2016年9月12日月曜日

とと姉ちゃん(139)国実が提案する公開試験を拒絶する花山と常子だが…

扇田「また自由回答では『使用面だけでなくデザインも評価すべき』
『まったくの素人テストで話にならない』などという声も…」 
記事の内容にショックを受けているような常子(高畑充希) 
扇田「半数近くが『やり方に疑問がある』か…」 

タイトル、主題歌イン 

大東京新聞 
「これほとんどがあなたの暮しの件をはっきりさせてほしいっていう
投書じゃないか」
国実(石丸幹二)「ええ…予想どおりですよ、世間は確実に騒ぎ始めた」
「これからどんな手を打つ?」
国実「あの女社長と編集長を逃げ隠れできない場所まで
引きずり出したいんですがね」
「ああ…確か今、洗濯機の商品試験やってるっていう話だよな
メーカーもヒヤヒヤしてる事だろうよ、ハハハハ」
国実「メーカー?…そうか…」(と何かを思いついた様子)

アカバネ電器
電話を受ける村山(野間口徹)「大東京新聞の国実さん?
…ええ…それはどういった?…ほう…なるほど」(口元に笑み)

「ただいま帰りました」と常子が編集部に戻る
と、花山の怒鳴り声が聞こえてくる「いい加減しつこいぞ君たちは!」
花山(唐沢寿明)の後を追うようについてくる国実
(と村山を含む数名の男たち)「だったら受けて下さいよ花山さん」
常子「今日はどうされたんですか?」
国実「ああ…小橋社長、お待ちしておりました
今日は洗濯機の公開試験を提案しに参りました」
常子「公開試験?」
国実「あなたの暮しの商品試験のやり方を開示してほしいんです
皆さんの前で各メーカーの洗濯機を
どういうやり方で試験していたのかを説明して頂きたい」
(男たち)「そうだ!」
常子「あの…こちらの方々は?」
国実「洗濯機を製造販売している各メーカーの担当者の方々です
私がお声がけして集まって頂きました
実は新聞社にもあなたの暮しの商品試験に信憑性があるのか
調べてもらいたいという声が多く届いてましてね」
村山「我々も疑っておりましてね」
男1「ああ」
男2「本当に正しい試験をやってるというなら目の前で見せて頂きたい!」
男3「そうだ」
男4「やましいところがないのなら見せられるはずでしょう!」
常子「やましいところなどございません!
私どもは正しい結果を載せております」
村山「疑わしいですな、現にテスターに結果を改ざんさせたという記事が
週刊誌に載ったではありませんか」
美子(杉咲花)「事実無根です!」
水田(伊藤淳史)「そうだ!お前らがでたらめを言わせたんだろ!」
(編集部員たち)「そうだ!」
村山「失敬な言いがかりはよせ!」
編集部に怒号が飛び交う
国実「まあまあ、まあまあ!ここでいがみ合ってても仕方ないでしょう
こうした疑いを晴らすためには公開試験がうってつけだと思うんですよ
これまであなたの暮しで行った商品試験は社内の密室で行われたものです
それを正しいと主張するなら衆人環視の中
自分たちのやった事を見せるしかないでしょう!」
(男たち)「そうだ!」
花山「一方的に疑いをかけているのは君たちだろう!
私たちは疑われるような事は何もしていない
記事の中で試験方法も記載している
これからも自分たちのやり方を貫くだけだ」
村山「逃げるんですか?」
花山「そんな挑発には乗らんよ」
国実「ではいつまでも疑いの目を持たれたままでいいんですか?
私も追及の手を緩めるつもりはありませんよ」
花山「ご勝手に…我々は自分たちの力だけで信用を取り戻してみせる」
(と知恵の輪を手に解き始めてしまう)
国実「小橋社長も同じ考えですか?」
常子「もちろんです…私たちの商品試験に間違いはありませんから」
村山「どうだかね…口では何とでも言える」
(男たち)「そうだ!」
扇田「もう帰ってくれよ!仕事の邪魔なんだよ!」
(編集部員たち)「帰れ!」
国実「分かりました!考えが変わりましたらいつでも連絡を下さい
さあ皆さん、今日のところは一旦撤退しましょう」

<次の休日、常子と美子は久しぶりに鞠子を訪ねました>

縁側から庭に飛び出すたまき「おばちゃん早く早く!これこれ!」
常子たちも続いて庭に降りる
美子「これかぁ」(と皆で一台の洗濯機を囲む)
鞠子(相楽樹)「そんなに感心しなくても商品試験で見慣れてるでしょ?」
常子「まあそうなんだけどこうやってやっぱ
おうちにあるのを見ると興奮するのよ」
水田「同感です、僕もこれが届いた日はそんな感じでしたから
たまきなんか朝からず~っと待ってたよな?たまき」
たまき「うん!だってお洗濯み~んなやってくれるなんてすごい!
これが来てからお母さんお洗濯が大好きになったんだよ、ねえ~?」
鞠子「そうね」(と笑う)
美子「あのまり姉ちゃんが?」(と常子と顔を見合わせ笑う)
と、「ごめんください鞠子さん」と表で声がする
鞠子「どうぞ、庭にいます」
美子「お客様?」
鞠子「近所のお友達よ」
やってきた3人の女性たちが「あ~本当に来た~!」と洗濯機に群がり
常子と美子を見て驚く
鞠子「いつも言ってるじゃないですか、姉と妹はたまに遊びに来るって」
「私たちあなたの暮しを毎号欠かさずに読んでるんです」
美子「それはありがとうございます」
常子「励みになります」
「でも最近批判するような週刊誌だとか新聞記事が出てるでしょう?」
常子「ええ…」
「あれ見ると私、腹が立って自分の事のように悔しくって」
「ねえ本当…」
「うちの旦那なんて新聞の方が信頼できるとか言って
もうそっちの方ばっかり信じちゃって…」

編集部で一人執筆する花山がふと立ち上がり資料棚の中をのぞく

水田家の玄関から出てくる常子たち
鞠子「それじゃ、かかによろしくね」
美子「うん」
たまき「バイバイ」
美子「バイバイ(と、隣でぼーっとしている常子に)とと姉ちゃん」
常子「うん?バイバイ」(とたまきに手を振る)
常子(美子に)「私ちょっと会社行ってくる」
鞠子「えっ、今から?」
常子「うん、よっちゃん先に帰ってて」(と一人で歩き出す)

編集部で手紙を読んでいる花山
「やっぱり…」と常子が現れる(後ろに美子と水田)
「お休みですが何かしらお仕事をなさっているのではないかと思っていました」
花山「君たちは?」
常子「花山さんにお話があって」
花山「そうか…私もだよ…ふと読者からの手紙が気になってね
(花山の前に資料棚から出した手紙の山)3割くらいが批判の手紙だ」
水田「ええ…新聞記事が出てから少しずつ増えていて…」
花山「7割は応援してくれている人の声だった」
手紙を手に取り読む常子「頑張れ読者はここにいる」
花山「今のあなたの暮しには安定した発行部数と根強い愛読者がいる
新聞でたたかれようが部数を落とさない自信もある
だからこそ批判の声など無視していいと思ったんだ
まともに雑誌を読んでいない連中を相手にしなくても
自分たちを信じてくれる読者がいるからな
しかし…」
常子「『悔しい』って読者の声が手紙から聞こえてきたんですね」
花山が常子を見る
美子「私たちも同じです」
水田「売られたけんかを買うようで子どもじみていますけど
我々を信じてくれている読者のためにも…」
常子「戦う姿を見せましょう」
花山「戦う姿か…(と、常子を見上げ)そうだな」
(3人)「はい」

電話で話す国実「はい…いえいえ…あなた方は必ず受けて立ってくれると
思ってましたよ…では詳しい話は後日」

社長室に入る赤羽根(古田新太)
「そうか、あなたの暮し側が公開試験を受け入れたか」
村山「はい」
酒井(矢野聖人)「またとない機会ですね」
赤羽根「洗濯機は我が社の主力商品だ
社運をかけて金も時間もかけて作っている
他のメーカーよりも優れているとなれば売り上げも伸びるだろう
それにあなたの暮しの試験方法におかしな点を見つけてそこを指摘すれば
向こうの信頼もガタ落ちだ」

試験場で稼働するアカバネ製の洗濯機
試験を監督している常子

(つづく)

「ご勝手に…」と知恵の輪をやり始めた花山に笑った
社内の人間だけでなく外の人間に対してもそんな痛い行動をとるなんて…

国実の公開試験はナイスアイデア
常子たちにやましいところはないのだから受けて立つべき
一旦は断ったけど読者の「悔しい」という声を聞いて常子たちは考え直したね

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