2016年6月17日金曜日

とと姉ちゃん(65)富江と長谷川の祝言~森田屋との別れ

金屏風の前の富江(川栄李奈)と長谷川(浜野謙太) 
美子(杉咲花)が盃を持つ富江にお神酒を注ぐ  
鞠子(相楽樹)「富江ちゃんきれい」 
常子(高畑充希)と君子(木村多江)が笑顔でうなずく 
長谷川「俺は幸せもんだ…」 
富江が長谷川を見て微笑む 

<深川を去る事になった森田屋最後の大仕事
富江と長谷川の祝言が始まりました>

森田家長谷川家の写真撮影(長谷川の両親と思われる男女もいる)

タイトル、主題歌イン

厨房で割烹着を着て大豆を煎る照代(平岩紙)
「私がやります照代さん」と、常子が声をかける
照代「いいの、常子ちゃんはみんなと楽しんでて」
常子「いや照代さんこそゆっくりして下さい
花嫁さんのお母さんなんですから」
照れたように笑う照代「常子ちゃんみたいに外で働いている人には
分からないでしょうけど四六時中家で家事をしているとねぇ
寝ている時以外は手や体を動かさないと落ち着かないのよ
…あっ、嫌みで言ってるんじゃないのよ
それが、当たり前の事だから」
常子「でも…私も落ち着かないです」
口に手を当てて笑う照代「フフッ、じゃあお酒運んでくれる?」

酔って頬の赤い隈井(片岡鶴太郎)が唄う♬「高砂や~」

富江「そういえば鞠ちゃん、木戸さんとはどうだったの?」
鞠子「どうって?」
美子「まり姉…」
鞠子「美子はどうなのよ」

酔った男(根本)「君子さんはいい人いないんですかい?ねえ」
と、君子の肩に手を置く
隈井が根本の頭を扇子で叩く「コラ!いいかげんにしとけや
お前君子お嬢様になんて事言ってんだバカ野郎お前
お前はな不潔なんだよバカ野郎」
君子は笑っている

お銚子を持って滝子(大地真央)の隣に座るまつ(秋野暢子)
「一杯どうだい?」
滝子「それじゃあ遠慮なく」
酒を注ぐまつ「あんた幸せもんだねえ…あんないい子たち孫に持って」
滝子「あんただって幸せだよ
孫だけじゃなく今度はひ孫までできるんだから」
まつ「フフフ…」
滝子「せいぜい長生きする事だね」

隈井「おい花婿!ちょっとお前堅い話でもしてみろお前!」
清(大野拓朗)「こうやってせっかく祝ってやってんだから
ひと言ぐらいみんなに挨拶しろぉ!」
長谷川「分かりました」
「よっ大統領!」
「面白い事言えよ!」
「待ってました~!」
「頑張れ頑張れ!」
酔っているのか緊張しているのか立ち上がると足がふらつく長谷川
呼吸も荒い
「僭越ながらご挨拶を、え~…
お…お礼代わりと言っちゃなんですが
あっしから皆さんにこんな言葉をお贈りしたい…たいと思いました…
と思います…」
「頑張れ頑張れ!」
長谷川「人生は柳のようにあれ…」
隈井「どじょうでもいるのか?バカ野郎」
長谷川「…長い人生の中、嵐が起こり強い風が吹きすさぶ
そんな状況が来ても柳のようにしなやかに耐え抜けば
やがて青く晴れ渡る青空が戻ってくるって…そういう事です」
長谷川の話に何かを感じたのか少し口の開く常子
隈井「やればできるじゃねえか!」
拍手する一同
緊張して疲れたのかホッとした笑顔で座り込んだ長谷川の手を富江が握る
長谷川も手を重ねる
「おっ!」
「いいねえ!」
「おいおいおいおい!コラコラコラ!手なんか握り合うんじゃねえよ!」
と、2人に突進する宗吉(ピエール瀧)を皆が止める
富江「やめてよ父ちゃん、夫婦が手を握り合って何が悪いのよ!」
長谷川「富江、言い過ぎだよ富江」
皆に押さえつけられた宗吉の顔が歪む「富江って呼ぶな!」

富江の前に座る3姉妹
常子「富江ちゃんもいよいよ今日から奥さんか」
鞠子「お母さんにもなるんだね」
美子「まだ信じられないなあ」
富江「私だって…」
常子「不安とかある?」
富江「母ちゃん見てると自分もあんなふうになれるのかなあって…」
美子「照代さん?」
富江「うん…家族の誰よりも早く起きて
家の事も店の事も子育ても全部やって
夜は誰よりも遅くに寝てずっとずっと働きづめで…」
鞠子「会社勤めの人もお店やってる人もみんなお休みがあるけど
照代さんにはお休みがないんだもんね」
富江「でもね、私やってみたいの
長谷川さんやおなかの赤ちゃんのためにも
母ちゃんみたいな奥さんになりたいしお母さんになりたい」と、笑う
たまらないっ…といった笑顔で常子
「ん~長谷川さんは幸せ者だなあ!富江ちゃんにそこまで言わせるなんて」
美子「そもそも何で長谷川さんの事を好きになったの?」
鞠子「私も知りたい、答えが出せない問題なんてなかったけど
この件だけはどれだけ考えても分からないの」
失笑する常子
富江も笑っている「ひどい事言わないでよ、きっかけは鞠ちゃんの制服かな」
鞠子「えっ?」
富江「私が制服借りた日あったでしょ?」
鞠子「うん」

(富江の回想)
厨房でぬか床をさわる富江
長谷川「富江さん」
富江「はい」
照れながら長谷川「…制服…鞠子ちゃんより似合ってた」
恥ずかしそうな笑顔の富江

富江「私…それが妙にうれしくて
自分をちゃんと見てくれてる人がいるって
それ以来意識するようになって」
うなずく3姉妹
鞠子「あぁあぁそうですか」
富江「あらおかんむり?」と、笑う
鞠子「私が似合ってないおかげでのご結婚おめでとう」
鞠子を見て常子「おかんむり?」
鞠子「別に」

<少しずつ常子は仕事を失ったつらさから立ち直りつつありました>

笑顔で話す常子を後ろから見ている君子

<雲一つない秋晴れのその日
森田屋は引っ越しを迎えました>

重い机を運ぶ3姉妹

荷物が運び出されがらんとした厨房に入る常子「準備ができました」
寂しそうに佇むまつ「あぁ…」
と、かまちに腰を下ろし「何にも無くなっちまったこの家見てたら
本当にここで暮らしてたのかなあって思っちまって…
ここでずっと弁当作り続けたかったなあ…
毎日毎日ごはん炊いて魚焼いて盛りつけして
そんな当たり前の暮らししたかっただけなのに…
何言ってんだ…私」と、涙を拭いながら
「やだやだ、柄にもなく感傷にふけっちゃって
こんなぼろ家の思い入れなんか語るだなんてね」
宗吉が静かにやって来てまつの隣に腰を下ろす
「…母ちゃん…すまなかったな」
宗吉に優しく微笑むまつ「うん…」
宗吉が立ち上がって部屋を出る
まつを見る常子「時々様子見に来ます…
大家さんに頼んでお掃除とかお手入れとかさせてもらいます
皆さんが戻ってくるまで」
まつ「ありがたい話だけど結構さ
今度東京に帰ってくる時はもっといいうちに暮らすから」と、笑う
常子「フフッ」
まつ「さあ…行くか」

玄関の表札をはずすまつ
出立する森田屋を見送る小橋一家
と、滝子が駆けつける
まつ「あらまあ、わざわざ見送りお暇ですこと」
滝子「いやぁ、仕事で通りかかっただけですの
それよりお怪我のほうは平気ですの?」
まつ「怪我?」
滝子「ええ、おでこに何やら深い傷が…」
額のあたりを押さえるまつ
滝子「あっ、皴か」
笑いをこらえる常子
まつ「雪が積もって大変でしたねえ」
滝子「雪?」
まつ「頭の上が真っ白…あ~白髪か」
一同から笑いが起こりまつと滝子も笑っている
君子「皆さん、本当にお世話になりました」
富江「生まれたらお知らせするね」
「うん」とうなずいた常子が
「元気に生まれてくるんだぞ」と、富江の腹を押さえる
まつ「私らいつか必ず自分らの暮らしを取り戻す
だからあんたも強く生きるんだよ
いいね?とと姉ちゃん!」
笑顔でうなずく常子「はい」
後ろで空を見上げている宗吉「オラ~しめっぽい挨拶は終わったか?
別れの挨拶なんてのはなチャッチャと済ましゃいいんだよ
じゃあな!またいつか会おうぜ!」と、常子たちに手を上げる
常子「はい、いつか必ず」
振り向いて歩き始める宗吉
照代「あ~ちょっと!」
まつ「勝手に行くんじゃないよ!」
まつが頭を下げる
常子たちも頭を下げる
まつ「さあ、行こう」と、歩き出す森田屋の面々

<家族のように過ごしてきた森田屋の人々と別れ
常子は再出発の時を迎えました>

晴れやかな笑顔で見送る常子

(つづく)

酒癖が悪いのは隈井だけじゃなくて清もなんだね
「せっかく祝ってやってんだから」って暴言だろw
しかし長谷川がいい挨拶をしてそれに応えた
仕事を失って人生の岐路に立つ常子の心にも響いたみたいだ

隈井と清だけじゃなくて鞠子も失礼だった
長谷川を好きになった理由を難問扱いにするなんてw
でもその理由が長谷川の言葉「鞠ちゃんより似合ってた」
だったという見事な返し技をくらっておかんむりだったね

まつの「ありがたい話だけど結構~もっといいうちに暮らすから」は
いかにも江戸っ子って感じでいいセリフだった

最後にまつと滝子の嫌みの応酬と
宗吉の「チャッチャと」が聞けて良かった
これはファンサービスなんだろうか
次回から森田屋の面々がいないと思うと寂しい気もするが
森田屋の皆さんお疲れさまでした…って…
宗吉と常子が「またいつか…必ず」と言っていたから
どこかで少しくらいは再登場もあるのかな?

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