2016年5月7日土曜日

とと姉ちゃん(30)ごはんも大事

ゲラニウム・カロリニアヌムは既に別の人が発見していた事を知り
居間に集まった森田屋の面々は沈んだ面持だ 
君子(木村多江)「星野さんは知ってるのかしら…」 
常子(高畑充希)「今日、教授にご報告に行くとおっしゃっていたので
知らされてるんじゃ…」 
その時「ごめんくださ~い」と、表の方で星野(坂口健太郎)の声がする 
浮足立つ一同 
宗吉(ピエール瀧)「…おう!入ってこいよ!」 
さらに慌てる一同 
泣きそうな顔の常子にまつ(秋野暢子)「そんな暗い顔しない、笑顔笑顔笑顔笑顔!」 
泣きそうな顔のまま、両手で頬の肉を持ち上げようとする常子 頬を叩いてもみる 
そして現れた星野の前で取り繕う一同 
挨拶して着座する星野に皆ぎこちない対応だ 
常子「あの…教授にご報告は?」 
星野「それが、大学が休みだったもので行ってません」 
(一同)「えっ!」 
長谷川(浜野謙太)「じゃあ知らねえのか」 
星野「何をです?」 
常子「あっ、いやいやいや…楽しみですねお祝い」と、笑顔でごまかす 
星野「ええ、このように飾りつけまでして頂いて目頭が熱くなります」 
その言葉を聞いて、本当に辛そうな常子 
宗吉が「準備しないと…」と、一同が立ち上がると
「僕も準備…」と、星野も立とうとする
まつが「あ~!あんたはここにいなさい、ここにいていい」と、肩を押さえて座らせる 
宗吉「主役はさ、何もしねえでで~んと構えてりゃいいんだで~んとな」 
星野「で~ん…」 
宗吉「で~んだよ、で~ん」 
星野「いや、やはり…」と、また立ってついてこようとする 
宗吉が前に立ちふさがり「ア~ハハ~!で~ん!」と、畳を指さす 

タイトル、主題歌イン 

厨房に集まった一同
宗吉「何だよ、何にも知らねえじゃねえかよ」
まつ「ますます不憫だねえ…」
照代(平岩紙)「あっ!新聞…」
「私が持ってきました」と、新聞を掲げる鞠子(相楽樹)
ホッとして鞠子に抱きつく常子
宗吉「やるじゃねえか」
長谷川が「見つかったら大変だ、後でどっか隠しとくよ」と言って新聞を受け取る
富江(川栄李奈)「でも今秘密にしたって、そのうち分かっちゃう事でしょ」
君子「そうねえ、後になればなるほどつらいかも」
宗吉が「こうなったら…」と
長谷川に伝えてこいと命じるが、逆に大将が言ってくださいと言い合いになる
その時「私が伝えます!」と、目を固く閉じた常子が宣言する
目を開き、弱った様子の常子「私がキノコがあるって青柳に行かなければ
こんな事にはならなかった訳だし、星野さんを傷つけるような事もなかったから…」

居間
星野にお茶を出す常子
廊下では一同が襖に聞き耳をたてている
星野「実は今朝、国の両親に手紙を出したんです、今回の発見の報告で
僅かながら恩返しができました、これも常子さんのおかげです、ありがとう」
幸せの絶頂にいる星野に礼を言われ、困り果てる常子
星野「それで常子さんのお話は?」
常子「えっ?ああ…私は…あの…え~と…好きな食べ物は?」
星野「え?」
襖の外では一同が落胆して目を閉じている
常子「あの…星野さんのお祝いなので宗吉さんが聞いてこいって」
星野「そうだなあ…みそ汁かな」
常子「みそ汁?」
星野「うん、田舎にいた頃母が作ってくれた」
常子「へえ~…」
星野「あっ、お祝いして頂く席でみそ汁はおかしかったか」
常子「いえいえいえ…宗吉さんに伝えてきますね」と、逃げ出す
襖の外の一同も慌てて退散する

厨房
一同を見渡し、「言えなかった~!」と顔を隠す常子
富江「しかたないよ」
照代「あんな事言われたらねえ」
宗吉「しょうがねえ、祝ってやるか?」
(一同)「えっ?」
宗吉「このまま何も伝えねえで
一日ぐらい幸せな気分にしてやってもいいんじゃねえか?」
鞠子「知らぬが仏か…」
宗吉「それだ」
君子「でも楽しかった分、知った時の落胆も大きいのではないでしょうか?」
宗吉「だよな…」
まつ「かわいそうで言葉もないねえ」
その時、居間の方から星野の声「ああ~っ!」
(一同)「えっ?」

皆が駆けつけると星野がお茶をこぼしただけで一同はホッとするのだが
長谷川が例の新聞紙でこぼれたお茶を吸い取ろうと畳に置いてしまう…
記事に目を止め自分の発見が新発見ではなかった事を知り
皆の様子がおかしい理由も察した星野が卓に突っ伏して失神する

部屋で布団に寝かされている星野
心配して取り囲んでいる一同
君子「また貧血かしら」
照代「昨日から何も食べていないのかもねえ」
富江「うれしすぎてそれどころじゃなかったのかも」
まつが「しばらく寝かせてあげよう」と言って皆は席を立つ
常子「宗吉さん、お台所貸して頂けませんか?」

豆腐を切り調理している常子
味見をしてみて笑顔になる

部屋で星野が目をさまし、布団に起き上がり眼鏡をかける
盆を持った常子が前に座る「お食事ができたのでお持ちしました」
星野「ありがとう…みそ汁…常子さんが?」
畳に置かれた盆の上には、ご飯と漬物とみそ汁
常子「はい」
布団の上に正座して「頂きます」と、みそ汁を飲む星野
星野を凝視する常子
星野「これは…母のと同じだ…」
笑顔になる常子「お国が飛騨高山だとおっしゃっていたのでもしかしたら赤みそかなあと」
星野「おいしい…」
常子「よかった~」と、本当に嬉しそう
みそ汁をもう一口すすった星野が黙り込み、そして辛そうな顔になる…
常子「あ…あの…余計なお世話かもしれませんが…ごはんも大事だと思います
あ…もちろん研究も大切だと思うんですけど、しっかりごはんを食べて元気でいる事も
大事だと思います、その方がほら、頭も回るし…だから…
元気でいて下さい、お国のご両親のためにも」
少し驚いたように常子を見ている星野
常子「すみません、差し出がましい事を…」
首を振り、泣きそうになる星野「いや、常子さんの言うとおりだ
とても合理的な考えだと思います、確かに体を壊しては何もできない
ちゃんと食べてちゃんと寝て、いつか必ず新しい植物を発見してみせます!」
と、笑顔でみそ汁をすすった星野がむせる
常子「アハハ!大丈夫ですか?ゆっくり、ゆっくり食べて下さい」
星野「すみません、おいしいですとても」
「よかったです」と、優しい笑顔で星野を見ている常子

森田屋前
「今日もありがとうございました」と、明るく挨拶する星野
見送る一同、ごはん食べないと駄目だよとまつが土産を持たせる
「はい、ありがとうございます、では失礼します」と、笑顔で去っていく星野
森田屋の人たちが中に入り小橋一家が残る
常子「ん~よかった」
君子「おいしいもの食べると人は力が出るものよ」
常子「はい」
美子(根岸姫奈)「分かる、私もおいしいもの食べると元気が出るもん」
常子「本当?じゃあ私、料理の腕磨いちゃおっかな~」
鞠子「星野さん、とと姉のおみそ汁飲んでお母さん思い出したのかもね」
うなずく一同
常子「かかはどうですか?」
君子「えっ?」
常子「おばあ様と」
君子が目を泳がせ「後片づけがあるんだった、ねっ」と、中に入ってしまう
沈黙する姉妹たち
常子が美子の両頬を押さえおどけたため息を吐いて肩を抱き、鞠子を見る
常子「戻りましょうか」
2人「うん」
美子「とと姉ちゃん、ごはんできるまで遊ぼう」
常子「うん」
鞠子「いやいや、とと姉は私と勉強するのよね」
「あら、えっ、私人気者?」と、おどけて見せる常子

その様子を中で聞いている君子

部屋でひとり、木箱の中から手紙の束を取り出して何かを思う滝子(大地真央)

<果たして君子と滝子の関係が修復される日は来るのでしょうか>

(つづく)

あれ?今週常子は新種を発見するんじゃないの?
「常子、新種を発見する」は何かの比喩なの?
かつて三姉妹の行動が「名画」を生んだように
植物じゃなくても抽象的なものでもいいのだが
今週常子は何かを発見したのだろうか?
自分には解らない…
新種を発見したと思ったら違ってた(ヒメヒラタケ)…てだけの事なのかなw

今回は星野に悲しい現実を告げられない心優しい森田屋の面々や
落ち込んだ星野を励ます常子の奮闘などが描かれた

さすが鞠子はしっかりキャラで新聞を持ってきたのだが
隠しておくと言って預かった長谷川が…
弁当の誤配達のときもそうだったが
長谷川がヘマをすることで物語が展開するのだろう

「ごはんも大事…」と言った常子に「とても合理的な考えだ…」と答えた星野
こんな時でも理屈っぽいね、キャラ守ってるw
高畑と坂口の細かい表情も良かったと思う

ラストの三姉妹のシーンは
家族の事を第一に考える常子の立ち位置がよくでてたかな
滝子との関係に折り合いをつけられない君子を見て沈む妹たち
そんな妹たちにおどけてみせる常子の、ととの代わりとしてがんばってる感じが…
















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