2016年8月13日土曜日

とと姉ちゃん(114)披露宴で挨拶をする事になり準備をしてきた常子だが…

常子の席にやってくる宗吉(ピエール瀧)「常子…今日は頼んだぞ」 
常子(高畑充希)「はい」 
緑(悠木千帆)「何かされるんですか?」 
宗吉「ああいや…実は今日な、常子も挨拶する事になってな」 
扇田「常子さんが?」 
宗吉「ああ…ずっと父親代わりで鞠子を見守ってきたんだ…
常子から2人にはなむけの言葉を送ってほしくてなぁ…大丈夫だよな?」 
常子「任せて下さい…一夜漬けですけどちゃんと暗記してきましたから」
(とメモを見せる) 
島倉「わざわざ覚えなくても…」 
常子「原稿見ながらだと自分の言葉で話してる気がしなくて」 
宗吉「いやぁ…それでこそ常子だ…お前ならできる」 
「ありがとうございます…頑張ります」と緊張しながらも張り切る常子 

タイトル、主題歌イン 

國彦夫妻の席の前、ビール瓶を手に君子(木村多江)「お父様もいかがですか?」
國彦(筧利夫)「いえいえいえいえ…へえ酔っ払っちまって」
君子「ああ…そうですか」
國彦「ほれより不安にさしちまってすまんじゃんねえ」
君子「へっ?」
國彦「水田家…見てもらったら分かると思うけんど、ずら~っとサル顔じゃんねぇ
2人に子どもができたらいつかサル顔になるじゃんねえ…すまんじゃんねえ」
むめ(高橋ひとみ)「お父さん…お困りじゃんけ!アハハハハ…」
正一(水田の兄・おさる)「父さん、恥ずかしいからやめとくれよ!
(君子たちに)いろいろすまんですねえ」
君子「いいえ、皆さん本当に明るくてらして…
鞠子を水田家の一員に加えて頂けて本当にありがとうございます」

水田(伊藤淳史)「何だか夢みたいです…
こんな大勢の方に祝ってもらえるなんて…
ふだんの生活じゃありえませんから」
鞠子(相楽樹)「ええ…だけどもっと緊張なさるのかと思ってました」
水田「えっ?僕がですか?」
鞠子「はい、今日の正平さん式の時も今もとても堂々として頼もしいです」
水田「あぁ…よかった…そう見えたのなら幸いです」
鞠子「えっ?」
水田「実はずっと変な汗をかいてます…手なんかほら」
鞠子が笑って胸元から出したハンカチで水田の手のひらをぬぐい
さらに額もぬぐう
水田「顔もですか?」
「汗かいてます」と笑顔の鞠子

挨拶のメモに目を落とし確認している常子
宗吉「え~宴もたけなわではございますがこの辺りで
新郎新婦の上司にあたります、あなたの暮し出版編集長花山伊佐次様より
お祝いのお言葉を賜りたく思います…花山様」
花山(唐沢寿明)「え~ご紹介にあずかりました
あなたの暮し出版の花山伊佐次と申します
この度は水田君、鞠子さん、ご結婚おめでとうございます
ご両家の皆様も心よりお祝い申し上げます
え~とりわけ話す事もありませんが…でもまあせっかくなので少しだけ
一つの内閣を変えるよりも
一つの家のみそ汁の作り方を変える事の方がよっぽど難しい
家族は社会の縮図です
言うなれば家族は国であり環境も異なれば文化だって違う
つまり結婚は二つの国を一つにするようなものです
それをまとめるには毎日の食事…みそ汁が大きな役割を担っています」
常子「え?」
花山「きっと鞠子さんの暮らしは
正平君が好むみそ汁の味を知る事から始まるでしょう
そのためには水田家にはどんな習慣があり何を大事にしてきたのか
それを理解し寄り添う事が大切です
そしてそれは正平君も同じ事
互いに育ってきた環境を尊重し理解し合わなければ
2人にとっておいしいみそ汁を完成させる事はできません
2人の旅路は始まったばかりですがこれから長~い時間をかけて
最高のみそ汁を作り出してくれるものと信じております!
それが完成する時には…(と鞠子と水田の方を見て)
思いやりに満ちた幸せな家庭が出来上っている事でしょう
おめでとう…お幸せに」
(一同の拍手)
國彦「あの人は立派な人ずら」
君子「すてきなお話だったわねえ」
美子(杉咲花)「はい」
君子「常子?」
花山がスピーチしていた方を向き固まったままの常子「言われました…」
君子「えっ?」
常子「私が言おうとしていた言葉…」
(君子と美子)「えっ?」
常子「私もおみそ汁に絡めて2人の人生を話そうと思っていたんです…
(とメモを確認して)似てる…ほぼほぼ同じ…」
うろたえる3人
宗吉「では続きまして小橋家を代表して
新婦の姉小橋常子よりご挨拶させて頂きます」
美子「落ち着いて」
常子「えっえっえっ…同じ事話さない方がいいですよね?」
君子「そうね…」
美子「思った事をそのまま伝えればいいの」
常子「そんな事急に言われても…」
(2人)「大丈夫」
美子「大丈夫大丈夫」
君子「常子ならできる!」
國彦たちが怪訝そうにこっちを見ている
宗吉「ほら常子、早く」
常子「はい!」
美子「頑張れ大丈夫」
花山が(何をやっているんだ)という顔でこちらを見る
拍手の中おずおずと前に進み出る常子が花山の前で止まり睨みつけ
(もうっ!)という顔で過ぎ挨拶の場に立つ
常子「え~…ご紹介にあずかりました鞠子の姉の小橋常子と申します
…え~………………小橋常子と申します」
「さっきも聞いたぞ!」とヤジが飛ぶ
心配そうな君子と美子
少し困った顔の水田と常子を見つめている鞠子
常子「そうですよね」
会場に笑い声が起こる
常子「あぁ…もうやっぱり駄目ですね私…
ごめんなさい私いつもそうなんです…
どこか間が悪いというか失敗も多くて…
でも…そんな時いつも私を助けてくれたのが鞠子でした
小さい頃雨の日に転んで泥だらけで部屋に入れなかった時
手拭いを持ってきてくれたり…
女学校時代に一学年上の私の教室に忘れ物を届けに来てくれるのは
ほとんど毎日の事でしたし…
練り歯磨きを作ろうとした時に
メモにあった文字の見落としに気付いてくれたのも鞠子でした
つまり…私の隣にはいつも鞠子がいたんです
どこか抜けていたりやり過ぎてしまう私を
鞠子が助けてくれていたからなんです
冷静で頭がよくてしっかり者の鞠子が必ず隣にいてくれたからなんです
私は父代わりとしてずっと家族を支えてきたつもりでいましたが
本当はそうじゃありません
いつも支えてもらっていたのは私なのだと
鞠子が嫁ぐ事になって初めて気付く事ができました
(水田と鞠子の方に向き)水田さん…
きっと水田さんはこれから誰よりも幸せになる事でしょう
鞠子をお嫁さんにもらってよかったなと
心から思える事が数え切れないほどあるはずです
親バカだと笑って頂いても結構です
でもうちの鞠子はそれほどすてきな女性です
だからお願いです…鞠子を…私の大事な妹を…幸せにしてやって下さい
お願いします!」
頭を下げている常子に立ち上がった水田が「常子さん…お約束します
僕は鞠子さんを一生かけて幸せにします」
水田を見上げて微笑む鞠子
常子も笑顔になり「ありがとうございます」
花山が手を叩き会場は拍手になる
立ち上がった鞠子が常子を抱きしめ「ありがとう…とと姉」
常子も笑顔で妹の背中を叩く

夜、小橋家の自室
自分で立てた3つの目標を見ている常子
そのひとつ「鞠子美子を嫁に出す」の札を手に取り眺める

<この日、鞠子は小橋家から嫁いでいきました>

仏壇の竹蔵と家族の写真

ちゃぶ台と3つの座布団

(つづく)

なるほど…おさるがキャスティングされていたのはサル顔だからだったのかw
そういえば杉咲花もちょっとサル顔じゃないかな?
木村多江は薄幸顔女優として有名だが仏像顔でもあるよね
相楽樹は地蔵顔で高畑充希は忍者ハットリ君かな

普段着みたいな格好で気楽に来たような花山だが意外に立派な挨拶をしたw
まあこれは常子の予定を潰すためなのだが(脚本的にという意味)
前に出る途中で花山を睨む常子が可愛かった
やはり2人は夫婦のように見える
仕方なく思うままに心の内を自分の言葉で語った常子だが
結果、いいスピーチになったみたいでよかった

目標の札を見ていた常子だが美子はいつか嫁にいくのだろうか?
モデルになった三女の人は生涯独身だったらしいが…
家はおそらく建てるのだろうね

次週予告ではまた少し時間がとぶみたいだ
編集部員は大幅に増えていたと思う
常子のヘアスタイルは高畑充希っぽくなってきたかな
茜はまた大きくなってたw(たぶん4代目)
星野との再会が描かれるようだが果たしてロマンスになるのだろうか?

2016年8月12日金曜日

とと姉ちゃん(113)結婚式前日の夜、家族に挨拶をする鞠子

ちゃぶ台の上、ごはんにみそ汁にアジの塩焼きその他もろもろの惣菜 
常子(高畑充希)「随分作りましたね…かか」 
君子(木村多江)「あ…鞠子の好きなもの作っていたらこんなになっちゃって…
あ~でももっと豪華なごちそうにすればよかったわね…
いつもと代わり映えしないおかずばっかり」 
首を振る鞠子(相楽樹)「ありがとうございます…
私にとってかかの料理は何よりのごちそうです」 
君子「そう?」 
常子「では…頂きましょう」 
君子「そうね」 
常子「頂きます」 
(一同)「頂きます」 
箸を持った鞠子が最初に大皿のかんぴょうに手を伸ばす 
一同が笑う 常子「かんぴょう」 美子(杉咲花)「かんぴょう」 

<鞠子の結婚を明日に控え家族4人最後となる夕食は
あっという間に過ぎていきました> 

かんぴょうを食べて笑顔の鞠子や常子たち 

タイトル、主題歌イン 

自室で花嫁衣裳を眺める鞠子 

家族がいる居間に鞠子がやってくる
「かか、少しいい?」
なんとなく察したような君子
常子と美子も手を休め周りを片づける
鞠子「嫁ぐ前にみんなにちゃんと言っておきたい事があります
え~…まず…
昔とと姉のカバンによっちゃんのお弁当が入ってた事があったでしょ?
それでとと姉がよっちゃんの小学校まで届けに行って…」
常子「ああ…あ~あったわね」
美子「ああ…」
鞠子「あれね、実は…私がお弁当間違えて入れちゃったの」
常子「えっ、そうなの?」
美子「もう~…あのせいでとと姉ちゃんが余計な事して私笑い者になったのよ」
鞠子「その節はすみませんでした」
鞠子を含め一同が笑う
しかし次の言葉が出てこない鞠子
常子「鞠ちゃん?」
鞠子「ごめんなさい…本当は笑って出ていこうと思ったのに…」
美子「まり姉ちゃん…」
鞠子「かかととと姉とよっちゃんと4人で一緒にごはんを食べて…笑って…
そういう当たり前だった事が明日からはもうなくなってしまうのかと思うと…」
君子に向かい畳に手をつく鞠子「かか…今まで本当にお世話になりました
私…かかのようになります…いつも家族を陰ながら支えて守ってくれる
そんな憧れのかかのような存在に」
君子「鞠子…幸せにね」
鞠子「はい」
今度は常子に向く鞠子「とと姉…今まで本当にありがとうございました」
深く頭を下げる妹に常子「私にそんな…大げさよ」
鞠子「大げさなんかじゃないわ
落ち込んでいたらいつも明るく励ましてくれて
悩んでいたら必ず背中を押してくれて…
どれだけ助けてもらった事か…」
常子が首を振る
鞠子「とと姉のおかげで一点の曇りもない
晴れやかな気持ちでお嫁に行けます
本当にありがとうございました」
常子「鞠ちゃん…幸せにね」
鞠子「はい」
さらに美子に向き直る鞠子「よっちゃん…私ね…
よっちゃんの事が少し羨ましかったんだ…
よっちゃんはいつも自分の気持ちがはっきりしてるじゃない?
洋服作りに夢中になったり、おばあ様に素直に甘えたり…
いつも迷わずまっすぐ進んでいけるでしょう?
そういうところ羨ましかったの…
私…作家になる夢は諦めてしまったけどこれからは水田さんの妻として
よっちゃんみたいに迷わずまっすぐ進んでいくつもり
本当にありがとうございました」
美子「うん…」
そして最後に仏壇の竹蔵の写真に鞠子「とと…私は明日お嫁に行きます
水田さんはとても優しくて誠実な方なので心配しないで下さい
私も水田さんと、とととかかのように温かい家庭を築いてみせますから…
見守っていて下さい」
君子も常子も美子も胸がいっぱいになったような表情だ
鞠子「けど…結婚するのまだちょっと悩んでます」
常子「えっ?何で?」
鞠子「だって私…水田さんと結婚したら水田鞠子よ…
(と、家族に振り向き)みずたまり…」
君子「あっ…あら本当」
美子「えっ…」
常子「フフフフ!確かに」
一同が大笑いする
常子「みずたまりちゃん」
鞠子「恥ずかしいわ みずたまり なんて」
仏壇の家族写真

よく晴れた空
玄関を出てきた君子「皆さんお待たせして申し訳ありません」
ご近所の女の人たちが10人ほど集まっている
せつ「いいのよ」
稲子「鞠子ちゃんきれいだろうねえ」
せつ「早く見たいわ!」
君子「まだかしら…?常子ぉ」(と家の中に声をかける)
(家の中から常子)「は~い!」
君子「すみません」
と、青い着物を着た常子が玄関から出てくる
(一同)「あ…あ…」
常子「お待たせしました」
歓声を上げる一同

家の廊下を進む白無垢姿の鞠子

玄関を出た鞠子に
「きれい~!」
「おめでとう!」
君子「皆さま本当にありがとうございます」
(一同)「おめでとうございます」
君子「車を待たせていますのでこれで失礼致します」

「水田家 小橋家 披露宴会場」
媒酌人の宗吉(ピエール瀧)がグラスを手に一同に向かい挨拶をしている
「え~鞠子さんとは昔深川で仕出し屋をやっていた頃からのつきあいでして
え~…その仕出し屋が森田屋というんですけれども
え~…卵焼きが自慢の店です
え~…ああ、そうそう卵焼きといえばうちのおふくろが口が悪くてねえ…」
美子「森田屋さんの話になってる…」
照代(平岩紙)「もう少し整理して話せばいいのに…」
宗吉「そんなおふくろももう死んじまって…
今日の鞠子の姿をおふくろにも見せてやりたかった…
おふくろにとっちゃ鞠子たちは孫も同然だったんでねえ
ああそれから青柳の女将さんにも見せてやりたかった
あ~でもあの2人がいたら大変か…ハハハハ…何せ仲が悪かったんでねえ
結婚式でもけんかをおっ始めたかもしれやせん…ハハハハハ…
で…けんかといえばね…」
見かねた照代が「ちょっとあなた…」と宗吉に合図を送る
宗吉「いけねえいけねえ…ハハハ…
挨拶はこれぐらいにして乾杯の音頭を取らせて頂きやす
ご準備はよろしいですか
それでは…正平君、鞠子さん、おめでとう…乾杯!」
(一同)「乾杯!」

<こうして鞠子と水田の披露宴は始まったのでした>

乾杯の後一同が拍手をする中、鞠子と水田を見て笑顔の常子

(つづく)

ドラマで結婚式の前夜には定番のしんみりしたやつですね…はい
でもちゃんと最後に「みずたまり」のオチを用意してあったw

ご近所さんたちが花嫁姿の鞠子の登場を期待しているところに
常子が出てきて「あ…あ…」てガッカリするとこ地味に面白かった

宗吉のダラダラとした挨拶は秀逸
もはや挨拶と呼べるものではなくグダグダと喋っているだけw
出席者たちも難しい顔になったり失笑している人もいたね

媒酌人を断った花山は一応出席はしてくれたんだ

唯一といってもいい鞠子側の親族の鉄郎の姿が無かったようだ
たしか戦後一年くらいして舞鶴に行ったと記憶しているが
連絡はつかなかったのだろうか?
遅れてでもいいから明日見れるといいのだが…
何せ鞠子に水田を引き合わせたのは鉄郎なのだから


2016年8月11日木曜日

とと姉ちゃん(112)幸せの形は一つじゃない…結婚しなくても常子は一人前

玄関前で鞠子(相楽樹)と水田(伊藤淳史)を見送る小橋一家 
美子(杉咲花)「まり姉ちゃん、本当に大丈夫?」 
鞠子「うん」 
常子(高畑充希)「きちんと汽車で眠るのよ」 
君子(木村多江)「そうよ、昨日は寝てないんだから」 
鞠子「けど…汽車で寝て顔に寝跡なんかつけたら
お父様とお母様に失礼ですから」 
水田「そんなに緊張しないで下さい、もっと気楽に」 
鞠子「はい」 
常子「鞠ちゃん頑張って」 
うなずき合う一同 
水田「では行ってまいります」 
鞠子「行ってきます」 
3人「行ってらっしゃい」

タイトル、主題歌イン 

廊下を雑巾がけしていた君子が居間にやってくる
「まだ読んでるの?朝からずっとじゃない」
ちゃぶ台には何日かぶんの新聞が積まれている
常子「ええ、このところネタ集めする時間がなかったものですから」
君子「随分仕事熱心ね」
常子「いえ…本当は気を紛らわせているだけなんです
鞠ちゃんが認めて頂けたのかもう気になって落ち着かなくて」
縫い物をしていた美子「あっ、全て縫っちゃった」
(袋の口が閉じてしまっている)
君子「みんな同じね…私も家じゅうの掃除してやるとこなくなっちゃったわ」
美子「まり姉ちゃん遅いですね…甲府だったら中央線で3~4時間よね
(君子と常子がうなずく)そろそろ帰ってきてもいい頃なのに…」
常子「そうねえ…」
と、「ただいま帰りました」と鞠子の声が聞こえる
慌てて立ち上がり玄関に向かう3人

君子「お帰りなさい」
美子「遅かったね」
常子「どうだった?」
鞠子「それが…」
と、鞠子たちの後ろから水田を押しのけて水田の両親が現れる
國彦(筧利夫)「こんばんは~いっつも正平がお世話になってます
正平の父、水田國彦と申します」(たくさんの野菜を背負っている)
むめ(高橋ひとみ)「母のむめです」(こちらも荷を背負い包みを抱える)
うろたえる小橋一家
常子「あ…あ…あ…」
3人が廊下に座りそれぞれに挨拶をする
國彦「正平から鞠子さん紹介されてへえうれしくって
居ても立ってもいられなんでご挨拶に」
水田「すみません突然押しかけて」
常子「とんでもない事です」
君子「わざわざお越し下さいまし…
あっ!どうぞお上がり下さい!」と立ち上がる(かなり取り乱している)
國彦「ほうですか、じゃあ遠慮なしで」
むめ「ほうですか」

ちゃぶ台の上にお土産を並べる國彦「こりゃ地元の酒で
こっちゃあ今朝鶏が産んだ卵、ほれっからうちの畑でとれた枝豆と
それとキュウリと…てっ!蜂蜜はどうしただ?へえってねえじゃんけ」
むめ「やぁだよ~」
國彦「まさか…どっか飛んでっちまっただか?…蜂だけに」
「アハハハハハハ!」と爆笑する國彦とむめ
「やぁだよ、おとうさんったら!」
水田「いつもこうなんです、父の冗談で母だけが大笑いして」
鞠子「とても仲がおよろしいみたいで」
國彦「悪いじゃんね、蜂蜜忘れてきちまっとう」
常子「いや…こんなにたくさんお土産頂いてありがとうございます」
君子と美子「ありがとうございます」
國彦「こんぐれえなんのなんの!
ああ、鞠子さんから伺ったですよ
早くにお父様を亡くされただと?」
むめ「うんとご苦労されたずらねえ」
君子「いいえ、お心遣いありがとうございます」
むめ「ずうっとお姉さんの常子さんが父親代わりをなさってただってね」
常子「はい」
國彦「今正平が勤めてる出版社も常子さんが起こしたですよね?
立派ですなあ!」
常子「いえそんな」
國彦「わしは本心からほう思ってるですよ
ほれにお父様もうんとこさお喜びずらね(と仏壇の写真を見る)
会社を起こしてこぴっと生計を立ててらっしゃるこんもですけんど
鞠子さんみてえなきれいで立派なお嬢さんを
お母様と一緒に育てられたですから」
常子「ありがとうございます」
國彦「ふんとにてえしたもんだ
今わしが死んでも正平やこいつの兄貴に
父親代わりを任せようなんて無理ずらね!」
水田「ちょっと父さん!」
國彦「おまんにわしの代わりは無理ずら
ガキの頃から頼りなくってねえ
怒られるとすぐに泣きべそかいて寝小便なんて
十になっても治らなんだですから!アハハハハ!」
水田「勘弁してよ、鞠子さんの前で…」
鞠子「私は平気ですよ、小さい頃の正平さんがそうだったとしても
今はとても頼りになりますから」
國彦「てっ!正平がですか?」
鞠子「ええ、会社だって水田さんが経理を担当して支えて下さらなかったら
今頃倒産して私たち一家は路頭に迷っていたかもしれなかったんです」
水田「鞠子さん…」
むめ「こんなに優しい娘さん…ぜってえ手放しちゃ駄目だよ正平!」
國彦「手だけじゃねえだぞ、両手両足全部だぞ!」
爆笑する2人「ハハハハハハ!」
むめ「やぁだよおとうさん!」
一同も笑っている
笑い続ける國彦夫妻に君子「安心致しました」
(2人)「ん?」
君子「正直申し上げますと
鞠子をお父様とお母様に認めて頂けるかどうか心配しておりました」
國彦「認めるも何もこんねん立派なお嬢さんが
正平の嫁になってくれるだなんてふんとにうれしくて」
むめ「ほうですよ」
國彦「うちなんざただの田舎の百姓でごいずから」
鞠子「そんな事ありませんよ
あんなに大きなお宅、私初めて見ました」
美子「そんなに広いの?」
鞠子「うん、畑なんてうちから角の魚屋さんぐらいまではあったと思う」
常子「そんなに?」
國彦「てえした事はねえですよ
あれだって9割方手放したですから
村のやつらからは落ちぶれた長者様だって陰口たたかれてる始末で
これも時代が変わっただと思って受け入れてるですよ
なんぼでも昔の栄華みてえなもんに
しがみついていてもしかたがねえですから
ほれに常子さんなんか女の細腕で一から会社を起こして
社長として成功してるだから負けちゃあいられんですよ
…心底わしはホッとしてるです
いい年をしてフラフラしてたこいつが結婚だなんて…
結婚もできんような大人は一人前とは言えんですからね
子どもが結婚するまでは親は死んでも死にきれんですよ」
水田「いや…そんな大げさな」
國彦「親ってもんはな…みんなほう思ってるだよ
親の心子知らず…たあよく言ったもんだ
おまんも子どもができたら分からあ」
(常子が君子の方を見る、君子は複雑に微笑んでいる)
國彦「ほれでどっちがいいだ?おまんは」
水田「えっ?」
國彦「なんぼ欲しいだ?おまんは」
水田「ちょっ…ちょっと父さんここで?」

夜、寝間着姿の君子が仏壇の前に座っている
こちらも浴衣を着た常子がやってくる「結婚のご報告ですか?」
君子「ええ」
君子の後ろに座る常子「ととが聞いたら何とおっしゃるでしょう
ひょっとしたらやきもちをやいてしまうかもしれませんね」
(2人)「フフフ」
君子「そうねえ…少し戸惑うかもしれないけれど
喜んで水田さんを受け入れてくれると思うわ
それに娘が幸せになる事に反対する親なんていないわよ」
常子「…あ~ととにも見せたかったなあ
鞠ちゃんの幸せそうな顔…
好きな方に結婚を申し込まれる事ほど幸せな事はありませんものね」
常子を見つめる君子
常子「…かか」
君子「うん?」
常子「かかもやはり私に結婚してほしいですか?」
君子(笑って)「あっ…何?急に」
常子「いや、水田さんのお父様がおっしゃってたじゃないですか
子どもが結婚するまで親は死んでも死にきれないと…
結婚して巣立っていくのを見届けるまでかかも安心できませんか?」
君子「…私たちの世代はそう思う人がほとんどでしょうね…
私もできれば…あなたも美子も素敵な方と出会って
幸せに暮らしてほしいとは思っているわ」
常子が少し目を伏せる
君子「でもね、それはその方が安心だからという事じゃなくて
それが私に想像できる限界だからかも…
あなたを見ていると幸せの形は一つではないのかなと思うわ
結婚しなくても、あなたは十分に一人前です…それは確かよ」
膝を手で打って常子「これから大変になりますね
結婚式に向けて私たちもいろいろと準備しなくちゃいけませんから
すてきな結婚式にして鞠ちゃんを送り出してあげないと」
君子「そうね」
笑顔でうなずく常子

<夏に出版されたあなたの暮し第12号は
らいてうの記事が評判となり売れ続け秋には10万部を記録しました
そして…鞠子の独身最後の日>

緑(悠木千帆)「水田さん、ここの数字ゼロが1つ足りなくありませんか?」
「えっ?」と帳簿を確認する水田
「あっ、すみません…すぐ書き直します」
緑「これで3度目ですよ」
扇田「早くも緊張してるんですか?結婚式明日ですよ」
水田「別にそういう訳じゃ…」
笑う一同
緑「もう…しっかりして下さいよ」
向かい合って座る鞠子と水田が見つめ合い笑う
それを編集長室の入り口から見ている花山(唐沢寿明)
「何を見つめ合っているんだ」
(2人)「すみません!」
花山「常子さん、鞠子さん、美子さん、そこに並びなさい」
常子「え?」
花山「鞠子さんの最後の日だから三人の写真を撮る
三人そろってここで働くのは今日が最後だろ?」
鞠子「でも仕事中なのに…」
花山「嫌なら別に構わないがね」(と部屋に戻ろうとする)
(常子と美子)「あ~」
鞠子「お願いします、撮って下さい」
振り向く花山「並びなさい、早く!速やかに並んで」

花山「う~ん…もっと寄って!」
カメラの前に並ぶ3姉妹
常子「うまく撮れるかな…
私こういうの絶対失敗するから」
鞠子「そうよね、昔ととと一緒に撮った時も一人だけ変な顔して」
(桜の木の前で撮った家族写真・常子の左頬がふくらんでいる)
常子「あれはしかたないじゃない口内炎が出来てたんだから」
と、あの時のように舌を使い左頬をふくらませる
笑う3姉妹に花山「早くしなさい!私は仕事が詰まってるんだ!」
(3姉妹)「はい」
花山「表情が硬い、笑って!もっと!」
編集部の皆も笑顔で見ている
花山「作り笑いでいいから笑えよ」
常子「鞠ちゃんよっちゃん」
花山「いくぞ」
常子「ニコッ」
花山「はぁ…水田踊れ!」
水田「踊る?」
カメラの前に立つ水田に花山「かぶってるよ」
水田「あっ、すいません!」
笑う3姉妹に花山「おおいいぞ、そのままでいいぞ!見て!」
常子「はい」

<こうしていよいよ鞠子と水田の結婚を迎えるのでした>

額に収められた3姉妹が揃って働く最後の日の記念写真

(つづく)

國彦が最後に言った「なんぼ欲しいんだ?」は財産分与の話だろうか?
だとすればその前の「どっちがいいんだ?」は
現金がいいのか畑がいいのか…という事なのかな?

常子が最終的に誰かと結婚する事になるのかずっと気になっていて
個人的には星野と再会して結ばれてほしいと思っていたのだが
よく考えたらそのドラマ展開は常子のモデルの大橋鎭子さんに対して
失礼のような気がしてきた
大橋さんの人生を否定するようにもなってしまうからだ
女の人は結婚しないと幸せになれないのか?
結婚しない事は親不孝な事なのか?
今回のお話はそれがテーマだった
國彦は「親の心子知らず」という言葉を使ったが
君子は「素敵な方と出会って幸せに暮らしてほしい」と語りながらも
「それが私に想像できる限界かも…」という表現をした
これは時代は常に流れていて世の中はどんどん変化しており
その新しい社会を生きている若者の心の内(生き甲斐や価値観)は
年寄りには理解できない…という意味ではないだろうか?
「子の心の内、親には理解できず」といったところかな
なんだか常子が結婚しないラストの方がいいようにも思えてきた

ラストの写真撮影
直線裁ちの時の撮影と同じく
3姉妹を自然な笑顔にさせたのは水田だったね
唐沢も水田を踊らせるアドリブを重ねてきたw




 

2016年8月10日水曜日

とと姉ちゃん(111)鞠子が見つけた太陽のようになれるものとは?

鞠子(相楽樹)が編集部に戻ると東堂(片桐はいり)が待っている 
鞠子「東堂先生!どうしたんですか?」 
東堂「フフフ、ちょっと…」 
常子(高畑充希)「鞠ちゃんの事気にしていらして下さったのよ」 
鞠子「すみません、ご心配おかけして」 
東堂「聞きましたよ、平塚先生のところへ行ってらしたんですって?」 
鞠子「はい」 
常子「どうだった?」 
鞠子「原稿…執筆して頂ける事になりました!」(ちょいドヤ顔) 
常子が顔をくしゃくしゃにして喜ぶ 
水田(伊藤淳史)「本当ですか!?さすがです鞠子さん!」 
美子(杉咲花)「すごい!まり姉ちゃん」 
東堂「よかったわね!」 
鞠子「ええ…私、平塚先生にもう一度女性に勇気を与えるような
元始 女性は太陽であった…のような
しなやかで力強い言葉を書いて頂きたくてお願いしたんですが
先生はそれをお断りになったんです
あなたの暮しにその内容はふさわしくないって
明日の暮らしがよくなる知恵を書きたいと…
先生は子どもを育てた事や戦争の経験を通じて
お考えが変わったんだとおっしゃってました」 
東堂「平塚先生が?」
鞠子「はい…考えは変わるもの、それはとてもいい事なんだ…って
私…その言葉に救われたような気がしました
自分の流されているような生き方が情けないと思っていたんですが
そんな事はないと言って頂いたような気がして…」
東堂「そう…私もかつて青鞜を読んで大きく影響を受けましたが
確かに時代も状況も変わったわ
あの平塚先生が明日の暮らしがよくなる知恵をお書きになる事で
ホッとする人も多いんじゃないかしら…あなたのように」
晴れやかな笑顔で答える鞠子「そうですね」
水田が微笑む
一皮むけたような鞠子を感慨深げに見つめる常子

タイトル、主題歌イン 

茶封筒を大事そうに抱えて駆ける鞠子

編集部に戻った鞠子に美子が訊ねる「原稿は?」
鞠子「お約束通り頂けたわ」
ホッとした顔の常子
鞠子が「お願いします」と原稿を花山(唐沢寿明)に届ける
編集部の全員が花山のデスクに集まる
原稿を確認する花山
鞠子「いかがでしょうか…?」
原稿を読み終えた花山「すばらしい!」
一同が安堵の表情を浮かべる
花山「胡麻のお汁粉という題材がいい
読者の求めているものをよく理解しておられる
平塚らいてうにこの原稿を書かせた事もすばらしいじゃないか」
鞠子「でも…お汁粉は先生からのご提案でして私がお願いした事では…」
花山「そうか…まあ君の事だ…女性の権利主張を謳った
女性を勇気づけるような勇ましい原稿をお願いしたんだろう」
鞠子「…はい」
花山「だがその考えをすぐに引いて
こうした優しい慈愛に満ちた言葉を引き出し
読者が作ってみたくなる『胡麻じるこ』を融合させたのは君の力だ
(立ち上がり微笑み)よくやった!」
輝くような笑顔になる鞠子「ありがとうございます!」
花山が、そして一同が拍手をする
美子「すごい!」
島倉「よかったね」
鞠子「ありがとうございます」
常子「鞠ちゃんご苦労さま」
花山「平塚らいてうの原稿だぞ!」
盛り上がる一同
喜びいっぱいの常子「読みたいです」
しかし水田は複雑な表情をしている

会社帰りの2人
鞠子「久しぶりですね、こうやって歩くの」
水田「ええ…」
鞠子「すみませんでした…ずっと」
水田「いえ…」
立ち止まった鞠子が水田を呼び止める「水田さん…」
水田が振り向く
鞠子「私を…水田さんのお嫁さんにして下さい」
水田「…」
鞠子「結婚の申し出、謹んでお受け致します」
うつむき考え込むような水田
鞠子「水田さん?」
水田「…本当にいいんですか?
今日…鞠子さんの生き生きとした表情を見て
鞠子さんは働き続ける事が望みなのではないかと」
鞠子「それは違います…
確かにとてもうれしかったです…でもそれは
これでようやく水田さんと一緒になれる…という思いからです
水田さん…私…太陽のようになれるものをようやく見つけられました
それは…水田さんの妻です」
歩み寄る水田「鞠子さん…僕と結婚して下さい」
幸せそうな笑顔で答える鞠子「はい、ふつつか者ですがよろしくお願いします」
水田「鞠子さん…」

小橋家居間
常子、君子(木村多江)、美子が並び向い側には鞠子と水田
君子たちは妙に緊張しているようだ
「お母様、常子さん、美子さん…お話がありま…」
常子「すみません!」(と手で制する)
一同が常子を見る
と、手を引っ込めた常子が「お願いします」
水田「はい………鞠子さんを…僕に下さい!」
頭を下げる水田と鞠子
君子が常子の腕を叩き「あなたがお返事してちょうだい」
こちらの3人も座布団をはずし座り直す
常子「鞠子を…よろしくお願い致します!」
君子「よろしくお願い致します」
美子「よろしくお願い致します」
水田「こちらこそ、お願い致します!」
頭を下げる2人に美子「まり姉ちゃん…おめでとう」
君子「おめでとう」
常子「おめでとう」
ようやく緊張が解けたような一同
鞠子「ありがとう、とと姉…かか…よっちゃん」
美子「はぁ…きれいだろうなあ…まり姉ちゃんの文金高島田…
いつ挙げるの?」
鞠子「あっ、結婚式か…そうよね…そこまで頭が回らなかった」
水田「あっ…僕もです、立派な式にしましょうね鞠子さん」
鞠子「はい」
水田「はい」
常子「水田さん、鞠ちゃん、私たちにできる事はさせて下さいね」
鞠子「とと姉、ありがとう」
君子「媒酌人はどうするの?」
水田「そうだ…それも早急に決めないと」
鞠子「媒酌人は花山さんにお願いしたいと思います」
(一同)「ああ…」
水田「そうですね、じゃあ明日にでもお願いに行きましょう」

編集長室
花山「断る!」
驚いたように顔を上げる2人
鞠子「そんな…」
水田「どうしてですか?」
知恵の輪をいじくりながら花山「他をあたりなさい」
鞠子「媒酌人は普通、上司にお願いするものだと」
花山「私はそんな柄じゃない」
水田「それだけの理由ですか?」
花山「十分な理由じゃないか
大体好きじゃないんだ、堅苦しい結婚式だの何だのっていうのは」
がっかりして不満な表情の2人
と、知恵の輪が解けて「お~!うぉ~取れた!うおお…
見たか?水田君、鞠子さん!」とはしゃぐ花山

キッチン森田屋
宗吉(ピエール瀧)「お~ついにか!」
照代(平岩紙)「よかったわね鞠子ちゃん」
常子「あっ、でもあの…結婚の事
本人たちは自分の口から伝えたいと思いますので
私たちから聞いた事は内緒で」
宗吉「任せとけ」
照代「分かったわ、それでいつ挙げるの?式は」
美子「まずは水田さんのおうちにご挨拶に…」
と、「こんにちは」と鞠子と水田がやってくる
鞠子(常子たちに)「あっ、2人ともいたんだ」
常子「あっ…しゅ…取材よ取材、料理の取材、ねっ?宗吉さん」
宗吉「あ~あっ、そうだ、取材なんだ取材、アハハハ…」
照代「鞠子ちゃんたちも取材?」
鞠子「あっ、いえ」
と、常子たちに顔を寄せて「もう話した?」
常子「ううん、言う訳ないじゃない…ねっ?」
美子「うんうん」
宗吉「何の…ハハハハ…話かなあ~?」
鞠子「それが…実は…」
水田「僕たち結婚する事になりまして」
宗吉「お~!そうかそうか!」
照代「まあそうなの~ウフフフ」
鞠子「それでその事で折り入ってお願いが」
宗吉「そうかそうかアハハハ」
照代「そうなの~ウフフフ」
水田「宗吉さん、照代さん、お二人に媒酌人をお願いしたいんです」
宗吉「お~そうかそうか」
照代「まあそうなの~ウフフフ」
と、驚いて後ずさる宗吉「ば…媒酌人?」
照代「私たちが?」
常子と美子も驚いている
水田「はい、他に当てが…」
鞠子が見えないところで水田をギュッとつねる
水田「あ~っ…あっ…あったの…ですが…
お二人しか考えられませんでした」
鞠子「お願いします、宗吉さん、照代さん」
宗吉「はい…」
照代「はい…」
(鞠子と水田)「ありがとうございます!」
美子(小声)「花山さんに断られちゃったのかな?」
常子「そうかも」
照代「君子さんもお喜びでしょう」
常子「そうなんですよ照代さん、もうそわそわしちゃって」
媒酌人が重荷なのか椅子にガクンと座り込む宗吉
常子「えっ?」
照代「もう嫌だわ、私もそわそわしちゃう」
幸せそうに笑う鞠子
常子も楽しそうだ

店に飾られた福助人形

(つづく)

鞠子がプロポーズの返事をするシーンは変化球だったかな
水田がいつものように大げさに喜ぶと思っていたけどなんか普通だったw

水田の挨拶を常子が一度止めてしまったのは
極度に緊張してしまって思わず…という事なんだろうね

花山が媒酌人を断った理由は本人が語った通りなのだろうが
家にいる時の穏やかな花山を考えると
会社と家庭は一緒にしたくないのかなあ…とも思った
妻の三枝子にもできるだけ負担をかけたくないと花山なら考えていそうだ
ところで式にはちゃんと出席してくれるのだろうか?

今回はとにかく鞠子と水田が見つめ合う幸せそうなシーンが多かった
あっさりと鞠子が結婚を承諾してしまったのは意外だったが
まだ水曜日だから今週はあと3回もある
結婚式の準備でいろいろと何かあるのかもしれないが大事件は起こらなそうだ

2016年8月9日火曜日

とと姉ちゃん(110)らいてうに執筆してもらうため奮闘する鞠子~考えは変わるもの

花山(唐沢寿明)「確かに平塚らいてうの原稿を掲載できたら光栄な事だな」 
常子(高畑充希)「ええ」 
花山「常子さん、早速君が担当としてやってくれ」 
常子「いや…鞠子に任せたいです」 
鞠子(相楽樹)「…?」 
常子「担当はその作家さんの事を一番よく知る人物がなるべきだと思います
鞠子は誰よりも平塚先生の作品をよく読み感銘を受け
自分でも先生に関する随筆などを書いてきました
うちで一番担当にふさわしいのは鞠子以外考えられません」 
花山「うん…分かった…だがそう簡単に事は進まんぞ
うわさによれば平塚先生は信頼している編集者としか仕事をしないらしい」
島倉「それって…」 
扇田「今回みたいな急な依頼なんて…」 
花山「恐らく受けてはくれんだろう」 
水田(伊藤淳史)「え~…」 
花山「編集者のもとに足を運び熱意を見せてようやく
話を聞いてくれるかどうか…だろうな」 
何かを心に決めたような鞠子 

タイトル、主題歌イン 

乙葉出版前 
建物から出てくる若松(平塚らいてう担当編集者・モロ師岡)
「何度も言ってるように原稿の依頼なら今は無理だよ」
若松を追う鞠子「お願いします若松さん
私どもは今までとても平塚先生のお言葉に力づけられてきました
ですから今回は是非うちの雑誌の読者にも
平塚先生のお言葉で力を与えて頂けないかと」
若松「電話でも言っただろう、新規の依頼は受けてないんだ
今持っている依頼だけで先生は手いっぱいなんだ」
鞠子「では平塚先生のお住まいを教えて頂けませんか?
直接お願いに上がります」
若松「何を言ってるんだ君は!
仕事の依頼は私に一任されてるんだよ!…ったく」(と立ち去る)

あなたの暮し社
緑(悠木千帆)「鞠子さん、まだ戻りませんね」
美子(杉咲花)「まだ会えてないのかなあ…」
鞠子が心配なのか立ちつくす水田
常子「水田さん、鞠ちゃんなら大丈夫ですよ」

乙葉出版前で若松の帰りを待っている鞠子
戻ってきた若松に駆け寄る
若松「君…まだいたのか」
鞠子「もう一度お話を聞いて下さい」
若松「話しても無駄だよ、受けられないんだから」

夜、自室でらいてうへの手紙を書いている鞠子

<それからも連日、鞠子は若松のもとを訪ねました>

「これだけでも平塚先生に…」と手紙を渡そうとする鞠子
若松「もう勘弁してくれよ」

雨の降る夜
出版社前のいつもの場所でずぶ濡れになり若松を待つ鞠子
建物から出てきた若松に会釈する
若松「この雨の中ずっと待ってたのか」
鞠子「お願いします!お話だけでもさせて頂けませんか?
どうしても平塚先生に執筆をお願いしたいんです」
若松「…話だけは通しておく…それでいいだろう?」
鞠子「本当ですか?」
若松「こっちへ上がんなさい(と建物のポーチに手招きする)
受けるかどうかは先生次第だ
俺はこういう話があったと伝えるだけだ」
鞠子「分かりました、では平塚先生にこれをお渡し願えますか?」
(と手紙と大きな茶封筒を渡す)
若松「分かったよ」
鞠子「ありがとうございます!」
若松「タオルと傘を貸そう、編集部まで来なさい」

花山「そうか担当者が折れたか!」
鞠子「はい、平塚先生からのお返事がないとまだ何とも言えませんが」
花山「だがまずは大きな第一歩だ、ご苦労さま」
鞠子「えっ?」
花山「何だ?何を驚いてる?」
鞠子「花山さんが珍しく労って下さるから…」
常子も笑っている
花山「うわさを聞く限り偏屈な編集者らしい…相当骨が折れたろう」
鞠子「苦労はしましたけど
とと姉が花山さんに編集長をお願いした時の話と比べれば…」
鞠子と常子が顔を見合わせて笑う
花山「鞠子さん、君は今私の事を偏屈だと暗に言っているのかな?」
鞠子「いえ、そんな事…一度も思った事ありません」
花山「本当か!?」

編集部で電話を受け住所をメモする常子「…すぐ伺わせて頂きます
はい…はいありがとうございます」
受話器を置いた常子「鞠ちゃん、今すぐ出られる?」
鞠子「大丈夫だけど…(と、嬉しそうに立ち上がり)もしかして…」
笑顔の常子「平塚先生が会って下さるって」(とメモを渡す)
鞠子「本当!?」
水田「えっ」
緑「すごいじゃないですか」
扇田「鞠子さんが粘ったかいがありましたね!」
島倉「うちの雑誌に平塚らいてうが載るのか…」
常子「それはちょっとまだ分からないんです」
(一同)「…?」
常子「担当の方いわく、直接会って依頼の詳細を聞きたいって…」
美子「じゃあ平塚先生が原稿を書いて下さるかどうかは
これからの交渉次第?」
常子「ええ」
(一同)「…」
鞠子「ご安心下さい皆さん、必ず平塚先生を説得してまいります」

メモの住所を頼りに一軒の民家に辿り着く鞠子
玄関上には「オクムラ ヒラツカ」の文字
しゃがんで植木の手入れをしている女に鞠子が声をかける
「あの…こちらは…」
「はい」と振り向いて立ち上がった女の顔を見て鞠子が大きく口を開けて驚く
「平塚先生…でいらっしゃいますね…?」
らいてう(真野響子)「そうですが」
鞠子「あ…すみません…あの…私は…」
らいてう「もしかしてあなたの暮し出版の?」
鞠子「はい…小橋鞠子と申します
本日は先生に執筆のお願いに伺いました」
らいてう「まあまあ、こんなところではなんですからどうぞお上がりになって」

鞠子「私、先生に私淑し自分も作家になりたいと大学にも進学して
出版の世界に入りました」
らいてう「まあそうでしたの…」
鞠子「ですから今回、私たちの作っている雑誌に寄稿して頂ける事になれば
どれだけ光栄な事か…
ただ個人的な思いで執筆をお願いしているのではありません
私が青鞜を読んで感銘を受けたように
先生が語りかけて下さるひと言ひと言を
私たちの読者の方々にも届けたいと思っております
…どうかわたしたちの雑誌に寄稿して頂けないでしょうか?
(と座布団をはずし深く頭を下げ)お願い致します!」
らいてう「執筆致しますよ」
驚いて顔を上げる鞠子
らいてう「あなたの暮しを以前から読ませてもらっていてね
私の方こそ是非寄稿させて頂きたいと思ったの
若松さんにはそうお伝えしたはずなんだけど…
あの方人の話をちゃんと聞かないから」
ほっとして笑顔になる鞠子「そうだったのですか…」
らいてう「それで…題材はどんなものがいいかしら?」
座ったまま少し前に出て鞠子「元始、女性は実に太陽であった」
らいてうが鞠子を見つめる
鞠子「私はあの文を読んで身が震えるほどの感動を覚えました
女性は本来太陽のように自らの力で生き自ら輝きを放っていた
それが今はどうだ…と力強く叱咤され励まされました」
らいてうがうなずく
鞠子「私よりももっと若い読者に
私が味わったような感動を覚えてもらいたいです
戦後の今の時世だからこそ女性が堂々と社会進出を果たせるような
勇気を持てるようなお言葉を執筆して頂けないでしょうか?」
鞠子の話を微笑んで聞いていたらいてうだが
最後まで聞いて少しため息をつき「それはどうかしら」
鞠子「…?」
らいてう「そんな文章はあなた方の雑誌にはふさわしくないのではなくって?」
鞠子「…」
らいてう「私が読者ならこの雑誌にそんな言葉は求めないわ
明日の暮らしがよくなる知恵や考えが欲しいもの
私がずっと書きたいと思っていた事があるのだけど…」
鞠子「はい…?」
らいてう「夏に食べたくなるお汁粉の作り方と
それにまつわる随筆はどうかしら」

風が吹いて涼しい音をたてる風鈴

鞠子「お汁粉…?」
らいてう「母がもともと得意でね、私も教えてもらったの
うちの子もみんな好きで先人の知恵が詰まったお汁粉なのよ
いかが?」
鞠子「…」
らいてう「納得してないようね」
鞠子「…失礼を承知で申し上げます
平塚先生が執筆して下さるのがお汁粉の作り方と随筆だなんて…」
らいてう「もう少し前ならあなたの提案に乗っていたでしょうね
でも…戦争が終わった今は…違うわ
私にも娘と息子ができて育てなければならなかった
戦時中は息子を戦地に行かせたくないという思いでいっぱいだった
それからようやく戦争が終わって
必死に生き延びねばならない時代が続いたでしょう?
戦争があった事で私も大きく変わったの
女性の問題も大切だけれど何よりも平和が一番
甘いお汁粉で幸せになれるような平和な日常があってこそ
女性が権利を主張できるのではないかしら…
私もね考えが変わったの」
鞠子「考えが…変わった…」
らいてう「そう…考えは変わるものなのよ
そうじゃなきゃ生きていけないわ
それに…それってとてもよい事なのよ」
らいてうの言葉を聞いている鞠子

<らいてうの言葉は鞠子の心に大きく響きました>

水槽で泳ぐ2匹の金魚

(つづく)

常子がらいてうの担当を言い出しっぺの鞠子に譲ったのはもちろん
東堂の助言に従って鞠子に何かをやり遂げたという実感を
味あわせてあげたいからだろうが
今週のヒロインの座を譲った事ともリンクしているようで面白いと思った

そのヒロイン鞠子なのだが今回はいろいろと酷い
嘘と不自然な行動ばかりが目立つのだ

まず最初に若松に断られると
「では平塚先生のお住まいを教えて頂けませんか?
直接お願いに上がります」
こんな事を言ったら相手が怒るのは当たり前
若松の存在を完全否定してしまっているのだから

さらに雨の中ポーチに入らずわざとびしょ濡れになる鞠子!
あざとすぎて自分が若松だったらドン引きするけどねw
らいてうに話を通す約束をして「タオルと傘を貸そう、編集部まで来なさい」
なんて若松は偏屈者どころかお人好しの人格者だ

花山「鞠子さん、君は今私の事を偏屈だと暗に言っているのかな?」
鞠子「いえ、そんな事…一度も思った事ありません」
まあこの嘘はギャグみたいなものだから許せるけどw

「私、先生に私淑し自分も作家になりたいと大学にも進学して
出版の世界に入りました」
この嘘はいただけない…
出版の世界に入ったのは常子に引っ張られたからだろ
(常子が出版に入ったのもキャラメルの包みの新聞紙を見てたまたま)
常子がもし、また歯磨き粉作ろうぜ!って言ってたら
それをやってるに違いないんだから

そして本人も「失礼を承知で…」と前置きしているが
「平塚先生が執筆して下さるのがお汁粉の作り方と随筆だなんて…」
これは酷すぎる…失礼すぎる
らいてうが怒り出すんじゃないかと思ってハラハラしたわw

と、ここまで書いてなんだかおかしい…こんなの鞠子じゃない…と思えてきた
これではまるで常子だ
らいてうに会いに行く時の
「ご安心下さい皆さん、必ず平塚先生を説得してまいります」も常子っぽい
まるでヒロインの座と一緒に常子のキャラまで貰ったかのようだ…
やはり朝ドラヒロインは出鱈目でめちゃくちゃに行動力があって
根拠のない自信を持ち合わせていないといけないのだろうか?

真野さんのらいてうは穏やかで品があって良かった









2016年8月8日月曜日

とと姉ちゃん(109)東堂に道を示され張り切って記事を執筆する鞠子だが…

<鞠子と水田が交際を始めてから2年の月日がたとうとしていたのですが…> 

昭和二十五年七月 

帰宅した鞠子(相楽樹)が自室で水田のプロポーズを思い出す 

<プロポーズから2週間がたっても鞠子は答えを出せずにいました>

悩んでいる様子の鞠子 

タイトル、主題歌イン 

あなたの暮し社
水田(伊藤淳史)が元気なく退社していく
美子(杉咲花)「水田さん今日もずっと元気なかったわ」
書類をチェックしている常子(高畑充希)「そうねえ…」
美子「まり姉ちゃんどうして水田さんとの結婚、考えさせてほしい…だなんて…」
首を傾げる常子
美子「水田さんの事好きなのよね?」
常子「いや、私に聞かれても…あっ、水田さんまた間違えてる…」
美子「とと姉ちゃんからまり姉ちゃんに聞いてみて、どうしてなのか」
常子「それはだってほら、2人の問題だから」
美子「そうだけど…」
常子「よっちゃん最近、鞠ちゃんの事詮索し過ぎなんじゃない?」
美子「とと姉ちゃんはまり姉ちゃんと水田さんが
お別れする事になってもいいの?」
常子「どうしてそうなるの?」
美子「だって水田さん悲観的な方だから身を引いてしまうかもしれないじゃない
そうなった時には遅いのよ」
常子「ん~…」

夜、小橋家の自室(書斎?)でそれぞれ机の前に座り書き物をする2人
常子「鞠ちゃん」
鞠子「ん?」
常子「ちょっといい?」
鞠子「何?」
鞠子のそばに座る常子「水田さんに聞いたわ…結婚を申し込んだって」
鞠子「そう…」
常子「迷ってるの?……
水田さん…自分と一緒になる事が不安なんじゃないかって」
鞠子「そうじゃないわ」
常子「じゃあどうして?」
鞠子「…今結婚する事はできないって思ったの…
まだ何もできてないから…
私、作家になりたいって言いだして大学まで行かせてもらったのに
作家になるどころかその経験なんて何にも生かせてない
今こうして出版の仕事をして文章を書く場を与えられるようになっても
力にもなれてないし…
今までずっととと姉のお荷物になってるだけだわ」
常子「そんな事ないわ、鞠ちゃんの協力があったからこそ
あなたの暮し出版はここまで来られたのよ」
鞠子「私はもっと役に立ちたいの(と、本棚から青鞜を持ってくる)
あの時、東堂先生と青鞜に出会って
他に頼って生きる月ではなく太陽みたいに自ら輝きたいって思ったの」
常子がうなずく
鞠子「まだまだだけどこの仕事を続けていれば実現できるかもしれない…
そう思ってる…でもどうすればいいのか分からないの
はっきりした答えが出せない限り水田さんに失礼だから」

茶の間の君子、常子、美子
君子(木村多江)「そう…鞠子はそう思ってたの」
常子「何か手助けしてあげたいですけど…
こればっかりは鞠ちゃんの気持ちの問題ですからね」
君子と美子がうなずく
君子「ゆっくり待つしかないんじゃない?」

東堂宅から出てきた鞠子が見送られて帰っていく
と、包みを抱えてやってきた常子が鞠子の後ろ姿を見て振り向き「あ…」
東堂(片桐はいり)「あら常子さん?」
常子「今どうして妹が?」

東堂の部屋
「やっぱり姉妹なのね」と東堂が常子の持ってきたとうもろこしを持っている
「立て続けにいらっしゃるなんて、フフフ…」
(部屋には鞠子が持ってきたらしいとうもろこしも置かれている)
常子「すみません」
東堂「うれしいのよ私は…こうやって贈り物を頂くのも
鞠子さんのように相談に来て下さるのも」

(東堂の回想)
鞠子「どうしたらいいのかよく分からないんです
仕事を続けるべきか結婚するべきか」
東堂「鞠子さん、あなたは今挑戦していますか?
お仕事をなさっていて何かをやり遂げたという実感を味わった事はおあり?
何か一つでもやり遂げたと思えたら
その時に答えが出るのかもしれませんよ」
鞠子「はい」

常子「そうでしたか…先生ありがとうございます」
東堂「お力になれたのならうれしいですけれど…」
と、手に持ったとうもろこしを見て東堂「大きいわねこれ」
常子「でしょう?たくさんうちに届きまして」

夜、青鞜を机の脇に置きその文章を心に刻みながら記事を執筆する鞠子
翌、張り切って出社する鞠子
そんな鞠子を見て常子が微笑む
水田は複雑な表情をしている
カバンから原稿を取り出し笑顔の鞠子「出来たぁ…」
と、編集長室から出てきた花山(唐沢寿明)「鞠子さん」
鞠子「はい」
花山「洋服選びの知恵についての原稿はまだなのか?」
鞠子「今出来上がったところです、ご確認お願いします」
花山が「うん」と原稿を受け取り部屋を歩き回りながらそれを読む
水田も鞠子も常子も花山の評価が気になるようだ
鞠子に読み終えた原稿を返す花山「これでは駄目だな」
鞠子「分かりました、書き直します」
花山「それは結構」
鞠子「どういう意味ですか?」
花山「この記事は私が書く
これは素材の選び方という観点より
お金の使い方という切り口で記事を書いた方がいい
鞠子さんの着眼点では読者には伝わらない」
鞠子「私にやらせて下さい、至らないところは直します…」
花山「ずっと取材をしてきてこの程度の内容にしかまとめられない…
君は何を取材してきたんだ!取材して感じた事がこれか!」
目を伏せる鞠子
花山「取材メモを貸しなさい、原稿は私が書く!ほら!」
仕方なくメモの手帳を差し出す鞠子
それをひったくるように取った花山が部屋に戻る
傷心の鞠子と心配そうな常子と美子

<その夜、花山が書き上げた原稿を鞠子はじっくりと読み進めました>

読み終わりため息をついた鞠子が原稿を常子のデスクに届ける
「すばらしいわ…こんなの私には書けない
花山さんを見てると自分の文才のなさに気付くばかりよ」と事務所を飛び出す
常子が追おうとするが「あっ、常子さん」とそれを制して水田が部屋を出る

廊下に立ちつくす鞠子に水田「鞠子さん…」
鞠子「私…才能がないから仕事を諦めて結婚なんて虫のいい話…
そんな失礼、水田さんにできません
作家も駄目…編集者も駄目…それならば結婚なんて…
何一つやり遂げずそのつど目標を変えて生きていくのは情けないです」
水田「そんなにご自分を責めないで下さい」
鞠子「水田さん…すみません、身勝手な事ばかり…」
水田「分かりました…鞠子さんの準備が整うまで僕はいくらでも待ちます」
鞠子「水田さん…」

「どういう事だ!」と立ち上がる花山
編集員「それが横沢先生がほかの原稿の締め切りが急に早まったので
うちのは断りたいとの事で」
花山が怒り狂う
常子「時間もありませんし他の作家さんあたってみましょう」
美子「あ~でも著名な作家さんにはほとんど声をかけてお忙しいからと…」
花山「みんな頭を働かせろ!
うちに執筆していない話題になる作家はいないか?」
常子「え~…」
ハッとした顔で机を叩いた鞠子が立ち上がり
「平塚らいてう先生にお願いするのはいかがでしょうか」
一同が鞠子を見る
鞠子「誰もが知っている有名作家ですし
何より平塚らいてうの言葉を待っている女性はたくさんいると思うんです」

<この提案が鞠子の人生を決める事になるのです>

(つづく)

書類をチェックしている常子が「水田さんまた間違えてる…」
たぶんこれは水田が無能だという意味ではなく
仕事にも影響するほど鞠子との結婚の事で水田が悩んでいるという描写だろうね

東堂と鞠子のシーン
鞠子「どうしたらいいのかよく分からないんです
仕事を続けるべきか結婚するべきか」
なるほど、なぜ鞠子が結婚でこんなに悩むのかよく分からなかったが
鞠子の中では 結婚=仕事を辞める事 みたいだね
この当時の日本では確かに普通はそうかもしれないが
このドラマを見てきた流れではかなり不自然だ
まつも照代も滝子も家業を切り盛りしてきたし君子だって職歴はある
会社勤めなら当時は結婚したら退職だろうがあなたの暮し出版は常子の会社だ
鞠子自身も創設メンバーだし家業といっても差し支えないだろう
なぜ結婚したら仕事を続けられないのか?
水田の家に嫁にいくという事はまた滝子たちとは違うという事なのかな?

とうもろこしがどこから送られてきたのか少し気になったw

東堂のおかげでせっかく鞠子が元気になったのに
花山はもうちょっと言い方考えろよw
今だったらパワハラになるのかな?

鞠子は最終的には作家になるのかと思っていたが
どうやらそれはなさそうだね