2016年6月7日火曜日

とと姉ちゃん(56)常子と美子の大ゲンカ~タイプ室の修羅場

寺で鞠子と美子を待っている常子(高畑充希)と君子(木村多江) 
「くし?」 
常子「ええ、よっちゃんが歯が欠けたお古のくしを使ってて
髪通りが悪そうなので新しいのを買ってあげようと思って…
あっ、あと鞠ちゃんが使ってる万年筆も
ペン先がゆがんじゃってて使いづらそうだから買ってあげようって」 
君子「アハハハ」 
寒そうに腕時計(2:30)を見る常子「…にしても遅い!」 
君子「まあまあそのうち来るわよ」 
「とと姉かか!ごめんごめんごめんごめん!」 
と、傘を差した鞠子(相楽樹)が走ってやって来る 
常子「鞠ちゃん遅い~」 
鞠子「ごめんね!…よっちゃんは?」 
君子「まだなのよ…お勉強会、長引いてるのかしら」 
「ねえどこか風の当たらない所行かない?」と、寒そうにする鞠子 
常子「でもここで待ち合わせしたから」 
鞠子「風邪ひいちゃうよ」 
常子「だけどはぐれたらよっちゃんかわいそうだし…」 

タイトル、主題歌イン 

青柳の家で滝子(大地真央)たちとお仕着せの縫い物をする美子(杉咲花)
置時計の針は3時を少し過ぎている

寺で寒そうに美子を待つ3人
常子「あ~あ~」

出来上がった着物を着て喜んでいる小僧たち
滝子「美子、ありがとうね、恩に着るよ」
美子「いえ」と、首を振り「あ…それじゃ失礼します」と慌てて青柳の家を出る

森田屋居間
帳簿を見てため息をつくまつ(秋野暢子)
「しかし…今年の売り上げはひどいもんだねえ」
照代(平岩紙)「おせちの注文も例年の半分でしたもんねえ」
宗吉(ピエール瀧)「大体よ、白米が買えなくなって
弁当屋がやってられっかってんだよ
玄米でかさ増しなんて…」
まつ「文句言ったってしかたないだろ
しばらくはふんばるしかないよ
ぜいたくは禁止、分かってんのかい?」と、宗吉の酒瓶を指で弾く
宗吉「分かったよ…」
長谷川(浜野謙太)「常子たちは今頃、美術展で楽しんでんだろうなあ」
富江(川栄李奈)「おいしいごちそうも食べるんだろうなあ」
宗吉「話には聞いてたけどよ、タイピストってやつは実入りがいいんだなあ
下手したら今のうちよりもうけてんじゃねえか?」
うらやましそうに2階を見上げる一同
「ブルブルブルブル…」と、首を激しく振ったまつ
「やめな、そんなみっともない事言うんじゃないよ」
宗吉「まあ…そうだな」
と、「ただいま帰りました!」と常子たちが戻ってくる
慌てた様子の常子「美子帰ってませんか?」
照代「一緒じゃなかったの?」
常子「来なかったんです」
(一同)「えっ?」
常子「私たちずっと待ってたんですけどいつまでたっても現れなくて」
鞠子「お友達の家での勉強会だって言ってたから行ってみたんですけど…」
長谷川「いなかったっていうのか」
鞠子「そもそも勉強会なんかやってないって」
(一同)「えっ?」
常子が「もう一度捜してきます」と、出ていき
宗吉が「俺たちも捜そう」と、表に出る

表はもう暗くなっている
一同が手分けして散らばろうとすると美子が走って戻ってくる
常子「美子」
息切れしている美子(ハアハア)「帰ってたのね(ハアハア)
お寺も百貨店も行ったらいなかったから」(ハアハア)
君子「あなたを探しに帰ってきたのよ、どこに行ってたの?」
鞠子「勉強会うそなんでしょ?」
美子「ごめんなさい…おばあ様のところで
小僧さんたちのお仕着せ縫ってました」
常子「どうしてうそをついたの?」
美子「言ったらとと姉ちゃん行くなって言うと思ったから…
いつも勉強しろって…」
常子「だからって…私たちずっと待ってたのよ」
美子「ごめんなさい…だけど終わらなかったんだもん
お駄賃頂くんだからちゃんとやらなきゃって」
常子「お駄賃のために家訓破ったの?
そんなにお駄賃が欲しいの?
おやつ買うとか無駄遣いしかしないのに」
常子を見ていた美子が視線を切り「もういい」と、家に入ろうとする
美子の腕を掴む常子「よくない、待ちなさい
家訓破っといていい訳ないでしょ」
美子「そんなに家訓って大事なの?
どうしても守らなきゃいけない事?」
常子「当たり前でしょ」
美子「どうして?ほかの家に家訓なんかないわ
うちだけおかしいわよ!家訓なんてやめればいいのに!」
動揺する常子(少し泣きそう)「何言ってるの?
家訓はととがずっと大切にしてきた事なのよ
私ととと約束したもの、ととの代わりに2人の事守るって、だから…」
美子「約束したのはとと姉ちゃんでしょ!
私は約束なんかしてないもん!」
君子の表情 鞠子の横顔
美子「私小さかったからととの事もう思い出せないの
だからととがって言われてもはっきり言ってピンと来ない
それに、もしととが生きてたとしても今でも家訓を続けてると思う?
あのころとうちの状況も違うし私ももう子どもじゃないんだから…」
常子「いい加減にしなさい!
家訓をやめるなんて絶対に認めませんからね」
「まあまあ常子…美子が無事だったんだからいいんじゃないの」
と、まつがとりなす
照代「さあ、寒いから中に入って」

物干しでひとり、怒りを鎮めようとしているような常子
君子が来て声をかける「常子…怖い顔して…」
常子「美子はずっと思ってたんでしょうか…ととの事あんなふうに…」
君子「しかたないわよ
ととが亡くなった時、美子はまだ5歳だったんだもの」
常子「それでも許せないんです
自分勝手に家族振り回して家訓までいらないなんて…」

階段に並んで座る鞠子と美子
鞠子「何であんな事…」
美子「だって…」
鞠子「よっちゃんの気持ちも分かるけど
そもそもうそをついたのが悪いんでしょ?
あんな言い方をして私も悲しかったわ
あれじゃあとと姉が怒るのも無理ないわよ
少し言い過ぎなんじゃない?」
美子「だって本当の事だもん」

昭和十五年正月
居間で新年の挨拶をしている森田屋と小橋家一同

<年が明けても常子と美子の間には溝ができたままでした
2人とも口を利く事も目を合わせる事もありません>

甘味屋
星野(坂口健太郎)「そうですか、美子さんがそんな事を…」
常子「悲しかったです
父が大切にしていた家訓なのにあんな言い方…
あ…すみません…新年早々お故郷から戻られたばかりで
こんな愚痴ばかり聞きたくないですよね」
星野「いえ、そんな事は…
僕を作物だと思って下さい」
常子「作物?」
星野「ええ、肥料をやるつもりで
どんどん言いたい事はおっしゃって下さい」
可笑しくて吹き出してしまう常子

お部屋でひとり編み物をしている美子が
壁に掛けられた額縁の家訓を見ている

鳥巣商事の廊下
多田(我妻三輪子)「じゃあ妹さんとはずっと口を利いてないの?」
常子「はい、あの子も意地っ張りで」
多田「あ~」
常子「でも昨日、星野さんとお話ししたらすっきりしました
不思議なんですよね、あの方とお話ししていると
悩んでる事がどうでもよくなってきてしまって
妹ともう一度、話してみようかなあって」
多田「やっぱり、小橋さんの恋のお相手は日曜日の殿方なのね」
常子「違います!星野さんとはそういう関係では…」
と、和服の女(青木さやか)が2人に声をかける
「あの…お尋ねしたいんですが
タイピストがいる浄書室はどちらかしら?」
常子が場所を教えて女が部屋へ入る
席を立つ早乙女(真野恵里菜)「何か御用でしょうか?」
女「諸橋道子さんという方はどなた?」
「私ですが」と、諸橋(野村麻純)が立ち上がる
諸橋を睨みつけた女が「この泥棒猫!」
と、道子の髪を掴んで引っ張りまわす
タイプ室に悲鳴が響く
早乙女「奥様落ち着いて下さい!ここは厳粛な仕事場です!」
部屋に入ってくる常子と多田
早乙女に抱えられ引き離されたた女(諸橋を見て)
「人の亭主寝取るのが厳粛な仕事場でやる事なの?
私は営業課の奥寺の妻です
この女が私の亭主寝取ったのよ!」
あまりの修羅場に驚いた表情の常子
課長の山岸(田口浩正)がやって来て再び暴れはじめた女を引き離す

書類が散らばった部屋を片付けているタイピストたち
「怪しいと思ったのよね諸橋さんと奥寺さん」
「私も、前に一度給湯室で仲よさそうに話してたの見た事あるもの」
「そういえば安藤さんとも仲よさそうにしてたわ」
「まあ諸橋さんならありえそうだわ」
早乙女「仕事中です!口ではなく手を動かしなさい」
(一同)「はい…」
ドアが開き諸橋が入ってくる
早乙女「諸橋さん、課長は何と?」
諸橋「今日付けで退社する事になりました」
息をのむ早乙女
諸橋「長い間お世話になりました」と、頭を下げる
常子「本当にそれでいいんですか?
今日付けで退社だなんてそんな急に…
私が課長に言って…」
早乙女「あなたもクビになるつもり?」
部屋を出ていく諸橋
早乙女「私たちの代わりはいくらでもいるの
会社は私たちをクビにする事なんて何とも思ってないのよ」
寂しそうな表情の常子

(つづく)

ああ、美子の櫛と鞠子の万年筆は常子がお出掛け先を百貨店にした
理由だったんだね
昨日のレビューは深読みし過ぎてたw
常子はあんなに妹の事を思ってるのに今回の展開は可哀想だった

すき焼きエピソードで森田屋の面々が
2階をうらやましそうに見るシーンがあって
自分はただのお笑いエピだと思って省略したんだけど
今回も似たようなのがあった
何か今後の展開の伏線だろうか?

大ゲンカのシーンは常子がお駄賃欲しいから?
無駄遣いしかしないのにって言って美子がキレちゃったね
美子は青柳の小僧たちと交流があるし
滝子が自分の着物をお仕着せのために出したのも知ってるし
清の話を聞いてお仕着せのために自分も何かしたいと思ったのに
常子にあんなふうに言われて悲しかったんだろうね
常子は自身のアイデンティティと言ってもいい
竹蔵との約束や、そのために守ろうとしている家訓を否定されて
ショックだったんだろう…
それにしてもケンカ長すぎるだろw
あの狭い部屋でギスギスしてたら君子と鞠子も大変だろうなあ…

多田の「あ~」は、常子が入社直後に主張を通して早乙女たちと
やりあっていた頃の事なんだろうね(常子も確かに意地っ張り)

諸橋の、前回の恋だって山ほどする…はこういう事だったのかw
でも不倫はまずいよねえ
結束は固そうに見えていたタイピストたちだが
早速諸橋は陰口たたかれてたw
まあ女の世界では不倫は絶対悪なのかもしれない


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