2016年6月14日火曜日

とと姉ちゃん(62)お竜に救われる常子~多田の裏切り

2人の男に押さえつけられ絶対絶命の常子(高畑充希)だったが
派手な色の服を着た女(志田未来)が出てきて男たちをはねのける 
客たちがざわめく「お竜じゃねえか?」「お竜?」 
さらにお竜の仲間の若者2人も加勢する 
銀太「上等だぁ!」 
洋介「まとめて面倒見てやるよ!」 
店は大乱闘になる 
常子の手を引くお竜「大丈夫か?」 
常子「ありがとうございます…マフラー…私のマフラーがどこかに…」 
乱闘する男たちの足元にマフラーを見つけた常子が取りに向かう 
警官たちが駆けつけて来たのを見てお竜はその場を離れる 
男の誰かが「悪いのはあの女だ!」と叫ぶ 
警察官「お前が原因か?」と、常子を捕らえる 
常子「いや、私は何も」 
警察官「事情は署の方で聞く」 
常子「ちょっ…ちょっと待って下さい…待って…ちょっと…」
と、引っ張られていく 
ビアホールの床に残されたマフラー…

タイトル、主題歌イン

取調室の常子
上官「事情は分かった、帰ってよし
身なりもしっかりしているし嘘はないだろう」
警官に持ち物のカバンを返される常子「あ…あとマフラーが」
警官「マフラー?そんなものは知らん」
常子「あるはずです、お店で無くしてしまって」
上官「では見つかったら知らせる、勤め先を言え」
常子「銀座の鳥巣商事です」

警察署を出て夜道を帰る常子に誰かが声をかける
「お勤めご苦労さん」
見るとお竜だ、後ろには銀太と洋介もいる
常子「あなた…」
「これあんたのだろ?」と、お竜がマフラーを差し出す
駆け寄る常子「あっ…ありがとうございます」と受け取る
お竜「大事なものなのかい?」
常子「妹が編んでくれたんです」と、嬉しそうな常子
お竜「職業婦人なんて男に媚売って
お高くとまったやつらばかりだと思ってたけど
変わったのもいるんだね」と、3人は去っていく
マフラーを抱きしめる常子

再び夜道を歩き出した常子が足を止める「何か?」
後ろに銀太が後をつけてきている
「この辺りは暗いからお竜が大通りまで送れって」
振り向く常子「お竜?あ…さっきの方お竜さんっておっしゃるんですか?」
銀太「いいからとっとと歩いてくれよ」
歩きながら常子「どうして離れて歩くんですか?」
銀太「あんたみたいないいとこの子が
俺みたいなのと並んで歩いてたら何言われるか分かんねえだろ」
常子「別にいいとこの子じゃ…」
銀太「俺やお竜とは別世界の人さ…
あんたみたいに恵まれた人が羨ましいよ」

常子が帰宅するとまつ(秋野暢子)の怒鳴り声が奥から聞こえる
「この飲んだくれ!」
思わず「すいません」と謝る常子
中をのぞくとまつは宗吉(ピエール瀧)に言っていたようだ
「君子さんの給金も払えないっていうのに
有り金はたいて飲んでくるやつがあるか~!」
と、おたまを振り上げるまつを
君子(木村多江)と鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)が押さえ
宗吉を長谷川(浜野謙太)が止めている
酔った宗吉の大声に
具合が悪くて寝ていたらしい富江(川栄李奈)も起きてくる
まつ「もうよしなさ~い!」
宗吉「いいか~?魚も手に入らねえ
米の飯は店で出しちゃいけねえ!
あげく今日!ひいきの五八様も潰れちまった…チクショー!
…俺が何をしたっていうんだよ!
世間に顔向けできねえような事…
何一つしちゃいねえんだぜ…」と、座り込み嗚咽する
宗吉の泣き声を聞いている一同
戸が開き「遅くなりました~」と、照代(平岩紙)が戻ってくる
泣き崩れる宗吉と散らかった部屋を見て照代
「…あ~あ、割れちゃって…片づけないと」
君子「私も手伝います」
照代「いえ、私たちの家の事ですから」

お部屋の布団の中で横になる小橋一家
常子「照代さんの怖い笑顔…久々に見た気がする」
鞠子「まさか離縁とか考えてるんじゃ…」
美子「宗吉さんと?」
鞠子「出かけてたのも誰かに相談しに行ってたとか」
布団に身を起こす君子「詮索するのはやめなさい…
それより常子遅かったわね」
常子も体を起こす「あ…ごめんなさい
会社の方にビアホールに誘われて」
鞠子「ビアホール?」
美子「何かごちそう食べたの?」と、2人も起き上がる
常子「ううん、ビール1杯だけ…どうしても断れなくて
ごめんね私だけこんな時に」
君子「謝る事なんてないのよ、あなたが稼いだお金なんだから
それにおつきあいも大事ですよ
いつもお世話になっている方なんでしょ?」
常子「はい、とてもよくして下さる方です」
君子「そう」
常子「本当に私…恵まれてますね」

翌、出勤した常子に同僚たちがよそよそしい
常子「多田さん、何かあったの?」
多田(我妻三輪子)は常子の顔が見れない
常子「…多田さん?」
早乙女(真野恵里菜)が常子を呼びに来る

山岸(田口浩正)のデスク
早乙女「課長、小橋さんをお連れしました」
山岸「ああ」
常子「お呼びでしょうか?」
山岸「単刀直入に言うよ、君はクビだ」
常子「えっ?」
山岸「聞こえなかったのか?君はクビだと言っているんだ」
常子「えっ…なぜですか?どうして私が…」
山岸「警察沙汰を起こすような恥さらしな社員は
我が社には不必要だからだ」
常子「警察沙汰…」
山岸「今朝警察から連絡が入ったそうだ
昨夜の事件の事実関係の確認とやらで」
常子「あの…事件って何の事…」
山岸「とぼけるつもりか!
ビアホールで乱闘騒ぎを起こしたそうじゃないか」
常子「あ…その場にいたのは確かですが
私たちは言いがかりをつけられて…」
山岸「酔っ払った君が男性客に因縁をつけたと聞いているが」
常子「えっ?誰がそんなデマを…
あっ、多田さんなら事情を知っています、彼女に聞いてみて下さい」
山岸が笑いだす「その多田かをるが君から手を出したと言っているんだ
まあ、理由はどうあれ警察沙汰を起こした事には変わりない
荷物をまとめて出ていきなさい」
「そんな…」と、後ろの早乙女に振り向く常子
早乙女が目を伏せる
山岸に食い下がる常子「待って下さい、私がクビになったら
誰が家族を支えていけばいいんですか?
母はお給金を止められて妹たちの学費も稼がなきゃいけないんです!
私が稼がないと家族を養えないんです!
お願いします、どうかもう一度考え直して下さい!」
山岸「クビは決定した事なんだよ
君の家庭の事情が私なんかが知ったこっちゃない!」
常子「どうかもう一度考え直して下さい!」
山岸「会社中に君の不祥事はもう知れ渡ってんだ」
そして立ち上がり「ここに残る事はもう諦めなさい」
と、常子を押しのけてどこかへ行ってしまう
常子「待って下さい!待って下さい!」
早乙女が常子を止める「小橋さん」
常子「早乙女さん止めないで下さい!私は課長に話が…」
早乙女「何を言っても無駄です!」

廊下を歩く常子と早乙女
常子「納得できません」
早乙女「前にも話したでしょ?私たちの代わりはいくらでもいるの
今までどれだけ会社に尽くしてきたかなんて関係ない
女だというだけで軽く見られる」
2人の足が止まる
多田が現れ「小橋さん…小橋さん…ごめんなさい」
常子「…クビになりました…どうして?
どうして課長に嘘をついたんですか?」
多田「あなたと私どちらかが会社を辞めなければならなかったのよ」
常子「えっ?」

前回の備室の会話の続き
山岸「あの…和文タイピストでしたら2人おりますので
どちらかを切れば問題ないかと」

多田「重役の方の知り合いを入れるために1人クビにすると
課長が話しているのを聞いてしまって…
本当にあなたに悪いと思ってる
でも、あなたが私でも同じ事をしたと思うわ
私は辞める訳にはいかないの!
私のお給金がなかったら幼い妹や弟は食べる事すらできない!
あなたなら分かってくれるでしょ?ねっ」
と、常子の右手を両手で握る
目を伏せている常子「それは…しかたありませんね」
多田は常子の顔を覗き込んでいる
常子「…と言えるほど私は人間が出来ていません」
激しく瞬きをする多田が目を伏せ常子の手を離す
目を伏せたままの常子
「早乙女さんや多田さんに出会えてすごく幸せでした
私は周りの人に恵まれているなあって思ってました
なのに…私はこれからどうすればいいんですか…」
と、その場を離れる
動けない多田
早乙女が常子を追う
廊下の先で窓に顔を押し当てて泣いている常子
早乙女はかける言葉もなくうつむく
顔に手を当てて泣き続ける常子

(つづく)

お竜たちに助けられた常子だけど
銀太に「あんたみたいに恵まれた人が羨ましい」と言われる
銀太は生まれ育ちの事を言ったのだが
君子に会社の人の事を聞かれた常子は早乙女や多田を思い
「本当に私…恵まれてますね」
しかしラストで常子はその多田の裏切りを知る事になる

「それは…しかたありませんね」で
やっぱり常子は朝ドラヒロイン(^^♪と思って観てたら
「…と言えるほど私は人間ができていません」
あのいつも明るくて前向きで元気な常子が…
公式のインタビューだかで高畑が
「青春篇ではそれまで描かれなかった常子のネガティブな部分を…」
みたいな事を言ってたんだけど、このシーンの事なのかもしれないね
人間生きてれば人を憎んだり恨んだりする事もあるから…

照代はまた出かけていたけど何をしているのだろう?
もちろん森田屋の経営が苦しい事と何か関係があるのだろうが…
照代の「いえ、私たちの家の事ですから」はどう解釈すればいいのだろう?

帰宅した常子がまつの「この飲んだくれ!」に
「ごめんなさい」と謝るところ可愛かった

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