2016年8月22日月曜日

とと姉ちゃん(121)星野からの商品試験への協力の申し出を断ってしまった常子に美子は…

昭和三十一年春 

電気トースターの商品試験に取り組んでいる常子(高畑充希)たち 

<商品試験は対象を電化製品にも広げより本格的になっていました 
一つの商品に長い時間をかけさまざまな項目を
実際に使う消費者の立場に立って検証します> 

電球の商品試験で耐久性を調べるためサングラスをかけて
オンオフを繰り返している美子(杉咲花)たち 
と、一つの電球が切れてしまう 
扇田「チューブ電器、もう切れました」 
様子を見に来た常子「あ~」 
美子「つける度に明るさも落ちていったわ」 
常子「じゃあ消費電力の試験に回しましょう」 

<複数の商品を同時に試験するため作業は社員総がかりです> 

鉛筆の試験をしている水田(伊藤淳史)たち 

<常子は花山と共にその全てを監督するという
今まで以上に忙しい毎日を送っていました>

トースターの試験で機械から煙が上がる
「どうした?どうした?」
常子「大丈夫?」
「パンが上がらなくなってそのままにしてたんで…」
常子「細かい状況を記録してあと温度も測って下さい」

水田家
「よっちゃん見て見て~」とたまきが着けているエプロンを見せる
美子「ん~かわいい、お母さんとおそろいね」
たまき「たまきよっちゃんにごはん作ってあげるの」
美子「えっ、たまき作れるの?」
「うん、ちょっと待っててね」とたまきが台所に向かう
鞠子(相楽樹)「この前初めて上手に卵が割れたのよ
これなら目玉焼きが作れるね…って言ったら…」
美子「そういう事…」
鞠子が心配して台所にたまきの様子を見にいく

焦げて黄身のつぶれた目玉焼き
美子「ん~おいしそう、ありがとう」
たまき「おいしそうじゃない」
美子「そんな事ないよ、作ってくれてうれしいよ」
たまき「でもよっちゃんにきれいなのあげたかったのに…」
「じゃあこっちと交換してあげよっか」と鞠子が自分のものと取り替える
「これでよっちゃんにおいしいもの食べてもらえるね」
たまき「うん!よっちゃんどうぞ」
美子「ありがとう」
鞠子「今度はもっと上手に作れるように練習しようね」
たまき「うん!」
「うん、はいたまき、これよっちゃんに渡して」と鞠子がたまきにグラスを持たせる
そんな鞠子を美子が見つめている
鞠子「うん?」
美子「フフフ、いや…お母さんになったんだなあと思って」
鞠子「フフフ…何よ、私なんてかかに比べたらまだまだよ」
美子「フフフ、やっぱりたまきが作ったのもらっちゃおう」(と皿を取り替える)
たまき「ウフフフ」
鞠子「よかったね、たまき」
たまき「うん!」
食事が始まり鞠子「とと姉は星野さんに会ったりしてるの?」
美子「え~さあどうかな?何も聞いてないけどどうして?」
鞠子「フフ…」
美子「何よ、もったいぶらないで言ってよ」
鞠子「う…ん…とと姉と星野さん多分以前交際してたんじゃないかな」
美子「えっ?」
鞠子「だって大阪に行く前は週に一度は必ず会ってたでしょ?」
美子「うん、お汁粉?」
鞠子「そうそう…とと姉毎回その日は朝からそわそわそわそわして
(美子が笑う)鏡台の前にいる時間も普段より長かったし」
美子「まあ…そういう気持ちもあったのかもしれないね」
鞠子「うん…もしかしたら…再会を機に昔みたいに…」
美子「ないないない、とと姉ちゃんにそんなそぶり全然ないもん
それに星野さんにはお子さんがいらっしゃるでしょ?
星野さん自身もそういう気持ちは…」
鞠子「そう…」
美子「まり姉ちゃんは星野さんとおつきあいしてほしいの?」
鞠子「う~ん…してほしいとまでは思わないけど
もし少しでも気持ちが残ってるならそうなればいいなあって…
だって好きな人と一緒にいるって幸せな事じゃない?」
美子「…そうね」

あなたの暮し出版前
台の上にトーストを並べて道行く人に配布している女性社員
「トーストお裾分けしていま~す」

トースタを試験中の松永「あれ?」
花山(唐沢寿明)「どうした?」
松永「つまみが壊れたみたいです、パンが下がらなくて」(常子ものぞき込む)
花山「何回目でだ?」
松永「えっ?えっと…え~…」
花山「お前はクビだ!」
一同が花山を見る
松永「待って下さいよ、クビなんてそんなのひどすぎますよ
ちょっと数え忘れただけじゃないですか」
花山「数え忘れただけ?あれほど試験に臨む覚悟を伝えたのに
まだ分からんのか!そんなやつはここにいなくていい帰れ!」
緑(悠木千帆)「そこまで言わなくても…」
立ち上がる花山「いいか?改めて聞いてくれ
人様が命懸けで作った商品を我々は真正面から批評するんだ
こちらも命懸けでやって初めて責任が果たせるんだ!」
松永「すみません、二度とないように気を付けます」
花山「二度目などない!一度失敗したらこれまでの試験は全て水泡に帰す」
寿美子「あの…私念のために全部の回数を控えていたので
分かりますけど…」
常子「本当?」
寿美子「はい」
美子「さすがすみちゃん」
花山「作業する人間と数を数える人間は分けた方がいいな
大塚さん、お願いできるか?」
寿美子「はい!」
と、扇田が紙袋ふたつに大量のバターを持って帰ってくる
扇田「同級生に末永に勤めてるのがいてね
僕がここの人間でトースターで毎日パンを焼いているって言ったら口利いてくれて
皆さん!バターの差し入れですよ!これ全部タダですよ!」
緑「タダ?すごいわねえ」
美子「じゃあバタートーストでも頂きながら一休みしますか」
扇田「いいですね!」
花山「待ちなさい!扇田君、すぐにそれを返してきなさい」
扇田「へっ?」
花山「同級生だか何だか知らんが不正に手に入れたものを
商品試験の場に持ち込むなど言語道断だ」
扇田「いや、あの…お言葉ですが試験する商品だったら
僕だってこんな事しません
でも今回トースターですから…」
花山「同じ事だ!この先バターの品質を検証するかもしれない
その時に、あの時協力したからうちに有利な記事を書け…
と言われる可能性もある!そんな事はないと君は言い切れるのか?」
扇田「それは…」
花山「みんなも今後気を付けてくれ!」
常子「はい」
(一同)「はい」
花山が部屋を出ると電話がかかってくる
美子「はい、あなたの暮し出版です…少々お待ち下さい…
とと姉ちゃんお電話よ」
常子「あ…すぐ行きます」
(電話の声)「あの…その声もしかして美子さんですか?」
美子「えっ?」
(星野)「星野です」
美子「あ~どうなさったんです?あっ、今姉と代わります(常子に)星野さん」
常子「星野さん?…って星野さん?」
受話器を取り「お電話代わりました常子です」
(星野)「すみませんお仕事中に」
常子「いえ、どうされました?」

星野の会社
電話をする星野の後ろに雑誌を持つ男がいる
星野「実は僕の上司があなたの暮しの商品試験の記事に感嘆しておりましてね
よくここまで記事にできるなと」
(常子)「あら…わざわざお知らせ頂きありがとうございます」

常子「励みになります」
(星野)「いえ、そこで上司から何か協力ができないかという話が出まして」
常子「協力?」

星野「はい、例えば今後衣類を検証する機会があるとします
その時に洗濯をしてどのように縮むかを調べるとしたら
洗剤が必要になりますよね」

常子「はい」
(星野)「そのような時にうちの製品を格安でご提供させて頂きたいなと思って
お電話した次第です」
常子「ああ…それはありがとうございます
ただ…お気持ちはありがたいのですが
今後どの商品がどのように試験に関わってくるか分からないので
商品は一般購入すると内規を定めておりまして」

星野「ああ…そうですか」
(常子)「せっかくお電話下さったのにすみません」
星野「あっ、いえいえいえ、こちらこそ困らせてしまってすみませんでした」

常子「いえ、でもありがとうございます
上司の方にもよろしくお伝え下さいませ」
(星野)「はい、では失礼致します」
常子「はい、失礼します」(と受話器を置く)
美子「星野さん…自分の会社の商品を?」
常子「うん…申し訳ない事したわ
せっかく電話かけて下さったのに」
美子「うん………じゃあお詫びに何かお持ちしたら?」
常子「えっ?」
美子「ほら、小さいお子さんがいるんだし
お菓子とか喜んで頂けるんじゃない?
せっかくご提案頂いたんだからそれくらいね」
常子「ああ…」(青葉の笑顔を思い出した常子がうなずく)

紙袋を提げた常子が星野宅のブザーを押す
ドアを開けて出てきた泣き顔の青葉「おばちゃま…」
常子「うん?青葉ちゃんどうしたの?」
青葉「お兄ちゃんが…」
「ちょっとごめんね」と家に上がった常子が居間で倒れている大樹を発見する
「大樹君?」と肩をさすり抱き起すが大樹は赤い顔でせきをしている
心配そうに見ている青葉
大樹の頬に触る常子「熱いね」

(つづく)

美子たちがサングラスをかけて電球を試験している絵はシュールだった
もはや出版社だとは思えないw(会社の前ではトースト配ってるし)

たまきが目玉焼きを作った件は何の意味があったのだろう?
母親に見守られて育っている幸せなたまきと
ラストで兄が倒れて泣く事しかできない母親のいない青葉との対比なのかな?

鞠子と美子の15年前の星野への認識に違和感を感じた
姉が2年間も毎週会っていたんだから好き合っていたに決まっているだろ
交際していた…と認識するべきだ
もう早く君子に常子が家族のためにプロポーズを断ったってぶっちゃけてほしい

しかし実験室の引っ越しで鞠子が常子を見つめていた件は回収された
鞠子の思いが美子にリレーする形で常子を星野の家に向かわせたんだね

花山は厳しすぎw
「クビだ」なんて言葉は本気でクビにするつもりの時にしか使っちゃだめだ
寿美子の「私…分かりますけど」は遅すぎwもっと早く言えよ
バターの件は微妙だけどまあ花山の言う通りかな…








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