2016年9月16日金曜日

とと姉ちゃん(143)南が美子にプロポーズ~2人を祝う宴には珍客が…

南(上杉柊平)「行こう」 
美子(杉咲花)「うん…じゃあまた」 
宗吉(ピエール瀧)「おう」 
照代(平岩紙)「はいはい」 
2人が店を出ていき宗吉がため息をつく 
照代「継いでくれるかしらね」 
宗吉「俺らの思いは伝えたよ…あとはあいつ次第だ…
人生何があるか分かんねえもんだな」 
照代「ええ」 
戸が開き客がやってくる「大将!」 
2人「いらっしゃい」 
客「やってる?」 
笑顔の宗吉「へい」 

タイトル、主題歌イン 

道を歩く2人
美子「どこ行こうか?映画にする?」
南「ああ…」
美子「それかどこかでおしゃべりするだけでもいいけど」
南「なあ美子」
美子「うん?」
南「俺のためにおみおつけを作ってくれないかな?」(と立ち止まる)
美子「いいけど…私が作るより大昭さんが作った方がおいしいと思うわ」
南「そういう事じゃねえんだ」
美子「えっ?」
南「だから…おみおつけを作ってくれっていうのはその…
毎日俺のために作ってくれって事で…」
美子「それって…」
南「結婚しよう」
南の顔を見つめたままの美子が小さくうなずく 

夜、小橋家
ちゃぶ台の向こうに座る南と美子
南「お母さん…常子さん…美子さんを僕に下さい」
南と美子が頭を下げる
顔を見合わせた常子(高畑充希)と君子(木村多江)が
南たちと同じく座布団をはずし
常子「ふつつかな妹ですがよろしくお願い致します」
君子「よろしくお願い致します」
顔を上げる南と美子
南「よろしくお願い致します」(と2人でもう一度頭を下げる)
笑顔の常子「おめでとうよっちゃん」
君子「おめでとう美子、南さん」
美子「ありがとうかか…とと姉ちゃん」
南「ありがとうございます」
見つめ合い幸せそうに笑う美子と南

<次の休日、2人を祝うためのささやかな宴が開かれました>

小橋家
水田(伊藤淳史)が庭でタライの水にスイカを入れて冷やしている
ちゃぶ台の上には卵焼き、煮物、ロールキャベツ、コロッケ、エビフライなどの
料理が並ぶ
たまき「わぁ~」
鞠子(相楽樹)「たまき駄目よ、まだ食べちゃ」
たまき「分かってます、みんなで一緒に『頂きます』するんでしょ?」
部屋に戻ってきた水田「偉いねえたまきは」
たまき「アハハハハ!」
鞠子「でも本当によかったの?披露宴やらないで」
美子「うん、大昭さんと話し合って…
これからお店の家賃とか経営とかいろいろお金がかかるからためとこうって」
君子「あんなに自分が結婚する時は派手な式にしたいって言ってたのに」
美子「何だか今更派手なのも恥ずかしいわ」
常子「2人がそれでいいならいいけど」
水田「そうそう、2人がおつきあいするきっかけって何だったんですか?」
美子「きっかけは…ポテトサラダ」
水田「ポテトサラダ?」
美子「森田屋さんには何度も行ってて
で、大昭さんの事も知ってたんですけど話した事はなくて…
その日私お腹が空いてて取材終わりにごはんを頂いたんです
そのごはんの付け合わせにあったポテトサラダが今までにないくらいおいしくて
感動して宗吉さんに聞いたら大昭さんが作ったって」
南「付け合わせは作らせてもらってたんです」
美子「その時大昭さんと初めて話したんです
私がポテトサラダおいしかったって言ったら大昭さん
『研究のかいがあった』ってうれしそうにしてて
何かそういう料理の腕にもほれたけど…フフフ…」
君子「付け合わせとはいえ熱心に研究してる姿に惹かれたって訳ね」
美子「そうはっきり言われると恥ずかしいけど…」
水田「南さんは美子さんのどこに?」
南「俺はただ…美子が料理を食べている時の顔が幸せそうで…いいなあって…」
笑う一同
水田「く~っ…やけるねえ!」
常子「熱い!フフフ」
君子「ごちそうさま」
たまき「たまきもお料理が上手な人と結婚したい」
鞠子「うん」(とたまきの髪をなでる)
水田(低い声でたまきに)「まだ早いよ結婚なんて」
鞠子「当たり前よ!何むきになってるの?」
水田「あっ、ご…ごめん!つい…」
笑う常子「水田さん顔が怖かったです」

仏壇にも料理が供えられている
常子「南さん、よっちゃん、おめでとうございます…乾杯!」
(一同)「乾杯!」
拍手が起こり祝福される南と美子
常子「では頂きますか?…頂きます」
(一同)「頂きます」
食事を始める一同
水田「それで住まいはどうするんですか?」
美子「2人で団地を借りたんです」
水田「団地か」
鞠子「じゃあこの家はかかととと姉の2人っきりになるのね?」
常子と君子がうなずく
顔を見合わせる水田と鞠子
水田が箸を置き「あの…以前常子さん言ってましたよね?」
常子「えっ?」
水田「いやあの…いずれ大きな家を建てたいって」
常子「ああ、はい」(と笑ってうなずく)
水田「その日が来たらその家に
僕たち家族も一緒に住まわせてもらえませんか?」(鞠子もうなずく)
常子「えっ?」
水田「鞠子ずっと言ってたんです…お母さんが心配だって
常子さんもお仕事で家を空ける事もありますからその間一緒にいられればと」
君子「そんな気を遣わないで私に」
水田「あっ、いえいえあの…僕としても仕事で遅くなってたまきと鞠子が
家で2人でいるよりお母さんと一緒にいて頂いた方が安心ですし」
君子「ありがとう」
常子「ありがとうございます…そんなふうにおっしゃって頂いて」
水田「じゃあ…いずれは一緒に?」
常子「ええ…こちらこそ是非よろしくお願い致します」
水田「ありがとうございます」
鞠子「ありがとうとと姉、かか」
美子と南がうなずき合い
南「俺たちもいいですか?」
常子「えっ?」
南「美子とお義兄さんが言ってたような事話してたんです」
美子「うん」
常子「だけどいいの?2人きりでいたいと思うかもしれないわよ」
美子「いいのいいの、そうなったらその時に決めればいいんだし
(と南を見て)ねっ?」
南「うん」
君子「何だか夢みたいな話ね」
常子「そうですね…でもそうなったら楽しいでしょうね…フフフ」
美子(常子を見て)「まずは大きいおうちね」
皆が笑う
鞠子「そうそう、とと姉お願いしますよ」
(一同)「お願いします」
常子「承りました…働き続ける頑張る」
と、玄関で「ごめんくださ~い」と声がする
「あっ、私が」と常子が玄関に向かう
「はい」と玄関の戸を開けそこに立っている男の顔を見て叫ぶ常子「あぁ~!」
鉄郎(向井理)「おう、久しぶりだなあ」
常子「え~!」
玄関に集まった君子鞠子美子が鉄郎を見て口を開けて驚く
美子「うそ…」
まだ驚いている常子「ええっ…」
鉄郎「何だよ冷てえなあ…久しぶりに会った叔父さんだぞ
もっと温か~く出迎えられないもんかねえ」
常子「いやだって…ず…ずっと音信不通で
こんなふうに突然現れたらみんなこうなりますよ」
鞠子「もう…心配してたんですよ!」
美子「今までどこにいたの?」
鉄郎「まあまあまあまあ…んな事よりよお前らびっくりさせてやる
(と外に向かって)あ~こっちこっちこっち」
するとひとりの女性が玄関に入ってきて鉄郎の横に並ぶ
鉄郎「嫁の幸子だ」
絶句する常子
(一同)「えっ…」
鞠子「奥さん…?」
幸子(岩崎ひろみ)「初めまして、小橋幸子です」
君子「初めまして…(鉄郎に)いつ結婚なさったの?」
鉄郎「もう7年も前かなあ」
幸子「ええ」
君子「あ~そうだったの」
美子「叔父さんが結婚…」
鉄郎「何だよ、そんな驚く事でもねえだろ…いいから上げてくれよ
長旅で疲れちまったよ…ほら上がろうぜ」(と玄関を上がる)
幸子「はい、お邪魔致します」(と後に続く)

「よいしょ」と鉄郎がちゃぶ台の前に腰を下ろす
「すみません、お邪魔致します」と幸子がその隣に座る
鉄郎「これ土産な(と米袋を見せ)…ってもう飯食ってんのか
一同も席に着く(水田と南は後ろに控えて座る)
常子「そんな事より聞きたい事がいろいろと…」
鉄郎「ああ…この米か、うちの田んぼで作ったんだ…盗んだんじゃねえぞ」
常子「うちの田んぼ?」
美子「叔父さん農家なの?」
鉄郎「おう、新潟の魚沼ってとこでな」
君子「新潟なら…」
鞠子「私が結婚する時も新潟の住所に招待状を送ったわ」
鉄郎「お~鞠子も結婚したのかぁ~おめでとう」
鞠子「ありがとう…(とノリツッコミ風に)いやいいから
どうして返事くれなかったのよ」
鉄郎「何年前の話だよ?」
鞠子「8年前」
鉄郎「あ~…だったら無理だな…(幸子がうなずく)
その頃はハタハタ漁で失敗してそれどころじゃなかったからなあ…うん」
君子「相変わらずだったのね」
常子「でもだからって10年以上音信不通にしなくたって…」
美子「そうよ、清さんだって戦後落ち着いてから手紙くれるようになって
今では年賀状も…」
鉄郎「だったら俺も言わせてもらうけどな
こっちだってお前らの事気になってたんだぞ
あんなに張り切って雑誌を出すだの言ったのに全然本屋で見かけねえしな」
常子「…何をおっしゃってるんですか?」
美子「雑誌はずっと出してましたけど」
鉄郎「俺が待ってたのは『スタアの装ひ』だよ
この前新聞に常子が出るまでまるで気付かなかったんだからな」
常子「ああ…あの新聞見て来て下さったんですか」
うなずく鉄郎「まあみんな元気そうで何よりだ」(と君子と3姉妹を眺める)

<いやはやどうなるのでしょう…美子と南を祝う会は…>

混乱した表情で鉄郎を見つめる常子

(つづく)

美子の「何だか今更派手なのも…」の今更とはどういう意味だろう?
当時としては30過ぎての初婚は晩婚だっただろうから今更なのだろうか…
それとも付き合いが長いから…とかって事なのかな?

美子と鞠子に冗談っぽく大きい家をせがまれて
「働き続ける頑張る」と自虐っぽく返す常子がなんだか可哀想…
水田も「一緒に住まわせてもらえませんか?」じゃなくて
自分もお金を出しますから一緒に建てましょう…とか言えばいいのに
それとも水田は会社の経理を任されているから
常子ががっつり貯め込んでいる事を知っているのだろうかw
まあ実際は家を建てる事は常子が立てた3つの目標のうちのひとつだから
物語的には常子ひとりの力で建てなければいけないという事なのだろう

やっと鉄郎が登場した、随分と久しぶり
幸子を嫁だと紹介された時の君子の驚いた顔が何回観ても笑える
マンガだったら頭の上に「ガーン!」てつく感じにアゴが下に下がってるw

清の話題が出てビックリ
戦争で死んじゃった訳じゃなかったんだ!良かったぁ

2 件のコメント:

  1. 一波乱あるかと思いましたがそうでもなかったですね(^_^;)
    応援しておきました。ポチッ

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  2. そうですね、ナレで<いやはやどうなるのでしょう…>
    と予告したわりにはなごやかな宴でしたねw
    コメとポチありがとうございます!

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