2016年5月3日火曜日

とと姉ちゃん(26)親の心、子の心…

物陰から青柳商店の様子を窺う常子(高畑充希)と富江(川栄李奈) 
富江「もしかして青柳さんでミシン借りるつもり?」 
常子「ん~…だったんだけど…」 
富江「気まずいのね?」 
常子「うん?」 
富江「事情は知らないけど青柳の女将さんと何かあったからうちに来た訳でしょ?」 
常子「そう…母の事を思うと、おばあ様を勝手に頼るのは気が引けちゃって」 
その時「じゃあ清、頼んだよ」と、滝子(大地真央)がどこかへ出かけて行く 
それを見て立ち上がる常子 

タイトル、主題歌イン 

清(大野拓朗)を物陰に誘う常子
「あの…清さんにお願いがあるんですけど、ミシン貸して頂けませんか?」
清「えっ?」
常子「訳あってすぐに縫い物しなくちゃいけなくなっちゃって」
富江「お願いします」
清「いや、そういうのはお母さんに聞いてみないと、私一人じゃ決められないなあ」
常子「できれば、おばあ様には内緒で…」
清「いや~お母さんに許しをもらわないと…」
常子「あっ、そういえば森田屋の皆さんが言ってたなあ…青柳の若旦那は有能で
今すぐにでも一人で店を切り盛りできるなあ…って、ねえ」と、富江を振り向く
「うん」と、富江が合わせる
ゆっくりと間をとり、カッコよく振り向く清「そうかい?」

休憩中の森田屋
「う~ん、今日もおいしい」と、漬物を食べる君子(木村多江)
宗吉(ピエール瀧)「だろ?」
君子「うん、評判いいのもうなずけます
毎日富江さんが丁寧にぬか床返してますもんね」
宗吉「あいつは物心付いた時から母ちゃんに仕込まれてっからな」
君子「まつさんに?」
宗吉「ああ、こんな小せえ頃から臭えだ何だのって嫌な顔せず毎日さぁ
根っからの森田屋の娘なんだろうな
女学校行きたいなんてひと言も言わなかったからねえ
小学校出た日に、うちで働くつもりです…だとよ」
君子「あら、ご自慢の娘さんですね」
照れる宗吉

青柳商店の表でひとり待つ富江

部屋でミシンを使う常子と、ビクビクしながら見張りをしている清
「早くしてくれよ!勝手に使ってるってお母さんに知られたら…」
常子「そんなに怖いんですか?おばあ様の事」と、笑う
清「そりゃあもう厳しい人だよ!こんだけ大きな店を守ってきたんだ
自分の流儀に絶対の自信を持ってるからね
自分が正しいと思う事から外れた事すると、雷落ちるよ雷」
常子「そうなんですね」
清「ねえ、どうしてここ出ていく事になったんだい?」
常子「あ…清さんも知らないんですね、私も理由は聞かされていません…
ただ、おばあ様と母が分かり合えなかったという事だけ」
清「そっか…実の娘でもそうなんだ…」
常子「ん?」
清「あっ、いや…いや~養子の私が分かり合う事なんて到底無理な話かな~あ~あ…」
と、突然荒々しく戸が開けられる
滝子「何をしてんだい?」と、常子を見る
清「はい…お母さん違うんです…」
滝子「あんたには聞いてない、常子、あんたに聞いてんだよ」
立ち上がる常子「はい…ご説明します」

配達に出たまま富江が戻らないので森田屋の人たちが捜しはじめる
鞠子(相楽樹)と美子(根岸姫奈)もそれに加わる

清は常子に頼まれて富江を呼びにきたようだが鞠子と美子を見かけて…

ミシンを使う常子
滝子「いい手つきだ」
常子「母に教わりました」
「君子に?」と、意外そうな滝子
常子「はい、ミシンやお裁縫は小さい頃から
こういう事は自分でできなくちゃいけないって」
滝子「そう…あの君子が…」

夕刻、最後に手でボタンを縫い付け「できた、フフッ」と満足そうな常子
改めて「おばあ様、黙ってミシンを使おうとしてごめんなさい、ありがとうございました」
滝子「こそこそなんてするんじゃないよ、孫なんだ、堂々と使えばいいじゃないか」
常子「…はい」
滝子「君子に気兼ねしたのかい?…君子はどうしてる?」
常子「えっ?」
滝子「元気にやってるかい?」
常子「はい」と、嬉しそうに何度もうなずく
滝子「お前たちは元気そうだね」
常子「ええ、すこぶる」
少し改まる滝子「常子はどうなりたいんだい?」
常子「どう…とは?」
滝子「お前の年になれば分かれてくるだろう、小学校を出て働いてる子もいれば
女学校へ行って更に上を目指す子もいる
結婚し家に入る子もいれば職業婦人になる子もいる…どうなりたいんだい?」
戸惑う常子
滝子「この青柳を継いでみたいとは思わないかい?」
常子「考えた事もなかったです…どんな仕事に就くのか
自分がどう生きていくのかなんて、考えた事もなかったです…
今の私はただ、妹たちを嫁に出し家族を守る事さえできればそれで」
滝子「そうかい」

「富江さ~ん」と、常子が表に出てきて制服を見せる
制服を胸に抱き「よかった~、ありがとう」と、富江
常子「富江さん、制服着てみた理由、羨ましかったからって言ってたじゃない?」
富江「うん」
常子「富江さん、ひょっとして女学校に…」
隈井(片岡鶴太郎)が現れ富江の事を森田屋が心配してると告げる
急いで戻る2人
常子が富江を呼び止め、制服は自分が庭先で見つけた事にしようと提案する
「鞠子は違う制服で人気者になってたし、制服さえ返ってくれば全然気にしないから
それに正直に言ったら宗吉さん、富江さんに何するか分かったもんじゃないでしょ」
うなずく富江
常子が「鞠子なら大丈夫だから」と、制服を預かろうとするが
富江「やっぱりいけない、鞠子さんにも謝りたいしみんなにも謝らないと」
常子「うん…分かったわ」

2人が戻ると茶の間で森田屋、小橋一家が全員揃ってうつむきまるでお通夜のようだ
2人も座り、常子「あの…実は富江さんからお話が…」
宗吉「制服の事か」
鞠子「さっき清さんに自慢されたの、制服を縫うために気前よくミシンを貸したって」
常子「えっ?」
宗吉「お前がやったのか?…お前が制服を盗んだのか?」と、富江を見る
富江「…はい」と、制服を差し出し「ごめんなさい!」と、頭を畳につける
宗吉が立ち上がり富江に向かって「バカ野郎~!」と、拳を振り上げる
宗吉を見つめる常子

(つづく)

いつもはお気楽を装ってる清が一瞬、心の内をのぞかせたね
常子に気付かれそうになって、慌ててキャラを戻して
「いや~養子の私が…」て繋げてたけど…

かと思えば常子に頼まれて富江を呼びにいったのに
鞠子と美子を見たらそんな事はすっかり忘れていつもの悪いクセが出る
いくらなんでも無能すぎるだろw
滝子が常子に期待するのも無理はない

滝子が常子のミシン使いを褒めてたけど、滝子もミシンが使えるんだろうね
君子にミシンを教えたのは滝子かな?

富江はたぶん、親に何も言われなくても親の期待に応えようと生きてきたんだろうね
その事に気付いたなら宗吉は富江を殴れないだろう
そして親に反発して生きてきた君子は、そんな富江を見てどう思うのだろう?









0 件のコメント:

コメントを投稿