2016年8月12日金曜日

とと姉ちゃん(113)結婚式前日の夜、家族に挨拶をする鞠子

ちゃぶ台の上、ごはんにみそ汁にアジの塩焼きその他もろもろの惣菜 
常子(高畑充希)「随分作りましたね…かか」 
君子(木村多江)「あ…鞠子の好きなもの作っていたらこんなになっちゃって…
あ~でももっと豪華なごちそうにすればよかったわね…
いつもと代わり映えしないおかずばっかり」 
首を振る鞠子(相楽樹)「ありがとうございます…
私にとってかかの料理は何よりのごちそうです」 
君子「そう?」 
常子「では…頂きましょう」 
君子「そうね」 
常子「頂きます」 
(一同)「頂きます」 
箸を持った鞠子が最初に大皿のかんぴょうに手を伸ばす 
一同が笑う 常子「かんぴょう」 美子(杉咲花)「かんぴょう」 

<鞠子の結婚を明日に控え家族4人最後となる夕食は
あっという間に過ぎていきました> 

かんぴょうを食べて笑顔の鞠子や常子たち 

タイトル、主題歌イン 

自室で花嫁衣裳を眺める鞠子 

家族がいる居間に鞠子がやってくる
「かか、少しいい?」
なんとなく察したような君子
常子と美子も手を休め周りを片づける
鞠子「嫁ぐ前にみんなにちゃんと言っておきたい事があります
え~…まず…
昔とと姉のカバンによっちゃんのお弁当が入ってた事があったでしょ?
それでとと姉がよっちゃんの小学校まで届けに行って…」
常子「ああ…あ~あったわね」
美子「ああ…」
鞠子「あれね、実は…私がお弁当間違えて入れちゃったの」
常子「えっ、そうなの?」
美子「もう~…あのせいでとと姉ちゃんが余計な事して私笑い者になったのよ」
鞠子「その節はすみませんでした」
鞠子を含め一同が笑う
しかし次の言葉が出てこない鞠子
常子「鞠ちゃん?」
鞠子「ごめんなさい…本当は笑って出ていこうと思ったのに…」
美子「まり姉ちゃん…」
鞠子「かかととと姉とよっちゃんと4人で一緒にごはんを食べて…笑って…
そういう当たり前だった事が明日からはもうなくなってしまうのかと思うと…」
君子に向かい畳に手をつく鞠子「かか…今まで本当にお世話になりました
私…かかのようになります…いつも家族を陰ながら支えて守ってくれる
そんな憧れのかかのような存在に」
君子「鞠子…幸せにね」
鞠子「はい」
今度は常子に向く鞠子「とと姉…今まで本当にありがとうございました」
深く頭を下げる妹に常子「私にそんな…大げさよ」
鞠子「大げさなんかじゃないわ
落ち込んでいたらいつも明るく励ましてくれて
悩んでいたら必ず背中を押してくれて…
どれだけ助けてもらった事か…」
常子が首を振る
鞠子「とと姉のおかげで一点の曇りもない
晴れやかな気持ちでお嫁に行けます
本当にありがとうございました」
常子「鞠ちゃん…幸せにね」
鞠子「はい」
さらに美子に向き直る鞠子「よっちゃん…私ね…
よっちゃんの事が少し羨ましかったんだ…
よっちゃんはいつも自分の気持ちがはっきりしてるじゃない?
洋服作りに夢中になったり、おばあ様に素直に甘えたり…
いつも迷わずまっすぐ進んでいけるでしょう?
そういうところ羨ましかったの…
私…作家になる夢は諦めてしまったけどこれからは水田さんの妻として
よっちゃんみたいに迷わずまっすぐ進んでいくつもり
本当にありがとうございました」
美子「うん…」
そして最後に仏壇の竹蔵の写真に鞠子「とと…私は明日お嫁に行きます
水田さんはとても優しくて誠実な方なので心配しないで下さい
私も水田さんと、とととかかのように温かい家庭を築いてみせますから…
見守っていて下さい」
君子も常子も美子も胸がいっぱいになったような表情だ
鞠子「けど…結婚するのまだちょっと悩んでます」
常子「えっ?何で?」
鞠子「だって私…水田さんと結婚したら水田鞠子よ…
(と、家族に振り向き)みずたまり…」
君子「あっ…あら本当」
美子「えっ…」
常子「フフフフ!確かに」
一同が大笑いする
常子「みずたまりちゃん」
鞠子「恥ずかしいわ みずたまり なんて」
仏壇の家族写真

よく晴れた空
玄関を出てきた君子「皆さんお待たせして申し訳ありません」
ご近所の女の人たちが10人ほど集まっている
せつ「いいのよ」
稲子「鞠子ちゃんきれいだろうねえ」
せつ「早く見たいわ!」
君子「まだかしら…?常子ぉ」(と家の中に声をかける)
(家の中から常子)「は~い!」
君子「すみません」
と、青い着物を着た常子が玄関から出てくる
(一同)「あ…あ…」
常子「お待たせしました」
歓声を上げる一同

家の廊下を進む白無垢姿の鞠子

玄関を出た鞠子に
「きれい~!」
「おめでとう!」
君子「皆さま本当にありがとうございます」
(一同)「おめでとうございます」
君子「車を待たせていますのでこれで失礼致します」

「水田家 小橋家 披露宴会場」
媒酌人の宗吉(ピエール瀧)がグラスを手に一同に向かい挨拶をしている
「え~鞠子さんとは昔深川で仕出し屋をやっていた頃からのつきあいでして
え~…その仕出し屋が森田屋というんですけれども
え~…卵焼きが自慢の店です
え~…ああ、そうそう卵焼きといえばうちのおふくろが口が悪くてねえ…」
美子「森田屋さんの話になってる…」
照代(平岩紙)「もう少し整理して話せばいいのに…」
宗吉「そんなおふくろももう死んじまって…
今日の鞠子の姿をおふくろにも見せてやりたかった…
おふくろにとっちゃ鞠子たちは孫も同然だったんでねえ
ああそれから青柳の女将さんにも見せてやりたかった
あ~でもあの2人がいたら大変か…ハハハハ…何せ仲が悪かったんでねえ
結婚式でもけんかをおっ始めたかもしれやせん…ハハハハハ…
で…けんかといえばね…」
見かねた照代が「ちょっとあなた…」と宗吉に合図を送る
宗吉「いけねえいけねえ…ハハハ…
挨拶はこれぐらいにして乾杯の音頭を取らせて頂きやす
ご準備はよろしいですか
それでは…正平君、鞠子さん、おめでとう…乾杯!」
(一同)「乾杯!」

<こうして鞠子と水田の披露宴は始まったのでした>

乾杯の後一同が拍手をする中、鞠子と水田を見て笑顔の常子

(つづく)

ドラマで結婚式の前夜には定番のしんみりしたやつですね…はい
でもちゃんと最後に「みずたまり」のオチを用意してあったw

ご近所さんたちが花嫁姿の鞠子の登場を期待しているところに
常子が出てきて「あ…あ…」てガッカリするとこ地味に面白かった

宗吉のダラダラとした挨拶は秀逸
もはや挨拶と呼べるものではなくグダグダと喋っているだけw
出席者たちも難しい顔になったり失笑している人もいたね

媒酌人を断った花山は一応出席はしてくれたんだ

唯一といってもいい鞠子側の親族の鉄郎の姿が無かったようだ
たしか戦後一年くらいして舞鶴に行ったと記憶しているが
連絡はつかなかったのだろうか?
遅れてでもいいから明日見れるといいのだが…
何せ鞠子に水田を引き合わせたのは鉄郎なのだから


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