2016年6月9日木曜日

とと姉ちゃん(58)竹蔵との約束か?星野との結婚か?思い悩む常子

常子(高畑充希)「結…婚…」 
星野(坂口健太郎)「…ずっと迷っていました…思いを伝えるべきかどうか」 
溢れてくる涙を拭う常子 
星野「研究者の道は僕の夢でもあり両親の願いでもあります
だからこの機会を逃したくはない…けれども…
僕は常子さんと離れたくありません」 
星野の言葉が嬉しくて微笑む常子「星野さん…」 
星野「常子さん…僕と大阪に行って下さい!
共に植物に囲まれて暮らしましょう」 
まだまだ流れてくる涙を笑顔で拭う常子「ありがとうございます」
と小さくうなずきながら「すごくうれしいです」と、やはり小さく笑う 
少し身を乗り出す星野「それじゃあ…」 
星野を見つめる常子「しばらく…お時間頂けませんか?」 
うつむくように何度もうなずく星野「もちろんです」 
星野を見つめる常子の優しい眼差し 

夜道を帰る常子 

小橋家の部屋
美子(杉咲花)に手をついて詫びる君子(木村多江)
「今朝は…ごめんなさい…美子の気持ちも考えずたたいてしまって」
手にしていた編み物をちゃぶ台に置いた美子が君子に向き直り
「私もかかにご心配かけました…ごめんなさい」と、深く頭を下げる
そして小さく笑って和やかな空気になる
鞠子(相楽樹)「もうよっちゃん、私まで巻き込まないでよね
とと姉が帰ってきたらちゃんと謝るのよ」
再び編み物を始める美子「それは嫌
やっぱりとと姉ちゃんにはあやまりません」
君子「美子ぉ…」
君子を小さく睨む美子「だってとと姉ちゃん私がお裁縫するの
おやつのためだって決めつけたんだもん」
あきれたような鞠子「そんな事で怒ってるの?」
バツが悪そうに鞠子と君子の顔を見やる美子
「私とと姉ちゃんが謝らない限り話もしないから」
襖を開けて常子が入ってくる「ただいま帰りました」
君子「お帰り」
鞠子「お帰りなさい、遅かったね、また残業?」
返事もしないで元気なくちゃぶ台の前に座る常子
鞠子「とと姉?」
鞠子を見る常子「ん?」
鞠子「どうしたの?ぼ~っとして」
笑顔で「ううん…」と首を振った常子が「そうだ」
と、カバンから木箱を取り出し「はい、鞠ちゃん」と手渡す
箱の蓋を開けた鞠子が常子の顔を見る
常子「新しい万年筆、先っぽ割れちゃって使えなくなってたでしょ
これ使って」
鞠子「ありがとう」
常子「うん…あとね…」と、カバンからもうひとつ木箱を取り出し
美子の前に置く「はい、よっちゃんこれ」
美子が木箱を見て、常子を見て、そして箱を手に取り蓋を開ける
中身のくしを見て、再び常子を見る美子
君子「常子…冬物のお洋服買うためにためたお金使ったの?」
常子「うん…そうなんですけど
よく考えたら特に欲しいものもないなと思って」と、笑い
「あ…かか、今日私少しくたびれてしまったのでお夕飯遠慮します」

1階居間
夕食を囲む一同に常子の姿はない
宗吉(ピエール瀧)「珍しい事もあるもんだなあ
あの常子が夕飯要らねえなんてなあ」

2階の仏壇の前に座った常子
竹蔵との約束と星野のプロポーズに思い悩む

朝、1階居間
朝食に常子の姿はない
心配した君子が「ちょっと見てきます」と、席を立つ
心配顔の美子

まだ布団の中にいる常子の額に手を当てる君子「あっ、すごい熱じゃない」
首を振る常子「平気です、このくらい」
君子「無理してはいけないわ、今日は休みなさい」
常子「いや、そういう訳には…皆さんに迷惑がかかってしまいますし」
君子「そんな体で出かけたところでかえってご迷惑になります」
常子「でも私が働かないと…」
君子「いけません、しっかり休養をとる事も家長にとってはお仕事よ」
虚ろな目の常子

浄書室、ドアを開けて早乙女(真野恵里菜)が入る
多田(我妻三輪子)「早乙女さん、やはりお休みですか?」
早乙女「ええ、ご家族の方から連絡がありました、体調がすぐれないと」
多田「あの元気の塊のような方が…」と、常子の席の方を見る
「どうしたのかしら…」

ナラザワ洋裁店
水色と青色の毛糸の束を手に、何か思案しているような美子
ナラザワ「何だい、編み物でも始めんのかい?」
微笑む美子「ええ、まあ」
ナラザワ「時間あんならちょっと仕事手伝ってもらおうかな」
「はい!」と、嬉しそうな美子

頭に氷のうを乗せて眠る常子「星野さん…」
常子の汗を拭いていた君子が常子の顔を見る

(常子の夢)
「あら、そこにいたの」と、縁側から小さな庭を見る常子
庭には満開に咲く桜の木もある
赤子を抱いてしゃがんでいる星野「坊やが花を見たがってね、ねえ?」
常子も来て赤子の顔を覗き込む「フフフフ…」
と、「邪魔するよ!星野さん」と借金取りの着流しと背広が家の中から
土足で現れる
着流し「いい加減、金返してもらえませんかねえ」
星野「すみません、もう少し待って頂けませんか?」
縁側の戸を蹴り上げる着流し「いい加減にしろよ!」
常子「やめて下さい!」
赤子が泣き出す
着流し「ああ!」
背広「そもそもあんたの妹の学費のために金がかかってんだろ?
あんたが責任取るべきじゃねえのかい?」
常子「すみません」
背広「あんたは結婚なんかしちゃいけなかったんだよ」

悪夢にうなされる常子

居間
一同が「頂きます」と、朝食を食べていると
常子が「おはようございます」と現れる
(一同)「お~」
富江(川栄李奈)「もういいの?」
常子「うん、昨日よりは」
君子「あと1日休みなさい」

女学校の放課後
居残って水色の毛糸で編み物をしている美子

常子たちのお部屋
布団に体を起こした常子「すみませんわざわざ」
見舞いに訪れた早乙女「もう随分よさそうね」
常子「はい、今日一日熱も上がらなかったので大丈夫だと思います」
部屋を見渡す早乙女「…ここでお暮らしになっているのね」
苦笑するような常子「そんな大したものは…」
早乙女が「あれは?」と、目をやる
机に立てかけた常子の3つの目標
常子「ああ…あれは私の人生の目標を書いたものです」
早乙女「家族を守る、鞠子美子を嫁に出す…
順番としてはあなたが先ではなくて?」
常子「父親になったつもりで立てた目標なので」
早乙女「ご自分の事よりも妹さんの事を優先されているのね…
私には分からない気持ちだわ」
常子「ご兄弟はいらっしゃらないんですか?」
早乙女「ええ、しつけの厳しい両親で
物心付いた時から身の回りの事は一人で何でもやってきました
女学校を出たあとも親には頼りたくなくて
がむしゃらに自分の力だけで生きてきたつもりです」
常子「だから早乙女さんはお強いんですね」
早乙女「フフッ、やってる事はただの清書です
それに…女が自分の力だけで生きていけるほど
甘い世の中ではありませんもの…
妹さんたちを嫁に出す…立派だわ」
力なく微笑み、机の目標に目をやる常子

(つづく)

美子が編んでいるものは誰のためのものか想像できるよね
水色とか青色はタイトルバックでも常子のイメージカラーだし
君子が常子に冬物のお洋服…って言ってたから
くしのお礼も兼ねてそれで仲直りって事なんだろうけど
もしかしたら洋裁店でのバイトがバレて常子VS美子第3Rはある?

常子は熱出しちゃったね
それほど悩みが深いのだろう
竹蔵との約束と星野との結婚は両立できないから…
悪夢に出てきた背広の男にも
「結婚なんかしちゃいけなかった…」と言われる始末
でも常子の中ではもう答えは出ているのではないだろうか?
朝(前回)、美子に「そういうのが息苦しい」
鞠子に「私たちのためにお給金も時間も使う…無理してるんじゃ…
本当にしたいようにしてほしい…」と言われたばかりなのに
自分の冬服を我慢して万年筆と櫛を買ってきた
これは常子がとと姉ちゃんをやめるつもりはないという
宣言ではないのだろうか?
まあひとつハッキリしているのは本当に真剣に悩んだときは
「どうしたもんじゃろのぉ~」とは常子は言わないという事w


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