2016年4月29日金曜日

とと姉ちゃん(23)一番になるためには…

星野(坂口健太郎)「こんな事があるはずが…」 
常子(高畑充希)「あの…一体…」 
星野「どこかでお会いしましたか?」 
常子「はい?」 
星野「会った事ありますよね?」 
常子「あ…はぁ」 
星野「ですよね!でも…思い出せないんですよ」 
常子「はぁ…」 
星野「一度会った人は絶対に忘れない自信があったのに悔しい…
全然思い出せないなんて生まれて初めてだ」 
常子「ごめんなさいね、印象の薄い女で」 
星野「ああ、悪くもないのに謝らないで下さい」 
常子「はい…」 
星野「君は悪くないんだから堂々としていればいいんです
そう…このヒマワリみたいに」と、ヒマワリのそばに行き見つめる 
常子もヒマワリに近づく 
星野「ヒマワリは常に太陽の方を向いている花だと思われていますが
そうではありません、太陽を向いているのはまだ成長途中のもので
花をつけたあとは堂々と東を向いて動かなくなる
つまり、自分が悪くないと思う事に対して卑屈になる必要はまるで…
あれ…?僕は何を…」 
「フフッ」と笑ってしまい、「ごめんなさい何だかおかしくて」と常子 
星野「あの…僕が何か?」 
常子「いやいや、ありがとうございます、少し気分が晴れました」と、頭を下げる 
星野「はぁ…」 
常子「フフッ」 

その様子を電柱の陰から見ているひとりの女学生 

<常子はあの青年の言葉を思い出して堂々と振る舞おうと笑顔をつくりました
どんな陰口をたたかれようと自分は悪くないのだから…と思ったのですが…>

女学校の廊下を歩く常子 朝のチャイムが鳴っている
教室の扉を開け「おはよう!」と、元気よく挨拶する
しかし誰からも返事はなく、今日も聞えよがしの陰口が…
「ねえねえあの子昨日男の人とベタベタしてたのよ」
「ベタベタ?汚らわしい!」
「学生服だったから恐らく大学生よ」
「大学生?汚らわしい~」
「密会?」
「男性と密会してたらしいわよ」
常子から笑顔が消える…

<異性と話しているだけで風紀問題になるこの時代
常子は新たな陰口をたたかれ、試験中に嫌がらせを受ける事になるのです>

試験中、常子が落とした消しゴムを拾おうと下を向いた隙に
後ろの席の女子が常子の机の上に丸めた紙片を放り投げる
不審に思いつつアンチョコが書かれた紙片を広げてしまう常子
その様子を見ている左隣の綾(阿部純子)
教師が常子を見咎め「堂々と不正を行うなんて…」と叱責する
立ち上がり「どなたですか?私の机にこれを投げたのは…」と、身の潔白を主張する常子
「小橋さん、それは随分じゃない?」
「そうよ、誰かに罪をなすりつけようとするなんて」
と、後ろの席の女子2人が立ち上がる
教師が3人を座らせ、事を収めようとするが「先生、発言してもよろしいでしょうか?」
と、綾が挙手する
綾「くだらない言い合いで試験が中断されるのは時間の無駄だと思います
ここはひとつ再試験を行うというのはいかがでしょうか」
常子「えっ?」
綾「小橋さんも不正をしていないのでしたら、試験で証明すればいいでしょ?」
常子「はぁ…」
「もっともな意見だ」と、再試験を決定する教師

放課後、教室でひとり読書をしている綾の所に歩いていく常子「中田さん」
綾「何か?」
常子「お礼言えてなかったから」
綾「別にそんなんじゃありませんから」
常子「あっ、いや、あのえっと…」
綾「まだ何か?」
常子「せめて言わせて、今日はかばってくれてありがとう」と、頭を下げる
綾「勘違いしないで下さい、それにこんな事してる時間があったら勉強なさったら?」
常子「確かに…」

<常子は、こんな綾をやはり苦手だと思うのでした>

学校帰りの常子「どうしたもんじゃろのぉ…」
と、店前で君子(木村多江)がリヤカーを磨いている
常子が訳を訊ねると
お弁当の仕事は調子が早くてついていくのが大変…
モタモタしてみんなの邪魔になってもいけないし…
どんな事でも一生懸命やって、だんだんと認められればいい…と君子
私も手伝います…と常子

<学校の事で落ち込んでいた常子でしたが
前向きな君子の姿を見て、再試験を頑張ろうと思うのでした>

君子たちが暮らす部屋を見上げている滝子(大地真央)
隈井(片岡鶴太郎)「気になりますか?お嬢さんの事
まあ、こんなに近くにいるんですからねえ、嫌でも目に入りまさぁねえ」
滝子「本当、うっとうしくてしょうがないよ」
隈井「そうですかい?だったらあんな事しやしないと思いますがねえ」
滝子「あんな事?」(コイツ何知ってるんだろう?という表情)
その時、女中の叫ぶ声がする「誰か~!誰か来て下さい!」

青柳の店に入ろうとした鉄郎(向井理)が、駆けつけた滝子に取り押さえられる

縁側で歴史年表の語呂合わせ勉強をしている常子と、それに付き合っている鞠子
突然、鉄郎が飛び込んでくる
「どうしたんですか?」と、驚く常子たち
「いいからちょっと手を出してみろ」と言う鉄郎
常子と鞠子が右手を出すと、その上で鉄郎が頭を振る
なんだか白い粉がパラパラと落ちる
常子「お~」
鞠子「うわっ、何か降ってきましたけど」
鉄郎「なめてみろ」
なめようとする常子の腕をつかんで止める鞠子「ちょっとやめなさいよ」
常子「何ですか?これ」
鉄郎「実はよ…」と、滝子に塩を投げつけられ追い出された顛末を説明する
あきれる常子と鞠子
常子「…で、一体何をしに?」
鉄郎「…んな顔すんなよ、お前たちが心配で見に来たんだ、様子をよ
そしたら隈井ってやつがここにいるって」
常子「ああ…」
鉄郎「まあ大体事情は聞いたけど…で、もうかってんのか?この弁当屋」
鞠子「あっ、ひょっとしてお金たかろうとしてました?」
鉄郎「人聞き悪い事言うなよ、融資を受けようと思っただけだ」
常子「融資って何するんですか?」
鉄郎「ん?ん~事業をちょっとな」
「うわ~」と目が細くなる常子と鞠子
鉄郎「今度は違うぞ、失敗しないように先人の教えを受けようと思ってさ
これから丸の内の岩田俊雄ってやつのとこに話を聞きに行こうと思って」
「へえ~」と目を丸くして感心したような鞠子
常子「えっ、えっ、どちら様?」
鞠子「知らないの?とっても大きな会社の社長さんよ」
常子「へえ~」
鞠子「会ってくれるんですか?」
鉄郎「そんなの分かんねえ、けどさ、その道で一番になるには
一番の人間に教えてもらうのが…一番なんだよ」
何か思いついたような常子
鉄郎「まあやるだけやってみるわ、じゃあな、ああ姉さんによろしくな」と、出て行く
鞠子「叔父さん!…本当に叔父さんって進歩がないわね」
動かない常子を見る鞠子「どうかした?」
常子「決めた」
鞠子「えっ?」
常子「うん…うんうん、うんうん、うん」と、立ち上がる

洋風のレンガ造りの屋敷
綾の自室で向かい合って正座する常子と綾
常子「実はお願いがあって来ました」
綾「お願い?」
常子「勉強を教えてもらえませんか?」
綾「は?」
常子「どうしても一番の人に教えてもらいたいんです、このとおりお願いします!」
と、深々と頭を下げる
綾「お断りします」
「えっ?」と驚いて顔を上げる常子
綾「私が時間を割いて教えると、どんないい事があって?」
常子「いい事?特には…」
綾「さよなら」と、笑顔で立ち上がる
慌てて立ち上がる常子「あっ、ちょっちょっ…
待って待って、待って待って」と、綾の腕を掴み
「お願いしますお願いします、お願いしますお願いします」と、頭を下げるが
「いい加減にして下さい」と、腕を振りほどく綾
常子「どうしてもお願いしたいの」
綾「友達だからとか調子のいい事言うんですか?」
常子「いや…友達とは言えないけど…
むしろちょっととっつきにくい人だなとは思っています
でも中田さんに教えてもらえないと一番になれないし
みんなにズルしたって思われたくないから…」
綾「それだけ?」
常子「うん」
綾「一番になるって事は小橋さん、私に勝つつもりなの?」
常子「えっ?あっ、そっか…えっ、あっ、ごめんなさい…あっ、そういう事か」
綾「アハハ」
常子「アハハハハ、ごめんなさい」と、恥ずかしくて顔を押さえて笑う
綾「じゃっ」と、部屋を出ようとする
常子「えっ?」と、綾の前に回り込む
常子「ちょっと待って待って、気に障った?」
綾「さっきから気に障る事しか言ってないわよ」
常子「これで最後だから、試験が終わったら中田さんには話しかけないから
約束します、だからお願いします!」と、頭を下げる
綾「いいわ」と、クールに笑う
常子「えっ?」と、驚いて顔を上げる
綾「あなた、しつこそうだから断ってもどうせまとわり付きそうだし」
常子「本当?えっ、本当?」
綾「さっきの約束、必ず守ってちょうだいね」
常子「うん!うん!」と、大きくうなずく

<こうして2人の勉強会が始まりました>

「ありがとう中田さん」と、綾の手を握り満面の笑みの常子

(つづく)

星野はなぜ、常子の事を忘れてしまったのだろう?
会った事があるのはわかっているようだが…

綾が挙手したとき、てっきり真実を話してくれるんだと思ったら違った
まあ、勉強会に繋げて話をふくらませるという脚本なのだろう

隈井が言う「あんな事」とは何だろう?
まだ視聴者も知らない「何か」なのだろうか?
滝子が君子たちのためにした「何か」なのだろうが…

鉄郎の頭から塩がパラパラの件で、なめようとする常子と止める鞠子に笑った
なんか漫才のボケとツッコミみたいな、いい間だったと思う
鉄郎のフケも混じってるはずだから、なめないのが正解だよね

それにしても滝子強すぎw









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