2016年4月28日木曜日

とと姉ちゃん(22)常子、女学校でイジメに遭う

<ようやく常子たちは森田屋の人々に認められ、
新しい生活にすこしずつなじんできました。
そして常子と鞠子は女学校の編入試験のために、夜遅くまで勉強に励んでいました> 

ちゃぶ台で勉強する常子(高畑充希)と鞠子(相楽樹) 
いや、常子は頬杖をついたまま居眠りをしているようだ 
その腕を払って常子を起こす鞠子「とと姉!」 
常子の目が開きかけるが、今度は逆側の腕で頬杖をつき眠ろうとする 
鞠子「とと姉!起きて!」 
体を起こすがそれでも目が開かない常子「はい…」と、2度うなずく

タイトル、主題歌イン 

<夏休みも終わりに近づき常子と鞠子は女学校の編入試験に臨みました> 

女学校の教室 
教壇には試験官の教師 
広い教室で席をひとつ離れてすわり、鉛筆を走らせる常子と鞠子 
数学の図形の面積を求める問題を解く常子が大きなあくびをする 
教壇に座る教師と目が合う 
教師が咳払いをする
笑ってごまかす常子
隣では鞠子が黙々と問題を解いている

<しかし店での仕事が忙しく、満足に勉強できたかといえばそうではありませんでした>

森田屋厨房で洗い物をする常子と鞠子と君子(木村多江)
鞠子「いよいよ今日が合格発表の日ですよね」
君子「ええ、そろそろ通知が来るはずなんだけど」
常子「通知って不合格の場合も来るんですかね?」
君子「そのはずよ」
常子「あ~怖いなあ、鞠ちゃん郵便受け見てきてよ」
鞠子「嫌よ、残酷な結果を伝える身にもなって」
常子「落ちてる前提で話すのやめて」
美子(根岸姫奈)が今届いたと言って2枚の葉書を持ってくる
2人そろっての合格に抱き合って喜ぶ常子と鞠子

昭和十年九月

<そしてとうとう夏休みも終わり…>

朝、布団で寝押ししたはずの制服のスカートのしわに落ち込む常子
美子「だってとと姉ちゃん何度も寝返り打ってたもん、しょうがないよ」
常子「どうしよう…」
鞠子が来て「どうだった?」
常子「初日から大失敗」
鞠子「どれどれ、もうとと姉大げさなんだから
こうやって伸ばせば全然気にならないわよ」
と、手でしわを伸ばす
常子「本当?大丈夫?」
鞠子「平気よ、平気」

登校する常子と鞠子と、一緒に歩く君子
常子と鞠子は違う制服を着ている
君子「本当によかったの?新しい制服じゃなくて」
常子「いいんです、これが気に入ってますし、まだまだきれいです」

前方から滝子(大地真央)と隈井(片岡鶴太郎)が歩いてくる
滝子が君子たちから目を逸らせる
道を譲り脇に寄る常子と鞠子
会釈する君子
滝子が素通りしていく
心配そうに君子を見る常子

隈井「さすが女将さんのお孫さんだ、制服姿もかわいらしい」
滝子「みっともない」
隈井「へっ?」
滝子「常子の制服だよ、新しいのを買う金もないようだね」

君子「ごめんね、気まずい思いさせちゃって…」
常子と鞠子「いえ」
君子「学校すぐお友達できるといいわね」
常子「はい」
鞠子「はぁ~」
常子「鞠ちゃん?」
鞠子「二葉亭四迷の浮雲のように私は孤独に生きるわ」
常子「どうしたの?」
鞠子「だって簡単にお友達なんか…とと姉はいいね」
常子「ん?」
鞠子「どうせすぐにお友達できるんだろうなぁ」
常子「いや~まあ…そんな事あるけど」と、笑う3人

教壇に立ち自己紹介している常子
「浜松から来ました小橋常子です、よろしくお願いします」と、頭を下げる
静まりかえった教室
頭を上げた常子にヒソヒソ声が聞こえる
「ねえ見て、やぼったいセーラー服」
「何であんなの着てるのかしら」
「あの服おかしいわよね」
「恥ずかしくないのかしら」
笑顔が固まる常子
教師「静かに!…では、小橋さんはそちらに座って下さい」
常子「はい」と、教壇前3列目中央の席に座る

<新しいクラスメートに全く歓迎されていない事に常子は戸惑いました
その反応は休み時間になっても…>

廊下で立ち話をする級友たちに声をかけるが相手にしてもらえない常子
他の2人連れにも話しかけるが、やはり同じだ…
すると、ひとりの女の子が廊下の書棚の前に腰掛け本を読んでいる
少しホッとした表情になり声をかける常子「あの…」
綾(阿部純子)「何か?」
常子「えっと…」
綾「中田綾です」
常子「そうそう中田さん、あの…私、校舎を見て回りたいんだけど
一人じゃ迷ってしまいそうだから、もしよかったら一緒に見に行ってくれない?」
綾「あなたってさみしい人なのね」
常子「え?」
綾「一人でいたくないから、一人でいる私に声をかけたんでしょ?」
常子「えっ、そんな事…」
綾「おあいにくさま、私は一人で平気ですから」
キョトンとなる常子

常子が学校から戻ると、森田屋前の路地の縁台で隈井と宗吉が将棋を指している
常子が新しい学校でいじめられてるんじゃないかと心配する隈井に
「あ…大丈夫です、お友達もできましたし」と、笑顔で元気に話す常子
宗吉(ピエール瀧)が常子に「おう、お帰り」
常子「あ…ただいま帰りました」

<自分の身に起きた事もあり、常子は鞠子の事が心配になりました、ところが…>

食卓を拭く常子と鞠子
常子「えっ?」
鞠子「文学好きの方がいて、すぐに打ち解けられたの」と、嬉しそうに話す
常子「…そう」

<心配は杞憂でした>

君子「みんななじめたようで安心したわ」
鞠子「あ、とと姉のクラスに中田綾さんって方がいるでしょ」
常子「ああ…えっ、何で知ってるの?」
鞠子「とてもきれいで下級生からとっても人気のある方なのよ」
常子「へえ~そうなの」
鞠子「何でも子どもの頃、外国に住んでらしたんですって
きれいで、おまけにお金持ちで…家なんか立派なお屋敷らしいわ」
常子「ふ~ん」
鞠子「とと姉の事だから仲よくなったんでしょ?」
常子「う~ん…」
鞠子「ねえ、どんな感じの人だった?」
「ん~…とってもいい人だったわよ」と、目が泳いでしまう常子
照代(平岩紙)が来て「ねえ、今日からお夕飯そっちの部屋で一緒に頂く事にしましょうよ」
君子「いいんですか?」
照代「そうしましょ」と、君子たちと一緒にちゃぶ台を食卓にくっつける

翌、女学校の教室に入る常子
今日もヒソヒソ声が聞こえてくる
「いつまであの服で来るんだろう」
「恥ってものがないのよね」
「早く新しい制服買えばいいのに」
「本当よね」
席に着く常子と、左隣の席で我関せずと読書している綾

学校帰りの道を歩く常子「どうしたもんじゃろのぉ…」
「常子ちゃん?」と、清(大野拓朗)が呼び止める
清「久しぶり、もう驚いたよ、突然出てくわ弁当屋に住み始めるわでさぁ」
常子「いろいろすみませんでした」と、頭を下げる
清「謝る事じゃ」と、さわやかな笑顔で首を振る
「あ…じゃあ…」と、歩き始めた常子の背中に「ああ参ったなあ!」と清の声
立ち止まり、少し考えて振り向いた常子がお約束の「どうかしました?」
清「いや、女中や小僧の作業着繕うためにミシンを手に入れようと提案したら
みんなからの称賛が収まらなくてね~なんとお優しいとか若旦那のかがみとかさぁ」
常子が笑顔で「大変ですね」
清「いや~大工と込み入った打ち合わせをしている時にも声かけられちゃうもんだから
仕事になんなくて本当困っちゃうよ~」と、常子の周りをグルグル歩き回る
常子「あっ、私お店のお手伝いがありますので」と、走って逃げる
清「あっ」と、去っていく常子を見て下唇を突き出す

私服に着替えた常子が元気なく道を歩いている
誰かにぶつかり「あ~…ごめんなさい、大丈夫ですか?」
と、覗き込むと転んだのは星野(坂口健太郎)だ
常子「あっ!」
星野「えっ?」
常子「あっ、いや…お怪我、ありませんか?」
星野「う~ん、外傷は見受けられませんが、内出血などはしばらく時間がたたないと
分からない場合があるので、一概にないとは言えません」
常子「はぁ…」
星野「あっ、すいません、あなたを責めているんじゃない
僕もいけないんです、見とれて突っ立っていた訳ですから」
常子「見とれて?」
星野「はい、これです」と、立ち上がりヒマワリを見る
常子「うわ~立派なヒマワリ!」
星野「でしょう?見事に育ったね君って、褒めてやってたんですよ」
常子「へえ~…失礼しま~す」と、こっそり逃げようとする
星野「あっ、ちょっと君!」
常子「はい?」
星野が顔を近づけ常子の顔をまじまじと見る
常子「えっ?」
星野「そんな…こんな事あるはずが…」と、さらに常子の顔を見続ける
困惑する常子

(つづく)

常子が子供時代に竹蔵に報告した通知簿の成績は、算術だけ丙で苦手にしてたけど
今回の試験であくびをしたのが図形問題だったのは、あいかわらず苦手って事かな
鞠子はオール甲だったけど、文学好きな設定みたいだね

制服の件は君子の口ぶりから常子が節約のために遠慮したみたいだけど
そんな事でまさかイジメられる事になるとは…
綾を見てぼっちの仲間だと思って声をかけたら当てが外れるし…

宗吉は将棋の見物人たちに「帰れ帰れ邪魔だ」と、邪険にするんだけど
隈井が席を離れて常子に話しかけたらすぐに呼びに来たよね
隈井はすっかり宗吉に気に入られたみたいだ
隈井はたぶん常子たちの様子を探りにきてるんだろうが…

常子が宗吉に「お帰り」って言われてちょっと意外そうだったね
森田屋の人たちに認められてきた描写なんだろう
夕飯も一緒に食べる事になったから、おかずの数も同じになったんだろね
良かったね美子

久しぶりの清だけど、ミシンの話は制服問題と繋がりそうだね
まだ話し足りなかったのか、逃げていく常子に不満そうだったけど
我がままが通らないのでダダをこねる子供みたいな顔だったw

綾と星野はタイプは違うけど、インテリで常人離れしてるとこは共通するかな
ヒマワリの花言葉は「あなただけを見つめる」「恋愛」等らしい
ラストの星野の行動にリンクしてるみたいだね

ちなみに星野初登場の20話で出てきたポリゴナムの花言葉は
「思いがけない出会い」「気がきく」「愛らしい」とのこと












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