2016年9月15日木曜日

とと姉ちゃん(142)アカバネの部品偽装を暴く花山~宗吉夫婦は南に森田屋を…

赤羽根(古田新太)「欲しいものを安く買いたいと願うのは
当たり前の事だろうが!ええっ!(と花山に詰め寄り)
あれこれ欲しいと思うのは消費者だ、どれを買うか決めるのも消費者だ、
我々はお望みどおり商品を提供してやってるんだ 
我々の責任は商品を作り上げた時点で終わってるんだよ!
安くて何が悪い
安いものにはそれなりに理由があってそれでも欲しがる人間がいる
後は買った人間の責任だろう!」
花山(唐沢寿明)「安かろうがメーカーが絶対に守らねばならないのは
消費者の安全だ!
あなた方はその視点が全く抜け落ちている!
消費者は日々のやりくりの中で積み立てたなけなしの金を使うんだよ
あなた方には責任を持って商品を作って頂きたい!」
赤羽根「弱小出版社ごときが偉そうに…
今は物を買えば幸せになれる世の中なんだ
国民は貧しさと戦争を耐え抜いた
金を得て豊かになれば皆幸せになれる世の中なんだ!
どこが悪い
私だけじゃない(と一同に向き直り)
今のこの世の中そう思っている人間ばかりだ!
そうやって全国民が幸せになろうと躍起になっている
(再び花山に向かい)それをなぜお前らが邪魔するんだ!」
常子(高畑充希)「お金を得て豊かになりたいと私も思います
でも…そのためにささやかな幸せを犠牲にしたくないだけなんです」
赤羽根「ささやかな幸せだ?」
常子「私たちは読者の方々からたくさんのお葉書を頂きます
その中の一つに家に冷蔵庫が来て大喜びする子どもの事が書いてありました
その子は家でいつでも冷たいジュースが飲めると
前の晩から眠れなかったそうで
だけどその冷蔵庫が不良品で壊れたとしたら
そのせいで怪我をしたとしたら
高いお金を出して冷蔵庫を手に入れたのに
そのせいでささやかな幸せが奪われてしまうんです」
(一同が沈黙する少しの間)
花山「一つ赤羽根さんに確認したい事がある」
赤羽根「は?確認だ?」
花山「アカバネの洗濯機を調べ直していた中で発覚したんですがね…」

台の上に液体の入ったシャーレが置かれている
花山「この液体は剥離剤です(とコンセントプラグを手に取り)
そしてこれはお宅の洗濯機のプラグです
注目して頂きたいのは…(とプラグを分解してネジを取り出し)
中に使われているネジです」(とネジを一同に見せる)
酒井(矢野聖人)が村山(野間口徹)を見る(村山は目線が下を向いている)
赤羽根「それがどうした?」
花山が液体の中にネジを落とす
ネジに注目する一同
と、ネジから金色の粉が剥がれていき…
「何だ?」
「メッキじゃないですか?」
「そうだ、鉄にメッキしてあるんだ」
花山「そう…どうやらアカバネでは
鉄ネジをメッキで真鍮に見せかけていたんです」
赤羽根「…」
国実(石丸幹二)が赤羽根の表情を注意深く観察する
花山「これは大問題ですよ…鉄はさびやすい
さびた鉄では電気抵抗が高くなりネジやプラグの温度が上昇して
最悪発火のおそれも出てくる
近くに衣類なんかがあれば燃え移る可能性も十分にあるだろう」
国実「それはスジ規格違反では?」
花山「ええ」
国実「これは偽装じゃないですか、どういう事ですか赤羽根さん!」
赤羽根「…私は何も知らん(と後ろを振り返り)村山酒井これはどういう事だ!」
酒井「技術部の事は私は何も…その辺は村山さんしか…」(と村山を見る)
赤羽根「答えろ村山!なぜこんなものが使われてるんだ!」
村山「仕方ないでしょう!
あの低予算で真鍮のネジなんか使える訳ないじゃないですか!」
赤羽根「貴様…」
村山「社長のおっしゃる予算どおりに収めようとしたら
こうするしかなかったんですよ!」
赤羽根「だからといって偽装しろとは言ってないぞ!」
村山「我々は精いっぱいあなたの言うとおりやってきただけです!」
国実「ネジの偽装は記事にさせて頂きますから!」
「勝手にしろ」と赤羽根が会場を立ち去る
酒井がそれに続き村山も常子たちに一礼をして後に続く
国実「…今日の事はありのまま記事にさせて頂きます」
常子「はい」
国実「私はね…何とか戦後を終わらせようと奮闘してる人たちに
あなたの暮しが水をさしてるように思えてたんだ
だがあなたたちの信念も少しは理解できる気がします」
常子「そうおっしゃって頂けると…」
少し笑ってうなずいた国実が会場を後にする
あなたの暮しスタッフがお互い安心したようにうなずき合う
花山「さあ、帰ろう」
(一同)「はい」
花山を見て笑顔になる常子

<こうして公開試験が終るとともに最新の
あなたの暮し第45号は発行されたのです>

小橋家のちゃぶ台で君子(木村多江)が最新号を読んでいる
と、向いの常子に目をやり「常子がそうやって新聞読んでるのも久しぶりね」
常子「フフ…お休みの日におうちにいるのも久しぶりですから」

<大東京新聞はありのままの結果を報じ
あなたの暮しは世間の信用を取り戻し売り上げも再び伸びていきました
一方、アカバネ電器製造は社長のアカバネが謝罪会見を開き
安全な電化製品を開発するため社内の体制を見直すと発表したのです>

玄関に向かう美子が居間をのぞき「それじゃ行ってきます」
(2人)「行ってらっしゃい」
君子「南さんによろしくね」
美子「はい」(と玄関を出る)
顔を見合わせる常子と君子「フフフフフ」

森田屋カウンター内で新聞の公開試験の記事を読む宗吉(ピエール瀧)
「照代、よかったなあ」
照代(平岩紙)「そうですね」
と、「ただいま帰りました」と買い物カゴを提げた南(上杉柊平)が戻る
宗吉「おう」
南「大将、頼まれたもの買ってきました」
照代「ご苦労さま」
南「いいえ」(と厨房に向かう)
宗吉「タイショウ」
南「はい」
宗吉「ちょっと…ここ座れや」
南がカウンターの席に着く
宗吉「…実はなタイショウ…そろそろこの店をお前に譲ろうと思ってな」
南「えっ?」(と照代の顔を見る)
照代が南にうなずく
宗吉に目を戻し南「いや、お言葉はうれしいですが俺まだ半人前だし…」
宗吉「謙遜すんなって…間違いなくコックとしての才能があるんだ…
いいか?自分の店を持って
自分の責任で料理をしなくちゃいけないようになると
もう一つ腕は上がるんだ
どうだ?やってみねえか?」
南「……料理の道から身を引くつもりですか?」
宗吉「ああ…そろそろ腰もつらくなってきたしな」
南「だからって俺じゃなくて身内の富江さんや長谷川さんに任せる事だって
できるんじゃないですか」
宗吉「何言ってんだ
お前が身内じゃなかったら一体誰が身内だっていうんだよ」
照代「それにね、長谷川さんが高崎でやっと店を任せられるようになったの
向こうの暮らしも安定してきて『こっちに来て一緒に暮らそう』って
前々から富江に誘われていたのよ」
宗吉「いい年して東京戻ってきて
なんとか悔いのない時間を過ごせたと思ってる
もう思い残す事もねえしな
そろそろあっちに戻ってもいいだろうってな
だから…お前にこの店を任せてえんだ」
照代「南君も店を持って一人前になれば美子ちゃんだってきっと喜ぶでしょう」
宗吉「最近な…しみじみ思うんだ
なんていう巡り合わせだったんだろうってなぁ…
常子や鞠子や美子のこの先の人生も気になるしなあ
あいつらがかわいくてしかたなくってよ
別に身内でもねえからこんな事を心配するのもおかしな話なんだが…
美子とお前が結婚して少しでもつながりを持てるという事は
俺たちにとっちゃ幸せな事なんだ」
照代がうなずく
南「…」
と、店の戸が開き「こんにちは」と美子が現れる「あれ?もう終わりですか?」
照代「待ってたのよ、そろそろ美子ちゃんが来るかと思って」
宗吉「大事なデートの時間に合わせてやったぞ」
美子「えっ?」
照代「フフフ…冗談よ…フフフ」
宗吉「客足が落ち着いたんで休憩してただけだ」
美子「もう!そうですよね
まだ閉めるのには少し早いですものね…フフフ」(と南を見つめる)
照代「だけどもう今日はそろそろお客さんも来ないんじゃないかしら」
宗吉「おう、そうだなあ…タイショウ、今日はもう帰っていいぞ」
照代「ご苦労さま」
顔を見合わせる南と美子
宗吉「どうした?タイショウ…早く帰れ」
南「……大将…女将さん…ありがとうございます」(と深く頭を下げる)
宗吉と照代が静かにうなずく
いまひとつ事情がのみ込めず3人の顔を見る美子

(つづく)

常子の冷蔵庫と子どもの例え話がいまいちな感じがした
いや、理屈はちゃんと通ってるんだけど無理やりでやっつけな感じがして…
劇中ではこの話に一同が感じ入って聞き入り沈黙する演出だったが
一同が実は内心「はあ?」となっているのを想像してしまったw
今週のタイトル「常子、小さな幸せを大事にする」は
まさかこの例え話の事ではないだろうな…

花山がネジの偽装を暴く件は痛快だった
ああいうハッキリと目で見てわかる暴露はわかりやすくていい

村山が遂にキレたw
前回、赤羽根に叱責され
発表する役を降ろされたりしてもう限界だったのだろう
ドラマの演出では赤羽根が間違っていて
村山は無理な予算で商品開発を押しつけられた
被害者のように描かれていたと思うが自分は違うと思う
上司からどんなに無理な要求をされようと
出来ない事は出来ないとハッキリと言わなければいけない
それが言えなくて上司に内緒で部品を偽装するのは
上司に対しても会社に対しても(大げさに言えば社会に対しても)裏切り行為だ
ネジの偽装の件で一番悪いのは村山だと思う
とにかく嘘をつくやつが一番悪い

国実は最後にもっと常子たちに感服するかと思っていたが
「少しは理解できる気がします」という表現にとどめたね
新聞記者は常に中立のスタンスをとるという事なのかな

アカバネは体制を見直すと発表したとの事だが
赤羽根に盾ついた村山はどうなってしまったのだろう?

南が初登場の頃から宗吉がいずれ店を譲りたいとか言っていたので
今回の話はインパクトがなかった
娘夫婦も飲食業なのに南に森田屋を任せるのは不自然なので
今回まで隠していたほうがよかったのでは?と思うのだが…
そうすれば視聴者も劇中の南ももっと驚けたのではないだろうか?
いや、南は驚いた芝居をしていたが視聴者的には
前から言われてたやん!とツッコミを入れたくなってしまった

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