2016年5月18日水曜日

とと姉ちゃん(39)常子の市場調査と悩める鞠子

常子(高畑充希)「叔父さん!何してるんですか?」 
鉄郎(向井理)「お~常子嬢のお帰りだ~」 
(一同)「お帰りお帰り!」 
宗吉(ピエール瀧)「おい、こいつよ、お前の叔父なんだってな!」 
長谷川(浜野謙太)「酒持ってくるやつに悪いやつはいねえ」 
宗吉「そりゃそうだ」 
鉄郎「土産って大事だねえ~」 
常子「酒臭っ」と、鼻をつまむ 
星野(坂口健太郎)「どうも常子さん」 
常子「星野さんも飲んでるんですか?」 
星野「ええ、お酒苦手って言ったんですけど飲まされちゃって」と
眼鏡がずれてこちらもずいぶんと酔っているようだ 
ガタンと音をたたて卓に頭を落とし潰れた星野に常子が毛布をとってきてかける 
そして隈井(片岡鶴太郎)が一人で酒盗を平らげたと皆がなじるのだが 
隈井「うっせえんだよバカ野郎!俺が肝食っちゃいけねえのかバカ野郎! 
お前はうちの女房か?お前、俺はな女房にいつもな肝冷やされてんだよ!」 
と、長谷川を指さしてすごい剣幕だ 
素にもどる男たちと驚いて少し眉をひそめる常子 
「隈じい、いいよいいよ、食ったっていいんだよ」と、宗吉が笑ってとりなす 
鉄郎が常子に「酒入ったら変わんなあ、あのじいさん」 
痛そうな顔でうなずく常子 
宗吉が常子につまみが足りないと言い 
男たちの「つまみ!つまみ!」コールの中、厨房に向かう常子 
家具の上の福助人形と一升瓶 

タイトル、主題歌イン 

厨房には大豆を煎る君子(木村多江)と大根を剥く鞠子(相楽樹) 
常子「大豆?」 
君子「お酒飲みには大豆がいいっていうから」 
常子「へえ~」 
鉄郎が何をしにきたのかと心配する鞠子に、またお金が無くなったんじゃ…と常子
君子「それがそうじゃないらしいのよ、さっき話したんだけど…」
すると鉄郎が厨房に現れ常子に「お前女学校卒業したら就職してえんだって?」
常子「そうですけど?」
鉄郎「あ~やめとけやめとけ勤め人なんてバカらしい」
常子「何がバカらしいんですか
叔父さんみたいに定職にも就かずに生活に困るよりマシです」
それを聞いて「ふ~ん…パッ!」と言って
へそのあたりから畳まれた紙幣を取り出す鉄郎
「どうしたんですか?」と、驚く3人
鉄郎「いや、いろいろ当たっちゃってさぁ」
常子「ええっ、事業成功したんですか?」
鞠子「まさに数撃ちゃ当たる…ってやつね」
鉄郎「実業家はいいぞ常子、当たるとでかい!
ちまちま働いてんのがバカらしくなるぜ
あっ、お前らが聞きたきゃ成功の秘訣教えてやってもいいぞ~」
君子「鉄郎さん、あんまりこの子たちにおかしな事教えないで下さい」
常子「お話聞かせて下さい」
常子を見る鞠子と君子「常子?」
鉄郎の前に駆け寄る常子「私、男の人みたいに稼ぎたいんです!」

帰宅してきて家の騒がしい様子に驚くまつ(秋野暢子)と照代(平岩紙)
(立って肩を組み歌う男たち)♬「わたしネエ忘れちゃ嫌よ忘れないでネ」
「外まで聞こえてるじゃないか!この…この恥知らずが!
恥知らず!恥知らずが!」と、男たちの頭をひっぱたくまつ
宗吉「おい!恥知らずとは何でぇ!」
まつ「戒厳令敷かれてる時に酔っ払うなんてみっともない!」
宗吉「世の中が暗えからってよ何でこっちまで辛気くせえ面しなきゃいけねえんだよ!」
飲み直しだと言って外に出ていく男たち
宗吉が「鉄っちゃんも行こうぜ」と声をかけ、ついていく鉄郎
まつ「何だいおい、誰あんた、誰?」
照代「どなた?」
まつ「うちのバカ息子がもう!
このご時世にあんな赤いシャツ着た知らない唐変木まで上げちまって、ああもう…」
(君子常子鞠子)「あ…あの…」
まつ「え?」
常子「実はあの鉄っちゃん…叔父なんです」
照代「あら、そうなの?」
ため息のまつ「何かもうため息出る事ばっかりだな」と煎餅をかじり歯を痛がる
歯槽膿漏で歯医者に行ってきた帰りらしい
まつ「帝都不祥事件(二・二六)があってからどうしようもないね
何の因果か仕出しの注文も減るばっかりだし、おまけに歯までガタ来ちまって
このまま注文が減り続けたら君子さんのお給金も…アイテテテテテ…」
顔を見合わせる常子たち3人

女学校の教室
綾(阿部純子)が登校すると、イスの背にもたれ上を向き
「どうしたもんじゃろのぉ…」と、呟いている常子
綾「あら、今度はどんな面白い悩みをお抱え?」と、常子の後ろの席に座る
「人の悩みを楽しまないで」と、振り向く常子
「あっ、綾さん何か欲しいものってある?」
綾「ないわ」
常子「随分はっきり言うのね」
綾「だって本当にないんだもの、うちに何でもあるし」
常子「お金持ちに聞いたのが間違いだった…」
綾「贈り物でも頂けるのかしら?」
常子「ああ、そうじゃないの、実はね私(得意顔になる)事業を始めようと思ってるの」
(常子の回想)鉄郎から需要と供給の仕組みを学ぶ常子
綾「それで事業を?」
常子「ええ」

<それからの常子は商売になりそうなものはないかと目を光らせるようになりました
それは女学校の帰りでも…>

団子屋の屋台でメモをとる常子

煎餅屋の店先で話を聞く常子

町で行列を見つけて揚げ餅きなこを購入する常子
それを見て微笑んでいる綾

<配達の途中であっても
何かヒントになりそうなものを見つけては調べ続けていました>

屋台が並ぶ通りで新発売の蠅とり器の香具師に質問している常子
「一つの場所でどのくらいの期間やられるんですか」
リヤカーを手に待たされている鞠子がそれを見ている
すると「鞠ちゃん?何してるのかと思ったら」と
岡持ちを手にした富江(川栄李奈)が声をかける
鞠子「あっ、ごめん」
富江「ううん、それより学校の先生に相談した?」
鞠子「ううん、言ったらみんなに迷惑かけるから」
富江「確かに言いだしづらい事だもんね…」
常子の方を見る富江「常子さんはすごいね
思い込んだらなりふり構わないんだもん、私もああなれるならなってみたいな」
振り向き、常子を見る鞠子

<常子の猪突猛進な行いは
鞠子が蓋をしていた気持ちを知らず知らずのうちに開け始めるようになったのです>

女学校の職員室前、思いつめた表情の鞠子がやって来て息を整える
戸が開き東堂(片桐はいり)が出てくる
鞠子「あ…東堂先生」
東堂「小橋…鞠子さん!何か御用?」
鞠子「あ…はい、私…実は…(肩で息を吸う)しん…」
目を見開かせる東堂「しん?」
泣き出しそうな顔の鞠子「しん…」
鞠子の様子に顔が歪む東堂
鞠子「ぞう…ってどうして動くんですか?」
東堂「心臓?」
鞠子「こんな…こんなに小さいのに毎日動くなんて不思議だなあ…なんて」
専門ではないので生物の先生を呼ぶと言う東堂を押しとどめ、速足で逃げる鞠子
そんな鞠子の後ろ姿を見ている東堂

走ってきて息切れした鞠子が中庭の噴水のふちに腰を下ろす

<どうしても常子のようにはいかないようです>

常子が女学校から戻ると
まつに招かれたという星野が居間でおやつを手に読書している
常子「あ…まつさんは?」
星野「お向かいにお裾分けに行かれてもうそろそろ戻られると思うんですけど」
常子「あっ、あっ、あっ…ちょうどよかった
あの…ご相談したい事があるんですけど」

福助人形

星野「需要のある商品?」
常子「人だかりが出来ているようなものはいろいろ調べてみたんですけど…」
星野「参考になるものはなかったと」
常子「ええ、新商品には皆さん食いつくみたいなんですが
しばらくたつと閑古鳥が鳴いてしまっているようなものばかりで」
星野「う~ん…商売として間違ってはいないと思いますよ
たとえ一過性でも人々が食いついている間に売り切ってしまえば
それはそれで儲けにはなるわけですから」
常子「あ~…でもそれでいいんですかね?」
「…というと?」と、おやつを取ろうと手を伸ばした星野から
「あっ」と、何かを思いつき皿を取り上げてしまう常子
星野「ああ、ちょっ…」
常子「需要の中には欲しくても手に入らずに
困っているような人もいるわけじゃないですか」
星野「はい」
常子「だったらその困っている人を」と、皿を元に戻す
「助けるような商品を作って商売にできたらなあって思うんですよね」
おやつを取り食べる星野「うん…」
常子「誰の役にも立たず、すぐ忘れられてしまうような商品を売って儲けても
なんだか虚しいじゃないですか」
星野「常子さんはいつも人のためですね
いつもはとと姉ちゃんとして家族のために何かをしたいと思ってる
今回はお客さんのため」
ちょっと照れる常子「そういう性分なんじゃないですかね」
星野「もっとご自身の事を考えてみてはどうです?
自分の目から見て自分が欲しいもの、必要だと思うものを感じる事ができれば
人の役に立つものが見えてくるのかもしれない」
常子「自分が欲しいもの…」
そして何かを閃く常子「ああ」
星野「ん?」
常子「なるほど…ああ、ああ…」と、何度もうなずく
せんべいを手に取り笑顔の常子「星野さん、ありがとうございます」

<いやはや何を思いついたのでしょう?本当に大丈夫かしら…>

家具の上の福助人形

(つづく)

隈井があんなに酒グセ悪いとは…
しかも酒盗を一人で食ったって最初に突っ込んだのは宗吉だし
まだ食ってないのにと皆が言っていたのに
一番立場の弱そうな長谷川に怒りを向けるなんて…
常子も引いてたねw
まあ女房に頭が上がらなくて外で憂さを晴らすというキャラ設定なのだろう

需要と供給のシーン
商売の基本は物を売るって事だ…と言う鉄郎に「ほう~」とうなずく常子と
「当たり前の事じゃない!」と、怒ってる鞠子
成功した鉄郎への「数撃ちゃ当たる」にしても、鞠子は鉄郎に厳しいねw

鉄郎が常子たちの身内だからって腹を立てた訳でもないのだろうが
まつの「君子さんのお給金も…」は展開の伏線なのかな?
常子が始めるビジネスを小橋一家全員で手伝う?とかの…

富江が鞠子の悩みの内容を知っているのには驚いた
随分と親しくなっていたんだね、「鞠ちゃん」て呼んでたし
常子たちも知らない話なのだが…いや、常子だから言えないのか
富江との会話から、家族に迷惑をかけるものだから
家族には言いだしづらいって事か

心臓のシーンは鞠子と東堂の顔芸対決面白かった

星野とのシーンの常子は立派だった
星野は最初、とりあえずは儲かるって話を説明するんだけど
顧客満足度を第一に考える常子は納得しなかった
このあたりは後の雑誌出版の理念にも繋がるんだろうね

今回は福助人形のカットが3回もあったね










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