2016年9月7日水曜日

とと姉ちゃん(135)名古屋への転勤を言い渡され思い悩む星野

星野家 朝食を食べる子どもたち 
大樹が右足のやけどの痕を見ている 
台所から声をかける星野(坂口健太郎)「どうだ?ちゃんと食べてるか?」 
青葉「は~い」 
星野「お弁当はここ置いとくからな」 
何かを決したように大樹「お父さん」 
星野「うん?どうした?お代わりか?お父さんもう今朝は出ないといけないから
自分で頼むな」(と背広にそでを通す) 
大樹「…はい」 

常子(高畑充希)「水田さん」
水田(伊藤淳史)「はい」
常子「そろそろ洗濯機の試験を進めようと思います」
水田「分かりました、では詳細な見積りを準備します」
常子「はい、お願いします」
と、「すみません、遅くなりました」と松永が階段を上がって出社してくる
水田「おいおい、また寝坊か?」
松永「すみません」
常子「松永君、気を引き締めて下さい
私たちのやっている事はたくさんの方々に影響を与える仕事です
そんなたるんだ気持ちでは困ります」
松永「申し訳ありません」
常子「常に戦っている覚悟を持って下さい」
松永「はい」
常子「お願いします」

夜、キッチン森田屋に美子(杉咲花)が入っていく
宗吉の声「帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ!」
大きな声に驚く美子
国実(石丸幹二)「まあまあ大将、落ち着いて」
宗吉(ピエール瀧)「なれなれしく大将なんて呼ぶんじゃねえ!
こちとらなぁ、てめえなんかに話はねえんだとっとと帰れ!」
国実「はいはい、今日のとこは引きあげますよ…(と、美子に気付き)
これはこれは美子さん、今度ゆっくりお話聞かせて下さいよ」(と店を出る)
南(上杉柊平)「あいつが常子さんの言ってた新聞記者か」
不安そうな美子「一体何しに来たんでしょう?」
宗吉「さあな…」
照代(平岩紙)「何だか常子ちゃんや花山さんの
足を引っ張るような事ばかり聞いてくるからうちの人頭に来ちゃって」
美子「ご迷惑おかけしてすみません」
宗吉「謝る事じゃねえけどよ、気を付けろよ」
美子「えっ?」
宗吉「出る杭は打たれる…っていうからな」

夜道を歩く美子と南
美子「まさかあの新聞記者…森田屋さんにまで来るなんて…」
南が「美子…」と立ち止まり「結婚の事待たせててごめんな」
美子「ううん、気にしてないよ…ほら言ったでしょ
私も新しい企画で忙しいし先になっても構わないって」
「うん…」とうなずく南
美子「うん」
南が美子を抱きしめる
「フフフ…」と幸せそうな美子

松永「これ、今日参加したテスターさんの名簿です」
水田「あっ、ありがとう…
松永君何だか最近元気ないけど具合でも悪いのか?」
松永「あ…疲れがたまっているだけです
でも先週ステレオを月賦で買っちゃったんで頑張って働かないと」
水田「そんなに買い物ばかりしてお金の方は平気か?」
松永「平気ですよ、その分働いて稼げばいいんですから」
水田「何かあったらいつでも相談してくれよ」

光和医薬品社
宇田川「星野君」
星野「はい」
宇田川「おめでとう」
星野「はっ?」
宇田川「今朝、名古屋支社へ異動の内示が出た
随分かかったがやっとお前の異動願が受理されたよ」
星野「はい…」
宇田川「急で悪いが2週間後には向こうへ行ってほしいそうだ
あっちは残業も少ないし実家も近い
向こうへ行っても頑張ってやれよ」

席に座る星野
片瀬「お前名古屋に異動願なんて出してたのか?」
星野「はい、2年ほど前に」
片瀬「ああ…そういえば言ってたなあのころ…
子どもの事を考えたら残業が少ない方がいいって…全くお前らしいよ
子どものためにわざわざ給料の安い支店に行きたがるなんて
どうした?希望が通ったのに浮かない顔だな」
星野「いえ…」

夜道を力なく歩いている星野
自宅のドアのノブに手をかけると中から常子の声が聞こえてくる
「じゃあ後片づけが済んだらお食後にしましょうか」
(大樹と青葉)「はい」
(常子)「じゃあこのお皿運んでもらえる?」
(2人)「はい」
(常子)「うん、ありがとう」
「ただいま~!」と星野が家に入っていく

ちゃぶ台の前に座る星野「2人とも随分おいしそうなのを食べてるじゃないか」
青葉「おばちゃまのお土産、チュクリームっていうの」
(ちゃぶ台の上には皿に盛られたシュークリームが残り4つほどと
オレンジジュースのグラスが2つ)
大樹「ハハハ、そうじゃなくてシュークリームね」
常子「フフフ…星野さんもおひとついかがですか?」(と小皿を前に置く)
星野「ありがとうございます」
常子「このお菓子のお店取次店のすぐ近くにあるんです
今日取次店に寄ったらそこの社長さんに
発行部数を増やしてみないかって言われて」
星野「発行部数を?」
常子「はい、売り上げも今のところ右肩上がりですし
商品試験もこれからもっと注目を浴びるはずだからって
まあ花山さんに相談してみないと分からないんですが
私はいいお話だと思っているんです」(と笑いが止まらない感じ)
星野「そうですか」
常子「すみません…仕事の話をしてしまって」
星野「いえ」
青葉「お兄ちゃん、甘くておいしいね」
大樹「うん、ふわふわだなあ」
常子「あ~食べちゃったね、もう一つ食べる?」
大樹「うん」
青葉「まだ食べてない私」
常子「ゆっくりでいいよ」
子どもたちの世話をする常子を眺めている星野

本屋で絵本を手にする星野
と、他の女性客たちの声が聞こえてくる
「ねえこれこれ!あなたの暮しの商品試験、知ってるでしょ」
「もちろんよ、今回は電気釜でしょ?」
「私もトースター買う時参考にしたんだけど、もう大正解だったわよ!」
「本当に役に立つのよねこの雑誌」
星野が「女の人の役に立つ雑誌を作りたかった…はい、私の夢です」
という常子の言葉を思い出す

絵本を読み聞かせしている星野「おかをのぼればあおいそら
森も林もちいさくみえる ちょうちょもいっしょについてきた おしまい」
星野の膝の上の青葉「面白かった、お父さんありがとう」
星野「どういたしまして」
大樹「今度は僕が読んであげる」
青葉「うん」
星野「じゃあ大樹読んであげて」

なみが洗濯ものをたたんでいる
その隣に座る星野「いつもすみません」
なみ「今日はお仕事早かったんですね」
星野「ええ、あとは僕がやりますからもう上がって結構ですよ」
なみ「そうですか、じゃあこれだけ畳んじゃいますね」
星野「はい」と、なみの手にあるものを見て「あれ?そのズボン…」
なみ「えっ、これですか?」
星野「はい」(とズボンを手に取り)「大樹長ズボンはいて行ってるんですか?」
なみ「ええ」
星野「おかしいな…もう暑いから毎朝半ズボンを用意しているのに」
なみ「そうなんですか?学校へは長ズボンで行ってますけど」

夜、青葉が布団で眠っている部屋の襖を星野が閉める
居間ではちゃぶ台で寝間着姿の大樹が図鑑のような本を見ている
星野「大樹」
大樹「何?」
星野「最近学校に長ズボンはいて行ってるのか?」
下を向く大樹「うん…」
星野「別にお父さん怒ってる訳じゃないんだよ…ただどうしてかなって…
…お父さんに話したくない事なのか?」
大樹「あのね…」
星野「うん」
大樹「隣の席の悦子ちゃんがね…
このやけどの痕見て気持ち悪いって言ったんだ…一回だけじゃないんだ」
星野「だから…見えないように長ズボンはいていたのか?」
大樹がうなずく
星野「…ごめんな…気付いてやれなくて」
首を振る大樹を見つめ何かを思う星野

小橋家
常子「ちょっと森田屋さんに行ってきます」
台所の君子(木村多江)「あら日曜日なのにお仕事?」
常子「いえ…あの…星野さんにお食事に誘われたもので」
君子「あらそう」
君子を手伝っている美子「ねえその口紅新しいのじゃない?」
常子「うん…前の使い切っちゃったから」
美子「とってもお似合いよ」
常子「そうかしら」(と機嫌よく笑う)
君子「ほらほら、遅れると失礼だから」
常子「あっ、はい、では行ってまいります」
(2人)「行ってらっしゃい」
常子が去ると美子と君子が顔を見合わせ幸せそうに笑う

玄関の戸を閉め微笑みを湛えた常子が森田屋へ向かう

森田屋
星野「ごちそうさまでした」
(常子と子どもたち)「ごちそうさまでした」
常子「おいしかったわね」
青葉「もうおなかいっぱい」
厨房から宗吉が出て来て「お~残さずきれいに食べたなあ」
星野「ここの料理はいつも残さず食べるんです」
常子「青葉ちゃんなんて私の分まで食べたんだよね」
青葉「うん、だっておいしいんだもん」
常子「フフフフ」
宗吉「おいおいうれしい事言ってくれるじゃねえか、ハハハハ…
お~そうだ常子」
常子「はい」
宗吉「悪いけど留守番頼まれてくれねえか」
常子「留守番?」
宗吉「ああ、ホウレンソウ切らしちまってなぁ、裏の八百屋までちょっとな」
常子「分かりました」
宗吉「戻ってきたらデザートサービスするからよ」
常子「フフフ、ありがとうございます」
「おう頼むな」と宗吉が出ていく
常子「デザート…星野さんデザート食べ終わったら
裏の公園まで遊びに行ってみませんか?」
星野「常子さん…今日は…お話があってお呼びしたんです」
星野の様子に少し不安気な顔になる常子

(つづく)

星野に発行部数の話をする件の常子は浮ついていて
久しぶりにバカっぽい常子を見た気がして懐かしかった
思えば娘時代の常子は間抜けでよく笑わせてくれたが
いつの間にかすっかりとしっかり者の社長になってしまったようだ

転勤を言い渡された星野が思い悩んだ末に出した答えを
次回で常子に告げる事になるのだろうが
今回常子が充実していて幸福の真っ只中にいる描写だった事を考えれば
星野の答えはそれとは逆
つまり常子にとって不幸なものである事は想像できる
ただ分からないのはその答えに大樹の長ズボンのエピが
影響しているはずなのだがどう関わっているのかという事だ
大樹にすまないという思いと改めて子どもたちの幸せを考えて
残業の少ない名古屋に行くというのか?
いや、子どもたちの幸せを考えれば常子と共にいるのが最良だとも思える
まさか常子に名古屋へ一緒に来てくれと言うつもりだろうか?
だが、それだと本屋のエピ(常子の夢)と矛盾してきてしまう
星野は一体何をどう語るつもりなのだろう?


2016年9月6日火曜日

とと姉ちゃん(134)星野が常子に再プロポーズ!?~電気釜の記事で低評価を受け追い詰められるアカバネ

<花山は不眠不休で原稿を書き直し写真も全て準備し直しました
原稿はなんとか日曜日の午後に印刷所に届ける事ができ
印刷所も最大限のスピードで作業を進める事を約束してくれました> 

なんとかトラブルの処理を終えた常子(高畑充希)を星野一家が訪ねてくる 
星野(坂口健太郎)「お忙しいところ突然申し訳ありません」
常子「いえいえ、今ちょうど一段落ついたところで」
子どもたちの顔をのぞき込む常子「フフフ、みんな一緒に来てくれたんだ」
大樹「うん」
青葉「ねえおばちゃま」
常子「うん?」
青葉「昨日はわがまま言ってごめんなさい」
常子「ううん…わがままだなんて…(と青葉の頭を撫でる)
悪いのはおばちゃまなんだから」(青葉が首を振る)
大樹「おばちゃん」
常子「うん?」
大樹「これおばちゃんのために持ってきました」(と包みを差し出す)
常子「ありがとう」(と受け取る)
大樹「何だと思う?」
常子「えっ、何だろう?」(と匂いを嗅ぐ)
青葉「お握りなの」
常子「えっ!」
大樹「3人で一つずつ作ったんだ」
青葉「大きいのが私の」
常子「あ~ありがとう!おばちゃまねちょうど今おなかがすいてたの」
大樹(青葉に)「よかったな」
青葉「うん!」
星野(子どもたちに)「じゃあそろそろ帰ろうか」
大樹「はい」
常子「本当にありがとうございました」
星野「いえ」
と、ドアが開き花山(唐沢寿明)が姿を見せる「おや、お客さんかい」
星野「急にお邪魔してしまってすみません…僕たちは…その…」(と常子を見る)
常子(星野と花山を交互に見て)「む…昔の知り合いといいますか
ゆ…友人です」
何かを察したように笑った花山が急に変なポーズと口調で子どもたちに
「ごゆっくりどうぞ~」
子どもたちが楽しそうに笑う
「常子さん、次回の企画案だ読んどいてくれ」と書類を渡しまた変なポーズで
子どもたちを「わあ~!」と驚かせて花山は部屋に戻る
子どもたちだけでなく星野まで口を開けたまま驚いてしまっている
「あぁ怖かった~」と常子が青葉の頭を撫でる(青葉は大笑いしている)
大樹「びっくりした~」
常子「ごめんね驚かせて」

住吉ビル前
常子「今日の事はすみませんでした、この埋め合わせは必ず」
星野「もう気にしないで下さい
常子さんにとって社員の皆さんは大事な家族なんですから優先するのは当然です
お互いに無理をせず補い合いながら時間をつくっていきましょう」
常子「はい」
星野「では失礼します」
常子「ありがとうございました」
大樹と青葉「さよなら!」
常子「さよなら」
「よし、じゃあ行こうか」と星野たちが帰っていく
途中で振り向く青葉「おばちゃままたね」
常子「うん、またね、フフフ、気を付けてね」(と笑顔で手を振る)

花山が知恵の輪を解いている
常子がやってきて「花山さん、たった今印刷所から連絡があり
予定どおり発売日に間に合うそうです」
花山「そうか」
常子「はい、問題解決です」
知恵の輪をしながら花山「彼と交際しているのかい?」
常子「あ…いや…(と目を伏せて)まだそういう…はっきりした事はまだ…」
そして花山を見て「花山さん、今私はこういう事に
うつつを抜かしている場合ではないのは分かっているんですが…」
花山「謝る事ではないよ」
常子「ですが私は…新たな雑誌を一緒に作るとなった時
花山さんに人生をかけて雑誌を作ると宣言しました
それなのに…という思いが胸の中にあるのも事実です」
花山「君も不器用な人間だねぇ…
あの言葉が安易な気持ちから出たものだとは思っていない
実際に常子さんは社長が社員の親であるという考えもよく体現してくれている
だからあえて言うがね
あの時の誓いに縛られる事はないんじゃないか?
生まれたばかりのあの時とは違って
今は曲がりなりにも自分の足で立てるようにはなった
仕事も大切だが常子さんの人生なのだから後悔しないように生きるべきだよ」
常子「ありがとうございます」

昭和三十二年五月

<こうして電気釜の商品試験の記事が掲載された
あなたの暮し最新号(40)は発売されました
発売直後より『電気釜を選ぶ際に参考になった』という感謝の言葉が
読者から数多く寄せられました>

大東京新聞
あなたの暮しのページを広げる国実(石丸幹二)
と、後ろから同僚たちの会話が聞こえてくる
記者1「おい、あなたの暮しはすごいな、42万部だってよ」
記者2「商品試験も相変わらず手厳しいですね」
記者1「ここまで書かれたらアカバネもたまらんなあ」
記者2「評価Cはアカバネだけですよ」
記者1「ハハハ…でもこれ参考になるな」
記者2「実は僕もこれ参考にしてるんです」
記者1「そうなんだ、へえ~」

ちゃぶ台で植物の絵を見ている大樹と青葉(星野と常子もいる)
青葉「とってもきれい」
大樹「本物の花みたい」
常子「大樹君と青葉ちゃんのお父さんは昔た~くさんお花の絵を描いてたんだよ」
大樹「へえ~」
青葉(星野に)「昔っていつ?」
星野「2人が生まれるずっと前だよ」
大樹「お父さん、もう一回描いてよ」
星野「じゃあ…今度みんなで描きに行こうか」
大樹「うん、約束だよ」
青葉「約束ね」
常子「行こうね」
(大樹と青葉)「うん」

布団で眠る子どもたち
常子は青葉の横で手枕をして鼻歌のような子守歌を歌っている
♬「ぼうやは良い子だねんねしな(青葉の髪に触れる)
ぼうやのおもりはどこへいった…」

縁側に座っている星野の横に腰を下ろす常子「2人とももうぐっすりです」
星野「ありがとうございました」
常子「いえ…まだ寝たくないって言ってたのにあっという間でした」
星野「疲れたんでしょう…2人とも久しぶりに常子さんと過ごせて
はしゃいでましたから」
常子「私も楽しかったです」
星野「僕もです」
(少しの間)
夜空を見上げる星野「きれいな月だなあ」
空の半月を見て常子「本当ですね」
星野「フフフ…」
常子「どうかされました?」
星野「思い出してしまって…
以前『月がきれいだ』と言った僕の言葉を
鞠子さんが愛の告白だと勘違いした事が…」
常子「フフフ…ありましたね、そんな事」
星野「ええ…でも僕はそれを聞いてすてきだと思いました
だから本当は結婚をお願いしたあの時に月を見ながら
『月がきれいですね』と…常子さんに思いを伝えるつもりだったんです
結局緊張してそんな気の利いた事言えませんでしたけどね」
常子「そうだったんですね…あの日」
常子を見つめる星野「今…あの時と同じ気持ちです…常子さん」
星野が常子を抱きしめる
星野に体を預けるような常子
少し体を離した星野が常子に口づけをする

アカバネ電器製造社長室
赤羽根(古田新太)「村山」
村山(野間口徹)「はっ」
赤羽根「我が社の事について書いてある事を読んでみろ」
村山「はい…特にアカバネは蓋やつまみが熱くなる事を明記しておらず
使う人の立場を考えているとは言えません…以上です」
赤羽根(酒井を見て)「どういう事だ?」
酒井(矢野聖人)「決して手加減したつもりはないんですが」
赤羽根「どうだかなあ…お前は昔から妹に似て優しいところがあるからな秀樹」
酒井「だけどおじさん…」
赤羽根「会社では社長だ」
酒井「すみません…社長」
立ち上がり村山の手から雑誌をとる赤羽根
「こいつらは世直しでもしてるつもりか?思い上がりも甚だしい
マスコミに持ち上げられて調子に乗り過ぎてしまったんだなぁ
だったらそのマスコミを敵に回せばいい(とあなたの暮しを破り捨てる)
何としてでも商品試験をやめさせろ…手段は選ばん
苦労してここまで大きくしたんだ…こんな事で潰されてたまるか…」
と壁に掛けられた額の写真(アカバネの文字がある町工場)を見つめる

(つづく)

青葉が一日でケロッと機嫌を直しているのが意外だった
常子が差し入れのお握りを喜んだ件で
大樹が青葉に「よかったな」と言っているから
これは青葉の発案なのかもしれない
常子と仲直りしたかったのかな

別れ際に星野が「お互いに無理をせず
補い合いながら時間をつくっていきましょう」と言っている
美子が言っていたように星野は常子の社長としての立場を理解しているようだ
だから「結婚」という言葉が出てこないのかなあと思っていたら
後半で「今…あの時と同じ気持ちです…常子さん」という言葉が出てきた
これはどういう意味だろう?
求婚した時と同じ気持ちで常子を好きだと言いたいのか
それともあの時と同じに今の常子と結婚したいと思っているという意味なのか?
おそらく後者ではないかと自分は思うのだが
それだとあのシーンは星野の17年ぐらい?ぶりのプロポーズという事になる

キスシーンでカメラが引いたのはいい演出だ
朝からどアップでぶっちゅ~とか見たくない

赤羽根は悪役に徹する感じでカニやステーキを貪るシーンが多かったが
今回は町工場時代の写真を見つめているカットで終わった
常子たちが戦後、刷り上がった雑誌をリヤカーで曳いて運んでいたみたいに
赤羽根も汗水たらして苦労してきたんだという描写なのだろう
だからといって今の赤羽根たちがやっている事を
仕方がない事だ…とは決して思えないのだが

酒井は赤羽根の甥という設定なんだね
「妹に似て優しいところがあるからな秀樹」と言っておきながら
「だけどおじさん…」と言う酒井に「会社では社長だ」
どっちやねんw
いまだに美子に会社でも「とと姉ちゃん」と呼ばせ
社員たちからは「常子さん」と呼ばれる常子との対比なのかな?
この部分だけは自分は赤羽根派だわ


2016年9月5日月曜日

とと姉ちゃん(133)更なる嫌がらせの対応に追われ星野一家との約束をキャンセルした常子は…

住吉ビル前 
新聞紙を広げあなたの暮し出版社を見上げる謎の男・国実(石丸幹二) 

タイトル、主題歌イン 

青葉がちゃぶ台で画用紙に象の絵を描いている 
なみ「青葉ちゃん上手に描けてるわね」 
青葉「象さん見られるかなあ」 
なみ「象さん?」 
青葉「動物園に行くの」 
なみ「あら~」 
大樹「今度の日曜に常子おばちゃんとお出かけなんだ」 
なみ「そう、いいわね」 
青葉(大樹に)「あと何回寝たらいいの?」 
大樹「木…金…土…あと3回寝たら動物園だよ」 
青葉「象さんどのぐらい大きいの?」 
大樹「う~ん…」 

常子(高畑充希)「変な男?」
テスターの女性・鈴木「しつこく商品試験の事聞いてきたんだけど
気味悪かったんで無視して帰ったんです」
美子(杉咲花)「その人鈴木さんがテスターしてるって…」
鈴木「分かってるみたいでした」
木立「そいつってハンチングかぶってませんでした?」
鈴木「そう、ハンチングでした」
木立「僕も会社の前で何度か見かけましたよ」
常子「分かりました、ちょっと調べてみますね…今日はご苦労さまでした」
鈴木が帰り美子「例の石投げてきたのってその男なのかな?」
と、桑原印刷から常子に電話が入る
桑原「ああ、常子さん?差し替え原稿ってまだなの?」
常子「差し替えって何の話ですか?」
桑原「何のって商品試験の原稿を差し替えるんだろ?」
常子「原稿の差し替えってどういう事ですか?」
桑原「いやいや、商品試験の原稿に重大な誤りがあったから
人目に触れないように原稿を捨ててほしいって言ってきたのそっちじゃない
土曜日までに差し替え原稿を提出するって…」
常子「土曜日って今日じゃないですか…誰がそんな事…」
桑原「お宅の藤野っていう人だよ、花山さんの代理だって電話してきて」
常子「藤野なんていう人間はうちにはいません」
桑原「はあ?」
常子「恐らく誰かの嫌がらせだと思います」
桑原「まさか…電話もらってあの花山さんならそういう事もありうるかと
思い込んじまって…」
常子「という事は商品試験の原稿は全て廃棄してしまったんですか?」
桑原「あぁ…申し訳ない…明日までに新しい原稿が入らないと
予定日での発売は難しいなぁ…」
常子「分かりました、社内で検討してまたご連絡差し上げます…失礼致します」
受話器を置いた常子に美子「ねえ、今のどういう事?」(扇田木立島倉もいる)
常子「手違いがあって商品試験の原稿が全て廃棄されてしまいました」
(一同)「はあ~?」
島倉「どうしてそんな事が…」
常子「とにかく明日までに全てやり直します
今すぐに作業に取りかかって下さい」
「分かりました」と男たちが動き出す
美子「とと姉ちゃんこれって…」
常子「このままだと発売日に間に合わなくなってしまうわ
すぐに取次店と書店に連絡お願いします」

編集長室
「すみません」と頭を下げる常子
花山(唐沢寿明)「仕方あるまい、明日までに書き直す、まだ頭に文面がある」
常子「ひょっとしてこれもアカバネが…」
花山「そんな事言っていても仕方あるまい…君はやるべき事をやりなさい」

夜、星野家
2着の洋服を吊り下げて見せる青葉「明日はどっちがいいかな?お父さん」
星野「う~ん…どっちもお似合いだからお父さん決めらんないなぁ
大樹はどう思う?」
大樹「う~ん…こっちがいいんじゃない?」(と赤い洋服を指さす)
青葉「じゃあこっちにする!」
大樹「僕はこの帽子かぶって行こうっと」(と白い野球帽をかぶる)
青葉「お兄ちゃん似合ってる!」
星野「うん、本当だなあ」
と、部屋の電話が鳴り受話器をとる星野「もしもし星野です…
常子さん(星野が笑顔になる)…ええ…はい…えっ?」

会社から電話している常子「本当にすいません…
予想外の事態が起こってしまって早急に動かないと
発売日に間に合わなくなってしまうんです
申し訳ないんですが明日の約束は…」

星野「ええ、もちろんです…動物園はまた行けばいいんですから」
(常子)「ごめんなさい…私も楽しみにしていたのに…」
星野「気にしないで下さい、それより平気なんですか?」

常子「はい、何とかしてみせます」

星野「そうですか…大樹と青葉には僕から言って聞かせますので」

常子「いや、そういう訳には…2人に代わって頂けませんか?謝りたいんです」
(星野)「分かりました、お待ち下さい…大樹おいで」
(大樹)「もしもし」
常子「大樹君…あのね…」

大樹「電話聞いてたから分かったよ…動物園行けなくなったんだね」

常子「ごめんね」

大樹「ううん、お仕事ならしょうがないよ…今度行こうね」

常子「うん…ありがとう…青葉ちゃんに代わってもらってもいいかな?」

大樹「ちょっと待ってて…青葉」(と青葉を見る)
青葉「やだ」
星野「青葉」

常子の受話器から青葉の声が聞こえてくる「やだやだ!そんなのやだ!
おばちゃまの嘘つき!」
(星野)「ほら青葉」
(青葉)「やだやだ!やだやだやだ!」
(星野)「またみんなで行けばいいんだから」
(青葉)「やだ!」
駄々をこねる青葉の言葉が常子の胸に突き刺さる

美しい満月

机に向かい作業する常子に寄り添う美子「今日できる連絡は全て終わりました」
振り向く常子「ご苦労さま」
隣に腰かける美子「残念だったわね動物園」
常子「うん…青葉ちゃん泣いてた…」
美子「また今度連れてってあげればいいじゃない」
常子「また今度か…またこんなふうに約束を破っちゃうかもしれない…
もちろん大樹君も青葉ちゃんもとっても大事よ
でも…今回みたいに仕事を優先しなければならない事があったら
また同じように2人を傷つけるような事もあると思う
…こんなふうに仕事をしながら家の事も子どもの事も十分にやるなんて
今の私には不可能だと思うの」
美子「…そんな事…星野さん最初から分かってるよ
とと姉ちゃんにとって仕事が一番って事は
星野さんも最初から知ってるはずでしょ?
まずはさ、自分ができる事をやればいいんじゃない?」
常子「…そうね…」
美子「うん…何でも背負い込んじゃ駄目だよ…ねっ?」
常子「フフフ…うん…ありがとう」
「片づけてくる」と美子が席を立つ
悩み深い表情の常子

<常子と花山は会社に泊まり込み夜を徹して原稿を作り直すための作業を続け
他の社員は取次店や書店への対応に向かっていました>

デスクで頬杖をつく常子に後ろから声をかける花山「常子さん」
花山が近づく「常子さん(反応なし)…常子さん」
常子が振り向いて花山を見上げる「はい」
花山「ろくに寝てないのは分かるがしっかりしてくれ」
常子「すみません」
花山「電気釜の耐久試験の資料が欲しいんだ」
「あ…あっ…はい、こちらにまとめてあります」と資料を花山に渡す常子
花山「ありがとう」
と、「ごめんください」と声が聞こえ入口にハンチング帽の男が立っている
花山「どちら様でしょう?」
歩み寄る国実「お忙しいところ突然すみません
大東京新聞の国実と申します」(と常子と花山に名刺を配る)
花山「新聞記者がうちに何の用だね?」
国実「何か不測の事態でもありましたか?
お二人とも夜を徹して仕事をしていらっしゃるようなんでね
入稿は終わっていい時期ですよね?
本来ならもっと落ち着いてるはずでしょう?
どうしたのかなあと」
花山「たとえ何かあったとしてもあなたに話す事ではない」
国実「出版業界であなたの暮しが何と呼ばれてるかご存じですか?」
花山「さあ…この業界にそれほど知り合いがいる訳ではないので」
国実「広告もとらずによくやっていける孤高の存在だ…とね
どういう人間がどんな決意でこの雑誌を作ってるのか
とっても興味があるんですよ私は
しかも社長が女性ときたもんだ
雑誌だけでなく小橋常子という作り手に興味がある人も多いと思いますよ
あなたは編集長の花山さんでしたっけ?
あなたたちの事を記事に書かせて頂ければと思いましてね」
常子「私たちの事を?」
国実「ええ」
花山「取材に関してはまた日を改めてもらおうか
今はそんな事をしている時間はない」
国実「ハハ!さすがは天下のあなたの暮し出版様だな
新聞の取材など受けてる暇はないっていう事ですか」
常子「そんな事は言っておりません」
国実「最近は商品試験とやらで消費者の支持を得てらっしゃるようじゃないですか
ねえ…自分たちだけで調査を行い商品の良し悪しを記事にする
消費者の味方として我々は実に頭が下がる思いです
しかしもう一方ではそのような閉鎖的な試験に公平性はあるのかという
疑問を持つ者もいるんです」
常子「疑ってらっしゃるんですか?」
国実「あなたたちの書いた記事でメーカーは売り上げが左右され
倒産の危機に陥るとこだってある
その辺の事はどうお考えですか?」
常子「どう…とは?」
国実「私には信じられないんですよ
消費者のため、読者のためとうたってますが得もないのに莫大な資金をかけて
長期間商品試験なんて事をするって事がね
…あっ、得はあんのか…売れてますもんねえ雑誌…フフッ
世間では時代の寵児ともてはやされてますが本当のところはどうなんですか?
結局はただの拝金主義者なんじゃないですか?」
花山「今日は取材は受けんと言ってるのが分からんのか?
仕事の邪魔だ、帰りたまえ」
国実「ああそうですか、ではまたの日に」(と帰っていく)
常子「あんなふうに私たちの事を見ている人がいるなんて…」
花山「気にするな、あんなやつの言う事を真に受けていたら身が持たんぞ」
「はい」と返事するも不本意な表情の常子

(つづく)

青葉を泣かせてしまい落ち込む常子を美子が慰めるシーン
「…家の事も子どもの事も十分にやるなんて今の私には不可能だと思うの」
と珍しく常子が弱音を吐く
124話の美子の「もっとぶつけてほしいの…弱音吐いちゃってよ」を受けての事だろうが
「何でも背負い込んじゃ駄目だよ」と言う美子に常子が「フフフ」と笑ってしまったのは
やはりとと姉ちゃんの常子にとっては
美子はいつまでも年の離れた頼りないはずの末妹という事なのかな
しかしこの件の2人の会話は常子が子どもたちの面倒をみていくという前提のもので
「結婚」という言葉が出てこないのが不思議な感じがするくらいだ

常子の頬杖のシーン
これにはどういう意味があったのだろう?
花山が3回も「常子さん」と呼びかけるのだがボーッとしてそれが耳に入らないほど
仕事と星野たちの事で悩んでいるという描写なのだろうか?
それともまさかとは思うが半目を開いたまま眠っていたわけじゃないよね…まさかねw

国実は嫌みっぽい喋り方だが言っている事の内容は普通に現実的かな
これはドラマだから常子と花山が理想を抱いて雑誌を起ち上げたのを
私たちは知っているが
現実だったならまずは自分なら疑ってみる
今まで常子たちに同調する熱血漢の編集部員ばかり見てきたので
国実のスタンスはホッとするぐらいだ
花山は雑に追い返さないでやましいところはないんだから
取材に協力して利用しちゃえばいいのになあと思った