2016年6月1日水曜日

とと姉ちゃん(51)ひとりで悩みを抱え込む常子は…

前回の続き、常子(高畑充希)が重い足取りで帰宅していると
青柳商店の前で清(大野拓朗)に呼び止められる「あっ、常子ちゃん、今帰り?」 
振り向く常子「はい」 
清「そう、ご苦労さま」と、天を仰ぎ「いやぁ~…」 
清を見ている常子 
ポケットに差し込まれた清の右手が動く 

<いつもの自慢が始まる…常子はとっさに身構えました…ところが…> 

清は高く上げた右手で自分の額をぴしゃりと叩くと
「じゃあ急ぐんでまたね」と、機嫌よく去っていく 
その後ろ姿を目で追う常子「あれ?」 

タイトル、主題歌イン 

常子が森田屋の前まで来ると
宗吉(ピエール瀧)と隈井(片岡鶴太郎)が将棋を指している
隈井に訊ねる常子「あの…今、清さんにお会いしたんですが
どうかされたんですかね?」
隈井「えっ?」
常子「いつもだったら、はぁ~…ってため息ついて自慢話するのに
今日は急いで行ってしまったので」
笑顔の隈井「あ~若旦那今ね、仕事が乗りに乗ってるんでさぁ
ついこの間もね、大口の注文2件取ってきてねえ
女将さんもまあ全幅の信頼寄せてますよ
そうなるってえとわざわざ自分でね
小さな自慢する必要がなくなるって寸法です」
常子「全幅の信頼…」
隈井「ええ」
宗吉が「それよりどうだったんだ?」と、常子の仕事の件を心配する
「で、無事出来上がったんですか?」と訊ねる隈井に「ええ、まあ…」と常子
宗吉が店の戸を開けて皆を呼ぶ「お~い!常子が帰ったぞ!」
奥から迎えに出て来る一同と、宗吉に背中を押されて店に入る常子
不安そうな面々に宗吉「心配いらなかったみてえだぜ」
鞠子(相楽樹)「じゃあ、間に合ったの?」
常子「うん…なんとか」
安心した様子の一同
常子「ご心配をおかけしてすみませんでした」
まつ(秋野暢子)「あんなに頑張ったんだ、さぞかし褒められただろう?」
隈井「あったりめえでさぁ!評判もうなぎ登りってねえ」
長谷川(浜野謙太)「で…どうなんだよ?実のところは」
喜ぶ一同の声を聞いている常子の背中
長谷川「褒められちまったのか?ん?」
威勢のいい笑顔になる常子「そりゃあもう!」
笑う一同
美子(根岸姫奈)「さすがとと姉ちゃん!」
常子「でしょ?もう褒められ過ぎて疲れちゃった
今日はちょっとゆっくりさせてもらいます」と、明るく振る舞う

お部屋に戻ると座り込み、ひとり落ち込む常子

浄書室
書類を確認している諸橋の前に立っている常子
諸橋(野村麻純)「うん、丁寧なお仕事ありがとう」
常子「はい…」
諸橋「これっぽっちの原稿整理でも時間かけないとできないのね」
常子「すみません…あの…次は何を?」
諸橋「もう結構よ」
常子「でもすぐに終わりますので」
諸橋「いいから休んでらして」
「はい」と、席に戻る常子
2列目右の女(和服)「羨ましいわ、ご休息が頂けて」
2列目左の女(青服)「こっちは猫の手も借りたいほど忙しいのに」
2列目中央の女(水谷)「猫の方が役に立つんじゃない?」と、笑う
諸橋「水谷さん、それは言い過ぎよ」と、一緒になって笑う
水谷「あらごめんなさい」
いじめられている常子に心を痛めている表情の多田(我妻三輪子)
と、ある男性社員が突然ドアを開けて入ってきて常子を指さす「あ~おい君」
常子「私ですか?」
男「先日手形の発行記録をまとめたのは君か?」
常子「はぁ…」
男「俺も頼みたい事があるんだが」
部屋が静まり返る
常子「あ…それはちょっとあの…」
男「どうしてだ?あいつの資料は作れて俺のはできない道理はないだろう?」
女たちの様子も気になり言いよどむ常子「それは…」
男「頼む、時間がないんだ」と、ペコリと頭を下げる
迷った挙句「やります」と、常子
男「来なさい、要領を説明する」
「はい」と、男と常子が出ていくと女たちがざわつく
「聞いた?」
「信じらんない」

男の説明をメモしている常子

総務部
早乙女(真野恵里菜)「やめさせて頂けませんか
小橋さんのために私たちタイピスト全員が迷惑を被っております」
耳かきで耳を掃除しながら山岸(田口浩正)「そう、そんなにひどいの?」
早乙女「秩序を乱されるだけでなく
今まで必死に守ってきた私たちの誇りも小橋さんのせいで台なしです」
山岸「誇りって大げさな」と、バカにしたように笑う
口の端が歪む早乙女「このままでは今までどおり仕事をする事もままなりません
タイピストたちの作業効率も下がり総務部全体の評価も下がり
ひいては山岸課長の評価も下がる事になるかと」
山岸「はぁ…」
早乙女「それだけではありません!正式な手続きを経ず
個人的に業務を依頼するような事が横行すれば社内全体の…」
ドアが開き総務部長佃博文(斉藤洋介)が入ってくる
(男たち一同)「お帰りなさい」
立ち上がった山岸「その件に関しては君に一任するよ、頼んだよ」
と、佃のデスクへ行きおべっかを始める
それを見ている早乙女

下宿でハンカチを手に常子を想う星野(坂口健太郎)

夜、お部屋で今回も仕事を持ち帰り手書きで書類を作っている常子
君子と鞠子が手伝おうとするが「大丈夫」と、常子

翌日、不安な表情で営業部の前まで来るが笑顔を作ってみる常子

部屋に入り「できました」と、男に書類を渡そうとする
振り向きもせず男「うん」
常子「為替相場の資料は取り引きの多い順に並べてあります
それに合わせて輸出品の輸送経路の調査書類も並べてあります
こちらが清書…」
面倒くさそうに男「ああ、もういいから置いといてくれたまえ」
と、手で払うしぐさ
常子「…はい」と、書類を置き「失礼しました」と部屋を出ていく
そんな常子を見ている坂田(斉藤暁)

浄書室に入る常子
早乙女「よろしいですね?」
(一同)「はい」
早乙女「小橋さん、ちょうどよかったわ」
常子「はい」
早乙女「今日付で発表されたタイピストの新しい規律です、ご覧になっておいて」
と、手渡された紙面を読んでみる常子
「浄書室において以下の項目を禁止する
一つ 手書きによる資料の作成
一つ 他部署からの業務依頼を個人的に受けること」
(昭和十二年四月十五日 総務部総務課長山岸隆一 山岸の印)
顔を上げて早乙女を見る常子
諸橋「これでお分かりになったでしょう?
あなたの行為は我々にとって大迷惑であり何の利益も生み出さないの
山岸課長も認めてらっしゃるんだからもう文句は言えないわよね」
早乙女「今後二度と勝手なまねはなさらないで、いいですね?小橋さん」
常子「分かりました」
早乙女「では皆さん仕事に戻って下さい」
(一同)「はい」
常子の方をまばたきしながら見ている多田
と、部屋に男性社員が飛び込んでくる
早乙女の席の前に立った男が書類を突きつける
「おい君、全然違うじゃないか!この原稿どおり打ち込めと頼んだはずだろ?」
早乙女「ええ、確かにそう言われました」
男「じゃあどうして言われたとおりやらない?原稿どおりじゃないじゃないか!」
早乙女「お言葉ですが」と、立ち上がる
「文法がでたらめな文章をそのままタイプした方がよろしかったですか?」
男「あ?」
早乙女「文法だけでなく内容に整合性もありませんでした
そのまま打ち込んでもお客様に伝わらないと思ったので
こちらで修正し打ち込んだ次第です、それがいけなかったですか?
でしたら最初から正しい原稿で依頼して下さい」
男「おい、誰に口利いてる?」
早乙女「それから、我々も名字で呼んで頂けますか?
おい や 君 というのは名前ではありません
男子社員は名字で呼ばれるのに女子社員だけ おい や 君 と呼ばれるのは
おかしいと思います」
男「生意気な事言いおって、もういい君には頼まん」と、部屋を出ていく
早乙女の言動に思うところがあった様子の常子

帰宅してきた常子が森田屋の前で踵を返しどこかへ向かう

青柳商店裏手
職人たちにテキパキと指示を出している滝子(大地真央)を見る常子
一段落した滝子が「さてと…」と、こちらへ向かって来る
常子に気付く滝子「常子」
歩み寄る常子「あの…相談に乗って頂けませんか?」
思いがけないといった感じで笑ってうなずく滝子「ああ…」

(つづく)

冒頭、久しぶりに清の自慢を聞きたかった気もするが…
常子も自慢話を聞かされるぐらいで身構えなくてもいいだろうw
隈井の話では滝子が清に全幅の信頼と意外な感じだが
まあこれは今回ラストの常子が滝子に相談に行く伏線て事かな

心配して玄関に集まった森田屋の面々が口々に「褒められたろう?」
と聞くシーンで常子を背中から撮ってるのは上手い演出だね
常子は浮かない表情をしているはずだけどそれだと絵的に不自然だし
笑顔を作る直前で常子の顔を撮るのがいいタイミングだった

諸橋の「丁寧なお仕事ありがとう」で、諸橋もいいとこあるじゃんて思ったら
次の「時間かけないとできないのね」で、嫌味だったと判ったw
悪役に徹してるね諸橋さん

男が常子に仕事を頼みにきたとき
前の仕事が評価されたのかと思ったら違ったw
しかも手伝った結果の対応まで前回同様酷い
あんなのは現実的にはありえないがドラマの展開上
鳥巣商事の男どもはクズぞろいにする必要があるのだろう

早乙女が必死に訴えてるのに耳かきしてる山岸最低w
部長が戻ったらおべっかしにいくために話を切り上げるし…
早乙女もびっくりしてたね

抗議しにきた男を逆にやっつける早乙女かっこよかった
正論の早乙女に言い返せない男は「もう君には頼まん」(内心涙目かも)
名字の件も回収されたね
やはり女性蔑視問題が理由だった

滝子は常子が相談しに来てくれてちょっと嬉しそうだった
もっと頼ってほしいって宴のときも言ってたもんね












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