2016年9月17日土曜日

とと姉ちゃん(144)「どうしたもんじゃろのぉ」があるから人生は楽しい?

水田(伊藤淳史)を指さす鉄郎(向井理)
「お前…ん?お前…どっかで見た気が…」 
水田「えっ…ああ…」 
常子(高畑充希)「水田さんです、叔父さん闇市で会ってるはずですよ」 
鉄郎「ああ…ああ…ああ!(と思い出した様子)
えっ…だからって何でその男がここでくつろいでるんだ?」 
美子(杉咲花)「まり姉ちゃんの旦那さんだから」 
鉄郎「(グワッ)…何…?」 
水田(満面の笑みで)「あっ、そうなんです」 
立ち上がった鉄郎が「あ…あ…お前あれか?」と水田の肩をつかみ
「すげえ金持ちなのか?」 
水田「いやいや特には…」 
鉄郎「おいおい…金持ちでないならこんなやつのどこがいいんだよ」
鞠子(相楽樹)「すてきなところがいっぱいあるんです」 
鉄郎「いやだけどよ…えっ…そうなると…さっきから視界に入ってくる
この子はひょっとして(と水田の膝の上のたまきを見て)鞠子の…?」 
鞠子「そうよ」(とたまきを促す) 
たまき「初めまして、水田たまきです」 
鉄郎「はぁ~そうかぁ…おじさんはね、お母さんの叔父さんだから…
えっ?…つまりその…うん…鉄郎おじさんと呼んでくれ」 
たまき「はい、鉄郎おじさん」 
鉄郎「あ~いい子いい子」(とたまきの頭を撫でる)
南(上杉柊平)「俺もご挨拶を」 
鉄郎「ん?あんたは?」 
南「今度、美子さんと結婚させて頂きます南大昭です」 
鉄郎「えっ…美子も結婚すんのか?」 
美子「フフフ…そうなの」 
鉄郎「そうか~美子もなあ…」 
君子(木村多江)「鉄郎さん、ちょうどいいところに来てくれたわ」 
鉄郎「何が?」 
常子「今ちょうどよっちゃんと南さんのお祝いをしてたところだったんです」
鉄郎「バカ野郎お前…だったら先に言えよ(と立ち上がり)
祝いの品がねえじゃねえか、買ってくる」(と背中を向けて玄関に向かう) 
(一同)「えっ?」 
常子「叔父さん?」 
鉄郎が出ていってしまい一同の視線が幸子(岩崎ひろみ)に集まる

タイトル、主題歌イン 

幸子「すみません…あの人思い立ったら人の話を聞かないもので…」
一同がうなずき
君子「ええ、知ってます…フフフフフ」
幸子「そうですよね」(と笑う)
鞠子「叔父さん農業やってるって本当なんですか?」
幸子「ええ…うちの実家を継いでくれたんです
半分売って半分自分たちで食べていくような小さな農家なんですけど」
美子「叔父さんとご一緒じゃご苦労されるでしょう」
幸子「そんなとんでもない…私感謝しっ放しなんです
さっき鉄郎さんハタハタ漁で失敗したって…」
常子「ええ」
幸子「失敗したのうちの兄なんです
鉄郎さんは手伝っていただけです
うちの兄の失敗でうちは多額の借金を抱えて
家も土地も取られそうになりました
その時に助けてくれたの鉄郎さんなんです
失敗したのは自分にも責任があるって言って借金取りと掛け合ってくれて
その上うちの田んぼまで手伝ってくれて
おかげで借金も返す事ができたんです」
鞠子「あの叔父さんが…」

ちゃぶ台に「よいしょ」と一升瓶を3つ置く鉄郎
常子「こんなに?」
鞠子「お酒ばかりじゃない」
鉄郎「まずは美子の結婚だろ?
それに鞠子の結婚と出産も祝ってやらねえといけねえからな」
美子「そう言ってもらえるのはうれしいけど…」
鞠子「私の結婚と出産ってだいぶ前よ」
鉄郎「ガタガタ言ってねえでみんなで祝おうじゃねえか
なあ?お前ら」(と南の肩をたたく)
南「俺お酒あんまり強くないんですが…」
水田「僕も…」
鉄郎「さあ始めようぜ、はい注いだ注いだほらほらほら」
一同のグラスに酒が注がれ常子「では改めて…」
鉄郎「おう待った待った!まずは俺の挨拶が先だ」
常子「挨拶?」
グラスを手に立ち上がる鉄郎「え~美子それに…」
南「南です」
鉄郎「南…南君…ご結婚おめでとう」
(2人)「ありがとうございます」
鉄郎「うん…あ…それからついでに鞠子も結婚出産おめでとう
(鞠子が鉄郎を睨んでいる)常子も姉さんもうれしいだろ」
常子「はい」
君子「ええ」
鉄郎「だよな…兄貴にもお前らの事見せてやりたかったなあ
はぁ~思い出しちまうなあ(一同が仏壇の竹蔵の写真を見る)
美子が生まれた頃『みんな女じゃ嫁に行ってさみしいだろう』って話したら
兄貴のやつ『そんな事ない』ってよ
きっとみんな姉さんに似てきれいなお嫁さんになるだろうって
誇らしげにしてた
なんとか…見せてやりたかったなぁ…
…おっとおっと…しめっぽくなる前に乾杯だ、おいグラス持て
では…乾杯」
(一同)「乾杯」
幸子「おめでとうございます」
美子「ありがとうございます」
鉄郎「ではしばしご歓談を」(と席に着く)
鞠子「しゃべりたいだけしゃべって…」
たまき「お母さん、ポテトサラダお皿によそって」
鞠子「はいはい」
美子「うん、おいしい!」
常子「アハハ!ほれたのも分かるわ」
美子「そうでしょう?」
飲んで食べる一同

台所で君子が椀に汁をよそっている
鉄郎がやってきて「姉さん梅干しもらうよ」
君子「ええ」
壺の蓋を開け梅干しを口に入れ鉄郎「あれからいろいろあったんだろ?」
君子「ええ…でも鉄郎さんもでしょ?」
鉄郎「えっ?」
君子「さっき幸子さんから少し」
鉄郎「何だよ…おしゃべりだな…まあよ…兄貴が死んでから俺なりに
姉さんや常子たちの事なんとかしようとは思ってたんだ
パ~ッと成功してさ、金作って楽にしてやろうと思ってたんだけど
結局何もできなかったなあ…
それどころかむしろいろいろ迷惑かけちまって…
すまなかったな…姉さん」
君子「そんなぁ…」
鉄郎「俺が持ってきた米食ってくれよ
昔俺がほら食っちまった事あっただろ?
あれの罪滅ぼしっつうか…」
君子「アハハハハ!そんな昔の事…アハハ
迷惑だなんて思った事もありませんよ
それに鉄郎さんがいてくれたおかげで心強かった事もありましたし」
鉄郎「そうかい?」
君子「ええ」
小さくうなずいて酒をあおった鉄郎が居間に向かい「おいおい水田に南
お前らちっとも飲んでねえじゃねえか
鉄郎おじさんの酒は飲めねえってのか?え?」
(2人)「いやいやいや」
水田「そんな事は…」(鉄郎が2人に飲ませようとする)
たまき「無理しないで」
台所に立つ常子「かか、叔父さん止めた方がいいですよね?
水田さんも南さんもあんまりお酒飲めないって…」
君子「フフフ、まあ好きにさせてあげましょう
みんなに会えてよっぽどうれしいのよ」
機嫌よく飲んでいる鉄郎を見て微笑む常子

たまきが庭でシャボン玉を吹いている「見て、きれい!」
そのシャボンを鉄郎が扇子で扇ぎ空に舞い上げる
(一同は居間で歓談しているが南はダウンして横になっている)
常子がやってきて縁側で鉄郎に「スタアの装ひ第二號」を見せる
鉄郎「お~2号まで出てたんだなあ」
常子「それがあるから今があるんです」
鉄郎「…よかったじゃねえか…夢がかなって」
常子「はい」
鉄郎「まあ…うまくいったらいったで大変か」
常子「そうですね…結局悩みは尽きません
思わぬ悩みが次から次へと湧いてきます」
鉄郎「みんなそうだよ…悩みのない人間なんかいねえよ」
常子「叔父さんも?」
鉄郎「当ったりめえよ、俺だって成功して大金つかんだ事もあるけどよ
悩みがなくなった事なんかねえよ
いつだって『ああ…これからどうしたもんじゃろのぉ』って」
常子「フフフ」
鉄郎「だけどよ、その『どうしたもんじゃろのぉ』があるから
人生は楽しいんじゃねえか?」
常子「そうかもしれませんね」
鉄郎「ああ…きっとそうだ」
「フフフ」と笑ったたまきが鉄郎に向かってシャボンを吹きかける
鉄郎「お~」
常子「おっ」
空に舞い上がるシャボンを穏やかな笑顔で見つめる常子

夕刻、一同が玄関に出てくる
君子「せっかくなんですから泊まっていけばいいのに…」
鉄郎「いやいや…農家ってのは休みはねえんだよ
今だって畑や田んぼがどうなってんのか気が気じゃねえし
離れていても雑誌は読めんだ
お前らの事はず~っと見守ってやるからな」
鉄郎を見つめる3姉妹と君子
鉄郎(幸子に)「じゃあ行くか」
幸子「はい」
鉄郎「達者でな…あばよ」(と背中を向けて歩き出す
幸子がお辞儀をしてそれに続く)
お辞儀をする一同
一同が顔を上げたまきが叫ぶ「鉄郎おじさ~ん!またね!」
振り返る鉄郎「おう、またな」(と手を振る)
たまきも「アハハ!」と手を振る
そして去っていく鉄郎を見送る常子

部屋で3つの目標の一つ(鞠子美子を嫁に出す)を手に微笑む常子

<6年が過ぎ昭和39年
東京オリンピックが目前に迫り秋には東海道新幹線が開通とあって
それらのニュースが連日テレビや紙面をにぎわせている中…
あなたの暮しは更に読者を増やし発行部数75万部を突破しておりました>

昭和三十九年四月

編集部で怒鳴る花山(唐沢寿明)「何度言ったら分かるんだ!やり直し!」
木立「いやあのでも…」
花山「でも~!?でもでもでも…でも~!」
木立「すみません、やり直します!」
美子と水田が顔を見合わせて笑っている
「常子さん、これお願いします」
「はぁい」と元気に働いている常子

(つづく)

ここのところ商品試験の熱くて理屈っぽい話が続いていたので
なんだか久しぶりにまったりとしたいい回だった

冒頭で鉄郎に水田をけなされたせいもあるのかもしれないが
鞠子が鉄郎に厳しいのは相変わらずで懐かしかった

タイトル前、一同が幸子に注目するシーンの常子の目w
あの目はどう表現していいのかわからないがとにかく
何でそんな目で幸子を見るんだw
まあ高畑の演技力は普通じゃないという事なのだろう

鉄郎の最後の「またな」は予告にも使われていて
このセリフの喋りが爺くさいので
鉄郎は老いぼれているんだと思っていたのだが
今回の鉄郎は全然若々しかった
君子(木村)もここのところ老け演技だったのだが
今回は鉄郎(向井)に合わせたのか若々しく見えた

老け演技といえば感心するのは常子(高畑)だ
常子は本当におばちゃんに見えるw
もともと年齢を超越しているような体型と声の持ち主だからなのだろうか?

鉄郎は思い出話をいっぱいして君子に謝罪もして
人生を総括するような言動だったのでおそらくこれが最後で
物語にはもう登場しないのだろう
思えば鉄郎はフラフラと生きてきたようだが
最後には自分の場所を見つけたんだね
向井さんお疲れ様でした!(まだ出番があったらごめんなさい)

来週は6年飛んで昭和39年のお話との事
常子は44歳くらいの計算になる
予告ではたまきが6年ですごく大きくなっていたw

それと宗吉夫婦も南に店を譲ったからもう登場しないのかもしれない
(高崎の富江のところに行くとか言ってたね)
前回冒頭のタイトル前に客が入ってきて宗吉が応対するシーン
タイトル前にあんな特に意味のないシーンが入る事はなかったので
「あれっ?」って思ったんだけど
あれには宗吉夫婦の最後のシーンなのだという意味があったのかもしれない

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