2016年5月11日水曜日

とと姉ちゃん(33)意地を張り合う君子と滝子

滝子(大地真央)「一体どうしたんだい?」 
君子(木村多江)「隈井さんを使って常子たちの学費を出して頂いているそうですね」 
視線を逸らす滝子 
君子「そうなんですね…」 
滝子「それがどうかしたかい?」 
君子「学費をお受け取りする事はできません 
それをお伝えしようと思って伺っただけです、それでは」 
滝子「待ちな、そうだよ、隈井に頼んだのは私だよ」 
君子「外堀を埋めようって魂胆ですか」 
滝子「何を言うんだい!」 
君子「学費を出して常子の青柳への嫁入りを
拒めないようにしむけたんじゃありませんか?
奇しくも青柳の近くに住む事になって、自分の力で生きていけるところをお母様に見せる
いい機会だと思っていました、それなのに最初から無理だと決めつけて…」 
何か言いたそうな滝子… 
君子「もう、関わらないでください!私の稼ぎだけであの子たちと暮らしてみせます」
と、部屋を出て行く
一瞬、止めようとするが動けない滝子 
(回想シーン)若き日の滝子「安心おし君子
お前に何が起きようが私が守ってあげるから」 
幼い君子「はい」と、笑顔の母と娘 

君子が森田屋に戻ると、常子(高畑充希)と鞠子(相楽樹)が表で待っている
「かか!」と、心配気に駆け寄る2人
君子「2人とも聞いて下さい」
2人「はい」
君子「おばあ様と話をしてきました…学費の話はお断りしました」
常子「どうしてですか?」
君子「おばあ様に頼る訳にはいかないの」
常子「どうしてかかはそんなにおばあ様にかたくななんですか?」
「ごめんなさい…」と、目を伏せる君子「どうしても援助を受け入れる事はできないの」
母を真っ直ぐに見る常子
顔を上げる君子「私の力で学校は行かせます…もう寝ましょう」と、穏やかな笑顔になり
まだ納得できない2人の肩を押して家に入れる

<君子はどうしても常子に話せませんでした、清との縁談の事を話せば
自分を犠牲にして家族のために嫁ぐと言いだしかねないからです
君子は学費の支払い期日を遅らせてもらうように学校に頼み込むと
早朝から日が暮れるまで森田屋で働き…常子たちが寝静まったあとも内職を続け
なんとか自分の力だけで娘たちを養おうとしていました>

表で仕事中の滝子のところに隈井(片岡鶴太郎)が美子(根岸姫奈)を連れてくる
美子「いつもありがとうございます」と、一礼してお行儀よくおやつをおねだりするのだが
滝子「悪いけど…帰っておくれ」
隈井「何ですか?それ」
滝子「もうここには…来るのはよしな」
美子「おばあちゃま…?」
滝子「いいから…お帰り」と、背中を向け行ってしまう

寂しくとぼとぼ帰っていく美子を見ている隈井

青柳家廊下
滝子を追ってきた隈井「女将さん、何だってあんな事を」
滝子「君子に言われたのさ、もう関わるなとね
お菓子一つで文句なんざ言われたかないよ!」
隈井「そうですか…」
滝子「しかたないよ、バレちまったんだから」
隈井「え~?まさか学費の件が?」
滝子「ああ」
隈井「どうしてまた?」
ため息をつく滝子「さぁ…」
そしてゆっくり隈井を見る「隈井…」
隈井「え?」
滝子「あんた軽口たたいてないだろうね?」
隈井「えっ?」
滝子「隈井」
隈井「あっしじゃございませんよ!あっしなんか君子さんとお会いしてる時は
気ぃ張って注意してましたし口が裂けても言う訳ありませんよ」
君子が援助を断ってきたと知り学費の事を心配した隈井が君子の所へ行こうとすると
滝子「およし!ここから先は、おせっかいってもんだ
いいかい?もう私はあの子たちとは会わない、だからもうほっときな!」

道を歩く友達と3人連れの美子
女の子1「あ~あ、おやつないのか」
女の子2「どうする?」
美子「縄跳びは?」
女の子1「私帰る」
美子「えっ、もう?」
女の子1「だっておなかすいちゃったもん」
女の子2「じゃあ私も帰る」
「行こう」と、走り去る2人
ひとり残される美子

森田屋に戻った美子は常子に遊んでほしいとせがむが
かかが大変そうだからと手伝いで忙しい常子と鞠子 
常子「よっちゃん、お友達と遊んでてね」

橋の上からひとり木場を見ている美子

岡持ちを提げ道を歩く常子と鞠子
常子「どうしてこんなふうになっちゃったんだろ?
東京に来た頃はあんなにうれしそうだったのに」
鞠子「親子だからじゃない?」
常子「うん?」
鞠子「親子だから意地張っちゃうのよきっと…森田屋さんの2人見てたら分かるでしょ?」
常子「そうね、今朝のけんかなんかまさに」

(回想シーン)試作品の卵焼きの匂いをかいだだけで
「こんなもん出せるか」と、席を立つまつ(秋野暢子)
宗吉(ピエール瀧)「はあ?おいちょっと食ってから言えよ!」

鞠子「大将は自分が作った新しい卵焼きを認めてほしかったんだろうし
まつさんは店の味を守りたかったから口にも入れず認めなかった
同じ屋根の下に住んでいてもうまくいかないんだもの
そりゃあ長い間離れて暮らしてたかかとおばあ様は…」
常子「私たちがなんとかしようとするのはどだい無理な話なのかもね…」

そして「どうしたもんじゃろのぉ…」と、常子と鞠子が歩いていると青柳商店の前で
杉野社長(田山涼成)にバッタリ出くわす
たまたま出張で東京に来たので会いにきたらしいのだが青柳に入ろうとする杉野に
常子「ちょっといいですか?」

飲み屋(食堂)
杉野「そうけぇ君たちも大変だったねえ」
常子「いえ、大変なのは母ですから」
杉野「それにしても意外だがやぁ、あの君子さんがねえ…」
常子「うん?」
杉野「いやね、わしはてっきり君子さんと滝子さんはうまくいってるもんだとばっかり」
常子「ああ…最初はうまくいっていたんですけど結局お互い意地の張り合いで…」
杉野「ハハッ、そういうところも親子なんだねえ、ハハハハハ…」
「でもどうして…」と、何かが引っかかる常子
杉野「ん?」
常子「どうして母とおばあ様が仲よくやってると思われたんですか?」
杉野「あの…浜松に帰ってこないからきっと滝子さんとうまくいってるのかなあって」
常子「気になったんですが…」
杉野「うん?」
常子「今、滝子さん…とおっしゃいましたけれど
どうしておばあ様の名前をご存じなんですか?」
杉野「えっ…いや…どうしてだかいやぁ…」
常子「それにさっき青柳家に何の躊躇もなく入ろうとされてましたが
いらっしゃった事がおありなんですか?」
杉野「参ったのう、尋問受けてるみたいだに」と、笑いだす
こちらも笑って楽しそうな常子「何か隠してます?」
杉野「もういいかいやぁ…きっと時効だに」
鞠子「時効?」
杉野「実はのう、小橋君に口止めされてたでぇ…」
竹蔵の名前が出てきた事に驚く常子「ととに?」

(つづく)

いやあ…すごい意地の張り合い
冒頭の滝子、自分の流儀は貫いても体が気持ちに反応してたね
さらに美子を追い返し、もうあの子たちには会わないと隈井に語る…

美子はとばっちりだね
滝子に追い返されておやつめあての友達には逃げられて
その後橋の上でひとり寂しそうにしてたけど何か事件を起こしそうだ

18話で君子がすぐそばの森田屋に住み込んだ件はコントみたいだったけど
冒頭のセリフから君子的には自立する姿を滝子に見せたかったって事なんだね
だから近くがよかった

ラスト、常子の尋問の件は面白かった
ああいうコミカルなの高畑はうまいね














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