<石けんの商品試験は6つの項目で比較します
まず汚れの落ち具合を調べます
一定量汚れをつけた布を用意しその重さを量ります
そして洗った後の重さを量り前後の重さの差から
どれだけ汚れが取れたのかを調べる方法です>
並んで座る一同が「いちに、いちに」の掛け声のもと
タライの中で布を洗っている
花山(唐沢寿明)がタライの中に温度計を差し込み「湯が1度ぬるい、やり直せ」
水田(伊藤淳史)「え~?」
花山「つべこべ言わずにさっさとやれ!」
水田「はい!」
常子(高畑充希)「ではここの回やり直します」
(一同)「はい」
花山「きちんとやらないと正確な結果が得られないからそのつもりで頼むぞ!」
(一同)「はい!」
<常子たちは商品試験と並行して各家庭の台所の取材も行っていました>
道を行く常子と本木と扇田の3人
青葉が「この前のおばちゃまだ!」と駆け寄る(大樹も)
常子「あっ、この間傘で遊んでた…」
青葉「うん、青葉」
常子「あっ、そうだ青葉ちゃんだ」
青葉「ねえねえ今日お父さんいるよ」
常子「本当?」
青葉「うち来てうち来て」
常子「いいの?」
青葉「いいよね?お兄ちゃん」
大樹「うん」
常子「ありがとう」
青葉が「こっちこっち」と常子の手を引っ張る
本木「こいつはさい先がええで」
子どもたちが家に入りほどなくして青葉を抱いた父親が現れる
常子「お休みの日にすみません、私あなたの暮しという…」
振り向いた父親の顔を見て常子「星野さん?」
タイトル、主題歌イン
星野(坂口健太郎)「常子さん?」
言葉が出てこない常子に扇田「お知り合いですか?」
常子「あっ、以前…」
扇田「以前…?」
星野「ええ、ご近所だったものですから」
常子「ええ…」
本木(せきばらいをして)「ご主人」
星野「はい」
本木「実は台所を見せてもらえまへんか?」
星野「台所ですか?」
本木「はい」
うなずいた常子が雑誌を取り出し星野に差し出す
「あの…私あの…あなたの暮しという雑誌を作っておりまして」
青葉を降ろして雑誌を受け取る星野「ああ…(雑誌のページを眺め)すごいな」
常子「いえ…あ…で…台所の取材をさせて頂いて
記事を書いているところなんです」
星野「それでうちのを…ですか?」
扇田「ええ、お願いできませんか?」
星野「汚いですがうちでよかったら(子供たちに)なあ?」
本木「ほんまでっか!ありがとうございます」
扇田が星野に台所について取材し本木が写真を撮る
青葉はちゃぶ台でお絵描きを、大樹は読書をしている
扇田「今日は奥様はお出かけですか?」
星野「それが先立たれまして」
扇田「失礼しました」
星野「いえ」
常子が仏壇にある星野の妻だったらしい女性の写真を見る
青葉「おばちゃま、今日もお洋服きれいね」
常子「本当?ありがとう」
青葉「うん、そのスカートとってもきれい」
常子「フフフ…」
本木「常子さん」
常子「はい」
本木「まずはこっちから撮っときます」
常子「そう…そうですね(星野が撮影のために移動する)すみません
そうですねこっちから撮ってそのあと引いて全体をお願いします」
本木「引いて全体ですね、分かりました…じゃあまずはこのショットから」
常子「はい、それが終わったら収納も」
本木「収納ですね」
常子「はい、収納も端から…そうですね」
スタッフに指示を出す常子の横顔を眺める星野
玄関前
常子「ありがとうございました、助かりました」
星野「そうですか、何の変哲もない台所ですがお役に立てたでしょうか?」
「はい」と常子たちがうなずく
見つめ合う常子と星野
扇田「常子さん、バス来ちゃいますよ」
常子「はい、(星野に)では失礼します」
大樹「また今度遊びに来てね」
常子「またね、またね(子供たちに)」
夜、小橋家の夕食
元気なさげな常子が大皿のコロッケを箸でつまむ
君子(木村多江)「無理して食べなくていいのよ…
美子がいると思って夕飯作り過ぎちゃったの」
常子「ああ…」
君子「このところ毎日のように南さんとデートなのね」
常子「かか…」
君子「うん?」
常子「今日…星野さんにお会いしました」
君子「星野さん?(と、驚いて)星野さん!?」
うなずいて笑う常子「私も驚きました
偶然取材に伺ったお宅が星野さんのおうちだったんです
…15年ぶりにお会いした星野さんは少し痩せられたようにも見えましたが
お元気そうでした
ご結婚されてお子さんも2人いて」
君子「そう…」
常子「もしかしたら戦争で…と思っていたので
今ああして幸せそうな星野さんを見る事ができてただただホッとしました」
君子「星野さんも今の常子を見て驚かれたでしょうね
まさか社長さんだなんて」
「どうですかね」と常子が笑う
君子「うれしいんじゃないかしら」
常子「…だといいですけれど
せっかく取材させて頂いたんですからいい記事にしないと」
石けんの試験を進める一同
木立「昨日から石けんの匂いに囲まれてますから鼻がきかなくなってしまって」
常子「実は私も…」
花山「やはりな…そんな事を言いだすだろうと予想はしていた」
松永「だったら他の方法を…」
「フッ」と笑った花山が腕の時計を見る
美子が「こちらです」と案内してきた2人を見て常子「綾さん!康恵さんも」
綾(阿部純子)「お声がけ頂いてうれしいわ」
梢改め康恵(佐藤仁美)「ああ、大好きなあなたの暮しに協力できるなんて
光栄だよ」
松永「協力?」
花山「我々と交代で石けんの匂いを嗅いでもらおうと思ってね
今日は2人ともよろしく頼むよ」
常子(綾に)「本当にいいの?太一君は?」
綾「太一は母が面倒見てるから昼間仕事がない日だったら来られるわ
それに引っ越したからここまでも近いのよ」
常子「そう言って頂けてうれしいわ」
康恵「このところあなたの暮しは新鮮味がなくなってきてるからねぇ
商品試験なんてなかなかいい企画だと思うよ」
美子「康恵さん手厳しいですね」
康恵「当たり前だよ、私は創刊号からのつきあいだよ
誰よりも厳しく誰よりも愛情を持ってあなたの暮しを読んでるつもりさ」
<石けんに含まれる手荒れの原因になる成分は
民間の検査機関に分析を依頼しました>
検査機関社員岸野「よろしくお願いします」
常子と花山「よろしくお願いします」
一か月後
<およそ1か月かけて1社につき50個
延べ300個の石けんの試験を行いました>
興奮した様子で岸野を伴いやってくる花山「常子さん、石けんの試験結果が出た
面白い結果が出たぞ」と資料を常子に渡す
それを見る常子「汚れの落ち具合、香り、肌への刺激…
どれを取っても麗風堂の石けんが一番評価が低いんですね」
(一同)「えっ?」
面白そうに花山が笑う
美子「麗風堂って最大手じゃないの?」
水田「うちで使ってるのもこれですよ」
松永「僕もです」
本木「で、評価が高いのは?」
常子「高いのは…」
机からひとつの石けんを取り上げる花山「この初音石鹸という会社のものだ」
「えっ、初音?」
扇田「そんな石けん売ってるのほとんど見た事ないですよ」
常子「無名の会社のものが一番評価が高いなんて…」
花山「どうだ?面白い結果だろ?」
松永「これは読者も驚きますね」
花山「では本木さん、どの会社のものか分かるように
石けんの写真撮って頂けますか?」
本木「はい、分かりました」
それまで黙っていた岸野「それは困ります!」
水田「岸野さん?」
岸野「我が検査機関による検査を基に
メーカー名を公表するのはどうかおやめ下さい!」
花山「それでは試験結果を公表する意味がない!」
常子「そうですよ、検査結果が分かっても
メーカー名が分からなければ読者は商品を選べません」
岸野「どうしてもメーカー名を公表するというのであれば
この試験結果は取り下げます」
(一同)「…」
花山「なぜメーカー名を公表したらあなたたちが困るんだ?
中立な民間機関のはずだろ!」
岸野「麗風堂はうちが古くからおつきあいさせて頂いている会社です
その麗風堂の顔に泥を塗る訳にはいかないんです
もともと麗風堂の宣伝になると思ってお引き受けしたんです
それがこんな結果になってしまっては…」
花山「だったらどうしろと?」
岸野「手荒れ成分の数値等を誌面で公表するならば
社名を伏せA社B社として頂きたいです(花山が横を向いてしまう)
もし発表するのであればうちの検査結果は掲載しないで頂きたい!」
常子「検査結果が出せなければ実験の正当性が失われます」
岸野「…どちらを選ぶかはお任せするしかありません」
困り顔の一同と目を剥いて岸野を見ている常子
(つづく)
冒頭の汚れた布を洗う前後で重さを量って汚れの落ち具合を調べるってマジ?
どれだけ精度の高い量り器があればそんな事ができるのだろう…
星野は懐かしい…いい感じの老けメイクだ
常子より4~5年上だと思うので40前後くらいだろうか?
あの当時の40歳は今と違ってあれくらい落ち着いた雰囲気だろうと思う
扇田の「今日は奥様は…」はナイス
おかげで現在の星野は独身だと知る事ができた
青葉は5歳にしては賢すぎる
前回、常子に傘がかわいいと言われたのでお返しに洋服を褒めたのだろうか?
青葉が妙に常子に懐いているようだがやはり星野とは恋が再燃するのかな…
別れ際に見つめ合って黙り込む2人だけど
常子と星野に昔何かあったのは本木と扇田にはバレバレだろうねw
綾も久しぶりに登場した
公式の登場人物に雑誌作りを手伝い始める…とあるので
あなたの暮し出版に入社するのだろうと思っていたのだが
手伝う…ってこういう事なのかな?
たしかに「手伝って」いるけどw
引っ越したって言っていたからあの玄関間借り生活からは抜け出せたみたいだ
梢は康恵になっていたけどそうか…梢は源氏名だったんだw
梢と呼ばれなくなったのは多分カフェー勤めをやめたからなのだろう
中立の民間機関に検査を依頼したはずが大手企業のひもがついていたね
常子はまた社長として決断を迫られる事になるのだろう
今週はかっこいい常子が見れそうだ
2016年8月17日水曜日
2016年8月16日火曜日
とと姉ちゃん(116)商品試験を発案し仕事に邁進する常子
常子(高畑充希)「あ…ねえ、おうちの人はいる?」
玄関のドアが開き「何か御用ですか?」と婦人が顔を出す
常子「あ…お母様ですか?」
婦人「いえ、私は手伝いの者で」
常子「そうですか…あっ、あの…私
あなたの暮しという雑誌の小橋と申します
台所を取材させて頂ければと思ったのですが」
婦人「ああ…今は旦那さんが留守なもので勝手な事は…」
常子「そうですか…無理言ってすみません」
と、青葉が「あっ!」と声を上げるので
見ると青葉の白い洋服が赤く汚れている
婦人「ああ…こんなになっちゃって…」
大樹「僕、悪くないよ」
婦人「怒ったりしませんよ、水で傘の色が落ちちゃったのね
全くひどいもん売りつけて…」
青葉「汚れちゃった…」
婦人「かわいそうにね、お気に入りの洋服だったのに…
中でふきましょう、ねっ、(常子に)失礼します、すみません」
婦人と子どもたちは家の中へと入る
本木「今日は戻ろうか?」
常子「ええ」
『星野』の表札
タイトル、主題歌イン
常子たちが戻るとちょうど、美子が新しい黄色のミシンを試運転させるのだが
ミシンの針が飛んで寿美子(趣里)が目の下を切ってしまう
花山(唐沢寿明)「危うく目が傷つくところじゃないか!」
電話をかけている花山「君が責任者なのか?はっきりと言いなさい!
用件ならさっき電話に出た者に伝えただろ!
君の会社で販売しているミシンの事だ…あれは欠陥商品だろ?
危うく失明するところだったんだぞ!
担当に代わるって君は担当じゃないのか?おい!」
美子が寿美子を手当てして常子たちも心配そうに見守る
花山が「話にならん!」と受話器を置く
水田(伊藤淳史)「とんだ粗悪品だったな」
緑(悠木千帆)「最近の製品はそんなのばっかりね」
「危なかった、しばらくミシン触るのも嫌だ」
常子の頭の中に前回の花山の言葉
(あなたの暮しが読者に提供すべき知識は何なのか…)
粗悪品のミシン…
青葉の服を汚した赤い傘…
常子「試験をしましょう!」
花山が常子を見る
ドタドタと部屋の奥に走った常子がボード(黒板)に『商品試験』と書く
そして皆に振り向き「あなたの暮しで商品の試験をするの」
美子(杉咲花)「商品を試験?」
常子「物が出回ってきた時代だけどその反面
あのミシンのような粗悪品もたくさんあります
そんな粗悪品を買わされる消費者のためにもいろいろな商品を実験して
その商品のいいところと悪いところを伝えてはどうかと思うんです」
緑「でもそういう実験ならもうメーカーの方でやっているのでは?」
常子「…メーカーの検査をうのみにしてもいいんでしょうか?
その検査が正しければあのミシンのような事は起こらないと思います」
扇田「確かに…」
常子「私たちがこの手で実際に品質を確かめて
その結果を伝える事が大切だと思うんです
それにほら…うちは広告を載せていませんからどこに気兼ねする事もなく
公正な目で見て真実だけを伝える事ができます」
水田「そうか…そうですよね、いろいろありましたけど
あの一件以降広告を載せずにやってきましたもんね」
美子「ええ」
常子「これは私たちだからこそできる事だと思うの
花山さん、この商品試験はこれからのあなたの暮しが
読者に提供すべき大切な情報だと思うんです」
黙って腕を組み話を聞いていた花山「洪水のようだと思わないか?」
松永「はい?」
花山「好景気で物があふれだした世の中がだよ…
大量生産された商品はまるで洪水のように私たちに襲いかかってくる」
寿美子「洪水のように…ですか?」
花山「しかし(と立ち上がり歩き出す)全ての商品が幸せを運んでくれはしない
あのミシンのように…
だからこそ、このアイデアはすばらしい!」(と常子が書いたボードを叩く)
一同から安堵の笑い声が漏れる
常子も会心の笑顔だ
花山「やるからには常子さんの言うとおりただの商品紹介ではなく世間に対し
危ないものはこれだ…と教えるものにしよう!」
常子「はい!」
花山「全て実名を出し問題のある商品は
どこが危険なのかを読者に届けよう!」
(一同)「はい!」
花山「早速企画会議を始める」
(一同)「えっ?」
花山「何から取り上げるべきだ?衣料か?食品か?ほら早く言いなさい!」
一同が慌てて立ち上がりメモを手に会議用の長机に集まる
美子「日用品とか…日用品」
「日用品?」
美子「私たちも手探りで始める企画ですのでまずは手に取りやすい
身近なものがいいのではないかと」
本木「だったら石けんはどうですか?
こないだ嫁が買った石けんが粗悪品で肌荒れを起こしたんです」
常子「いいかもしれません
老若男女問わず日常で接するものですし
毎日の暮らしに欠かせないものです」
花山「よし、第1回の商品試験は石けんにしよう」
(一同)「はい」
水田「いや…しかし我々だけで調べるには限界があるんじゃないでしょうか」
松永「石けんの成分なんかはメーカーに問い合わせて
聞けばいいんじゃないですか?」
花山「駄目だ!それでは広告を入れるのと同じ事になってしまう
成分などの分析は民間の検査機関に頼もう
我々がすべき事は使い勝手や使い心地等の試験と検証だな
それを視覚的にも読者に深く訴えかけるものにしなければ」
常子「はい」
美子「汚れの落ち具合を試験前と後で比較してみるのはどうでしょう?」
本木「ほならええ写真撮りまっせ」
(笑い声)
常子「お願いします」
「石けんは国内メーカーに限るのはどうでしょうか?」
花山「よし、早速明日から取りかかろう」
(一同)「はい!」
風呂上りのたまきの髪をふく鞠子(相楽樹)「へえ~商品試験?」
水田「うん、これは多分すごい企画になると思うな
おかあさんにも社内の熱気を見せてあげたかったよ」
鞠子「私に?」
水田「そう、花山さんも興奮した様子でさぁ」
たまき「たまきも見たかった!」
水田「おっ、そうか!たまきも大きくなったらお父さんの会社入るか?」
たまき「入る入る!」
水田「入るか、ハハハ…じゃあ一緒に働くか」
宗吉夫婦に最新号を届ける常子
「今回も監修して頂きありがとうございました」(美子と2人で頭を下げる)
宗吉(ピエール瀧)「ああ…ああ…ああ…それよりわざわざ来るの大変だろう
取りに行くのに…」
常子「いいんです、お世話になった方に自分の手で配りに行くのは
私の中の決め事ですから」
宗吉「ふ~ん、決め事ねえ」
美子が店の奥をチラチラと覗いている
宗吉「ん?美子、何やってんだ?」
美子「ああ…いえ何も」
宗吉「あっ…ハハハハ…タイショウならな、もう帰ったぞ」
「ええっ!」と奥に向かった美子が出てきたコックとぶつかりそうになる
コック・南大昭(上杉柊平)「お~!」
美子「南さん…」
南「どうかした?」
宗吉を見る美子「えっ?」
宗吉「ハハハ!引っ掛かってやんの」(と美子を指さす)
照代(平岩紙)「ウフフフフ!」
<美子はキッチン森田屋に勤める南大昭(ひろあき)と
交際を始めたばかりでした>
南「大将、仕込み終わりました」
宗吉「お~そうか、ご苦労タイショウ」
南「タイショウやめて下さいって大将」
宗吉「いいじゃねえかよ、おめえの名前音読みすればタイショウだろ?」
南「紛らわしくて」
宗吉「うっせえな俺はな、お前の腕を見込んでゆくゆくはこの店の
大将にしようと思ってんだ、今から慣れとけタイショウ」
南「はあ………常子さんどうも」
常子「こんばんは」
美子「もう終わりですか?」
南「ああ、あとは仕込みだけだったから」
美子「ああ…そうなの」
常子「よっちゃん今日もう終わっていいわよ」
美子「えっ、でも…」
常子「新しい企画も動き出すしたまには羽伸ばしてらっしゃい」
南を見て微笑む美子「はい」
照代「羽伸ばすんだったらたまには外で食べてきたら?」
美子「えっ?」
宗吉「おいおい、飯だったら俺が…」
照代「ここじゃできない話もあるでしょ?ねえ?」
美子「そんな事ありません…」
南「じゃあそうします…勉強にもなるし(美子に)着替えてくる」
美子「うん」
「じゃあ私失礼しますね、ごゆっくり」と常子が帰っていく
宗吉「はあ…あとは常子だけだな」
照代「どこかにいい人いるといいけど」
宗吉「うん…」
美子「う~ん…いい人がいたとしても
とと姉ちゃんにその気がなさそうですから」
宗吉「どうしたもんじゃろのぉ」
照代「…もんじゃろのぉ…フフフフ」
美子「どうしたもんじゃろのぉ…」
小橋家に飾られた鞠子の結婚写真と鞠子・たまき・水田の3ショット写真
君子(木村多江)「それじゃあ南さんとうまくいってるのね」
常子「それはそれは仲むつまじく」
君子「フフフフ、そう…でもコックさんとおつきあいするとは
食いしん坊の美子らしいわね」
常子「そうですね、フフフフ」
君子「どんな方なの?南さんって
ほら私…お会いした事ないから」
常子「あ~そうですね…男らしくて芯のある方ですかね」
君子「あら」
常子「私も森田屋さんでしかお会いした事ないですけど
よっちゃんを引っ張っていって下さっている気がします」
君子「そうなのね…ハハハハハ!」
台所の卓に石けんを置きノートに何かを書き込む常子
君子がそれをのぞき込む
常子「あ…商品を試験する企画を始めるんです…まずは石けんで
その参考になればとうちの石けんの事もメモしておこうと思って」
(とメモを続ける)
君子「お仕事楽しい?」
常子が君子を見る
君子「私の頃はみんな…常子のようにやりたい事を仕事にするなんて
考えはなかったからどんな気持ちなのかなと思って」
常子「そうですね…苦労はありますけど…今はただ純粋に楽しいです」
君子「そう…フフフフ」
ボードの前で一同に説明する花山「石けんの商品試験は汚れの落ち具合、
溶け具合、肌荒れ、香り、包装、泡立ち、以上6つの項目で比較し評価する
作業工程はそれぞれ手分けしてやってもらう事になるがまずは扇田君」
扇田「はい」
花山「石けん液の中で布を洗う係を頼む」
扇田「分かりました」
花山「美子さんはその布をよく絞って水けを切り
そのあとはしわがないようにしっかり広げて干してくれ」
美子「はい」
花山「布が完全に乾いたらその香りを調査するんだ」
(一同)「はい」
<こうして花山の指示のもと商品試験がついに始まったのです>
(つづく)
前回、常子が「かわいいね、その赤い傘」とわざわざ言ったので
赤い傘に何か意味でもあるのかな?と思っていたらまさか色落ちするとは!
だから目立ちやすい赤がよかったというだけの事かな
それにしても水で色落ちする傘なんてありえないだろw
ミシン怖いわ!
あんな体験したら一生、ミシン見るたびに思い出すよね
前回、古いミシンを壊してしまった寿美子はミシンに祟られた?
美子の恋愛はもう始まっていたのか
出会いからやるのかと思っていたがナレであっさり説明されてしまったw
ちょっとかわいそう…
あの時代で結婚もしないで仕事を続ける常子の事を
周囲の人たちはどう思っているのか?
ずっと気になっていたが今週はそのあたりもテーマのようだ
星野の再登場とも関連しているのだろう
宗吉夫婦と美子は「どうしたもんじゃろのぉ」と嘆き
君子は「お仕事楽しい?」と娘に訊ねる
君子は星野との別れの経緯も知っているはずだ(常子は家族を選んだ)
だから口が裂けても常子に「早く結婚しろ」などとは言えないだろう
君子自身、親に結婚を強いられて駆け落ちした人だし…
玄関のドアが開き「何か御用ですか?」と婦人が顔を出す
常子「あ…お母様ですか?」
婦人「いえ、私は手伝いの者で」
常子「そうですか…あっ、あの…私
あなたの暮しという雑誌の小橋と申します
台所を取材させて頂ければと思ったのですが」
婦人「ああ…今は旦那さんが留守なもので勝手な事は…」
常子「そうですか…無理言ってすみません」
と、青葉が「あっ!」と声を上げるので
見ると青葉の白い洋服が赤く汚れている
婦人「ああ…こんなになっちゃって…」
大樹「僕、悪くないよ」
婦人「怒ったりしませんよ、水で傘の色が落ちちゃったのね
全くひどいもん売りつけて…」
青葉「汚れちゃった…」
婦人「かわいそうにね、お気に入りの洋服だったのに…
中でふきましょう、ねっ、(常子に)失礼します、すみません」
婦人と子どもたちは家の中へと入る
本木「今日は戻ろうか?」
常子「ええ」
『星野』の表札
タイトル、主題歌イン
常子たちが戻るとちょうど、美子が新しい黄色のミシンを試運転させるのだが
ミシンの針が飛んで寿美子(趣里)が目の下を切ってしまう
花山(唐沢寿明)「危うく目が傷つくところじゃないか!」
電話をかけている花山「君が責任者なのか?はっきりと言いなさい!
用件ならさっき電話に出た者に伝えただろ!
君の会社で販売しているミシンの事だ…あれは欠陥商品だろ?
危うく失明するところだったんだぞ!
担当に代わるって君は担当じゃないのか?おい!」
美子が寿美子を手当てして常子たちも心配そうに見守る
花山が「話にならん!」と受話器を置く
水田(伊藤淳史)「とんだ粗悪品だったな」
緑(悠木千帆)「最近の製品はそんなのばっかりね」
「危なかった、しばらくミシン触るのも嫌だ」
常子の頭の中に前回の花山の言葉
(あなたの暮しが読者に提供すべき知識は何なのか…)
粗悪品のミシン…
青葉の服を汚した赤い傘…
常子「試験をしましょう!」
花山が常子を見る
ドタドタと部屋の奥に走った常子がボード(黒板)に『商品試験』と書く
そして皆に振り向き「あなたの暮しで商品の試験をするの」
美子(杉咲花)「商品を試験?」
常子「物が出回ってきた時代だけどその反面
あのミシンのような粗悪品もたくさんあります
そんな粗悪品を買わされる消費者のためにもいろいろな商品を実験して
その商品のいいところと悪いところを伝えてはどうかと思うんです」
緑「でもそういう実験ならもうメーカーの方でやっているのでは?」
常子「…メーカーの検査をうのみにしてもいいんでしょうか?
その検査が正しければあのミシンのような事は起こらないと思います」
扇田「確かに…」
常子「私たちがこの手で実際に品質を確かめて
その結果を伝える事が大切だと思うんです
それにほら…うちは広告を載せていませんからどこに気兼ねする事もなく
公正な目で見て真実だけを伝える事ができます」
水田「そうか…そうですよね、いろいろありましたけど
あの一件以降広告を載せずにやってきましたもんね」
美子「ええ」
常子「これは私たちだからこそできる事だと思うの
花山さん、この商品試験はこれからのあなたの暮しが
読者に提供すべき大切な情報だと思うんです」
黙って腕を組み話を聞いていた花山「洪水のようだと思わないか?」
松永「はい?」
花山「好景気で物があふれだした世の中がだよ…
大量生産された商品はまるで洪水のように私たちに襲いかかってくる」
寿美子「洪水のように…ですか?」
花山「しかし(と立ち上がり歩き出す)全ての商品が幸せを運んでくれはしない
あのミシンのように…
だからこそ、このアイデアはすばらしい!」(と常子が書いたボードを叩く)
一同から安堵の笑い声が漏れる
常子も会心の笑顔だ
花山「やるからには常子さんの言うとおりただの商品紹介ではなく世間に対し
危ないものはこれだ…と教えるものにしよう!」
常子「はい!」
花山「全て実名を出し問題のある商品は
どこが危険なのかを読者に届けよう!」
(一同)「はい!」
花山「早速企画会議を始める」
(一同)「えっ?」
花山「何から取り上げるべきだ?衣料か?食品か?ほら早く言いなさい!」
一同が慌てて立ち上がりメモを手に会議用の長机に集まる
美子「日用品とか…日用品」
「日用品?」
美子「私たちも手探りで始める企画ですのでまずは手に取りやすい
身近なものがいいのではないかと」
本木「だったら石けんはどうですか?
こないだ嫁が買った石けんが粗悪品で肌荒れを起こしたんです」
常子「いいかもしれません
老若男女問わず日常で接するものですし
毎日の暮らしに欠かせないものです」
花山「よし、第1回の商品試験は石けんにしよう」
(一同)「はい」
水田「いや…しかし我々だけで調べるには限界があるんじゃないでしょうか」
松永「石けんの成分なんかはメーカーに問い合わせて
聞けばいいんじゃないですか?」
花山「駄目だ!それでは広告を入れるのと同じ事になってしまう
成分などの分析は民間の検査機関に頼もう
我々がすべき事は使い勝手や使い心地等の試験と検証だな
それを視覚的にも読者に深く訴えかけるものにしなければ」
常子「はい」
美子「汚れの落ち具合を試験前と後で比較してみるのはどうでしょう?」
本木「ほならええ写真撮りまっせ」
(笑い声)
常子「お願いします」
「石けんは国内メーカーに限るのはどうでしょうか?」
花山「よし、早速明日から取りかかろう」
(一同)「はい!」
風呂上りのたまきの髪をふく鞠子(相楽樹)「へえ~商品試験?」
水田「うん、これは多分すごい企画になると思うな
おかあさんにも社内の熱気を見せてあげたかったよ」
鞠子「私に?」
水田「そう、花山さんも興奮した様子でさぁ」
たまき「たまきも見たかった!」
水田「おっ、そうか!たまきも大きくなったらお父さんの会社入るか?」
たまき「入る入る!」
水田「入るか、ハハハ…じゃあ一緒に働くか」
宗吉夫婦に最新号を届ける常子
「今回も監修して頂きありがとうございました」(美子と2人で頭を下げる)
宗吉(ピエール瀧)「ああ…ああ…ああ…それよりわざわざ来るの大変だろう
取りに行くのに…」
常子「いいんです、お世話になった方に自分の手で配りに行くのは
私の中の決め事ですから」
宗吉「ふ~ん、決め事ねえ」
美子が店の奥をチラチラと覗いている
宗吉「ん?美子、何やってんだ?」
美子「ああ…いえ何も」
宗吉「あっ…ハハハハ…タイショウならな、もう帰ったぞ」
「ええっ!」と奥に向かった美子が出てきたコックとぶつかりそうになる
コック・南大昭(上杉柊平)「お~!」
美子「南さん…」
南「どうかした?」
宗吉を見る美子「えっ?」
宗吉「ハハハ!引っ掛かってやんの」(と美子を指さす)
照代(平岩紙)「ウフフフフ!」
<美子はキッチン森田屋に勤める南大昭(ひろあき)と
交際を始めたばかりでした>
南「大将、仕込み終わりました」
宗吉「お~そうか、ご苦労タイショウ」
南「タイショウやめて下さいって大将」
宗吉「いいじゃねえかよ、おめえの名前音読みすればタイショウだろ?」
南「紛らわしくて」
宗吉「うっせえな俺はな、お前の腕を見込んでゆくゆくはこの店の
大将にしようと思ってんだ、今から慣れとけタイショウ」
南「はあ………常子さんどうも」
常子「こんばんは」
美子「もう終わりですか?」
南「ああ、あとは仕込みだけだったから」
美子「ああ…そうなの」
常子「よっちゃん今日もう終わっていいわよ」
美子「えっ、でも…」
常子「新しい企画も動き出すしたまには羽伸ばしてらっしゃい」
南を見て微笑む美子「はい」
照代「羽伸ばすんだったらたまには外で食べてきたら?」
美子「えっ?」
宗吉「おいおい、飯だったら俺が…」
照代「ここじゃできない話もあるでしょ?ねえ?」
美子「そんな事ありません…」
南「じゃあそうします…勉強にもなるし(美子に)着替えてくる」
美子「うん」
「じゃあ私失礼しますね、ごゆっくり」と常子が帰っていく
宗吉「はあ…あとは常子だけだな」
照代「どこかにいい人いるといいけど」
宗吉「うん…」
美子「う~ん…いい人がいたとしても
とと姉ちゃんにその気がなさそうですから」
宗吉「どうしたもんじゃろのぉ」
照代「…もんじゃろのぉ…フフフフ」
美子「どうしたもんじゃろのぉ…」
小橋家に飾られた鞠子の結婚写真と鞠子・たまき・水田の3ショット写真
君子(木村多江)「それじゃあ南さんとうまくいってるのね」
常子「それはそれは仲むつまじく」
君子「フフフフ、そう…でもコックさんとおつきあいするとは
食いしん坊の美子らしいわね」
常子「そうですね、フフフフ」
君子「どんな方なの?南さんって
ほら私…お会いした事ないから」
常子「あ~そうですね…男らしくて芯のある方ですかね」
君子「あら」
常子「私も森田屋さんでしかお会いした事ないですけど
よっちゃんを引っ張っていって下さっている気がします」
君子「そうなのね…ハハハハハ!」
台所の卓に石けんを置きノートに何かを書き込む常子
君子がそれをのぞき込む
常子「あ…商品を試験する企画を始めるんです…まずは石けんで
その参考になればとうちの石けんの事もメモしておこうと思って」
(とメモを続ける)
君子「お仕事楽しい?」
常子が君子を見る
君子「私の頃はみんな…常子のようにやりたい事を仕事にするなんて
考えはなかったからどんな気持ちなのかなと思って」
常子「そうですね…苦労はありますけど…今はただ純粋に楽しいです」
君子「そう…フフフフ」
ボードの前で一同に説明する花山「石けんの商品試験は汚れの落ち具合、
溶け具合、肌荒れ、香り、包装、泡立ち、以上6つの項目で比較し評価する
作業工程はそれぞれ手分けしてやってもらう事になるがまずは扇田君」
扇田「はい」
花山「石けん液の中で布を洗う係を頼む」
扇田「分かりました」
花山「美子さんはその布をよく絞って水けを切り
そのあとはしわがないようにしっかり広げて干してくれ」
美子「はい」
花山「布が完全に乾いたらその香りを調査するんだ」
(一同)「はい」
<こうして花山の指示のもと商品試験がついに始まったのです>
(つづく)
前回、常子が「かわいいね、その赤い傘」とわざわざ言ったので
赤い傘に何か意味でもあるのかな?と思っていたらまさか色落ちするとは!
だから目立ちやすい赤がよかったというだけの事かな
それにしても水で色落ちする傘なんてありえないだろw
ミシン怖いわ!
あんな体験したら一生、ミシン見るたびに思い出すよね
前回、古いミシンを壊してしまった寿美子はミシンに祟られた?
美子の恋愛はもう始まっていたのか
出会いからやるのかと思っていたがナレであっさり説明されてしまったw
ちょっとかわいそう…
あの時代で結婚もしないで仕事を続ける常子の事を
周囲の人たちはどう思っているのか?
ずっと気になっていたが今週はそのあたりもテーマのようだ
星野の再登場とも関連しているのだろう
宗吉夫婦と美子は「どうしたもんじゃろのぉ」と嘆き
君子は「お仕事楽しい?」と娘に訊ねる
君子は星野との別れの経緯も知っているはずだ(常子は家族を選んだ)
だから口が裂けても常子に「早く結婚しろ」などとは言えないだろう
君子自身、親に結婚を強いられて駆け落ちした人だし…
2016年8月15日月曜日
とと姉ちゃん(115)躍進を続けるあなたの暮し出版~台所の取材に出た常子はそこで…
昭和三十年八月
路地で子どもたちが三輪車に乗ったりベーゴマやメンコで遊んでいる
その中を駆けるまだ小さな女の子
『水田』の表札の家に「ただいま帰りました」と入っていく
鞠子(相楽樹)「お帰りなさい」
君子(木村多江)「お帰りなさい」
脱いだ靴をそろえた女の子が「おばあ様こんにちは」とキチンと挨拶をする
君子「こんにちは」
女の子は箪笥の上の万華鏡を掴むと畳に座りそれを眺めはじめる
(模様が見えるのが不思議なのか筒の先に手をかざしてみたりしている)
君子が女の子の肩に手をかけ「どう?きれいでしょう?」
女の子・たまき「触れない、とってもきれいなのに」
君子「あっ…きれいなのはこの筒の中に入っていて
それは取り出せないし触れないのよ」
たまき「でも触りたい!」(と万華鏡をのぞく)
君子「何だかちっちゃくなった常子みたい」
鞠子「そう、だんだん似てきてて…
この前なんか虹を近くで見たいって屋根に上ろうとしたんです」
君子「まあ!本当そっくりね」
街並みを歩く大人びた常子(高畑充希)
タイトル、主題歌イン
<このころ日本は敗戦直後のどん底の時代がうそのように
未曾有の好景気を迎えていました>
電器店の店先のテレビに人が集まっている
『あなたに逢いまショー』の司会者「本日は現代の源氏物語だと話題の
恋愛小説 蒼い葡萄 の作者五反田一郎さんにお話を伺います」
五反田(及川光博)「どうぞよろしく」
ペンとメモを手にテレビをのぞき込む常子
司会者「え~まず直川賞を受賞した心境をお聞かせ下さい」
五反田「ハハッ、そうですね、大変光栄に思っています
恋とは一人で落ちるもの…愛とは二人で育むもの」
相変わらずの五反田に常子が微笑む
女1「この作家さんすてきじゃない?」
女2「え~キザよ」
五反田「つまり僕が表現したかったのは依存ではなく
共存の美という事なのです」
<ちまたには物があふれ始め洗濯機、冷蔵庫、テレビの
いわゆる 三種の神器 も登場
給料の何倍もする新商品の発売合戦が過熱し
日本は大量消費の時代へとさしかかっていたのです
しかし利益のみを優先させた粗悪で危険な国産品や食品が出回る事も多く
消費者にさまざまな被害が及ぶ事もありました>
新編集室に元気よく入る常子「おはようございます!」
(一同)「おはようございます!」
<あなたの暮し出版は創立から9年
発行部数は15万部を超えビルの2階全てを借り切るほどに好調でした>
デスクで怒鳴る花山(唐沢寿明)「なってない!何度言わせるんだ!
よい文章というのは読んで分かりやすいかどうかだ
妙に凝った表現など…」
松永「自分に酔っているだけ…ですよね」(隣に立つ木立が松永を肘でつつく)
花山「分かってるならやりなさい!」
松永「すみません」
花山「君もだぞ!一度出したプランを二度出すな」
木立「はい」
花山「やり直し!」
仕事に励む花山を見て常子が微笑む
緑(悠木千帆)「常子さん、今回もうれしいお便りたくさん頂きましたよ」
葉書を受け取る常子「愛媛の宮地さんですね、いつもありがたいですね」
水田(伊藤淳史)「早速、愛読者カードにまとめておきますね」
<これは常子の意見で取り入れられた愛読者カードです
定期購読者の情報をまとめたもので発売前の宣伝はもちろん
季節ごとの挨拶も送り読者と交流を図る事で
雑誌の売り上げの安定につながっていました>
旧編集室改め研究室に入る常子「おはようございます」
(一同)「おはようございます」
常子「寿美子さん仕事は慣れた?」
寿美子「はい、憧れのあなたの暮しに携われてとても光栄です」
常子「ありがとう、頑張ってね」
<社員の数も20人近くに増え
新人だけでなくベテランも含め多くの人材が集まっていました>
編集長室
花山「万物が目まぐるしく変化していく今
台所に注目してみてはどうかと思うんだ」
常子「台所ですか?」
花山「今まで台所は家の隅っこや薄暗い場所に追いやられていたが
主婦が大半の時間を過ごす場所だろ?
本来もっと明るく家庭の中心にあるべき場所なんだ
台所をもっとこうしたい…この方が便利なのに…
という思いを多くの主婦の読者たちが抱えてる気がする」
常子「確かに」
花山「そこで方々の台所を取材し蛇口や流しの形など
どのような台所が使いやすいのかを記事にしたらどうかと思うのだが
常子さん、担当してくれないか?」
常子「はい、是非やってみたいです
すぐに手はずを整えて取材してまいります」
花山「ああ、頼むよ」
「はい」と部屋を出ようとした常子が立ち止まって振り返り
「花山さん、ありがとうございます」
花山「ん?」
常子「一緒に雑誌作りを始められて本当によかったと思ってるんです」
花山「具合でも悪いのか?」
常子「いいえ、フフフッ、先日読者の方から自分は家庭に入る道を選んだが
出版社の社長、編集者、モデルとして働く小橋さんに
自分を重ねて応援しているとお手紙を頂いたんです
ありがたい事ですよね…そんなふうに思って頂けるのは」
花山「うん、そうだな」
常子「若い頃は男性社員のお手伝いをする事が
女性に与えられた仕事だと思っていました
だからこうやって自分が思いついた事ややってみたい事を実現できているのは
とても恵まれているなと感じているんです
でもそれは全て花山さんのおかげです
いつも時代の先を見ている花山さんとだから
こうやって世の中に受け入れて頂けたんです」
花山「だが油断はできんぞ(と立ち上がり)
我々は戦後、物のない状況の中
庶民の豊かな暮らしを取り戻そうと雑誌を作った
それが今少しずつ実を結び豊かで美しい暮らし方を読者にきちんと
提供する事ができたという自負がある
だからこそ次の一手が肝心だ
住まいも衣服も食べ物も
あらゆる物が行き渡るようになった新しい時代に
あなたの暮しが読者に提供すべき知識は何なのか
それを見つけられない限りすぐに読者に飽きられるぞ」
ミシンの指導をする美子(杉咲花)「すみちゃんもはみ出ないようにね」
寿美子「はい」
常子たちは取材に出る準備をしている
と、寿美子が「あっ!」と声を上げる
ミシンを調べる美子「あ~壊れちゃったわ」
寿美子「すみません、私が厚地の生地ばかり縫ったから…」
常子「そうじゃないわ、年代物だものこうなるのも時間の問題だったのよ」
美子「浜松にいた頃からのものだしね」
常子「うん」
寿美子「どうしましょうか?作業上1台だけでは…」(ミシンは計2台ある)
常子「これは修理に出してもう一つ新しいのを買いましょう」
美子「いいの?」
常子「洋服作りに欠かせないものでしょ?
新製品も出たみたいだしそろそろ新しいのを買わなくちゃね」
美子「じゃあ私が選んでくるわね」
常子「うん」
常子「慎重にお願いね」
美子「はい」
寿美子「すみません…」
常子「大丈夫大丈夫」
主婦に戸をぴしゃりと閉められた扇田に本木と常子が近づく
本木「あかんなあ扇田君、断られてばっかりやないか!」
扇田「いやだって普通に台所を見せてほしいと言っても警戒されるばかりで…」
庭先で植木をいじる女をのぞき込む常子
女「あの…何か?」
常子「お庭のお花がとてもきれいでしたので」
女「あらそう?」
常子「はい、見とれてしまいます」
女「フフッ、こんな花でよかったらいくらでも見ていって」(と門を開ける)
「ありがとうございます、失礼します」と花を眺める常子「きれいですね」
女「そうかしら?」
常子「ええ」
本木と扇田が感心したように後ろから見ている
常子「うちの庭にもこんなお花植えてみたいですが
仕事の合間だとお手入れって難しいですかね」
女「あら、お仕事されてるの?」
「はい、あ…あの私」と茶封筒から雑誌を取り出す常子
「あなたの暮しという雑誌を作っておりまして」
雑誌を手に女「ああ…はいはい」
常子「台所の取材でこの辺りを回っていたんですがどこも断られてしまって…」
女「それはお気の毒ね…うちでよかったらどうぞ」
常子「本当ですか?ありがとうございます」
女「さあ、どうぞどうぞ」
本木「さすがや」
住宅地を歩く3人
本木「一時はどうなるかと思ったけど社長様々やな」
常子「運がよかっただけです」
扇田「この辺りに来て正解でしたね」
常子「ええ、新しい家も多いですし台所も新しいところが多かったですね」
本木「日本も豊かになってきたという証拠かな」
扇田「本当ですね」
<こうして新企画の台所特集の取材は少しずつ進んでいきました>
扇田「もう戻ります?」
常子「う~ん…あ…じゃああと一軒だけ」
本木「常子さん」
常子「はい」
「あそこはどうやろ?」と本木が一軒の民家を指さす
その家の前ではベンチに上りじょうろで水を浴びせる男の子と
下で傘を差してそれを受けて女の子が遊んでいる
「はい」と返事をした常子が子どもたちに近づく
「かわいいね、その赤い傘」
女の子「いいでしょう、青葉のお気に入りなの」
常子「青葉ちゃんていうの?(男の子を見て)お兄ちゃんは?」
メガネをかけた男の子「大樹」
常子「いい名前だね、大樹君はいくつ?」
大樹「8歳」
青葉「青葉はね…」(と左手を開いて常子に見せる)
常子「5歳?フフッ、5歳か」
<この子どもたちとの出会いが
あなたの暮しの代名詞となる企画の誕生につながっていくのです>
子どもたちと話す笑顔の常子
『星野』の表札
(つづく)
前週のエピソードは昭和二十五年なので5年お話が飛んだようだ
常子は35歳くらいになっているはず(美子は29歳くらい)
ちなみに第1話冒頭のシーンは昭和三十三年なのでこれより3年後
鞠子の娘のたまきは常子に似ているという設定のようだ
万華鏡を覗いたり「屋根に上ろうとした」と紹介されていたが
第1話で常子は物干し台に上り
「やっぱり上ってよかった、万華鏡の中にいるみたい!」と言っているんだね
鞠子が妄想の中で欲しがっていた直川賞を五反田が受賞していたなんて!
愛読者カードの件で常子がわざわざ
「愛媛の宮地さん」と名前を出したのが気になる
何かの伏線だろうか?
戦時中に供出させられそうになったが鞠子が守ったあのミシンを
会社に持ち込んでまで使っていたとは…
まあ昔の機械はシンプルだから部品を交換すれば長く使えたんだろうね
「じゃあ私が(ミシンを)選んでくるわね」と言う美子に
常子の「慎重にお願いね」はいい前フリだ
絶対買い物に失敗するよねw
上手く主婦の警戒を解いて取材を進める常子だが
女学生時代に歯槽膿漏の調査をしていた時とは段違いだねw
常子も大人になったもんだ
大樹と青葉はさすが植物オタクの星野が名付けそうな名前だ
大樹がメガネをかけているところも完璧w
赤い傘は星野絡みで何かあったんだろうか?
路地で子どもたちが三輪車に乗ったりベーゴマやメンコで遊んでいる
その中を駆けるまだ小さな女の子
『水田』の表札の家に「ただいま帰りました」と入っていく
鞠子(相楽樹)「お帰りなさい」
君子(木村多江)「お帰りなさい」
脱いだ靴をそろえた女の子が「おばあ様こんにちは」とキチンと挨拶をする
君子「こんにちは」
女の子は箪笥の上の万華鏡を掴むと畳に座りそれを眺めはじめる
(模様が見えるのが不思議なのか筒の先に手をかざしてみたりしている)
君子が女の子の肩に手をかけ「どう?きれいでしょう?」
女の子・たまき「触れない、とってもきれいなのに」
君子「あっ…きれいなのはこの筒の中に入っていて
それは取り出せないし触れないのよ」
たまき「でも触りたい!」(と万華鏡をのぞく)
君子「何だかちっちゃくなった常子みたい」
鞠子「そう、だんだん似てきてて…
この前なんか虹を近くで見たいって屋根に上ろうとしたんです」
君子「まあ!本当そっくりね」
街並みを歩く大人びた常子(高畑充希)
タイトル、主題歌イン
<このころ日本は敗戦直後のどん底の時代がうそのように
未曾有の好景気を迎えていました>
電器店の店先のテレビに人が集まっている
『あなたに逢いまショー』の司会者「本日は現代の源氏物語だと話題の
恋愛小説 蒼い葡萄 の作者五反田一郎さんにお話を伺います」
五反田(及川光博)「どうぞよろしく」
ペンとメモを手にテレビをのぞき込む常子
司会者「え~まず直川賞を受賞した心境をお聞かせ下さい」
五反田「ハハッ、そうですね、大変光栄に思っています
恋とは一人で落ちるもの…愛とは二人で育むもの」
相変わらずの五反田に常子が微笑む
女1「この作家さんすてきじゃない?」
女2「え~キザよ」
五反田「つまり僕が表現したかったのは依存ではなく
共存の美という事なのです」
<ちまたには物があふれ始め洗濯機、冷蔵庫、テレビの
いわゆる 三種の神器 も登場
給料の何倍もする新商品の発売合戦が過熱し
日本は大量消費の時代へとさしかかっていたのです
しかし利益のみを優先させた粗悪で危険な国産品や食品が出回る事も多く
消費者にさまざまな被害が及ぶ事もありました>
新編集室に元気よく入る常子「おはようございます!」
(一同)「おはようございます!」
<あなたの暮し出版は創立から9年
発行部数は15万部を超えビルの2階全てを借り切るほどに好調でした>
デスクで怒鳴る花山(唐沢寿明)「なってない!何度言わせるんだ!
よい文章というのは読んで分かりやすいかどうかだ
妙に凝った表現など…」
松永「自分に酔っているだけ…ですよね」(隣に立つ木立が松永を肘でつつく)
花山「分かってるならやりなさい!」
松永「すみません」
花山「君もだぞ!一度出したプランを二度出すな」
木立「はい」
花山「やり直し!」
仕事に励む花山を見て常子が微笑む
緑(悠木千帆)「常子さん、今回もうれしいお便りたくさん頂きましたよ」
葉書を受け取る常子「愛媛の宮地さんですね、いつもありがたいですね」
水田(伊藤淳史)「早速、愛読者カードにまとめておきますね」
<これは常子の意見で取り入れられた愛読者カードです
定期購読者の情報をまとめたもので発売前の宣伝はもちろん
季節ごとの挨拶も送り読者と交流を図る事で
雑誌の売り上げの安定につながっていました>
旧編集室改め研究室に入る常子「おはようございます」
(一同)「おはようございます」
常子「寿美子さん仕事は慣れた?」
寿美子「はい、憧れのあなたの暮しに携われてとても光栄です」
常子「ありがとう、頑張ってね」
<社員の数も20人近くに増え
新人だけでなくベテランも含め多くの人材が集まっていました>
編集長室
花山「万物が目まぐるしく変化していく今
台所に注目してみてはどうかと思うんだ」
常子「台所ですか?」
花山「今まで台所は家の隅っこや薄暗い場所に追いやられていたが
主婦が大半の時間を過ごす場所だろ?
本来もっと明るく家庭の中心にあるべき場所なんだ
台所をもっとこうしたい…この方が便利なのに…
という思いを多くの主婦の読者たちが抱えてる気がする」
常子「確かに」
花山「そこで方々の台所を取材し蛇口や流しの形など
どのような台所が使いやすいのかを記事にしたらどうかと思うのだが
常子さん、担当してくれないか?」
常子「はい、是非やってみたいです
すぐに手はずを整えて取材してまいります」
花山「ああ、頼むよ」
「はい」と部屋を出ようとした常子が立ち止まって振り返り
「花山さん、ありがとうございます」
花山「ん?」
常子「一緒に雑誌作りを始められて本当によかったと思ってるんです」
花山「具合でも悪いのか?」
常子「いいえ、フフフッ、先日読者の方から自分は家庭に入る道を選んだが
出版社の社長、編集者、モデルとして働く小橋さんに
自分を重ねて応援しているとお手紙を頂いたんです
ありがたい事ですよね…そんなふうに思って頂けるのは」
花山「うん、そうだな」
常子「若い頃は男性社員のお手伝いをする事が
女性に与えられた仕事だと思っていました
だからこうやって自分が思いついた事ややってみたい事を実現できているのは
とても恵まれているなと感じているんです
でもそれは全て花山さんのおかげです
いつも時代の先を見ている花山さんとだから
こうやって世の中に受け入れて頂けたんです」
花山「だが油断はできんぞ(と立ち上がり)
我々は戦後、物のない状況の中
庶民の豊かな暮らしを取り戻そうと雑誌を作った
それが今少しずつ実を結び豊かで美しい暮らし方を読者にきちんと
提供する事ができたという自負がある
だからこそ次の一手が肝心だ
住まいも衣服も食べ物も
あらゆる物が行き渡るようになった新しい時代に
あなたの暮しが読者に提供すべき知識は何なのか
それを見つけられない限りすぐに読者に飽きられるぞ」
ミシンの指導をする美子(杉咲花)「すみちゃんもはみ出ないようにね」
寿美子「はい」
常子たちは取材に出る準備をしている
と、寿美子が「あっ!」と声を上げる
ミシンを調べる美子「あ~壊れちゃったわ」
寿美子「すみません、私が厚地の生地ばかり縫ったから…」
常子「そうじゃないわ、年代物だものこうなるのも時間の問題だったのよ」
美子「浜松にいた頃からのものだしね」
常子「うん」
寿美子「どうしましょうか?作業上1台だけでは…」(ミシンは計2台ある)
常子「これは修理に出してもう一つ新しいのを買いましょう」
美子「いいの?」
常子「洋服作りに欠かせないものでしょ?
新製品も出たみたいだしそろそろ新しいのを買わなくちゃね」
美子「じゃあ私が選んでくるわね」
常子「うん」
常子「慎重にお願いね」
美子「はい」
寿美子「すみません…」
常子「大丈夫大丈夫」
主婦に戸をぴしゃりと閉められた扇田に本木と常子が近づく
本木「あかんなあ扇田君、断られてばっかりやないか!」
扇田「いやだって普通に台所を見せてほしいと言っても警戒されるばかりで…」
庭先で植木をいじる女をのぞき込む常子
女「あの…何か?」
常子「お庭のお花がとてもきれいでしたので」
女「あらそう?」
常子「はい、見とれてしまいます」
女「フフッ、こんな花でよかったらいくらでも見ていって」(と門を開ける)
「ありがとうございます、失礼します」と花を眺める常子「きれいですね」
女「そうかしら?」
常子「ええ」
本木と扇田が感心したように後ろから見ている
常子「うちの庭にもこんなお花植えてみたいですが
仕事の合間だとお手入れって難しいですかね」
女「あら、お仕事されてるの?」
「はい、あ…あの私」と茶封筒から雑誌を取り出す常子
「あなたの暮しという雑誌を作っておりまして」
雑誌を手に女「ああ…はいはい」
常子「台所の取材でこの辺りを回っていたんですがどこも断られてしまって…」
女「それはお気の毒ね…うちでよかったらどうぞ」
常子「本当ですか?ありがとうございます」
女「さあ、どうぞどうぞ」
本木「さすがや」
住宅地を歩く3人
本木「一時はどうなるかと思ったけど社長様々やな」
常子「運がよかっただけです」
扇田「この辺りに来て正解でしたね」
常子「ええ、新しい家も多いですし台所も新しいところが多かったですね」
本木「日本も豊かになってきたという証拠かな」
扇田「本当ですね」
<こうして新企画の台所特集の取材は少しずつ進んでいきました>
扇田「もう戻ります?」
常子「う~ん…あ…じゃああと一軒だけ」
本木「常子さん」
常子「はい」
「あそこはどうやろ?」と本木が一軒の民家を指さす
その家の前ではベンチに上りじょうろで水を浴びせる男の子と
下で傘を差してそれを受けて女の子が遊んでいる
「はい」と返事をした常子が子どもたちに近づく
「かわいいね、その赤い傘」
女の子「いいでしょう、青葉のお気に入りなの」
常子「青葉ちゃんていうの?(男の子を見て)お兄ちゃんは?」
メガネをかけた男の子「大樹」
常子「いい名前だね、大樹君はいくつ?」
大樹「8歳」
青葉「青葉はね…」(と左手を開いて常子に見せる)
常子「5歳?フフッ、5歳か」
<この子どもたちとの出会いが
あなたの暮しの代名詞となる企画の誕生につながっていくのです>
子どもたちと話す笑顔の常子
『星野』の表札
(つづく)
前週のエピソードは昭和二十五年なので5年お話が飛んだようだ
常子は35歳くらいになっているはず(美子は29歳くらい)
ちなみに第1話冒頭のシーンは昭和三十三年なのでこれより3年後
鞠子の娘のたまきは常子に似ているという設定のようだ
万華鏡を覗いたり「屋根に上ろうとした」と紹介されていたが
第1話で常子は物干し台に上り
「やっぱり上ってよかった、万華鏡の中にいるみたい!」と言っているんだね
鞠子が妄想の中で欲しがっていた直川賞を五反田が受賞していたなんて!
愛読者カードの件で常子がわざわざ
「愛媛の宮地さん」と名前を出したのが気になる
何かの伏線だろうか?
戦時中に供出させられそうになったが鞠子が守ったあのミシンを
会社に持ち込んでまで使っていたとは…
まあ昔の機械はシンプルだから部品を交換すれば長く使えたんだろうね
「じゃあ私が(ミシンを)選んでくるわね」と言う美子に
常子の「慎重にお願いね」はいい前フリだ
絶対買い物に失敗するよねw
上手く主婦の警戒を解いて取材を進める常子だが
女学生時代に歯槽膿漏の調査をしていた時とは段違いだねw
常子も大人になったもんだ
大樹と青葉はさすが植物オタクの星野が名付けそうな名前だ
大樹がメガネをかけているところも完璧w
赤い傘は星野絡みで何かあったんだろうか?
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