2016年4月30日土曜日

とと姉ちゃん(24)破られた約束

朝、女学校の廊下 
並んで歩く常子(高畑充希)と綾(阿部純子) 
綾が出した歴史年号の問題を一心に考える常子が曲がり角を通り過ぎる 
綾「小橋さん、こっち」 
常子「あ…」 

<常子は森田屋の手伝いをしながら、睡眠時間を削って猛勉強に打ち込んでいました
再試験で不正の疑いを晴らす事に必死になっていたのです> 

かまどの前、火吹き竹を吹く常子 
部屋で勉強する常子 
リヤカーを引く常子 
中田家で勉強中、居眠りをしてしまった常子に肩掛けを掛ける綾 

常子一家の部屋
周りの様子をキョロキョロ見回している綾 
常子「ごめんなさい」 
綾「何が?」 
常子「あ~ほら…試験前日なのに来てもらっちゃって
それに、うち、落ち着かないでしょ?」
綾「そんな事ないけど」
常子「だって狭いし」
綾「まあ、悪くないと思うけど」
常子「えっ?」
綾「家族とこんな近くにいられるなんて素敵な事じゃない?」
常子「そうよねえ!」と、嬉しくて笑顔になる
綾「でも、私には絶対に無理な生活だけど」と、笑顔で語る綾
微妙な表情になる常子
綾「それよりここ」と、先生が丁寧に説明なさったから応仁の乱は試験に出ると教える
常子「そうなのね」
君子(木村多江)がお茶を運んでくるのだが、常子の物覚えが悪いという話から
不正の疑いを晴らすためにも…と語る綾に「不正って何の事?」と、君子
「え~と…」と、誤魔化そうとする常子
綾「あら、おっしゃってなかったの?」

部屋の外で襖に耳をつけてその話を聞いていた美子(根岸姫奈)が
2階に上がってきた宗吉(ピエール瀧)に話の内容を伝える

厨房で働く森田屋の人たち
「すみません遅くなっちゃって」と、2階から常子が降りて来て手伝おうとするが
宗吉も照代(平岩紙)もまつ(秋野暢子)も、手伝わなくていいから勉強しろと言う
事情がわからないものの「は…はい」と、2階に戻る常子
「皆さん、ありがとうございます」と、礼を言う君子
宗吉「別に感謝される話でもねえよ、ただ、うちの下宿人が疑われるって事は
森田屋が疑われてるって事だからな、それは許しちゃおけねえ、なあ!」
長谷川(浜野謙太)「でも大丈夫ですか?今日、特に注文多いですよ」
「任せてください」と、制服姿の鞠子(相楽樹)が現れる
鞠子「私、とと姉の分も手伝うんで」
宗吉「…んだよ、いいとこで現れやがって、よ~しじゃあチャッチャとやっちまうぞ!」
「じゃあ準備してきます」と、着替えに行った鞠子の後姿を
眩しそうに見ている富江(川栄李奈)

向かいの2階の窓際に立ち勉強している常子を、窓から見ている滝子(大地真央)
「女将さん、大変です!」と、隈井(片岡鶴太郎)がやってくる
滝子「何だい騒々しい」
隈井「今、森田屋の大将と話してきたんですがね
常子さん、試験で不正したって疑われてるそうなんですよ」
「えっ?」と、驚いて振り向く滝子
隈井「ええ、大将自分の事みたいに感情的になりやしてね
みんなで次の試験で、できるとこ見せて不正晴らそうって」
滝子「ふ~ん」
隈井「ふ~んって、それだけですかい?常子さん大変だっつうのに」
滝子「森田屋の連中が常子のためにねえ…」

眠っている鞠子と美子の横で、勉強したまま眠ってしまっていた常子が目を覚ます
常子が下に降り厨房を覗くと、照代と君子が野菜の仕込みをしている
サトイモの皮むきで、早くてきれいだと照代から合格点をもらう君子
次はニンジンをお願いしますと言われ、疲れた腰を伸ばして叩き頑張る君子「あ~」
それを見て「よし…」と、2階に戻り勉強を続ける常子

女学校、国史の再試験
綾の読みどおりの応仁の乱の問題に笑顔で答えを書き込む常子

<翌日、結果が発表され…>

教師が、1位は綾で2位は常子だと発表する
大倉「どうせまた不正したんじゃないの?」
教師「大倉さん、ちゃんと見ていましたが
小橋さんに不審な動きなど一切ありませんでした」
すると今度は、常子が綾の答えを見たんじゃないかと言い出す女子たち
それを否定する常子に「でも小橋さん、その事証明できるの?」
「そうよ証明してごらんなさいよ」と、責める声が続く
「だって見てないから…」と、困り果てる常子
教室がざわめく
教師「皆さんお静かに!私が証人になりましょう、小橋さんは何もしていません」
「どうして先生はそんな事がお分かりになるんですか?」
教師「中田さんと小橋さんの答案用紙を比べれば分かります
応仁の乱に関係した人物を記入する問題
中田さんは空欄があるにもかかわらず、小橋さんは全て正解しています
つまり、小橋さんの成績がよかったのは中田さんの解答を見た訳ではなく
本人の努力のたまものです…では、授業を始めます…」
何かに気付いた常子が綾を見る

帰り道、並んで歩く常子と綾
常子「あの…試験の事なんだけど…あれ、どうして間違えたの?」
綾「あれ?」
常子「うん、応仁の乱」
綾「ああ…まさか本当に出るとは思わなくて」
常子「そんなはずないじゃない」
綾「あるもないも結果がそうなんだから、別にいいでしょ?」
常子「…ねえ…約束破ってもいいかな?」
綾「約束?」
綾の前に回り込む常子「試験が終わったら一切、綾さんに話しかけないって約束」
穏やかな笑顔の綾「もう既に破ってるじゃない、勝手になさい」と、歩き出す
その後ろ姿に笑顔になり、走って追いついていく常子

夕刻、2階で洗濯物を取り込む常子が何かを見て洗濯物を畳む美子を呼ぶ
向かいの縁側で、疲れたのか「あ~…」と腰を伸ばして叩く滝子の姿
美子「あれってかかと一緒だね」
常子「本当だね」

<似た者同士の君子と滝子を見て常子は思いました
今は分かりあえない2人でも、自分と綾がそうであったように
きっと分かり合える日が来るのだろうと>

「とと姉!とと姉!ねえ知らない?見つからないんだけど」と、鞠子がやってくる
常子「何が?」
鞠子「私の制服よ」
常子「えっ?」
鞠子「下に干してたんだけど気付いたら無くなってたの!」
常子「え~?」

<無くなった鞠子の制服、この小さな出来事が常子たちと森田屋に
大きな出来事を巻き起こすのです>

(つづく)

綾が常子の部屋で「家族と近くにいられるなんて素敵、私には無理だけど」
と、言ったのはどちらの意味だろう?
家族と共に暮らすのが無理なのか?それとも狭い部屋が無理なのか?

滝子の「ふ~ん」は、犬猿の仲のまつに常子を取られてしまったようで
面白くないのかな?

常子に、綾の答えを見ていない事を証明してみろという女子たちに笑った
無い事を証明するのはとても困難で、悪魔の証明と呼ばれるやつだよねw
しかし、教師が解答を精査して常子の疑いを晴らしてくれたね
前回の紙片投げを見逃した件であの女教師、無能認定しなくてよかった…
まあこの件は、綾が常子に1位を取らせようとした事を常子が知るために
あったんだろうが(脚本的に)
それでも1位を取れなかったって事は、綾の想像以上に常子はできない子だったのかw

(追記)2ちゃんを覗いたら、綾は常子の自分へのカンニング疑惑を予想して
常子が答えられるはずの箇所をわざと間違えたとも解釈できるそうだ…
恐るべし!中田綾











2016年4月29日金曜日

とと姉ちゃん(23)一番になるためには…

星野(坂口健太郎)「こんな事があるはずが…」 
常子(高畑充希)「あの…一体…」 
星野「どこかでお会いしましたか?」 
常子「はい?」 
星野「会った事ありますよね?」 
常子「あ…はぁ」 
星野「ですよね!でも…思い出せないんですよ」 
常子「はぁ…」 
星野「一度会った人は絶対に忘れない自信があったのに悔しい…
全然思い出せないなんて生まれて初めてだ」 
常子「ごめんなさいね、印象の薄い女で」 
星野「ああ、悪くもないのに謝らないで下さい」 
常子「はい…」 
星野「君は悪くないんだから堂々としていればいいんです
そう…このヒマワリみたいに」と、ヒマワリのそばに行き見つめる 
常子もヒマワリに近づく 
星野「ヒマワリは常に太陽の方を向いている花だと思われていますが
そうではありません、太陽を向いているのはまだ成長途中のもので
花をつけたあとは堂々と東を向いて動かなくなる
つまり、自分が悪くないと思う事に対して卑屈になる必要はまるで…
あれ…?僕は何を…」 
「フフッ」と笑ってしまい、「ごめんなさい何だかおかしくて」と常子 
星野「あの…僕が何か?」 
常子「いやいや、ありがとうございます、少し気分が晴れました」と、頭を下げる 
星野「はぁ…」 
常子「フフッ」 

その様子を電柱の陰から見ているひとりの女学生 

<常子はあの青年の言葉を思い出して堂々と振る舞おうと笑顔をつくりました
どんな陰口をたたかれようと自分は悪くないのだから…と思ったのですが…>

女学校の廊下を歩く常子 朝のチャイムが鳴っている
教室の扉を開け「おはよう!」と、元気よく挨拶する
しかし誰からも返事はなく、今日も聞えよがしの陰口が…
「ねえねえあの子昨日男の人とベタベタしてたのよ」
「ベタベタ?汚らわしい!」
「学生服だったから恐らく大学生よ」
「大学生?汚らわしい~」
「密会?」
「男性と密会してたらしいわよ」
常子から笑顔が消える…

<異性と話しているだけで風紀問題になるこの時代
常子は新たな陰口をたたかれ、試験中に嫌がらせを受ける事になるのです>

試験中、常子が落とした消しゴムを拾おうと下を向いた隙に
後ろの席の女子が常子の机の上に丸めた紙片を放り投げる
不審に思いつつアンチョコが書かれた紙片を広げてしまう常子
その様子を見ている左隣の綾(阿部純子)
教師が常子を見咎め「堂々と不正を行うなんて…」と叱責する
立ち上がり「どなたですか?私の机にこれを投げたのは…」と、身の潔白を主張する常子
「小橋さん、それは随分じゃない?」
「そうよ、誰かに罪をなすりつけようとするなんて」
と、後ろの席の女子2人が立ち上がる
教師が3人を座らせ、事を収めようとするが「先生、発言してもよろしいでしょうか?」
と、綾が挙手する
綾「くだらない言い合いで試験が中断されるのは時間の無駄だと思います
ここはひとつ再試験を行うというのはいかがでしょうか」
常子「えっ?」
綾「小橋さんも不正をしていないのでしたら、試験で証明すればいいでしょ?」
常子「はぁ…」
「もっともな意見だ」と、再試験を決定する教師

放課後、教室でひとり読書をしている綾の所に歩いていく常子「中田さん」
綾「何か?」
常子「お礼言えてなかったから」
綾「別にそんなんじゃありませんから」
常子「あっ、いや、あのえっと…」
綾「まだ何か?」
常子「せめて言わせて、今日はかばってくれてありがとう」と、頭を下げる
綾「勘違いしないで下さい、それにこんな事してる時間があったら勉強なさったら?」
常子「確かに…」

<常子は、こんな綾をやはり苦手だと思うのでした>

学校帰りの常子「どうしたもんじゃろのぉ…」
と、店前で君子(木村多江)がリヤカーを磨いている
常子が訳を訊ねると
お弁当の仕事は調子が早くてついていくのが大変…
モタモタしてみんなの邪魔になってもいけないし…
どんな事でも一生懸命やって、だんだんと認められればいい…と君子
私も手伝います…と常子

<学校の事で落ち込んでいた常子でしたが
前向きな君子の姿を見て、再試験を頑張ろうと思うのでした>

君子たちが暮らす部屋を見上げている滝子(大地真央)
隈井(片岡鶴太郎)「気になりますか?お嬢さんの事
まあ、こんなに近くにいるんですからねえ、嫌でも目に入りまさぁねえ」
滝子「本当、うっとうしくてしょうがないよ」
隈井「そうですかい?だったらあんな事しやしないと思いますがねえ」
滝子「あんな事?」(コイツ何知ってるんだろう?という表情)
その時、女中の叫ぶ声がする「誰か~!誰か来て下さい!」

青柳の店に入ろうとした鉄郎(向井理)が、駆けつけた滝子に取り押さえられる

縁側で歴史年表の語呂合わせ勉強をしている常子と、それに付き合っている鞠子
突然、鉄郎が飛び込んでくる
「どうしたんですか?」と、驚く常子たち
「いいからちょっと手を出してみろ」と言う鉄郎
常子と鞠子が右手を出すと、その上で鉄郎が頭を振る
なんだか白い粉がパラパラと落ちる
常子「お~」
鞠子「うわっ、何か降ってきましたけど」
鉄郎「なめてみろ」
なめようとする常子の腕をつかんで止める鞠子「ちょっとやめなさいよ」
常子「何ですか?これ」
鉄郎「実はよ…」と、滝子に塩を投げつけられ追い出された顛末を説明する
あきれる常子と鞠子
常子「…で、一体何をしに?」
鉄郎「…んな顔すんなよ、お前たちが心配で見に来たんだ、様子をよ
そしたら隈井ってやつがここにいるって」
常子「ああ…」
鉄郎「まあ大体事情は聞いたけど…で、もうかってんのか?この弁当屋」
鞠子「あっ、ひょっとしてお金たかろうとしてました?」
鉄郎「人聞き悪い事言うなよ、融資を受けようと思っただけだ」
常子「融資って何するんですか?」
鉄郎「ん?ん~事業をちょっとな」
「うわ~」と目が細くなる常子と鞠子
鉄郎「今度は違うぞ、失敗しないように先人の教えを受けようと思ってさ
これから丸の内の岩田俊雄ってやつのとこに話を聞きに行こうと思って」
「へえ~」と目を丸くして感心したような鞠子
常子「えっ、えっ、どちら様?」
鞠子「知らないの?とっても大きな会社の社長さんよ」
常子「へえ~」
鞠子「会ってくれるんですか?」
鉄郎「そんなの分かんねえ、けどさ、その道で一番になるには
一番の人間に教えてもらうのが…一番なんだよ」
何か思いついたような常子
鉄郎「まあやるだけやってみるわ、じゃあな、ああ姉さんによろしくな」と、出て行く
鞠子「叔父さん!…本当に叔父さんって進歩がないわね」
動かない常子を見る鞠子「どうかした?」
常子「決めた」
鞠子「えっ?」
常子「うん…うんうん、うんうん、うん」と、立ち上がる

洋風のレンガ造りの屋敷
綾の自室で向かい合って正座する常子と綾
常子「実はお願いがあって来ました」
綾「お願い?」
常子「勉強を教えてもらえませんか?」
綾「は?」
常子「どうしても一番の人に教えてもらいたいんです、このとおりお願いします!」
と、深々と頭を下げる
綾「お断りします」
「えっ?」と驚いて顔を上げる常子
綾「私が時間を割いて教えると、どんないい事があって?」
常子「いい事?特には…」
綾「さよなら」と、笑顔で立ち上がる
慌てて立ち上がる常子「あっ、ちょっちょっ…
待って待って、待って待って」と、綾の腕を掴み
「お願いしますお願いします、お願いしますお願いします」と、頭を下げるが
「いい加減にして下さい」と、腕を振りほどく綾
常子「どうしてもお願いしたいの」
綾「友達だからとか調子のいい事言うんですか?」
常子「いや…友達とは言えないけど…
むしろちょっととっつきにくい人だなとは思っています
でも中田さんに教えてもらえないと一番になれないし
みんなにズルしたって思われたくないから…」
綾「それだけ?」
常子「うん」
綾「一番になるって事は小橋さん、私に勝つつもりなの?」
常子「えっ?あっ、そっか…えっ、あっ、ごめんなさい…あっ、そういう事か」
綾「アハハ」
常子「アハハハハ、ごめんなさい」と、恥ずかしくて顔を押さえて笑う
綾「じゃっ」と、部屋を出ようとする
常子「えっ?」と、綾の前に回り込む
常子「ちょっと待って待って、気に障った?」
綾「さっきから気に障る事しか言ってないわよ」
常子「これで最後だから、試験が終わったら中田さんには話しかけないから
約束します、だからお願いします!」と、頭を下げる
綾「いいわ」と、クールに笑う
常子「えっ?」と、驚いて顔を上げる
綾「あなた、しつこそうだから断ってもどうせまとわり付きそうだし」
常子「本当?えっ、本当?」
綾「さっきの約束、必ず守ってちょうだいね」
常子「うん!うん!」と、大きくうなずく

<こうして2人の勉強会が始まりました>

「ありがとう中田さん」と、綾の手を握り満面の笑みの常子

(つづく)

星野はなぜ、常子の事を忘れてしまったのだろう?
会った事があるのはわかっているようだが…

綾が挙手したとき、てっきり真実を話してくれるんだと思ったら違った
まあ、勉強会に繋げて話をふくらませるという脚本なのだろう

隈井が言う「あんな事」とは何だろう?
まだ視聴者も知らない「何か」なのだろうか?
滝子が君子たちのためにした「何か」なのだろうが…

鉄郎の頭から塩がパラパラの件で、なめようとする常子と止める鞠子に笑った
なんか漫才のボケとツッコミみたいな、いい間だったと思う
鉄郎のフケも混じってるはずだから、なめないのが正解だよね

それにしても滝子強すぎw









2016年4月28日木曜日

とと姉ちゃん(22)常子、女学校でイジメに遭う

<ようやく常子たちは森田屋の人々に認められ、
新しい生活にすこしずつなじんできました。
そして常子と鞠子は女学校の編入試験のために、夜遅くまで勉強に励んでいました> 

ちゃぶ台で勉強する常子(高畑充希)と鞠子(相楽樹) 
いや、常子は頬杖をついたまま居眠りをしているようだ 
その腕を払って常子を起こす鞠子「とと姉!」 
常子の目が開きかけるが、今度は逆側の腕で頬杖をつき眠ろうとする 
鞠子「とと姉!起きて!」 
体を起こすがそれでも目が開かない常子「はい…」と、2度うなずく

タイトル、主題歌イン 

<夏休みも終わりに近づき常子と鞠子は女学校の編入試験に臨みました> 

女学校の教室 
教壇には試験官の教師 
広い教室で席をひとつ離れてすわり、鉛筆を走らせる常子と鞠子 
数学の図形の面積を求める問題を解く常子が大きなあくびをする 
教壇に座る教師と目が合う 
教師が咳払いをする
笑ってごまかす常子
隣では鞠子が黙々と問題を解いている

<しかし店での仕事が忙しく、満足に勉強できたかといえばそうではありませんでした>

森田屋厨房で洗い物をする常子と鞠子と君子(木村多江)
鞠子「いよいよ今日が合格発表の日ですよね」
君子「ええ、そろそろ通知が来るはずなんだけど」
常子「通知って不合格の場合も来るんですかね?」
君子「そのはずよ」
常子「あ~怖いなあ、鞠ちゃん郵便受け見てきてよ」
鞠子「嫌よ、残酷な結果を伝える身にもなって」
常子「落ちてる前提で話すのやめて」
美子(根岸姫奈)が今届いたと言って2枚の葉書を持ってくる
2人そろっての合格に抱き合って喜ぶ常子と鞠子

昭和十年九月

<そしてとうとう夏休みも終わり…>

朝、布団で寝押ししたはずの制服のスカートのしわに落ち込む常子
美子「だってとと姉ちゃん何度も寝返り打ってたもん、しょうがないよ」
常子「どうしよう…」
鞠子が来て「どうだった?」
常子「初日から大失敗」
鞠子「どれどれ、もうとと姉大げさなんだから
こうやって伸ばせば全然気にならないわよ」
と、手でしわを伸ばす
常子「本当?大丈夫?」
鞠子「平気よ、平気」

登校する常子と鞠子と、一緒に歩く君子
常子と鞠子は違う制服を着ている
君子「本当によかったの?新しい制服じゃなくて」
常子「いいんです、これが気に入ってますし、まだまだきれいです」

前方から滝子(大地真央)と隈井(片岡鶴太郎)が歩いてくる
滝子が君子たちから目を逸らせる
道を譲り脇に寄る常子と鞠子
会釈する君子
滝子が素通りしていく
心配そうに君子を見る常子

隈井「さすが女将さんのお孫さんだ、制服姿もかわいらしい」
滝子「みっともない」
隈井「へっ?」
滝子「常子の制服だよ、新しいのを買う金もないようだね」

君子「ごめんね、気まずい思いさせちゃって…」
常子と鞠子「いえ」
君子「学校すぐお友達できるといいわね」
常子「はい」
鞠子「はぁ~」
常子「鞠ちゃん?」
鞠子「二葉亭四迷の浮雲のように私は孤独に生きるわ」
常子「どうしたの?」
鞠子「だって簡単にお友達なんか…とと姉はいいね」
常子「ん?」
鞠子「どうせすぐにお友達できるんだろうなぁ」
常子「いや~まあ…そんな事あるけど」と、笑う3人

教壇に立ち自己紹介している常子
「浜松から来ました小橋常子です、よろしくお願いします」と、頭を下げる
静まりかえった教室
頭を上げた常子にヒソヒソ声が聞こえる
「ねえ見て、やぼったいセーラー服」
「何であんなの着てるのかしら」
「あの服おかしいわよね」
「恥ずかしくないのかしら」
笑顔が固まる常子
教師「静かに!…では、小橋さんはそちらに座って下さい」
常子「はい」と、教壇前3列目中央の席に座る

<新しいクラスメートに全く歓迎されていない事に常子は戸惑いました
その反応は休み時間になっても…>

廊下で立ち話をする級友たちに声をかけるが相手にしてもらえない常子
他の2人連れにも話しかけるが、やはり同じだ…
すると、ひとりの女の子が廊下の書棚の前に腰掛け本を読んでいる
少しホッとした表情になり声をかける常子「あの…」
綾(阿部純子)「何か?」
常子「えっと…」
綾「中田綾です」
常子「そうそう中田さん、あの…私、校舎を見て回りたいんだけど
一人じゃ迷ってしまいそうだから、もしよかったら一緒に見に行ってくれない?」
綾「あなたってさみしい人なのね」
常子「え?」
綾「一人でいたくないから、一人でいる私に声をかけたんでしょ?」
常子「えっ、そんな事…」
綾「おあいにくさま、私は一人で平気ですから」
キョトンとなる常子

常子が学校から戻ると、森田屋前の路地の縁台で隈井と宗吉が将棋を指している
常子が新しい学校でいじめられてるんじゃないかと心配する隈井に
「あ…大丈夫です、お友達もできましたし」と、笑顔で元気に話す常子
宗吉(ピエール瀧)が常子に「おう、お帰り」
常子「あ…ただいま帰りました」

<自分の身に起きた事もあり、常子は鞠子の事が心配になりました、ところが…>

食卓を拭く常子と鞠子
常子「えっ?」
鞠子「文学好きの方がいて、すぐに打ち解けられたの」と、嬉しそうに話す
常子「…そう」

<心配は杞憂でした>

君子「みんななじめたようで安心したわ」
鞠子「あ、とと姉のクラスに中田綾さんって方がいるでしょ」
常子「ああ…えっ、何で知ってるの?」
鞠子「とてもきれいで下級生からとっても人気のある方なのよ」
常子「へえ~そうなの」
鞠子「何でも子どもの頃、外国に住んでらしたんですって
きれいで、おまけにお金持ちで…家なんか立派なお屋敷らしいわ」
常子「ふ~ん」
鞠子「とと姉の事だから仲よくなったんでしょ?」
常子「う~ん…」
鞠子「ねえ、どんな感じの人だった?」
「ん~…とってもいい人だったわよ」と、目が泳いでしまう常子
照代(平岩紙)が来て「ねえ、今日からお夕飯そっちの部屋で一緒に頂く事にしましょうよ」
君子「いいんですか?」
照代「そうしましょ」と、君子たちと一緒にちゃぶ台を食卓にくっつける

翌、女学校の教室に入る常子
今日もヒソヒソ声が聞こえてくる
「いつまであの服で来るんだろう」
「恥ってものがないのよね」
「早く新しい制服買えばいいのに」
「本当よね」
席に着く常子と、左隣の席で我関せずと読書している綾

学校帰りの道を歩く常子「どうしたもんじゃろのぉ…」
「常子ちゃん?」と、清(大野拓朗)が呼び止める
清「久しぶり、もう驚いたよ、突然出てくわ弁当屋に住み始めるわでさぁ」
常子「いろいろすみませんでした」と、頭を下げる
清「謝る事じゃ」と、さわやかな笑顔で首を振る
「あ…じゃあ…」と、歩き始めた常子の背中に「ああ参ったなあ!」と清の声
立ち止まり、少し考えて振り向いた常子がお約束の「どうかしました?」
清「いや、女中や小僧の作業着繕うためにミシンを手に入れようと提案したら
みんなからの称賛が収まらなくてね~なんとお優しいとか若旦那のかがみとかさぁ」
常子が笑顔で「大変ですね」
清「いや~大工と込み入った打ち合わせをしている時にも声かけられちゃうもんだから
仕事になんなくて本当困っちゃうよ~」と、常子の周りをグルグル歩き回る
常子「あっ、私お店のお手伝いがありますので」と、走って逃げる
清「あっ」と、去っていく常子を見て下唇を突き出す

私服に着替えた常子が元気なく道を歩いている
誰かにぶつかり「あ~…ごめんなさい、大丈夫ですか?」
と、覗き込むと転んだのは星野(坂口健太郎)だ
常子「あっ!」
星野「えっ?」
常子「あっ、いや…お怪我、ありませんか?」
星野「う~ん、外傷は見受けられませんが、内出血などはしばらく時間がたたないと
分からない場合があるので、一概にないとは言えません」
常子「はぁ…」
星野「あっ、すいません、あなたを責めているんじゃない
僕もいけないんです、見とれて突っ立っていた訳ですから」
常子「見とれて?」
星野「はい、これです」と、立ち上がりヒマワリを見る
常子「うわ~立派なヒマワリ!」
星野「でしょう?見事に育ったね君って、褒めてやってたんですよ」
常子「へえ~…失礼しま~す」と、こっそり逃げようとする
星野「あっ、ちょっと君!」
常子「はい?」
星野が顔を近づけ常子の顔をまじまじと見る
常子「えっ?」
星野「そんな…こんな事あるはずが…」と、さらに常子の顔を見続ける
困惑する常子

(つづく)

常子が子供時代に竹蔵に報告した通知簿の成績は、算術だけ丙で苦手にしてたけど
今回の試験であくびをしたのが図形問題だったのは、あいかわらず苦手って事かな
鞠子はオール甲だったけど、文学好きな設定みたいだね

制服の件は君子の口ぶりから常子が節約のために遠慮したみたいだけど
そんな事でまさかイジメられる事になるとは…
綾を見てぼっちの仲間だと思って声をかけたら当てが外れるし…

宗吉は将棋の見物人たちに「帰れ帰れ邪魔だ」と、邪険にするんだけど
隈井が席を離れて常子に話しかけたらすぐに呼びに来たよね
隈井はすっかり宗吉に気に入られたみたいだ
隈井はたぶん常子たちの様子を探りにきてるんだろうが…

常子が宗吉に「お帰り」って言われてちょっと意外そうだったね
森田屋の人たちに認められてきた描写なんだろう
夕飯も一緒に食べる事になったから、おかずの数も同じになったんだろね
良かったね美子

久しぶりの清だけど、ミシンの話は制服問題と繋がりそうだね
まだ話し足りなかったのか、逃げていく常子に不満そうだったけど
我がままが通らないのでダダをこねる子供みたいな顔だったw

綾と星野はタイプは違うけど、インテリで常人離れしてるとこは共通するかな
ヒマワリの花言葉は「あなただけを見つめる」「恋愛」等らしい
ラストの星野の行動にリンクしてるみたいだね

ちなみに星野初登場の20話で出てきたポリゴナムの花言葉は
「思いがけない出会い」「気がきく」「愛らしい」とのこと












2016年4月27日水曜日

とと姉ちゃん(21)商いは心意気!

宗吉(ピエール瀧)「高い金払って安い弁当つかまされりゃ怒るのも無理ねえよ
…ったく、大事な五八さまだったのによ」 
常子(高畑充希)「五八さま?」 
照代(平岩紙)「お得意様よ、五と八で五×八 四十、五八さま 
つまり、始終来てくれるお客さん」(四十>始終) 
常子と鞠子(相楽樹)「なるほど~!」 
宗吉「感心してる場合じゃねえだろ!…で…誰だ?しくじったのは」 
君子(木村多江)常子鞠子は、ちゃんと配達したと説明するが宗吉は信じない 
「あっ!」と声を出す長谷川(浜野謙太) 
どうやら原因は、長谷川が弁当の上に載っていた松と竹の紙を一度落としたために
入れ替わってしまったからとのことだ…
怒った宗吉が逃げる長谷川を追いかけ回す 
奥から出てきたまつ(秋野暢子)「宗吉!やっちまったものはしょうがないよ
まあ普通は配る時に分かるもんだがね、松と竹じゃ重さが違うだろ?」 
君子「すみません、気付きませんで」 常子鞠子「すみません」 
まつ「いや、素人使ってる私らが悪い…はぁ~こうなっちまったら
間違って竹の弁当を配っちまった一軒一軒に謝って、お代返すしかないね」 
宗吉「はぁ~」 
まつ「はぁ~じゃないよ、当然だろ、店の看板に関わんだ」
そして常子たちを見るまつ「分かるかい?私らが落としちゃいけないものは2つあるんだ」
常子「2つですか?」
宗吉「またその話かよ、味と信用だろ?」
まつ「分かるかい?」
常子「え~と…(あ…)」
まつがドヤ顔で「味と信用さ」
うっすら笑って力なくうなずく常子たち
宗吉「俺が今、言ったじゃねえかよ!」
まつ「どうしてあんたが先に言っちゃうんだよ!私がこの子たちにだな…」
宗吉「うるせえな!ああうるせえうるせえ!」
まつ「何だよ!」
宗吉「とにかくな、俺は謝りになんか行かねえぞ
てめえらがやった事なんだ、てめえらで尻拭いしてこい!」と、どこかへ行く
困って座り込むまつ
君子と常子が「私に行かせて下さい」と、まつに申し出る

<こうして一軒一軒、謝罪に向かった常子たちでしたが…
お客さんからの風当たりは、それはそれは強いものでした>

謝罪廻りで疲れ果てた常子たち3人が橋の上を通りかかる
長谷川「お~い!」と、駆け寄ってくる
長谷川「何か俺のせいで悪かったな、おわびと言っちゃなんだがシベリアどうだ?」
と、紙袋を差し出す
紙袋を見る常子「シベリア?」

川べりのベンチに腰掛ける3人と、前に立つ長谷川
シベリアを頬張る常子「う~ん!おいしい!」
長谷川「だろ?」
鞠子「はい、とっても」
君子「ええ」
長谷川「昔っから大将に怒鳴られた日は、必ず帰りにこれ買っててさぁ
こういうくさくさした日は、この甘~いシベリアにかぶりつきたくなるんだよ」
何かを考える常子
長谷川「さあ、とっとと食って帰るか」
常子「やっぱり行きましょう」
長谷川「え?」
常子「お客様に謝りに」
常子を見る君子と鞠子
長谷川「謝りには行ったんだろ?」
常子「伺ったのは竹のお弁当を届けてしまったお客様にだけです
間違えて松のお弁当を届けたお客様にも謝らなきゃいけないと思います」
長谷川「どうしてだよ?だって安い竹の値段で高級な松が食えたんだぜ
得してんだからさ、謝る必要なんかねえだろ」
常子「そうですかねぇ…」
長谷川「うん」
常子「でも森田屋の竹のお弁当がどうしても食べたくて頼んだ方も
いらっしゃるかもしれないじゃないですか
ほら、長谷川さんがこの店のシベリアを恋しく思うみたいに
昔大切な人と竹のお弁当を食べた思い出があって
どうしてもまた、あのお弁当が食べたいっていう方もいらっしゃるかも」
長谷川「どうかねえ」
常子「だったら私だけでも」と、立ち上がると
君子「行きましょう」 鞠子「はい」と、立ち上がる2人
常子たちが「ごちそうさまでした」と、小走りで去る
長谷川「おい…おい!おい!…本気かよ…」と、後に続く

森田屋の前
隈井(片岡鶴太郎)が中の様子を窺っている
まつに見つかり、滝子に言われて来たのかと訊かれるが否定して
「大将に用事があって」…と誤魔化すが、そこに宗吉が顔を出す
今度は、「一局いかがかと思って」…と誤魔化す隈井
顔を崩して喜ぶ宗吉「あんた指せる人だったのかい?…」と、隈井を中に連れ込む

<間違えて松の弁当を配ったお客さんの所に向かった常子たちでしたが…
先ほどとは対照的に、あきれた反応ばかりでした>

店に戻ってくる4人
長谷川「何が竹の弁当楽しみにしてた人がいるかもしんねえだ
誰ひとりいなかったじゃねえか、ああ時間無駄にした!」

「バカ野郎!」と、怒鳴る宗吉
「何考えてんだ!間違えて松を配った客の所にも謝りに行っただあ?
恥の上塗りをしに行ったようなもんじゃねえか!
あのな常子、商いってのはな、素人が口挟めるようなもんじゃねえんだ!」
君子が常子を庇うが「親として止めるべき」と宗吉
まつが奥から出てきて常子に、どうしてか?と訊ねる
常子「私は…そういう心意気が大事なんじゃないかなと思ったんです
たとえこちらが損な目に遭うような事があっても
間違った筋は通しちゃいけないっていうか…
長くお店を続けていく上で、そういう事が大事なんじゃないかなと思ったんですけど…」
宗吉「甘いんだよ!」
まつ「気に入った!」
宗吉「…あ?」
まつ「あんた分かってるじゃないか」と、優しい笑顔になる
常子「はぁ…」
まつ「店をやるって事はそういう事が大事なんだ、目先のもうけにとらわれてたら
いずれ足すくわれる、君子さんもそれが分かったから行こうって勧めたんだろ?
宗吉!お前のほうが商い分かってないようだね、フフフフ
明日からもみんなよろしく頼むよ」
君子「はい!」 
常子「頑張ります!」
まつ「はぁ~いやぁいい人働き手にもらったもんだアハハよかった」と、奥に戻る
バツの悪い宗吉が長谷川を捕まえて「全てはお前のおっちょこちょいが原因だ
よって明日までに店中の包丁全部研いどけ!」と、去る
「ちょっと勘弁して下さいよ!無理…」と、追いかける長谷川
照代「よかったですね、改めてよろしくね、フフフ
あっ、ひょっとして笑顔が怖いですか?」
常子「いえいえそんな」と、首を振る常子と君子 鞠子が小さく笑ってうなずくw
照代「よく言われるんです、目が笑ってないから怖いって
気を付けてるつもりなんですけど、こういう顔つきなんで怖がらないでね」
常子「いえ…そんな、怖いなんて思ってないです」
鞠子「ええ…」
君子「こちらこそ、改めてよろしくお願い致します」

向かいの2階で洗濯物を取り込む常子を部屋の窓から見ている滝子(大地真央)
「へえ~、そんな事を常子がねえ…」と、嬉しそうだ
隈井「ええ、常子さんはやはり、なかなかできたお嬢さんです」
滝子「やっぱり、あの子はうちに入るべき子だねえ」

何も知らず2階で洗濯物を畳む常子

(つづく)

今回はいい話だったし、常子たちが森田屋に受け入れられたみたいでホッとした
それに笑えるところもいっぱいあった

味と信用の件で先に答えを言っちゃう宗吉
それでも決め顔で答えを言うまつに苦笑いの常子たち

隈井が将棋を指せると知って「何だよ、すぐ裏に住んでんのに水くさいなあ!」
と、普段は強面なのに笑顔で隈井の腕をつかんで引っ張る宗吉

笑顔が怖いの件では、鞠子だけがうなずいてしまってるのが可愛かったw
このあたりは、賢いようでも鞠子はととの代わりを自認する常子よりもひとつ年下で
まだ子供なのだという描写かな
たしか住込み初日に編入試験の勉強のことを心配する鞠子と
気乗りしない常子のシーンがあったけど
あれもお金の心配できるできないの描写かな?
その後、深夜のお寺のシーンに繋がるんだけど…

それと、照代が改めて挨拶したのは初日の夕食時に
君子がきちんと挨拶しようとしたのを宗吉が遮ったのを覚えてたからかもね

とにかく森田屋の人たちがみんないい人みたいなんでよかった
次回あたりは残された富江の人柄を知るエピソードでもあるかな?














2016年4月26日火曜日

とと姉ちゃん(20)日陰でもたくましく!

朝、眠っている常子(高畑充希)鞠子(相楽樹)美子(根岸姫奈) 
枕元に立ったまつ(秋野暢子)が鍋をたたきながら叫ぶ 
「起きた起きた起きた!いつまで寝てんだ!いつまで寝てんだ!」 

<弁当屋の仕事は4時に起きるところから始まります
朝起きるとすぐに火をおこしてごはんを炊き始めます
前日に下ごしらえをした野菜をだしで煮込んでいきます
その間焼き台では卵焼きや焼き魚が次々に調理されていきます
冷ましたおかずを並べた弁当箱に一気に盛りつけていきます…> 

慌てて起き上がり森田屋の人たちと一緒に働く小橋一家 

<…突然戦場のような森田屋の仕事に巻き込まれた常子たち
4人は一体これからどうなってしまうのでしょう?> 

タイトル、主題歌イン 

リヤカーを引いてお寺に弁当の配達をする富江(川栄李奈)と
後ろから押している常子と鞠子の3人
鞠子「そうなんですか?富江さん大人びてるから私と同い年だと思わなかった」
常子「ねえ、せっかくだし愛称で呼ばせてもらったら?その方が仲よくなれるし」
鞠子「じゃあ…富江ちゃん、かな?」
常子「う~ん…富ちゃん、も…あっ、富ちゃま…なんてかわいらし…」
富江「いえ、富江さん…で」
2人「…はい」

富江は住職に報告するというので、常子と鞠子が先に戻ろうとすると
建物の影に男がうずくまっている
具合が悪くて倒れているのかと心配する2人
慌てて駆け寄る常子「あ…大丈夫ですか?」
星野武蔵(坂口健太郎)「えっ?」
常子「どこかお加減悪いですか?歩けます?一緒に病院に…」
星野「あ、いや日陰に…」
常子「日陰?」
星野「日陰での成長を…」
常子「えっ?」
星野「つまりその…観察するために…」
何だろう?と常子が近づくと、何かを踏もうとしたようで
星野「あっ、ポリゴヌム!」
「あっ!」と、足を引っ込める常子
星野「この植物はポリゴヌムといいます、このポリゴヌムを日陰に植え替えて
どう成長するかを観察しようとしていたんです」
理解できない…といった感じの常子
鞠子「どうしてそんな事を?」
星野「近年、植物は過酷な条件下で育てると
それに順応して生き抜こうとする事が分かってきました
だから日陰に植え替えると、たくましく育つのではないかなと」
鞠子「へえ~面白い」
星野「はい、これからが楽しみです」
常子「へえ~…面白い…」と、苦笑い
そして、この場を早く離れたそうにする
鞠子「えっ?ん?」
「たくましく育つといいですね」と、興味のありそうな鞠子の腕を引っ張る常子
「早く戻りましょう」
鞠子「なぜ?」
常子(小声)「こう言ってはなんだけど少し妙な方じゃない?
具合が悪い訳じゃないって分かったからもういいでしょ」
鞠子「けど、お話は面白いわ」
常子「うんうん、でも妙な方に関わって面倒な事になっても…」
鞠子「分かりました…」
常子「ねっねっ」
と、2人が挨拶しようと振り向くと星野の姿はなく既に林の奥のほうに…

道を歩くまつと君子(木村多江)
まつ「道は全部覚えたかい?」
君子「あっ、はい多分」
まつ「はぁ~情けない事言わないどくれよ、多分じゃ困るんだよ」
君子「すみません」
後ろから常子と鞠子が走ってきて追いつく
「かか!かか!」 
そしてまつに「全部終わりました!」
まつが常子に「あのな、うちのリヤカー引いてる以上森田屋の看板しょってるんだ
仕事中にはしゃぐなんてやめとくれ」と、注意する

すると、前から滝子(大地真央)と隈井(片岡鶴太郎)が歩いてくる
バツの悪そうな君子と、目を伏せる感じの隈井や常子
滝子の着物を褒め「あんまり真っ白なんで真夏に雪だるまが歩いてきたのかって…」
と言うまつに滝子は帯を褒め「きれいなからし色で見てるだけで目が痛い…」
滝子「そういえば新しい人雇ったんですってね?」と、君子を見る
まつ「ええまあ、ずぶの素人ですからねえ…老舗のやり方覚えるために
鍛え直さないといけないとこ、山ほどあるんですけど」
滝子「それは大変ですわね心中お察し致します、何しろ60~70年の老舗ですものねえ」
まつ「80年でございます」
滝子「これは失礼致しました、うちは200年ですけど…では」と、君子を睨み
押しのけるように歩いていく
その後ろ姿を見ている君子常子鞠子

森田屋の厨房
作業の手が遅く、あまり役に立てずに叱られる君子を見ている常子

夜、勉強している常子と鞠子
繕いものをする君子の胸を、女なんてろくに稼げないという滝子の言葉がよぎる
美子の布団を直しに立った君子が鼻歌を歌う

鞠子「久しぶりだね、かかの鼻歌」
常子「心配だね…」

翌日、やはり厨房で役に立たない君子はリヤカーの空気入れを命じられる
心配で様子を見に来た常子「手伝いましょうか」
君子「大丈夫、私一人で」
常子「かか…日陰でもたくましく育ちますから」
君子「日陰?」
常子「あ…植物って過酷な環境下でも、それに合わせて強く育つらしいんです
だからつらい状況でも大丈夫ですよ~みたいな意味で口走っちゃいました
アハハ、恥ずかしい」
君子「ありがとう…いいお話」
常子「あっ、でもこれお寺で出会った方の受け売りなんですけど」
君子「それじゃあ長谷川さんみたいじゃない」
と、笑って少し元気になる2人

リヤカーで弁当の配達をする君子や常子と鞠子たち

常子と鞠子が店に戻ると、なんだか客が来て大怒りしている
松の弁当を頼んだはずなのに竹が届いて大恥をかいたというのだ
代金を返し、平謝りの宗吉(ピエール瀧)と照代(平岩紙)
こんな店二度と使わねえと言って客が帰る
君子「お弁当に何か不都合でも?」
宗吉「おいお前ら、ちゃんと弁当は届けたんだろうな?」
指示どおりに間違いなく届けたと説明する3人
照代「それがどうやら松と竹のお弁当の届け先を間違えちゃったみたいなんです」
「えっ?」と驚く3人

(つづく)

富江はクールなキャラなんだろうか?
常子と鞠子に、あんまり馴れ馴れしくしないでね…といった感じだった

鞠子が星野の話に興味を持ったのは、学力の高い人の共通項みたいなものかな

常子は今のところ星野に対し、不思議な生き物を見るような感じ
だが君子を元気づけるためについ、星野の言葉が口から出てきてしまった
もしかしたら潜在的に、すでに星野が気になっているということなのだろうか?

厨房で役に立たない君子に対して、照代の「見学でもしてて」は無いと思うわ
このドラマで悪人は出てこないだろうから嫌味で言ってる訳ではないと思うのだが…
もしかしたら人の気持ちのわからないサイコパスとか人格障害みたいな感じ?

2016年4月25日月曜日

とと姉ちゃん(19)森田家の人々にカルチャーショック…

リヤカー一杯に積まれた弁当の配達に出る
常子(高畑充希)鞠子(相楽樹)君子(木村多江) 

<突然、戦場のような森田屋の仕事に巻き込まれた常子たちでした> 

夜、森田屋の夕食 
ごはんのお代わりを願い出る長谷川(浜野謙太)に
「お前は半人前だからお代わりの資格はなし!」と、主人の宗吉(ピエール瀧) 
大女将のまつ(秋野暢子)「飯ぐらいちゃんと食わしてやんな、
これでも一生懸命やってんだから、使えねえけど」 
宗吉「確かになあ、よし長谷川許す!」 
長谷川「ありがとうございます!」 

隣の間で食事する小橋一家 
美子(根岸姫奈)が向こうの卓よりもおかずが一品少ない事に気付くが 
「当然でしょ、雇って頂いてる身なんだから」と、君子 
うつむく美子 

改めて森田家の人々に挨拶する君子に宗吉「あんたが青柳さんとこの人間だろうがな
特別扱いはしねえからな、泣き言言ってると放り出すぞ!」 
君子「はい、よろしくお願いします」 
宗吉「お前らもあれだ、働かざる者食うべからずだ
手ぇ空いてる時は手伝ってもらうからな」
指をついて挨拶する姉妹たち
宗吉「いいんだいいんだそういうのはよ!
ほら、冷めないうちにチャッチャと食っちまいな!」 

女将の照代(平岩紙)が茶を注ぎにくる
君子「ありがとうございます、わからない事だらけですがよろしくお願いします」
照代「こちらこそ、早く仕事に慣れてくださいね」と、笑顔で…
君子「何分初めての事ばかりでご迷惑を…」
照代「大丈夫、早く慣れてくださいね」
君子「えっ?」
笑顔の照代「慣れてくださいね、早く」
さらに姉妹たちにも「早く慣れてね」
常子「はい…」

<常子たちは感じました、笑顔が怖いと…>

隣の間では宗吉が味噌汁が薄いと言った事から
まつが宗吉は太り過ぎ、豚なんか産んでねえ!とケンカになり
仲裁に入ったはずの長谷川がいいかげんな奴、女好きだと罵られ
さらに宗吉が、娘の富江にちょっかい出してるのか?と部屋中追いかけ回す

2人に突き飛ばされてきた常子「ふだんからこんなににぎやかなんですか?」
富江(川栄李奈)「気になるなら耳栓でもすれば?」

2階の小橋家の部屋
美子「何かみんな怖い」
常子「知らない人だからそう見えるだけよ」
鞠子「怒ってるんじゃないよね?べらんめえだからそう感じるだけだよね?」
常子「多分…」

まつに呼ばれて表に出てみると、青柳から小橋家の荷物が運ばれてきている
それを2階に運ぶ一家
姉妹たちの名画を飾り、竹蔵の家訓を壁に掲げ、自らの三つの目標を机に立てる常子

深夜、お寺の境内にお参りする君子
振り向くと常子がついてきている
ここには昔よく来ていた…と君子
何か悩みでも…女学校の学費の事ですか?…と常子
森田屋の給金だけでは…と言う常子に、夜も内職をしてでも…と君子が言うが
ではかかはいつ寝るんですか?…と、言う常子
君子「美子が卒業するまでの辛抱です」
常子「それまでにかかの体が壊れてしまいます」と、首を振る
「そのとおりでさぁ!」と、君子の姿を見かけた隈井(片岡鶴太郎)が現れる
学費を自分に出させてほしいと申し出る隈井
お金は自分の家族のために使うべきと君子は断るが
それではお世話になった先代に合わす顔がありません…と隈井
4人の事が心配だと言う隈井に君子も
「でしたら…お借りするという事にさせて下さい」
隈井「そうでなくっちゃ、ねえお嬢さん…」
君子「…何年かかっても必ずお返しします」
常子「ありがとうございます、隈井さん」と、少しホッとしたのか笑顔になる

<こうして森田家での暮らしが新たに始まったのでした>

(つづく)

おかずが一品少なくてうつむく美子が可哀そうだった
昼間までは、お嬢様暮らしで平和におままごとしてたのに…

まつと宗吉は親子とはいえ汚い言葉でやりあい
さらに食事中なのにバタバタと走り回る男たち
もう姉妹たちはカルチャーショックだったと思う

まあ森田家の人々にも言葉の端々に人間味は感じられるのだが…
(照代と富江は、まだ謎かな)

隈井さんのおかげで女学校にはいけそうでよかったよかった
このことは滝子がハナから承知で仕組んだのならさらによいのだが

ピエール瀧は、あまちゃんと64の印象しかないので寡黙な役だと思ってたから
やたらしゃべりだしてビックリしたw

平岩紙って美人とは正反対のポジションの顔立ちだけどチャーミングだね
自分の中では、実写版の可愛いムーミン