2016年9月14日水曜日

とと姉ちゃん(141)各メーカーが発表する独自の試験方法に焦りを感じた赤羽根は…

常子(高畑充希)「え~私たちは3種類の洗剤を使用し汚染布だけではなく
家庭での洗濯物、つまりシャツや靴下、シーツなどを洗って
基本的には目視で汚れ落ちを判断しています」 
国実(石丸幹二)「目視ですか」  
メーカーの担当者たちがバカにしたように笑う(赤羽根も) 
常子「おおむね時間をかければ汚れは落ちましたので
落第点のものは1種もありませんでした…
しかし生地の傷み方に関しては注目すべき点がありました」 

タイトル、主題歌イン 

常子「…特に洗い時間が短い事を売りにしている澄浦のものが
一番生地の痛みが激しく…」
(澄浦)「そんなはずはない、我が社では同じ生地を500回以上洗って
痛みが出ないかテストしてるんだ」
花山(唐沢寿明)「それは綿で出来た汚染布を使っているからでしょう
実際の洋服で洗濯してみると澄浦のものは渦の力が強いため
ナイロンやビニロンなどの合成繊維の服は(と洋服を取り出し掲げ)
このように破けてしまいました」(胸のポケットが破れ垂れている)
(会場がどよめく)
酒井(矢野聖人)「おいおいひどいな」(赤羽根が嬉しそうに笑っている)
(澄浦)が着席して下を向く
花山「また汚れ落ちが不十分な生地もありました
これはどのメーカーもですがね」
常子「各メーカーが試験用の布でテストしたがゆえの問題がもう一つ…
(と白いワイシャツを取り出し掲げ)こういったシャツにあります」

常子「洗濯したシャツを脱水するのにローラーを使いますよね」
あなたの暮しスタッフがシャツを脱水ローラーに通し実演して見せている
その中の美子(杉咲花)「あ~またなった」
村山(野間口徹)「また?」
常子「このようにボタンつきのシャツを絞ろうとすると
かなりの確率で途中で引っ掛かってしまいます
そして無理やり絞ろうとすると…(物が割れる音)ボタンを見て下さい」
スタッフの掲げるシャツを確認する国実「全てのシャツで割れてますねえ」
常子「ボタンのついていない試験用の布では
このような結果は出なかったと思います
これではたとえ絞り率がスジ規定の40%以上であったとしても
誰も使いたいとは思わないのではないでしょうか」

国実「次に著しい騒音や振動がないかという点について
各社の試験内容をお聞かせ下さい
それではトーチクさんお願いします」
(トーチク)「我が社では騒音計を使って
規定以上の騒音が出ていないか調べるほか
機械に聴音機を当てて人間の耳に聞こえない異常音がないかどうか
徹底的に調べています」
(広海)「我々は水を入れずに空回しをしてその状態を観察する事で
振動の度合いを計算しています
洗濯機は水を入れる事で重みで安定します
空回しをする事でより過酷な状況下で
振動に問題が出ないかを調べているのです」
常子「それはすごいです、そこまでされているとは思いませんでした
私たちは騒音計を使って騒音や振動のテストをしているに過ぎません
次の試験からはそのような視点も取り入れたいと思います」
国実「ほう…」
赤羽根(古田新太)が酒井に耳打ちする「おい、うちもアピールしろ」
酒井「しかしうちは騒音計を使って試験しただけなので…」
赤羽根「くそぉ…」
(トーチク)「国実さん、ここをしっかり書いて下さいね
トーチクはトーチク独自のやり方で検証している事が証明されました」
(広海)「私ども広海もいかに努力をしているかお分かり頂けたと思います」
(トーチク)「この一点はほんの一例に過ぎません
我がトーチクは努力を惜しまず独自の試験をし
よりよい商品作りを心がけております
我が社では脱水までも自動で行えないかと会議をしておるところです」
会場がどよめく
(トーチク)「記者の方、これ書いて下さいね」
と、焦ったのか赤羽根が立ち上がりアピールを始める
「え~我がアカバネは脱水だけではなく乾燥もできる洗濯機を
開発しておる次第でございます
会場が激しくどよめく(村山と酒井も驚いている様子)
赤羽根「2年後、いや来年には商品化されるかもしれません、ご期待下さい
…と、記事に書いておいて下さいな」
国実「来年ですか、それは楽しみですね」
赤羽根「ハハハハ」
赤羽根に耳打ちする酒井「社長そんな話は…」
赤羽根「黙ってろ、ここで他社よりも強いアピールができるかが肝心なんだ」
村山「社長今のは…」
赤羽根「お前には落胆したぞ村山…代われ、ここからは私が発表する
かませ犬にされてたまるか!」(と担当者席に座ってしまう)

国実「次に耐久性について各社どのような試験を行っているのか
発表して下さい、ではニッカデンさん」
(ニッカデン)「我が社では無作為に選んだ100台の洗濯機を
それぞれ500回ずつ回してモーター等に損傷がないか調べています」
国実「500回というのは多い方なんですか?」
(トーチク)「弊社は700回回しております」
(広海)「うちもです」
赤羽根「甘いですなあ皆さん…我がアカバネは1,000回回し
更に様々な電圧で使用しても故障しないかを検証している次第であります」
国実「1,000回ですか…ニッカデンさんの2倍ですね」
赤羽根「そうなりますかね…ハハハハ」
(ニッカデン)「しかし回数だけで耐久性の全てが測れる訳ではありませんからね
我々は洗濯機本体の鉄板の強さを調べるために
ハンマーでたたくなどして過酷な耐久試験も行っています
いくらアカバネさんでもそこまではやっていないでしょう?」
赤羽根が(かなわんなあ…)という顔で笑ってごまかす
花山「皆さん様々な耐久テストを行われてるようですが
私たちの試験の結果ではどのメーカーも満足のいく結果は出ませんでした」
(担当者一同)「何!?」
赤羽根「冗談じゃない!我が社では2年分に値する回数を回して
耐久テストをやっているんだぞ、おかしいじゃないか!」
花山「アカバネさんはどのような場所で耐久テストをなさいましたか?」
赤羽根「場所?」(と村山を見る)
村山「工場の中にある試験用の部屋ですが」
花山「なるほど…確かに屋内で試験をしていても故障はしないでしょう
問題が起こるのは屋外で洗濯機を使用している時なんですよ」
村山「屋外?」
花山「洗濯機を持っているご家庭の多くは排水の問題から
ベランダや庭先など屋外で洗濯機を使用しています
そこで私たちは洗濯機を屋内だけでなく屋外にも置いて試験しました
結果…ある問題を発見した」

美子たちスタッフが会場に2台の洗濯機を運んでくる
美子「これは私たちが屋外でテストしたアカバネの洗濯機です」
花山「このタイマーの操作つまみはプラスチックで出来ています
質の悪い安物のプラスチックは日光の紫外線によって少しずつ溶け
劣化します…ほらここ…つまみが割れてタイマーの操作ができなくなれば
いくら耐久テストに合格していても元も子もありません」
常子「屋外で洗濯機を使い続けるとここまで劣化してしまいます
そして普段見ないような箇所が実はもっと危ないんです」
スタッフが「せ~の」と洗濯機を倒して底を見せる(一面が錆びている)
国実「それはサビですか?」(と近寄り間近で確認する)
常子「洗濯機自体が鉄で出来ていますから
雨などの湿気でサビが出やすくなります
底が空いているこのような構造ですと内部に湿気が入りモーターがさび付き
発火するおそれがあります」
国実「これはどれほどの期間試験したんです?」
常子「1年間です」
国実「1年?…来る日も来る日も試験したんですか?」
常子「そうです」
国実「なるほどね…」
常子「他にもホースでの給水の問題があります
中でもひどかったのはアカバネのもので…
他のメーカーは10センチ近く余裕がありましたが
アカバネのものは水位が3センチ超えると
回した時に水があふれ出してしまいました」
赤羽根「給水時にきちんと見ていればいいだけの話だ」
(康恵たちが赤羽根を睨む)
常子「アカバネさん、3万円ものお金を出して洗濯機を購入した
主婦の立場に立って発言なさってますか?」
赤羽根「何だと?」
常子「主婦の皆さんは常に働いています
子どもが転んだ事に気を取られたり台所でお湯を沸かしていたり
少し気を取られている間に水があふれ出してしまうような洗濯機は
それ自体問題なのではないでしょうか」
康恵(佐藤仁美)「その通りだよ!私たちは目まぐるしく働いてるんだ
ひとところにいる訳じゃないんだよ!」
綾(阿部純子)や緑(悠木千帆)たちも「そうですよ!」と声を上げる
机を叩く赤羽根「こんなもんは認められん!(と立ち上がり)
あんたらがやってるのは結局あら探しだ
うちが不利な立場になるよう無理やりやってるだけだ!」
国実「そうでしょうか…あなたの暮し出版の試験に虚偽はなく
むしろ使用者の目線に立ち行われた公正な結果だと
証明された気がするんですが?」
「そうだ!」「そのとおりだ!」とスタッフが声を上げる
常子「赤羽根さん、洗濯機は屋外でも使うものですし
いろんな衣類を洗うものです」
赤羽根「だから何だ?そんな事は分かっている」
常子「使うのは普通の主婦で子どもの面倒を見ながらの環境です
一家に何人もの子どもがいれば汚れた服を
毎日たくさん洗わなければなりません
洗濯は本当に重労働で主婦の方々は手や腰を痛めながら
それでも毎日洗濯し続けなければならないんです
アカバネ電器の洗濯機のキャッチフレーズは何ですか?」
赤羽根「え~…」(と村山を見る)
村山「洗濯機が主婦を解放する…」
常子「確かに洗濯機は主婦の方々を重労働から解放する夢の機械です
いえ…洗濯機だけではありません…そうよね?よっちゃん」(と美子を見る)
美子が「…?」という顔で常子を見る
少し焦る常子「ほら…例の」
やっと気付いた様子の美子が「あ…え~っと、え~っと」と資料を探す
その手際の悪さに花山が顔をしかめる
美子(たどたどしく)「戦後すぐには夢物語だった電化製品が今主婦の方々に
時間を与えているのは間違いありません
え~調べたのですが電気釜があれば薪で火をおこす時間や
かまどに付きっきりの時間が省略できます」
国実「それはどのように調査したんです?」
美子「緑さん」
緑「はい」(とふたつの風呂敷包みを開けアンケート用紙の山を見せる)
美子「主婦の方1,000人にご協力頂き聞き取り調査を行った結果です」
国実「1,000人?」
美子「はい」
常子「つまり電化製品は一日中家事に追われてる女性たちを
解放する事ができるんです
だからこそメーカーの方々には志を持って作って頂きたいと思います」
(各メーカー担当)「…」
村山と酒井も神妙な顔をしている
赤羽根「志を持って…?
志を持ってなきゃこの仕事は務まらんよ!
我々は1円でも安く商品を消費者のもとへ届ける事を社のモットーとして…」
花山「いくら安くとも不良品を売りつけられてはたまったもんじゃないよ
赤羽根さん」
赤羽根「何が悪い…安いものを作って何が悪い
欲しいものを安く買いたいと願うのは当たり前の事だろうが!ええっ!?」
恫喝するような赤羽根を寂しそうな目で見つめる常子

(つづく)

今回は公開試験という事で単調な説明や発表のセリフが延々と続くのだが
赤羽根が面白くしてくれた
乾燥機もない時代に乾燥もできる洗濯機とは…
しかも来年にも商品化するかもとかはったりにもほどがある

さらに村山に代わって自分で発表しようとするが
質疑に答えられずその度に村山に助けを求めるw

ラストでは村山や酒井も常子の志という言葉に何かを感じたようだが
赤羽根だけは暴れ続ける
次回はこの赤羽根にとどめを刺す展開になるのだろうか?

国実は以前からあなたの暮し出版を執拗に調査していて
何か私怨でもあるのだろうか?と思っていたのだが
そういう訳でもないようだ
公開試験を企画したのも記者としての社会正義みたいなものからなのだろう

常子はあんな場でも美子を「よっちゃん」と呼ぶんだw
美子が「とと姉ちゃん」と呼んだりする場面がなくて本当によかった

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