2016年9月19日月曜日

とと姉ちゃん(145)常子が建てた大きな家で幸せに暮らす一族~しかし君子が病に倒れ…

<昭和33年、常子は美子を嫁に出し
とと姉ちゃんとして目標の一つをかなえました 
そして6年がたち昭和39年、東京オリンピックが目前に迫り
東海道新幹線の開通が世間をにぎわせたこの年
常子は次の目標をかなえました> 

洋式机の上に立てかけられた常子の3つの目標の短冊 
その横の携帯ラジオを手に取った常子(高畑充希)が
「ん~!」と大きく伸びをする 

台所に顔を出す常子「おはよう」 
エプロン姿の鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)「おはよう」 

<家族4人で戦争を乗り越えた思い出の土地を購入し
そこに新たに大きな家を建てたのです> 

門柱に「小橋」「水田」「南」の3つの表札が並んでいる 
庭でラジオ体操をする常子、水田(伊藤淳史)、南(上杉柊平)、
それに中学生になったたまきと小さな男の子と女の子 
(一同)「5、6、7、8、1、2、3、4…」 
せつと稲子が「おはようございます」とやってくる
(せつの手のザルにとうもろこし、稲子は回覧板を抱えている) 
(一同)「おはようございます」 
空を見上げる稲子「今日もいいお天気ねえ」 
常子(体操で腕を振りながら空を見て)「そうですね」 
せつ「今年もたくさん採れたから召し上がって」 
常子「あっ、すみません」(と受け取りに向かう) 
せつ「いいのいいの、ここ置いとくから」 
稲子「回覧板もよろしくね」 
常子「はい、分かりました」 
縁側にのぞむ部屋から笑顔の君子(木村多江)がそれを眺めている 
(せつと稲子)「失礼します」 
(一同)「ありがとうございます」 
稲子「元気よく~」 
腕を振る常子「元気よく!」 

タイトル、主題歌イン 

<小橋家はこの大きな家に9人で暮らす大家族になりました>

台所に続く居間の長卓で正座をして朝食をとる一同
たまき(13歳)「あら潤、ニンジン食べられるようになったの?」
水田潤(5歳)「うん」
水田「偉いぞ、たまき姉ちゃんはな
10歳までニンジンが食べられなかったからな」
たまき「今は好き嫌いないもん」
鞠子「そうよね」
潤「でもピーマン食べられないんだ」
南真由美(4歳)「私もピーマン嫌い」
美子「真由美はシイタケもトマトも嫌いでしょ?」
真由美「シイタケもトマトも嫌い」
(一同の笑い声)
水田「じゃあ潤がピーマン食べられるようになったら
おもちゃを買ってあげよう」
潤「本当!?」
水田「うん!」
南「じゃあ真由美が食べられるようになったら絵本を買ってあげようかな」
真由美「ほんとに?」
(鞠子と美子が同時に)「いけません」
弱り顔の水田と南(潤と真由美も顔をしかめる)
鞠子「駄目よ物で釣るなんて」
美子「そうよ、教育上よくありません」
(水田と南)「は~い…」(潤と真由美も)「は~い…」
水田「いかんな男親は…そんな発想しかできなくて…なあ?大昭君」
南「ええ…女性陣には頭が上がらないです」
水田「我々男は肩を寄せ合って生きていこう!」
南「ええ!」
水田「うん!」
君子「みんなにぎやかで毎日楽しいわ」
常子「そうですね」
君子「常子がこの家を建ててくれたおかげよ」
常子「フフフフフ」

<美子は結婚し出産をしたあとも編集者として仕事を続けていました>

あなたの暮し出版編集部
砂時計が落ちる時間をストップウォッチで計る美子「26秒もずれてるわ」
本木「26秒も?え~…ひどいもんですなあ」
島倉「美子さん、これいい企画ですよ」
笑顔の美子「後でまとめておきます」
水田「皆さん、74号も80万部を超えました!」
(一同)「お~」(と拍手が起こる)
美子のところにやってくる水田「夢が現実になるかもしれませんね…
100万部まであと少し…」
美子「私も今同じ事考えてました」
水田「えっ?ハハハ…」
綾(阿部純子)「美子さん、少しいいかしら」
美子「はい」
綾「確認お願いします」(と書類を提出する)
美子「拝見します」(と受け取り確認する)

<あなたの暮し出版女性を多く採用し
育児が一段落した綾も正社員として入社していました>

美子「分かりやすいですね、ご苦労さまです」(と書類を返す)

編集長室で花山(唐沢寿明)がカップの上にフィルターを立て
コーヒーを淹れている
常子「あの…」
「○×△…!」と手で制する花山
やっと淹れ終わりカップを手に席に着いた花山がコーヒーをすする
常子「あの…お話というのは?」
花山「ああ…提案なんだがね」
常子「はい」
花山「また何か書いてみないか?」
目を丸くする常子「私がですか?」
花山「驚く事じゃない、台所の連載も好評だったじゃないか」
常子「ですが今はもう社長の仕事だけで手いっぱいで…」
花山「君の文章にもファンがついている
常子さんの文章が読みたいといまだに手紙も届くじゃないか」
常子「ありがたい話です…」
花山「社員も増えて負担も少なくなってるだろう
そろそろ書いてもいいんじゃないか?」
逡巡する常子「…」
花山「ならば結構」
常子「いえ…あ…やりたいです…あの…あ…(と手帳を取り出し)
例えば…(とページをめくり)『子どもの好き嫌いをなくす料理』ですとか
『洗濯槽は汚れている?』ですとかそういった題材はいかがでしょう?」
大きく顔をしかめる花山「その辺りは常子さんじゃなくても書けるだろう
私が望むのは君にしか書けないものだよ」
常子「私にしか書けないもの…」
花山「まあ焦って今決めんでもいい…ゆっくり考えてくれれば」
常子「ええ」(と笑顔になる)
花山「あ~このところ会社に顔を出さんがお母さんは元気かい?」
常子「はい、おかげさまで今でも家の事をいろいろやってくれています
これまで苦労かけてきたのでこれからは恩返しをできればと思っています」
花山「うんそれがいい、存分にお母さんをいたわってあげなさい」
笑顔でうなずく常子「はい」

縁側で君子がのんびりとお茶を飲んでいる
目の前の庭では洗濯物を取り込む鞠子が
鼻歌で「明日があるさ」を歌い
七夕なのか鉢植えの木には色とりどりの短冊が吊るされている
(店が大繁盛しますように 大昭)
(ゆうぎかいでじょうずにおどれるよおに まゆみ)
(家族全員が幸せでありますように 鞠子)
(かけっこでいちば… じゅん)
(家族も社員もみんなが元気でいられますように 常子)
短冊を眺めていた君子が突然「あっ…」と腰のあたりを押さえる
苦痛の表情に変わる君子
異変に気付いた鞠子が「かか?大丈夫ですか?」と駆け寄る
君子「うん…平気よ…ちょっと痛かっただけ」
鞠子「少し横になられた方が…」
君子「ああ、いいのいいの…それよりあれ…どうなった?」
鞠子「あれって?」
君子「ほら、潤と真由美の衣装…お遊戯会来週でしょ?」
鞠子「そうなんですけど裁縫がちょっと…
だからよっちゃんに作ってもらおうかと思って」
君子「それなら…私にやらせてもらえないかしら」
鞠子「えっ?」
君子「美子も忙しいでしょう…それくらいできるわよ」
鞠子「…」
と、「一番!金メダル!」と潤が戻ってくる(たまきと真由美も続いて戻る)
たまき「潤、勝手に走んないでよ」
潤「銀と銅だよ」(と2人をそれぞれ指さす)
鞠子「お帰り」
(3人)「ただいま帰りました」
鞠子「お迎えありがとう」
たまき「ううん、帰り道だもん」
君子も立ち上がり庭に降りてくる「潤、真由美、おばあ様が
お遊戯会のお洋服作ってあげるわね」
「やった~」と真由美が飛び上がる
潤「シェー!」(とポーズをとる)
君子「ウフフフフ」
鞠子「カバン置いてきなさい」(と潤と真由美を家の中に促す)
たまき「おばあ様が作る事になったの?」
鞠子(君子に)「じゃあ…お願いします」
君子「ありがとう」
たまき「私も手伝っていいですか?」
君子「もちろんよ…フフフフ」

ミシンを操る君子の手元を真由美が真横からじっと見ている
卓で裁縫をするたまきの手元は潤がのぞき込んでいる
潤「怖くないの?針」
たまき「怖くないよ、潤くらいの年からやってたからね」
潤「すごいね」
それを君子が笑顔で聞いている
台所でジャガイモの皮をむく鞠子「潤、邪魔しちゃ駄目よ」
潤「はい」
子どもたちを見る穏やかな表情の君子

夜、お遊戯会の衣装を着た潤と真由美が振り付きで歌っている
♬「幸せなら手をたたこう 幸せなら手をたたこう 
(一同がそれに手拍子を合わせている)
幸せなら態度でしめそうよ ほらみんなで手をたたこう」
水田「アハハハ!2人ともうまいぞ」
常子「うん、上手」
潤と真由美「ありがとう」「まあね」
美子「それにしてもさすがかかとたまきよね
まり姉ちゃんだったら絶対こんなかわいい衣装作れないもの」
鞠子「悪かったわね」
南「お母さん、たまきちゃん、ありがとうございます」
君子「いえ、いいのよ」
水田「ありがとうございます(君子がうなずく)
いや~本当センスがいいよなぁ…(と衣装を眺め)
うん、ここのこれ…葉っぱのところが僕は好きですね」
鞠子「私はこのお花のところがお気に入り」
常子「うんそうよね、私も」
美子「うん私もここが好き」
南「うん俺も」
南を見る水田「裏切ったな…男同士協力していこうと誓い合っただろ?」
南「これはどっちでもいいじゃないですかぁ…」
「僕もここが好き!」と潤が花の部分を指さす
常子「ねえ」
水田「潤まで!」
(君子が腹のあたりを押さえる)
常子「かか?」
君子「平気平気…」
うずくまるような君子を心配する一同
水田「少し横になりましょう、大昭君布団を」
常子「たまきごめん、お水取ってきて…かか…」
「おばあちゃん!」

四日後

蝉の声が聞こえる病室(個室)のベットの上に横たわる君子

診察室で医師の説明を聞く3姉妹
常子「母の病状はそんなによくないんですか?」
医師「最善は尽くしますが…」
常子「…母はもう長くないという事ですか…」
医師「正確には申し上げられませんが
お母様もご家族の方にも悔いのないように
一日一日を大切に過ごして頂いた方がいいかと存じます」

<君子の体はがんに侵されていました>

病室の君子と3姉妹
(常子と鞠子は部屋の備品などを整え美子はリンゴの皮をむいている)
機嫌よく話す君子「新聞を買いに行った時
待合室にあなたの暮しを読んでる方がいらっしゃったの
アハハハ!ついついお声をかけて話し込んでしまったわ、フフフフフ」
美子「そう」
君子「…それで…何ておっしゃってたの?
吉永先生とお話ししたんでしょ?」
笑顔の常子「ええ、はい」
やはり笑顔の鞠子「それがね、具体的な事は特に」
美子「そう…ご挨拶くらいしか」(と微笑む)
君子「あなたたち…ちゃんと正直に教えてちょうだい」
常子「…お医者様は何の心配もないっておっしゃってました
これからきちんと治療すればきっと治るだろうって」
君子「……そう……だったら…退院したいわ…ここで一人はさみしくてね」
常子「…分かりました…お医者様に聞いておきますね」
君子「お願いね」
「はい」と口元に笑みを浮かべ答える常子

(つづく)

109話で常子と鞠子が東堂に土産で持っていった「たくさん届いた」という
とうもろこしはいったいどこから貰ったものなのか気になっていたのだが
もしかするとせつにお裾分けしてもらったものなのかもしれないね

南は男らしくてイケメンだったのにすっかり牙が抜けてしまったようだ
嫁の姉が建てた家に入ってしまったから仕方ないのだろうか…

砂時計の商品試験のなんとみみっちい事!
島倉の「これいい企画ですよ」は完全にヨイショだろw
あんなもの秒針つきの腕時計を持っていれば
店先で消費者でも確認できる事だろうに

祝!綾がいつのまにかやっと正式採用されたとの事!
ところが6つも年下で女学校では落ちこぼれだった
美子に評価される立場なのがなんだか哀しい
学校一の才媛だった綾なのに…
今回は秀才だった大卒の鞠子も美子に裁縫下手をからかわれていたが
このドラマの作り手は何か学歴に恨みでもあるのだろうか?

前回の次週予告に吉本実優が出ていたので
6年でたまきは随分と大きくなるんだと思っていたが勘違いだった
今週の木曜日からまた時間が飛ぶとのこと(吉本実優はそこから)

そしてたまきの「潤の年(5歳)くらいからやってた(針を)」が気になった
前回のたまきは6年前だから7歳
「お母さん、ポテトサラダお皿によそって」と甘え
シャボン玉で遊び大人たちの膝に抱かれていたたまきは
すでに針を持ち始めてから2年という事になってしまう…

君子が作ったお遊戯会の衣装はクオリティ高すぎw

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