常子(高畑充希)「え~私たちは3種類の洗剤を使用し汚染布だけではなく
家庭での洗濯物、つまりシャツや靴下、シーツなどを洗って
基本的には目視で汚れ落ちを判断しています」
国実(石丸幹二)「目視ですか」
メーカーの担当者たちがバカにしたように笑う(赤羽根も)
常子「おおむね時間をかければ汚れは落ちましたので
落第点のものは1種もありませんでした…
しかし生地の傷み方に関しては注目すべき点がありました」
タイトル、主題歌イン
常子「…特に洗い時間が短い事を売りにしている澄浦のものが
一番生地の痛みが激しく…」
(澄浦)「そんなはずはない、我が社では同じ生地を500回以上洗って
痛みが出ないかテストしてるんだ」
花山(唐沢寿明)「それは綿で出来た汚染布を使っているからでしょう
実際の洋服で洗濯してみると澄浦のものは渦の力が強いため
ナイロンやビニロンなどの合成繊維の服は(と洋服を取り出し掲げ)
このように破けてしまいました」(胸のポケットが破れ垂れている)
(会場がどよめく)
酒井(矢野聖人)「おいおいひどいな」(赤羽根が嬉しそうに笑っている)
(澄浦)が着席して下を向く
花山「また汚れ落ちが不十分な生地もありました
これはどのメーカーもですがね」
常子「各メーカーが試験用の布でテストしたがゆえの問題がもう一つ…
(と白いワイシャツを取り出し掲げ)こういったシャツにあります」
常子「洗濯したシャツを脱水するのにローラーを使いますよね」
あなたの暮しスタッフがシャツを脱水ローラーに通し実演して見せている
その中の美子(杉咲花)「あ~またなった」
村山(野間口徹)「また?」
常子「このようにボタンつきのシャツを絞ろうとすると
かなりの確率で途中で引っ掛かってしまいます
そして無理やり絞ろうとすると…(物が割れる音)ボタンを見て下さい」
スタッフの掲げるシャツを確認する国実「全てのシャツで割れてますねえ」
常子「ボタンのついていない試験用の布では
このような結果は出なかったと思います
これではたとえ絞り率がスジ規定の40%以上であったとしても
誰も使いたいとは思わないのではないでしょうか」
国実「次に著しい騒音や振動がないかという点について
各社の試験内容をお聞かせ下さい
それではトーチクさんお願いします」
(トーチク)「我が社では騒音計を使って
規定以上の騒音が出ていないか調べるほか
機械に聴音機を当てて人間の耳に聞こえない異常音がないかどうか
徹底的に調べています」
(広海)「我々は水を入れずに空回しをしてその状態を観察する事で
振動の度合いを計算しています
洗濯機は水を入れる事で重みで安定します
空回しをする事でより過酷な状況下で
振動に問題が出ないかを調べているのです」
常子「それはすごいです、そこまでされているとは思いませんでした
私たちは騒音計を使って騒音や振動のテストをしているに過ぎません
次の試験からはそのような視点も取り入れたいと思います」
国実「ほう…」
赤羽根(古田新太)が酒井に耳打ちする「おい、うちもアピールしろ」
酒井「しかしうちは騒音計を使って試験しただけなので…」
赤羽根「くそぉ…」
(トーチク)「国実さん、ここをしっかり書いて下さいね
トーチクはトーチク独自のやり方で検証している事が証明されました」
(広海)「私ども広海もいかに努力をしているかお分かり頂けたと思います」
(トーチク)「この一点はほんの一例に過ぎません
我がトーチクは努力を惜しまず独自の試験をし
よりよい商品作りを心がけております
我が社では脱水までも自動で行えないかと会議をしておるところです」
会場がどよめく
(トーチク)「記者の方、これ書いて下さいね」
と、焦ったのか赤羽根が立ち上がりアピールを始める
「え~我がアカバネは脱水だけではなく乾燥もできる洗濯機を
開発しておる次第でございます
会場が激しくどよめく(村山と酒井も驚いている様子)
赤羽根「2年後、いや来年には商品化されるかもしれません、ご期待下さい
…と、記事に書いておいて下さいな」
国実「来年ですか、それは楽しみですね」
赤羽根「ハハハハ」
赤羽根に耳打ちする酒井「社長そんな話は…」
赤羽根「黙ってろ、ここで他社よりも強いアピールができるかが肝心なんだ」
村山「社長今のは…」
赤羽根「お前には落胆したぞ村山…代われ、ここからは私が発表する
かませ犬にされてたまるか!」(と担当者席に座ってしまう)
国実「次に耐久性について各社どのような試験を行っているのか
発表して下さい、ではニッカデンさん」
(ニッカデン)「我が社では無作為に選んだ100台の洗濯機を
それぞれ500回ずつ回してモーター等に損傷がないか調べています」
国実「500回というのは多い方なんですか?」
(トーチク)「弊社は700回回しております」
(広海)「うちもです」
赤羽根「甘いですなあ皆さん…我がアカバネは1,000回回し
更に様々な電圧で使用しても故障しないかを検証している次第であります」
国実「1,000回ですか…ニッカデンさんの2倍ですね」
赤羽根「そうなりますかね…ハハハハ」
(ニッカデン)「しかし回数だけで耐久性の全てが測れる訳ではありませんからね
我々は洗濯機本体の鉄板の強さを調べるために
ハンマーでたたくなどして過酷な耐久試験も行っています
いくらアカバネさんでもそこまではやっていないでしょう?」
赤羽根が(かなわんなあ…)という顔で笑ってごまかす
花山「皆さん様々な耐久テストを行われてるようですが
私たちの試験の結果ではどのメーカーも満足のいく結果は出ませんでした」
(担当者一同)「何!?」
赤羽根「冗談じゃない!我が社では2年分に値する回数を回して
耐久テストをやっているんだぞ、おかしいじゃないか!」
花山「アカバネさんはどのような場所で耐久テストをなさいましたか?」
赤羽根「場所?」(と村山を見る)
村山「工場の中にある試験用の部屋ですが」
花山「なるほど…確かに屋内で試験をしていても故障はしないでしょう
問題が起こるのは屋外で洗濯機を使用している時なんですよ」
村山「屋外?」
花山「洗濯機を持っているご家庭の多くは排水の問題から
ベランダや庭先など屋外で洗濯機を使用しています
そこで私たちは洗濯機を屋内だけでなく屋外にも置いて試験しました
結果…ある問題を発見した」
美子たちスタッフが会場に2台の洗濯機を運んでくる
美子「これは私たちが屋外でテストしたアカバネの洗濯機です」
花山「このタイマーの操作つまみはプラスチックで出来ています
質の悪い安物のプラスチックは日光の紫外線によって少しずつ溶け
劣化します…ほらここ…つまみが割れてタイマーの操作ができなくなれば
いくら耐久テストに合格していても元も子もありません」
常子「屋外で洗濯機を使い続けるとここまで劣化してしまいます
そして普段見ないような箇所が実はもっと危ないんです」
スタッフが「せ~の」と洗濯機を倒して底を見せる(一面が錆びている)
国実「それはサビですか?」(と近寄り間近で確認する)
常子「洗濯機自体が鉄で出来ていますから
雨などの湿気でサビが出やすくなります
底が空いているこのような構造ですと内部に湿気が入りモーターがさび付き
発火するおそれがあります」
国実「これはどれほどの期間試験したんです?」
常子「1年間です」
国実「1年?…来る日も来る日も試験したんですか?」
常子「そうです」
国実「なるほどね…」
常子「他にもホースでの給水の問題があります
中でもひどかったのはアカバネのもので…
他のメーカーは10センチ近く余裕がありましたが
アカバネのものは水位が3センチ超えると
回した時に水があふれ出してしまいました」
赤羽根「給水時にきちんと見ていればいいだけの話だ」
(康恵たちが赤羽根を睨む)
常子「アカバネさん、3万円ものお金を出して洗濯機を購入した
主婦の立場に立って発言なさってますか?」
赤羽根「何だと?」
常子「主婦の皆さんは常に働いています
子どもが転んだ事に気を取られたり台所でお湯を沸かしていたり
少し気を取られている間に水があふれ出してしまうような洗濯機は
それ自体問題なのではないでしょうか」
康恵(佐藤仁美)「その通りだよ!私たちは目まぐるしく働いてるんだ
ひとところにいる訳じゃないんだよ!」
綾(阿部純子)や緑(悠木千帆)たちも「そうですよ!」と声を上げる
机を叩く赤羽根「こんなもんは認められん!(と立ち上がり)
あんたらがやってるのは結局あら探しだ
うちが不利な立場になるよう無理やりやってるだけだ!」
国実「そうでしょうか…あなたの暮し出版の試験に虚偽はなく
むしろ使用者の目線に立ち行われた公正な結果だと
証明された気がするんですが?」
「そうだ!」「そのとおりだ!」とスタッフが声を上げる
常子「赤羽根さん、洗濯機は屋外でも使うものですし
いろんな衣類を洗うものです」
赤羽根「だから何だ?そんな事は分かっている」
常子「使うのは普通の主婦で子どもの面倒を見ながらの環境です
一家に何人もの子どもがいれば汚れた服を
毎日たくさん洗わなければなりません
洗濯は本当に重労働で主婦の方々は手や腰を痛めながら
それでも毎日洗濯し続けなければならないんです
アカバネ電器の洗濯機のキャッチフレーズは何ですか?」
赤羽根「え~…」(と村山を見る)
村山「洗濯機が主婦を解放する…」
常子「確かに洗濯機は主婦の方々を重労働から解放する夢の機械です
いえ…洗濯機だけではありません…そうよね?よっちゃん」(と美子を見る)
美子が「…?」という顔で常子を見る
少し焦る常子「ほら…例の」
やっと気付いた様子の美子が「あ…え~っと、え~っと」と資料を探す
その手際の悪さに花山が顔をしかめる
美子(たどたどしく)「戦後すぐには夢物語だった電化製品が今主婦の方々に
時間を与えているのは間違いありません
え~調べたのですが電気釜があれば薪で火をおこす時間や
かまどに付きっきりの時間が省略できます」
国実「それはどのように調査したんです?」
美子「緑さん」
緑「はい」(とふたつの風呂敷包みを開けアンケート用紙の山を見せる)
美子「主婦の方1,000人にご協力頂き聞き取り調査を行った結果です」
国実「1,000人?」
美子「はい」
常子「つまり電化製品は一日中家事に追われてる女性たちを
解放する事ができるんです
だからこそメーカーの方々には志を持って作って頂きたいと思います」
(各メーカー担当)「…」
村山と酒井も神妙な顔をしている
赤羽根「志を持って…?
志を持ってなきゃこの仕事は務まらんよ!
我々は1円でも安く商品を消費者のもとへ届ける事を社のモットーとして…」
花山「いくら安くとも不良品を売りつけられてはたまったもんじゃないよ
赤羽根さん」
赤羽根「何が悪い…安いものを作って何が悪い
欲しいものを安く買いたいと願うのは当たり前の事だろうが!ええっ!?」
恫喝するような赤羽根を寂しそうな目で見つめる常子
(つづく)
今回は公開試験という事で単調な説明や発表のセリフが延々と続くのだが
赤羽根が面白くしてくれた
乾燥機もない時代に乾燥もできる洗濯機とは…
しかも来年にも商品化するかもとかはったりにもほどがある
さらに村山に代わって自分で発表しようとするが
質疑に答えられずその度に村山に助けを求めるw
ラストでは村山や酒井も常子の志という言葉に何かを感じたようだが
赤羽根だけは暴れ続ける
次回はこの赤羽根にとどめを刺す展開になるのだろうか?
国実は以前からあなたの暮し出版を執拗に調査していて
何か私怨でもあるのだろうか?と思っていたのだが
そういう訳でもないようだ
公開試験を企画したのも記者としての社会正義みたいなものからなのだろう
常子はあんな場でも美子を「よっちゃん」と呼ぶんだw
美子が「とと姉ちゃん」と呼んだりする場面がなくて本当によかった
2016年9月14日水曜日
2016年9月13日火曜日
とと姉ちゃん(140)そして洗濯機の公開試験が始まる
社長室に掛けられた町工場の写真を見る赤羽根(古田新太)「村山」
村山(野間口徹)「はい」
赤羽根「あの工場を覚えてるか?」
村山「ええ」
赤羽根「12年前あの小さな町工場から始まってようやくここまで来たんだ
いつ潰れてもおかしくない町工場をなんとか必死にやりくりして
這い上がる機会を待ち続けた
お前らはあの頃の貧しかった暮らしに戻りたいか?」
酒井(矢野聖人)「いえ」
村山「とんでもないです」
赤羽根「俺もごめんだ…あの戦争をなんとか生き抜き帰ってきたんだ
焼け野原の中ろくな食い物がない中でも生きてきたんだ
戦争では負けたがな、日本は今かつてない黄金の国になろうとしている
世界一の経済大国も夢ではない
庶民の手の届く夢を与える事が経済成長を生み
日本を世界に負けない豊かな国にする
我々はそれに貢献しているんだ!
金持ちになる事が幸福なんだ
これは我が社の正しさを証明する戦いだ、絶対に負けられん」
タイトル、主題歌イン
<メーカー各社との電気洗濯機公開試験は6月末に行われる事が決まり
あなたの暮し出版では洗濯機の商品試験が佳境を迎えていました
そして万全を期すため新たに数多くのテスターを招いていました
その中にはもちろんこの2人も>
洗濯機を試験する2人を見て笑顔になって駆け寄る常子(高畑充希)
「康恵さんも綾さんもお二人ともありがとうございます」
康恵(佐藤仁美)「聞いたよ、公開試験だって?」
常子「はい」
康恵「新聞記者だか何だか知らないけど疑り深いやつもいるもんだねえ」
美子(杉咲花)「ええ」
康恵「さっさと対決して敵の鼻を明かしてやろうじゃないか」
(常子と美子)「フフフフ」
綾(阿部純子)「康恵さんったら熱くなっちゃって」
康恵「何言ってんだい、あんただって『悔しい』って歯ぎしりしてたじゃないかい」
常子「そうなの?」(康恵がうなずく)
綾(とぼける感じ)「私は別に…」
康恵「してたんだよ」
綾(康恵に)「早く脱水して下さい」
常子が楽しそうに笑う
福助人形の飾られた森田屋
美子「休みの日にもかかわらずお集まり頂きありがとうございます」
客席に座る君子(の膝に上にたまき)、鞠子、康恵、綾、照代
康恵「一体全体こんなに集めて何しようってんだい?」
美子「はい、あの…皆さんにお願いしたい事があって(と用紙を配り)
主婦の方々の一日の時間の使い方を調べるのを手伝ってほしいんです
用紙を見る照代(平岩紙)「一日の時間の使い方…」
美子「はい、朝起きてまず何をするのか…
それが終ったら次に何をするのかなど」
康恵「まずは朝ごはんの支度だろ?」
綾「私は…家の前の掃除…そうしないと一日が気持ちよく始まらないの」
鞠子(相楽樹)「うちはたまき次第、私よりも先に起きちゃう事もあるから」
照代「私は商売やってるから皆さんとは少し違うかも」
美子「はい、人によってそれぞれだと思います
主婦の方が一つ一つの家事にどれだけの時間を費やすのか
あらゆる年代の主婦の方々に伺ってみたいんです
ここ数年便利な電気製品が増えて昔は一日中家事に追われていたのが
少しずつその時間が減ってきたと思うんです」
君子(木村多江)「なるほど、興味あるわ」
鞠子「そう言われてみると昔のかかは
一日中家事をしていた姿しか思い浮かばないわ」
たまき「おばあ様大変だったの?」
君子「そうね…今と違って時間がかかったわね」
(南が厨房から出て来てお茶を配る)
美子「それで皆さんのお知り合いの主婦の方々にもご協力頂きたいんです」
康恵「お安い御用さ、みんなに聞いてみるよ」
綾「私も喜んで協力するわ」
君子と鞠子もうなずく
照代「私もできるだけ聞いてみるわ」
美子「ありがとうございます!」
南(上杉柊平)「また忙しくなりそうだな」
美子「うん」
南「頑張れよ」
美子「ありがとう」
南「おう」
一同から2人を冷やかすような笑いが漏れる
照れて退散する南とまんざらでもない感じの美子
厨房で卵焼きを焼く宗吉(ピエール瀧)「美子のやつ張り切ってるみてえだな」
南「まあ」
宗吉「タイショウよ、気取ってねえでたまには泣きついてみたらどうだ?」
キャベツを切っている南が宗吉を見る
宗吉「『さみしいよ~早く結婚してくれ~』ってな」
笑う南「そんな柄じゃないですよ
それに落ち着いたらぼちぼちって話はしてますから」
宗吉「そうかい」
南「はい」
電器店を手伝う村山と酒井
酒井「では社長はその事を…」
村山「わざわざ知らせる必要はないだろう」
酒井「しかしあなたの暮しが試験の中で
気付いてしまう可能性はないのでしょうか」
村山「何年も使って初めて異変が出てくるくらいだ
商品試験ごときで分かるもんじゃない
社長にはうちの洗濯機に不備はないと思ってもらったままの方がいいだろう」
酒井「…」(とうなずく)
奥から出てくる赤羽根「おい酒井」
酒井「はい」
赤羽根「お買い上げだ」
(村山と酒井)「ありがとうございます」
赤羽根「来月出る商品のカタログもおつけしろ」
酒井「はい」(と奥に走り)「さあさあこちらへ」
赤羽根「公開試験もいよいよだな」
村山「ええ、今も洗濯機はこれだけ店頭で売れているんですから
客はうちを選んでいるという事です
我が社の勝利は間違いありません」
赤羽根「これまでの分、あなたの暮しには恥をかいてもらわねばな」
村山「おっしゃる通りです」
洗濯機の試験場(屋外)
扇田「それでは本日2回目、666回目の試験を行います
今回は1キロの衣類、15分の洗濯時間、洗剤はアリオスです」
(一同)「はい」
扇田「では洗剤入れて下さい」
試験を進めていく一同
と、花山が現れ「扇田君、何回目だ?」
扇田「666回目、1キロ15分で試験しています…何か?」
花山「いや…さっきと回っている音が違うと思わないか?」
扇田「そうですか?」
するとバチッという大きな音がしてスタッフから悲鳴が上がる
見ると洗濯機から伸びたコンセントから白い煙が上がっている
花山「みんな下がりなさい!扇田君どいた!」
コンセントを見つめる花山「扇田君工具箱!」
扇田「はい!」
コンセントを調べる花山に島倉「危ないですよ、感電します」
花山「大丈夫だ」
コンセントを抜き工具で解体して中を調べる花山「これは…」
花山の一連の作業を本木がカメラに収める
コンセントが異常をきたしたのはアカバネ製の洗濯機…
編集部で風呂敷包みを2つ置く照代
水田(伊藤淳史)「これって…」
照代「美子ちゃんに頼まれていた
主婦の一日の過ごし方について聞き取ったものよ、はい」(と包みを開ける)
美子「こんなにたくさんどうやって?」
照代「私…主婦の知り合いがあまりいないから
お店に来るお客さんに声をかけてみたのよ」
美子「そこまでして下さったんですか」
照代「お料理を待っている間いい時間潰しだって
皆さん喜んで協力して下さったわ」
常子が笑顔でうなずく
照代「主婦の方にも近くで働いている方にもいろんな方に聞けたわ
少しでもお役に立つといいのだけど」
美子「ありがとうございます、とってもいい資料になります」
<美子と照代が用意したこのアンケートは公開試験の秘策となるのです
そして数か月がたち、いよいよ公開試験の当日>
昭和三十三年六月
屋外試験場
国実(石丸幹二)「それではこれより電気洗濯機の公開試験を始めたいと
思います、まず私から質問致しますので澄浦、広海、トーチク、ニッカデン、
アカバネのメーカー5社、それとあなたの暮し出版はそれぞれ各項目に対して
どのような試験を行っているのか発表して下さい
疑問や意見などある方は随時発言して頂いて構いません
よりしいでしょうか?」
(メーカー5社担当一同)「はい」
常子「はい」(花山もうなずく)
関係者席から赤羽根が余裕の笑みで常子を睨んでいる
ゆっくりと目を逸らし前を向く常子
花山「気負う事はない、これまでやってきた事をありのまま伝えるだけだ」
常子「はい」
社員たちの他に康恵と綾も常子と花山を見守っている
国実「試験はスジ(SJI)規格の定める必須検査項目を基準に行います
まずは洗浄率について
スジ企画では35%以上の洗浄率が義務づけられています
この点、各社いかがでしょうか?
まずは澄浦さんからお聞かせ下さい」
(澄浦)「はい、え~我が社の洗濯機の売りは
何と言いましても他社製品より洗濯時間が短い事です
渦の強度を強める事でたった5分で
たった5分で規定の洗浄率35%を達成できるよう設計されています」
国実「なるほど…では広海さんはいかがですか?」
(広海)「はい、え~我々は汚染布の汚しの材料として…」
国実「ちょっと待って下さい…汚染布というのは?」
(広海)「ああ…洗濯機の実験で使用する故意に汚す布です」
国実「布?実際のシャツなどで実験する訳ではないんですか?」
(広海)「ええ…こういったものですね(と汚染布を掲げ左右を見回し)
他のメーカーさんもそうですよね?」
同意する各メーカー担当
国実「なるほど…この布は何で汚したものなんですか?」
(広海)「炭やベビーオイル、牛脂などです
我が社はこれだけでなく(と別の汚染布を取り出し掲げ)
しょうゆ、泥、コーヒー、口紅、ケチャップなど
生活上想定しうる全ての汚れを試し
規定数値の倍である洗浄率70%を確保してます」
メモをとる常子
(トーチク)「我が社は泥の洗浄については特に力を入れておりまして
汚染布だけではなく(と作業着を取り出し)地方から実際に使った
農作業着を送ってもらって草の染みや泥が滞りなく落ちるかも試験して
スジ規定を上回っております」
(ニッカデン)「私たちは市販されている全て(と洗剤を取り出し)
10種類の洗剤を試して試験しています
更には井戸水と水道水、湯冷ましなどの水を使用して試験し
洗浄率35%を守っています」
興味深く話を聞く美子たち(水田がメモをとる)
国実「アカバネさんはいかがですか?」
(アカバネ)村山「ああ…うちは大容量でも洗浄率45%を保持しております」
国実「なるほど…あなたの暮し出版さんは洗浄率に対して
どのような事を行っていますか?」
常子「はい(と立ち上がり)え~私たちは…」
<こうして公開試験は始まっていったのです>
(つづく)
あなたの暮しが侮辱されて康恵の前では「悔しい」と漏らしたらしい綾だが
常子の前ではそれをとぼけたのは
女学校時代からの友人である常子に対して照れ臭かったのだろう
常子に張り合っているという訳ではないだろうが
お嬢様だった頃のクールな自分を知られているからかもしれない
常子はすごく嬉しそうだったね
村山が赤羽根に隠している洗濯機の不備は
おそらく花山たちが発見したコンセントの事なのだろう
もうアカバネが惨敗するフラグが立ってしまった…
なのに公開試験で常子をニッタリと見ている赤羽根が哀れだ
村山の答弁も他社の担当に比べたら弱いし…
冒頭で「絶対負けられん」と意気込んでいた赤羽根は
負けたらどうなるのだろう?
冒頭の長セリフから自分がどこかで間違ってしまった…
ぐらいの反省はありそうだが
急にいい人になってしまうのだけはやめてほしい
村山(野間口徹)「はい」
赤羽根「あの工場を覚えてるか?」
村山「ええ」
赤羽根「12年前あの小さな町工場から始まってようやくここまで来たんだ
いつ潰れてもおかしくない町工場をなんとか必死にやりくりして
這い上がる機会を待ち続けた
お前らはあの頃の貧しかった暮らしに戻りたいか?」
酒井(矢野聖人)「いえ」
村山「とんでもないです」
赤羽根「俺もごめんだ…あの戦争をなんとか生き抜き帰ってきたんだ
焼け野原の中ろくな食い物がない中でも生きてきたんだ
戦争では負けたがな、日本は今かつてない黄金の国になろうとしている
世界一の経済大国も夢ではない
庶民の手の届く夢を与える事が経済成長を生み
日本を世界に負けない豊かな国にする
我々はそれに貢献しているんだ!
金持ちになる事が幸福なんだ
これは我が社の正しさを証明する戦いだ、絶対に負けられん」
タイトル、主題歌イン
<メーカー各社との電気洗濯機公開試験は6月末に行われる事が決まり
あなたの暮し出版では洗濯機の商品試験が佳境を迎えていました
そして万全を期すため新たに数多くのテスターを招いていました
その中にはもちろんこの2人も>
洗濯機を試験する2人を見て笑顔になって駆け寄る常子(高畑充希)
「康恵さんも綾さんもお二人ともありがとうございます」
康恵(佐藤仁美)「聞いたよ、公開試験だって?」
常子「はい」
康恵「新聞記者だか何だか知らないけど疑り深いやつもいるもんだねえ」
美子(杉咲花)「ええ」
康恵「さっさと対決して敵の鼻を明かしてやろうじゃないか」
(常子と美子)「フフフフ」
綾(阿部純子)「康恵さんったら熱くなっちゃって」
康恵「何言ってんだい、あんただって『悔しい』って歯ぎしりしてたじゃないかい」
常子「そうなの?」(康恵がうなずく)
綾(とぼける感じ)「私は別に…」
康恵「してたんだよ」
綾(康恵に)「早く脱水して下さい」
常子が楽しそうに笑う
福助人形の飾られた森田屋
美子「休みの日にもかかわらずお集まり頂きありがとうございます」
客席に座る君子(の膝に上にたまき)、鞠子、康恵、綾、照代
康恵「一体全体こんなに集めて何しようってんだい?」
美子「はい、あの…皆さんにお願いしたい事があって(と用紙を配り)
主婦の方々の一日の時間の使い方を調べるのを手伝ってほしいんです
用紙を見る照代(平岩紙)「一日の時間の使い方…」
美子「はい、朝起きてまず何をするのか…
それが終ったら次に何をするのかなど」
康恵「まずは朝ごはんの支度だろ?」
綾「私は…家の前の掃除…そうしないと一日が気持ちよく始まらないの」
鞠子(相楽樹)「うちはたまき次第、私よりも先に起きちゃう事もあるから」
照代「私は商売やってるから皆さんとは少し違うかも」
美子「はい、人によってそれぞれだと思います
主婦の方が一つ一つの家事にどれだけの時間を費やすのか
あらゆる年代の主婦の方々に伺ってみたいんです
ここ数年便利な電気製品が増えて昔は一日中家事に追われていたのが
少しずつその時間が減ってきたと思うんです」
君子(木村多江)「なるほど、興味あるわ」
鞠子「そう言われてみると昔のかかは
一日中家事をしていた姿しか思い浮かばないわ」
たまき「おばあ様大変だったの?」
君子「そうね…今と違って時間がかかったわね」
(南が厨房から出て来てお茶を配る)
美子「それで皆さんのお知り合いの主婦の方々にもご協力頂きたいんです」
康恵「お安い御用さ、みんなに聞いてみるよ」
綾「私も喜んで協力するわ」
君子と鞠子もうなずく
照代「私もできるだけ聞いてみるわ」
美子「ありがとうございます!」
南(上杉柊平)「また忙しくなりそうだな」
美子「うん」
南「頑張れよ」
美子「ありがとう」
南「おう」
一同から2人を冷やかすような笑いが漏れる
照れて退散する南とまんざらでもない感じの美子
厨房で卵焼きを焼く宗吉(ピエール瀧)「美子のやつ張り切ってるみてえだな」
南「まあ」
宗吉「タイショウよ、気取ってねえでたまには泣きついてみたらどうだ?」
キャベツを切っている南が宗吉を見る
宗吉「『さみしいよ~早く結婚してくれ~』ってな」
笑う南「そんな柄じゃないですよ
それに落ち着いたらぼちぼちって話はしてますから」
宗吉「そうかい」
南「はい」
電器店を手伝う村山と酒井
酒井「では社長はその事を…」
村山「わざわざ知らせる必要はないだろう」
酒井「しかしあなたの暮しが試験の中で
気付いてしまう可能性はないのでしょうか」
村山「何年も使って初めて異変が出てくるくらいだ
商品試験ごときで分かるもんじゃない
社長にはうちの洗濯機に不備はないと思ってもらったままの方がいいだろう」
酒井「…」(とうなずく)
奥から出てくる赤羽根「おい酒井」
酒井「はい」
赤羽根「お買い上げだ」
(村山と酒井)「ありがとうございます」
赤羽根「来月出る商品のカタログもおつけしろ」
酒井「はい」(と奥に走り)「さあさあこちらへ」
赤羽根「公開試験もいよいよだな」
村山「ええ、今も洗濯機はこれだけ店頭で売れているんですから
客はうちを選んでいるという事です
我が社の勝利は間違いありません」
赤羽根「これまでの分、あなたの暮しには恥をかいてもらわねばな」
村山「おっしゃる通りです」
洗濯機の試験場(屋外)
扇田「それでは本日2回目、666回目の試験を行います
今回は1キロの衣類、15分の洗濯時間、洗剤はアリオスです」
(一同)「はい」
扇田「では洗剤入れて下さい」
試験を進めていく一同
と、花山が現れ「扇田君、何回目だ?」
扇田「666回目、1キロ15分で試験しています…何か?」
花山「いや…さっきと回っている音が違うと思わないか?」
扇田「そうですか?」
するとバチッという大きな音がしてスタッフから悲鳴が上がる
見ると洗濯機から伸びたコンセントから白い煙が上がっている
花山「みんな下がりなさい!扇田君どいた!」
コンセントを見つめる花山「扇田君工具箱!」
扇田「はい!」
コンセントを調べる花山に島倉「危ないですよ、感電します」
花山「大丈夫だ」
コンセントを抜き工具で解体して中を調べる花山「これは…」
花山の一連の作業を本木がカメラに収める
コンセントが異常をきたしたのはアカバネ製の洗濯機…
編集部で風呂敷包みを2つ置く照代
水田(伊藤淳史)「これって…」
照代「美子ちゃんに頼まれていた
主婦の一日の過ごし方について聞き取ったものよ、はい」(と包みを開ける)
美子「こんなにたくさんどうやって?」
照代「私…主婦の知り合いがあまりいないから
お店に来るお客さんに声をかけてみたのよ」
美子「そこまでして下さったんですか」
照代「お料理を待っている間いい時間潰しだって
皆さん喜んで協力して下さったわ」
常子が笑顔でうなずく
照代「主婦の方にも近くで働いている方にもいろんな方に聞けたわ
少しでもお役に立つといいのだけど」
美子「ありがとうございます、とってもいい資料になります」
<美子と照代が用意したこのアンケートは公開試験の秘策となるのです
そして数か月がたち、いよいよ公開試験の当日>
昭和三十三年六月
屋外試験場
国実(石丸幹二)「それではこれより電気洗濯機の公開試験を始めたいと
思います、まず私から質問致しますので澄浦、広海、トーチク、ニッカデン、
アカバネのメーカー5社、それとあなたの暮し出版はそれぞれ各項目に対して
どのような試験を行っているのか発表して下さい
疑問や意見などある方は随時発言して頂いて構いません
よりしいでしょうか?」
(メーカー5社担当一同)「はい」
常子「はい」(花山もうなずく)
関係者席から赤羽根が余裕の笑みで常子を睨んでいる
ゆっくりと目を逸らし前を向く常子
花山「気負う事はない、これまでやってきた事をありのまま伝えるだけだ」
常子「はい」
社員たちの他に康恵と綾も常子と花山を見守っている
国実「試験はスジ(SJI)規格の定める必須検査項目を基準に行います
まずは洗浄率について
スジ企画では35%以上の洗浄率が義務づけられています
この点、各社いかがでしょうか?
まずは澄浦さんからお聞かせ下さい」
(澄浦)「はい、え~我が社の洗濯機の売りは
何と言いましても他社製品より洗濯時間が短い事です
渦の強度を強める事でたった5分で
たった5分で規定の洗浄率35%を達成できるよう設計されています」
国実「なるほど…では広海さんはいかがですか?」
(広海)「はい、え~我々は汚染布の汚しの材料として…」
国実「ちょっと待って下さい…汚染布というのは?」
(広海)「ああ…洗濯機の実験で使用する故意に汚す布です」
国実「布?実際のシャツなどで実験する訳ではないんですか?」
(広海)「ええ…こういったものですね(と汚染布を掲げ左右を見回し)
他のメーカーさんもそうですよね?」
同意する各メーカー担当
国実「なるほど…この布は何で汚したものなんですか?」
(広海)「炭やベビーオイル、牛脂などです
我が社はこれだけでなく(と別の汚染布を取り出し掲げ)
しょうゆ、泥、コーヒー、口紅、ケチャップなど
生活上想定しうる全ての汚れを試し
規定数値の倍である洗浄率70%を確保してます」
メモをとる常子
(トーチク)「我が社は泥の洗浄については特に力を入れておりまして
汚染布だけではなく(と作業着を取り出し)地方から実際に使った
農作業着を送ってもらって草の染みや泥が滞りなく落ちるかも試験して
スジ規定を上回っております」
(ニッカデン)「私たちは市販されている全て(と洗剤を取り出し)
10種類の洗剤を試して試験しています
更には井戸水と水道水、湯冷ましなどの水を使用して試験し
洗浄率35%を守っています」
興味深く話を聞く美子たち(水田がメモをとる)
国実「アカバネさんはいかがですか?」
(アカバネ)村山「ああ…うちは大容量でも洗浄率45%を保持しております」
国実「なるほど…あなたの暮し出版さんは洗浄率に対して
どのような事を行っていますか?」
常子「はい(と立ち上がり)え~私たちは…」
<こうして公開試験は始まっていったのです>
(つづく)
あなたの暮しが侮辱されて康恵の前では「悔しい」と漏らしたらしい綾だが
常子の前ではそれをとぼけたのは
女学校時代からの友人である常子に対して照れ臭かったのだろう
常子に張り合っているという訳ではないだろうが
お嬢様だった頃のクールな自分を知られているからかもしれない
常子はすごく嬉しそうだったね
村山が赤羽根に隠している洗濯機の不備は
おそらく花山たちが発見したコンセントの事なのだろう
もうアカバネが惨敗するフラグが立ってしまった…
なのに公開試験で常子をニッタリと見ている赤羽根が哀れだ
村山の答弁も他社の担当に比べたら弱いし…
冒頭で「絶対負けられん」と意気込んでいた赤羽根は
負けたらどうなるのだろう?
冒頭の長セリフから自分がどこかで間違ってしまった…
ぐらいの反省はありそうだが
急にいい人になってしまうのだけはやめてほしい
2016年9月12日月曜日
とと姉ちゃん(139)国実が提案する公開試験を拒絶する花山と常子だが…
扇田「また自由回答では『使用面だけでなくデザインも評価すべき』
『まったくの素人テストで話にならない』などという声も…」
記事の内容にショックを受けているような常子(高畑充希)
扇田「半数近くが『やり方に疑問がある』か…」
タイトル、主題歌イン
大東京新聞
「これほとんどがあなたの暮しの件をはっきりさせてほしいっていう
投書じゃないか」
国実(石丸幹二)「ええ…予想どおりですよ、世間は確実に騒ぎ始めた」
「これからどんな手を打つ?」
国実「あの女社長と編集長を逃げ隠れできない場所まで
引きずり出したいんですがね」
「ああ…確か今、洗濯機の商品試験やってるっていう話だよな
メーカーもヒヤヒヤしてる事だろうよ、ハハハハ」
国実「メーカー?…そうか…」(と何かを思いついた様子)
アカバネ電器
電話を受ける村山(野間口徹)「大東京新聞の国実さん?
…ええ…それはどういった?…ほう…なるほど」(口元に笑み)
「ただいま帰りました」と常子が編集部に戻る
と、花山の怒鳴り声が聞こえてくる「いい加減しつこいぞ君たちは!」
花山(唐沢寿明)の後を追うようについてくる国実
(と村山を含む数名の男たち)「だったら受けて下さいよ花山さん」
常子「今日はどうされたんですか?」
国実「ああ…小橋社長、お待ちしておりました
今日は洗濯機の公開試験を提案しに参りました」
常子「公開試験?」
国実「あなたの暮しの商品試験のやり方を開示してほしいんです
皆さんの前で各メーカーの洗濯機を
どういうやり方で試験していたのかを説明して頂きたい」
(男たち)「そうだ!」
常子「あの…こちらの方々は?」
国実「洗濯機を製造販売している各メーカーの担当者の方々です
私がお声がけして集まって頂きました
実は新聞社にもあなたの暮しの商品試験に信憑性があるのか
調べてもらいたいという声が多く届いてましてね」
村山「我々も疑っておりましてね」
男1「ああ」
男2「本当に正しい試験をやってるというなら目の前で見せて頂きたい!」
男3「そうだ」
男4「やましいところがないのなら見せられるはずでしょう!」
常子「やましいところなどございません!
私どもは正しい結果を載せております」
村山「疑わしいですな、現にテスターに結果を改ざんさせたという記事が
週刊誌に載ったではありませんか」
美子(杉咲花)「事実無根です!」
水田(伊藤淳史)「そうだ!お前らがでたらめを言わせたんだろ!」
(編集部員たち)「そうだ!」
村山「失敬な言いがかりはよせ!」
編集部に怒号が飛び交う
国実「まあまあ、まあまあ!ここでいがみ合ってても仕方ないでしょう
こうした疑いを晴らすためには公開試験がうってつけだと思うんですよ
これまであなたの暮しで行った商品試験は社内の密室で行われたものです
それを正しいと主張するなら衆人環視の中
自分たちのやった事を見せるしかないでしょう!」
(男たち)「そうだ!」
花山「一方的に疑いをかけているのは君たちだろう!
私たちは疑われるような事は何もしていない
記事の中で試験方法も記載している
これからも自分たちのやり方を貫くだけだ」
村山「逃げるんですか?」
花山「そんな挑発には乗らんよ」
国実「ではいつまでも疑いの目を持たれたままでいいんですか?
私も追及の手を緩めるつもりはありませんよ」
花山「ご勝手に…我々は自分たちの力だけで信用を取り戻してみせる」
(と知恵の輪を手に解き始めてしまう)
国実「小橋社長も同じ考えですか?」
常子「もちろんです…私たちの商品試験に間違いはありませんから」
村山「どうだかね…口では何とでも言える」
(男たち)「そうだ!」
扇田「もう帰ってくれよ!仕事の邪魔なんだよ!」
(編集部員たち)「帰れ!」
国実「分かりました!考えが変わりましたらいつでも連絡を下さい
さあ皆さん、今日のところは一旦撤退しましょう」
<次の休日、常子と美子は久しぶりに鞠子を訪ねました>
縁側から庭に飛び出すたまき「おばちゃん早く早く!これこれ!」
常子たちも続いて庭に降りる
美子「これかぁ」(と皆で一台の洗濯機を囲む)
鞠子(相楽樹)「そんなに感心しなくても商品試験で見慣れてるでしょ?」
常子「まあそうなんだけどこうやってやっぱ
おうちにあるのを見ると興奮するのよ」
水田「同感です、僕もこれが届いた日はそんな感じでしたから
たまきなんか朝からず~っと待ってたよな?たまき」
たまき「うん!だってお洗濯み~んなやってくれるなんてすごい!
これが来てからお母さんお洗濯が大好きになったんだよ、ねえ~?」
鞠子「そうね」(と笑う)
美子「あのまり姉ちゃんが?」(と常子と顔を見合わせ笑う)
と、「ごめんください鞠子さん」と表で声がする
鞠子「どうぞ、庭にいます」
美子「お客様?」
鞠子「近所のお友達よ」
やってきた3人の女性たちが「あ~本当に来た~!」と洗濯機に群がり
常子と美子を見て驚く
鞠子「いつも言ってるじゃないですか、姉と妹はたまに遊びに来るって」
「私たちあなたの暮しを毎号欠かさずに読んでるんです」
美子「それはありがとうございます」
常子「励みになります」
「でも最近批判するような週刊誌だとか新聞記事が出てるでしょう?」
常子「ええ…」
「あれ見ると私、腹が立って自分の事のように悔しくって」
「ねえ本当…」
「うちの旦那なんて新聞の方が信頼できるとか言って
もうそっちの方ばっかり信じちゃって…」
編集部で一人執筆する花山がふと立ち上がり資料棚の中をのぞく
水田家の玄関から出てくる常子たち
鞠子「それじゃ、かかによろしくね」
美子「うん」
たまき「バイバイ」
美子「バイバイ(と、隣でぼーっとしている常子に)とと姉ちゃん」
常子「うん?バイバイ」(とたまきに手を振る)
常子(美子に)「私ちょっと会社行ってくる」
鞠子「えっ、今から?」
常子「うん、よっちゃん先に帰ってて」(と一人で歩き出す)
編集部で手紙を読んでいる花山
「やっぱり…」と常子が現れる(後ろに美子と水田)
「お休みですが何かしらお仕事をなさっているのではないかと思っていました」
花山「君たちは?」
常子「花山さんにお話があって」
花山「そうか…私もだよ…ふと読者からの手紙が気になってね
(花山の前に資料棚から出した手紙の山)3割くらいが批判の手紙だ」
水田「ええ…新聞記事が出てから少しずつ増えていて…」
花山「7割は応援してくれている人の声だった」
手紙を手に取り読む常子「頑張れ読者はここにいる」
花山「今のあなたの暮しには安定した発行部数と根強い愛読者がいる
新聞でたたかれようが部数を落とさない自信もある
だからこそ批判の声など無視していいと思ったんだ
まともに雑誌を読んでいない連中を相手にしなくても
自分たちを信じてくれる読者がいるからな
しかし…」
常子「『悔しい』って読者の声が手紙から聞こえてきたんですね」
花山が常子を見る
美子「私たちも同じです」
水田「売られたけんかを買うようで子どもじみていますけど
我々を信じてくれている読者のためにも…」
常子「戦う姿を見せましょう」
花山「戦う姿か…(と、常子を見上げ)そうだな」
(3人)「はい」
電話で話す国実「はい…いえいえ…あなた方は必ず受けて立ってくれると
思ってましたよ…では詳しい話は後日」
社長室に入る赤羽根(古田新太)
「そうか、あなたの暮し側が公開試験を受け入れたか」
村山「はい」
酒井(矢野聖人)「またとない機会ですね」
赤羽根「洗濯機は我が社の主力商品だ
社運をかけて金も時間もかけて作っている
他のメーカーよりも優れているとなれば売り上げも伸びるだろう
それにあなたの暮しの試験方法におかしな点を見つけてそこを指摘すれば
向こうの信頼もガタ落ちだ」
試験場で稼働するアカバネ製の洗濯機
試験を監督している常子
(つづく)
「ご勝手に…」と知恵の輪をやり始めた花山に笑った
社内の人間だけでなく外の人間に対してもそんな痛い行動をとるなんて…
国実の公開試験はナイスアイデア
常子たちにやましいところはないのだから受けて立つべき
一旦は断ったけど読者の「悔しい」という声を聞いて常子たちは考え直したね
『まったくの素人テストで話にならない』などという声も…」
記事の内容にショックを受けているような常子(高畑充希)
扇田「半数近くが『やり方に疑問がある』か…」
タイトル、主題歌イン
大東京新聞
「これほとんどがあなたの暮しの件をはっきりさせてほしいっていう
投書じゃないか」
国実(石丸幹二)「ええ…予想どおりですよ、世間は確実に騒ぎ始めた」
「これからどんな手を打つ?」
国実「あの女社長と編集長を逃げ隠れできない場所まで
引きずり出したいんですがね」
「ああ…確か今、洗濯機の商品試験やってるっていう話だよな
メーカーもヒヤヒヤしてる事だろうよ、ハハハハ」
国実「メーカー?…そうか…」(と何かを思いついた様子)
アカバネ電器
電話を受ける村山(野間口徹)「大東京新聞の国実さん?
…ええ…それはどういった?…ほう…なるほど」(口元に笑み)
「ただいま帰りました」と常子が編集部に戻る
と、花山の怒鳴り声が聞こえてくる「いい加減しつこいぞ君たちは!」
花山(唐沢寿明)の後を追うようについてくる国実
(と村山を含む数名の男たち)「だったら受けて下さいよ花山さん」
常子「今日はどうされたんですか?」
国実「ああ…小橋社長、お待ちしておりました
今日は洗濯機の公開試験を提案しに参りました」
常子「公開試験?」
国実「あなたの暮しの商品試験のやり方を開示してほしいんです
皆さんの前で各メーカーの洗濯機を
どういうやり方で試験していたのかを説明して頂きたい」
(男たち)「そうだ!」
常子「あの…こちらの方々は?」
国実「洗濯機を製造販売している各メーカーの担当者の方々です
私がお声がけして集まって頂きました
実は新聞社にもあなたの暮しの商品試験に信憑性があるのか
調べてもらいたいという声が多く届いてましてね」
村山「我々も疑っておりましてね」
男1「ああ」
男2「本当に正しい試験をやってるというなら目の前で見せて頂きたい!」
男3「そうだ」
男4「やましいところがないのなら見せられるはずでしょう!」
常子「やましいところなどございません!
私どもは正しい結果を載せております」
村山「疑わしいですな、現にテスターに結果を改ざんさせたという記事が
週刊誌に載ったではありませんか」
美子(杉咲花)「事実無根です!」
水田(伊藤淳史)「そうだ!お前らがでたらめを言わせたんだろ!」
(編集部員たち)「そうだ!」
村山「失敬な言いがかりはよせ!」
編集部に怒号が飛び交う
国実「まあまあ、まあまあ!ここでいがみ合ってても仕方ないでしょう
こうした疑いを晴らすためには公開試験がうってつけだと思うんですよ
これまであなたの暮しで行った商品試験は社内の密室で行われたものです
それを正しいと主張するなら衆人環視の中
自分たちのやった事を見せるしかないでしょう!」
(男たち)「そうだ!」
花山「一方的に疑いをかけているのは君たちだろう!
私たちは疑われるような事は何もしていない
記事の中で試験方法も記載している
これからも自分たちのやり方を貫くだけだ」
村山「逃げるんですか?」
花山「そんな挑発には乗らんよ」
国実「ではいつまでも疑いの目を持たれたままでいいんですか?
私も追及の手を緩めるつもりはありませんよ」
花山「ご勝手に…我々は自分たちの力だけで信用を取り戻してみせる」
(と知恵の輪を手に解き始めてしまう)
国実「小橋社長も同じ考えですか?」
常子「もちろんです…私たちの商品試験に間違いはありませんから」
村山「どうだかね…口では何とでも言える」
(男たち)「そうだ!」
扇田「もう帰ってくれよ!仕事の邪魔なんだよ!」
(編集部員たち)「帰れ!」
国実「分かりました!考えが変わりましたらいつでも連絡を下さい
さあ皆さん、今日のところは一旦撤退しましょう」
<次の休日、常子と美子は久しぶりに鞠子を訪ねました>
縁側から庭に飛び出すたまき「おばちゃん早く早く!これこれ!」
常子たちも続いて庭に降りる
美子「これかぁ」(と皆で一台の洗濯機を囲む)
鞠子(相楽樹)「そんなに感心しなくても商品試験で見慣れてるでしょ?」
常子「まあそうなんだけどこうやってやっぱ
おうちにあるのを見ると興奮するのよ」
水田「同感です、僕もこれが届いた日はそんな感じでしたから
たまきなんか朝からず~っと待ってたよな?たまき」
たまき「うん!だってお洗濯み~んなやってくれるなんてすごい!
これが来てからお母さんお洗濯が大好きになったんだよ、ねえ~?」
鞠子「そうね」(と笑う)
美子「あのまり姉ちゃんが?」(と常子と顔を見合わせ笑う)
と、「ごめんください鞠子さん」と表で声がする
鞠子「どうぞ、庭にいます」
美子「お客様?」
鞠子「近所のお友達よ」
やってきた3人の女性たちが「あ~本当に来た~!」と洗濯機に群がり
常子と美子を見て驚く
鞠子「いつも言ってるじゃないですか、姉と妹はたまに遊びに来るって」
「私たちあなたの暮しを毎号欠かさずに読んでるんです」
美子「それはありがとうございます」
常子「励みになります」
「でも最近批判するような週刊誌だとか新聞記事が出てるでしょう?」
常子「ええ…」
「あれ見ると私、腹が立って自分の事のように悔しくって」
「ねえ本当…」
「うちの旦那なんて新聞の方が信頼できるとか言って
もうそっちの方ばっかり信じちゃって…」
編集部で一人執筆する花山がふと立ち上がり資料棚の中をのぞく
水田家の玄関から出てくる常子たち
鞠子「それじゃ、かかによろしくね」
美子「うん」
たまき「バイバイ」
美子「バイバイ(と、隣でぼーっとしている常子に)とと姉ちゃん」
常子「うん?バイバイ」(とたまきに手を振る)
常子(美子に)「私ちょっと会社行ってくる」
鞠子「えっ、今から?」
常子「うん、よっちゃん先に帰ってて」(と一人で歩き出す)
編集部で手紙を読んでいる花山
「やっぱり…」と常子が現れる(後ろに美子と水田)
「お休みですが何かしらお仕事をなさっているのではないかと思っていました」
花山「君たちは?」
常子「花山さんにお話があって」
花山「そうか…私もだよ…ふと読者からの手紙が気になってね
(花山の前に資料棚から出した手紙の山)3割くらいが批判の手紙だ」
水田「ええ…新聞記事が出てから少しずつ増えていて…」
花山「7割は応援してくれている人の声だった」
手紙を手に取り読む常子「頑張れ読者はここにいる」
花山「今のあなたの暮しには安定した発行部数と根強い愛読者がいる
新聞でたたかれようが部数を落とさない自信もある
だからこそ批判の声など無視していいと思ったんだ
まともに雑誌を読んでいない連中を相手にしなくても
自分たちを信じてくれる読者がいるからな
しかし…」
常子「『悔しい』って読者の声が手紙から聞こえてきたんですね」
花山が常子を見る
美子「私たちも同じです」
水田「売られたけんかを買うようで子どもじみていますけど
我々を信じてくれている読者のためにも…」
常子「戦う姿を見せましょう」
花山「戦う姿か…(と、常子を見上げ)そうだな」
(3人)「はい」
電話で話す国実「はい…いえいえ…あなた方は必ず受けて立ってくれると
思ってましたよ…では詳しい話は後日」
社長室に入る赤羽根(古田新太)
「そうか、あなたの暮し側が公開試験を受け入れたか」
村山「はい」
酒井(矢野聖人)「またとない機会ですね」
赤羽根「洗濯機は我が社の主力商品だ
社運をかけて金も時間もかけて作っている
他のメーカーよりも優れているとなれば売り上げも伸びるだろう
それにあなたの暮しの試験方法におかしな点を見つけてそこを指摘すれば
向こうの信頼もガタ落ちだ」
試験場で稼働するアカバネ製の洗濯機
試験を監督している常子
(つづく)
「ご勝手に…」と知恵の輪をやり始めた花山に笑った
社内の人間だけでなく外の人間に対してもそんな痛い行動をとるなんて…
国実の公開試験はナイスアイデア
常子たちにやましいところはないのだから受けて立つべき
一旦は断ったけど読者の「悔しい」という声を聞いて常子たちは考え直したね
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