代の我々の家庭で父親だけが疎外されている感じだろうか
君子が勉強会なら仕方ないと言ったのも
美子の嘘に気付いた上で厳しい父親から末娘を庇ったのかもしれないね
美子の嘘は常子に青柳で縫い物するより勉強しろと
くぎを刺されたからだろうが
お仕着せの手伝いは立派な理由だろう
それに比べて鞠子ときたら…
絶対不純なもの(色恋)があるように思うw
鞠子、おさげ髪だった頃を思い出すんだ!
しかしいつもながら鞠子(相楽樹)の目の演技は微妙で味わい深い
<タイピストとして収入を得るようになって2年が過ぎ
常子は名実ともに小橋家の大黒柱になっていました>
朝、物干しに布団を干して大きく伸びをする常子(高畑充希)
鞠子(相楽樹)は畳をほうきで掃いている
鏡台の前に座り櫛で髪をすく美子(杉咲花)「あっ、痛っ…もう毎日毎日…」
と、髪に引っかかったボロボロに歯の欠けた櫛を見る
常子が後ろから声をかける「そろそろ新しいの買わないとね」
美子「ううん大丈夫、まだまだ使える」
常子「そう」
笑顔で鏡に向かって髪をすく美子
<そして家訓も守っていたのですが…>
タイトル、主題歌イン
森田屋居間で朝食を食べる一同
みそ汁をすすった常子があくびをする
長谷川(浜野謙太)「ゆっくり寝てりゃいいんだよ
会社までまだまだだろ?俺だったら確実に布団の中だね」
常子「家族そろって朝ごはんを食べるのは家訓ですから」
と、誇らしげに語る
常子を見て微笑み少しだけ目が揺れる鞠子と
目を閉じて常子から視線を落とす美子
富江(川栄李奈)「ゆうべも遅くまでお仕事してたんでしょ?」
常子「うん…社員の方が徴兵で減ってしまって
また資料整理頼まれちゃって」
常子が美子に試験も近いから滝子のところに寄り道しないで
勉強するようにと諭す
美子「分かってる」
常子「好きな縫い物もいいけど、ちゃあんと勉強頑張ってよ」
と、大きな口を開けてごはんを食べる
美子「うん、分かってる…」
微妙な表情の君子(木村多江)
<このころ日本では国家総動員や価格等統制令など
国による統制が始まり国民は質素な生活を求められていました>
浄書室で輪になって昼食のタイピストたち
皆の弁当には梅干しがひとつあるだけだが
諸橋のものにはサケの切り身から煮物に卵焼きまで入っている
常子「お~豪華」
多田(我妻三輪子)「日の丸じゃないんですか」
諸橋(野村麻純)「時代がどうあれ私はこうしたいの
パーマネントだってやめたくないわ」
多田「でも周りがいろいろ言いません?
ぜいたくはやめましょうって」
諸橋「言わせておけばいいの
私たちは世の女性憧れの職業婦人なのよ
私はこれからもたくさん稼いで思う存分おしゃれをして
恋だって山ほどするつもり
じゃなきゃ何のために働いてるか分からないじゃない
ねえ?早乙女さん」
早乙女(真野恵里菜)「働く理由は人それぞれでは?」
諸橋「…ですよね」と、常子たちに「あなたたちは?」
多田「私は5人の弟たちを食べさせなきゃいけないので」
常子「私も同じです、家族を支えるためにこの仕事を」
諸橋「それでよくそんな頑張れるわね…嫌にならないの?」
常子「なりませんよ、だってそれが私の役目ですから」
夜、小橋家のお部屋
洗濯物を畳んでいる4人
美子「う~ん別にどこでもいいわ」
常子「何?その言い方
みんなでお出掛けするんだからみんなで話し合うべきでしょ」
美子「でも…」
鞠子「あ~なげやりに言ったんじゃなくて
とと姉のお薦めだったらどこでもいいって事じゃない?」
(少しの間)
美子「うん…そう」
常子「ふ~ん…そう
では、四越百貨店の東亜美術展に行きましょう」
美子「うん、それでいい」
常子「それ で ?」
鞠子(美子に)「それ が いいんでしょ?」
美子(常子に)「うん、そう」
常子「ふ~ん、分かった」
常子が君子に来週の日曜日でいいかと訊ねるが
鞠子「あ~来週は大学の集まりが…」
じゃあ再来週の日曜日に…と言う常子に
鞠子「あ~…国文学の小論文もあって勉強したいから午後からだったら」
常子「ん~分かった、では24日の1時で」
鞠子「うん」 君子「いいわ」
常子「うん…よっちゃんは?」
美子「いいわ」
常子「うん、じゃあ決まり!」と、嬉しそうに鼻歌を歌う
そんな常子に目をやる美子
甘味屋の常子と星野(坂口健太郎)
星野のノートの今週の出来事の最後の行には
(今日こそ常子さんに告げる)
常子がお出掛けで美術展に行くと話すのだが
星野「常子さんはなぜそんなに家訓を大切にされているんです?」
常子「なぜ…?あ~そう改めて聞かれると…
亡くなった父が大切にしていたものでしたし、約束したので」
星野「約束?」
常子「はい、妹たちを守ると…
それで私も父が私たちにしてくれたようにしなきゃって
だから自然と家訓は必ず守るべきものなんだと」
星野「常子さんにとってお父様の存在はとても大きいんですね
すてきな方だったんだろうなあ…」
常子「何だか少し星野さんに似ている気がします
名前が同じってだけじゃなくてこう…眼鏡の感じとか優しい口調も
だからなのかな、星野さんが身近に感じるのは」
星野「え…」
常子「あ…アハハ」と、微妙に笑い合う2人
大学の講義室
鞠子「朗読会ですか?」
木戸(白洲迅)「そう、三好達治の詩を朗読する集いなんだ
急きょ決まってね、小橋君も来るだろ?」
鞠子「あ~…来週の日曜日はその…」
木戸「おいでよ、きっといい刺激になるよ」
「はい」と、笑顔でうなずく鞠子
青柳家
美子「来週の日曜ですか?」
滝子(大地真央)「ああ、お仕着せは毎年女中総出で縫っているんだけど
国家総動員法のおかげで人手が足りなくてねえ
年の瀬も迫ってるっていうのに…」
「これを小僧さんたちの人数分…」と布を手に取る美子
隈井(片岡鶴太郎)「ええ、小僧たちにとっちゃ喜ばしい事でしてねえ
盆暮れの里帰りは何よりの楽しみですから」
美子「あれ?この布地…」と、別の布地を見る
滝子「ああ、私の着物だよ
本当はいいものを買って着せてあげられればいいんだけれど
今は布地も簡単に手に入らないだろ」
清(大野拓朗)「下手な布地でやる訳にはいかないからね
お仕着せの出来不出来は店の沽券に関わるし
きちんといい身なりで里に帰してやって
うちがいい奉公先だと親御さん安心させないと」
美子「へえ~」
滝子「どうだい?手伝ってくれないかい?」
美子「来週の日曜…」と、目が上を向く
滝子「先約があったかい?」
美子「…いえ平気です、やります」
滝子「はぁ~そうかい、助かるよ
その分、礼はさせてもらうからね」
うなずく美子
一家のお部屋
勉強している鞠子の万年筆のインクが出ない
「あ~もう…割れちゃったのかなあ」
それを後ろから気にするように見ている常子
美子「とと姉ちゃん」
常子「うん?」
美子「お出掛けの日なんだけど…」
常子「うん」
美子「ちょっと予定が入ってしまって…」
常子「どうして?前もって言ってあったじゃない
そんなに大事な事なの?」
美子「うん、知恵子ちゃんのおうちでお勉強会しようってなっちゃって」
常子「何もお出掛けの日に入れなくたって…」
美子「ごめんなさい…なんとか早く終わらせるように頑張るけど
1時までには帰れないかも」
君子「まあ、お勉強会なんだからしかたないんじゃない」
常子「はい」と、困った顔になる
常子「では駅前のお寺に集合ね、私とかかと鞠ちゃんは…」
鞠子「ごめん」
常子「うん?」
鞠子「私もお寺でいい?」
常子「どうして?」
鞠子「実は私も同好会の集まりが」
常子「同好会?」
鞠子「文学同好会…
いろんな大学の方が集まって文学について語ったりするの」
常子「そんなの入ってるなんて聞いてないわ」
君子「あら知らなかったの?」
常子「かか知ってたんですか?」
君子「ええ」
美子「私も知ってたわよ」
常子「え~…」
鞠子(気まずそうに)「とと姉お仕事大変そうだから話す機会なくて…ごめん」
「ん~…」と、眉間にしわが寄る常子「では、2時に、お寺に、集合ね」
と、美子と鞠子を見る
(3人)「はい」
常子(ちょっと不機嫌に)「はい」
<こうして迎えたお出掛けの日>
君子「なんだか雨降りそうね、傘持って行きましょうか」
常子「そうですね」と、家を出る2人
同好会の集まり
時刻は1時20分
鞠子「あっ、すいません私そろそろ」
木戸「待って、次の詩がどうしても君に聞かせたいやつなんだ
あと少しだけいいだろ?」
可愛い笑顔でうなずく鞠子「はい」
青柳家で滝子たちと縫い物をしている美子
置時計の時刻は1時55分
傘を差してお寺の境内を歩いてくる常子と君子
手を合わせお寺の軒下で鞠子たちを待つ
<年の瀬も迫ったその日は小雨まじりのとても冷たい風が吹いていました>
風が吹き寒さに首をすくめる2人
常子「お~」
(つづく)
今回は竹蔵との約束を守り続けていく事に迷いのない常子と
成長していく鞠子と美子の心のすれ違いみたいなものが描かれた
朝食でバカみたいに大口を開けて目を横に向けてごはんを口に入れるのも
お出掛けの予定を決めてひとり呑気に鼻歌を歌うのも
妹たちの微妙な心の変化に気付いていないという描写なのだろう
美子の欠けた櫛と鞠子のインクの出にくい万年筆は
物が不足している時代だという描写なのだろうが
それだけではないような気がする
常子との関係においてのそれぞれ何かのメタファーなのではないかな?
欠けた歯が何なのかはハッキリとはわからないけど…
いや違うか、櫛や万年筆など目に見えるものには気付くけど
心の変化といった目に見えないものには気付かないという
対比の演出なのかもしれない
鞠子の同好会の件を常子だけが知らなかったのは
現代の我々の家庭で父親だけが疎外されている感じだろうか
君子が勉強会なら仕方ないと言ったのも
美子の嘘に気付いた上で厳しい父親から末娘を庇ったのかもしれないね
美子の嘘は常子に青柳で縫い物するより勉強しろと
くぎを刺されたからだろうが
お仕着せの手伝いは立派な理由だろう
それに比べて鞠子ときたら…
絶対不純なもの(色恋)があるように思うw
鞠子、おさげ髪だった頃を思い出すんだ!
しかしいつもながら鞠子(相楽樹)の目の演技は微妙で味わい深い
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