2016年7月7日木曜日

とと姉ちゃん(82)三姉妹(…と鉄郎)で始動するKT出版~完全復活の鞠子に一目惚れの水田

小橋家で一家がすいとんを食べている 
美子(杉咲花)「辞めた?」 
驚き慌てたような鞠子(相楽樹)「何で?何で辞めちゃったの?」 
常子(高畑充希)「女の人の役に立つ雑誌を出版しようと思って」 
(鞠子と美子)「はぁ?」 
常子「さんざん悩んだんだけど…人生賭けてみようと思って」 
鉄郎(向井理)「うん、よく言った、それでこそ俺の姪だ
人に使われているうちは金持ちにはなれねえからな」 
常子「はい」 
鞠子「ちょっと叔父さん!」 
常子「で…どう?私たち3人でやってみない?」 
美子「えっ?」 
鞠子「私たちも?」 
常子「うん」 
美子「一緒に?」 
常子「うん」 
鉄郎「面白えじゃねえか、資金は俺が調達してやる」 
常子「ありがとうございます!」 
鞠子「待って待って待って」 
美子「そんないきなり言われても…かかもとと姉ちゃん止めて下さい」 
最初は驚いていたようだがとぼけた顔で答える君子(木村多江)
「私は…応援します」 
(鞠子と美子)「えっ?」 
鞠子「どうして?」 
君子「いや…心配は心配だけど…
でもあの長かった戦争を生き抜いてきた訳じゃない?
この先どんな失敗があったとしてもあれよりつらい事はないと思うの
だから常子…やってみたいならやりなさい!」 
嬉しそうにうなずく常子「はい!」 

タイトル、主題歌イン 

<常子は戦時中おしゃれをする事ができなかった女性のために
最新の洋服やその作り方を載せた雑誌を作る事にしました>

常子がちゃぶ台で鞠子と美子に紙面作りの説明をしている
ノートに簡単なレイアウトを書き込み
「これを雑誌の1ページだとした時に
ここによっちゃんが描いた洋服の絵が入る」
妹たちがうなずく
常子「うん…で、ここにその洋服の作り方が入る」
鞠子「…作り方はよっちゃんが考えてそれを私が文章に起こす(?)」
常子「そう…で、鞠ちゃんはここに入る見出しを考える
爽やかな夏服…みたいな
この洋服がどういうものかひと言で分かるような文言ね」
笑顔でうなずく鞠子「はい」
常子「全部で32ページだから編集後記、目次、奥付…
28種類の洋服を紹介したいの」
美子「28種類も…」
ワクワクしたように鞠子「やりがいあるわ」
美子も楽しそうに笑っている
台所からきて席につく鉄郎「なあ俺は俺は?手伝わせろよ」
常子「じゃあ叔父さんには闇市で紙を探してきてほしいんです」
鉄郎「紙?」
常子「それが一番大事かも」
鉄郎「紙なんて…んなもん印刷所行きゃあんだろ」
常子「このご時世とにかく手に入らないんです
印刷所にも私たちが用意した紙を持ち込んで
印刷してもらう必要があるんです」
鉄郎「うん…よっしゃ、じゃあ明日早速探してきてやる」

闇市を歩く3姉妹
美子「あっ、いたいた…どうです?叔父さん」
男に金を渡している鉄郎
「お~ばっちりばっちり…じゃあな…案内するからついてこい」
(3人)「はい」と歩き出す
と、紙幣を数えていた男が鉄郎を呼び止める「あの…」
鞠子「あっ、叔父さん」
鉄郎「えっ?」
男を指さす鞠子「あの方、何か言いたそうです」
鉄郎「何だよ、金は払っただろ?」
気弱そうに呟く男「5円足りない…」
鉄郎「あん?」
男「いや…5円足りない…」
男の声が小さいためか通訳するような鞠子「5円足りないって言ってます」
笑い出す鉄郎「あれ?悪い悪い5円な、はい」と男に金を渡す
常子「叔父さんまさかごまかそうとしたんじゃ…」
鞠子と美子も冷たい目で鉄郎を見る
鉄郎「する訳ねえだろ、露天商組合の人間だますなんて」
常子「ぁ…組合の方なんですね」
男「ええ、水田といいます」
きちんと挨拶する3姉妹
鉄郎「経理担当みたいだから店出す時いくらかかるとか聞いてたんだよ
まあ金取られたけどな」
美子「そんな奥ゆかしい性格でちゃんと集金できてます?」
常子「よっちゃん…」
水田(伊藤淳史)「ああ、いえ…向いてないのは分かってますから」
と鞠子を見て「お嬢さん、呼び止めてくれてありがとう」
笑って首を振る鞠子「いえ」
その笑顔の虜になったような様子の水田「はぁ…」
鞠子は(何だこの人?)という表情
鉄郎「よし、行くぞ」と歩き出す
鞠子が「さよなら」と水田に頭を下げて挨拶する
水田「さよなら…」と、鞠子の後ろ姿を見て癒されたように微笑む

<地味ではありますがこれが小橋三姉妹と水田の出会いでした
今後、常子たちはこの水田によって大いに助けられる事になるのです>

鉄郎が露店の男に紙を800枚ほど買いたいと告げる
常子たちを値踏みするように見た男が「1週間待てっかい?」
常子「はい、お願いします」

美子「え~そんなんじゃ駄目よ」
常子「え~いいじゃない 洋服探訪」
小橋家の縁側に並んで座り話し合う3姉妹
どうやら雑誌の名前を考えているようだ
目の前の菜園では君子がネギを引っこ抜いている
鞠子「もっとかわいらしい方がすてきだと思うけど
常子「じゃあ…洋服便り?」
美子「違う」
常子「おしゃれ万歳」
鞠子「やぼったい!」
常子「だったら2人とも考えてよ」
美子「無理無理、売れそうな雑誌の名前なんて浮かばないもん」
一段落して腰を伸ばした君子が縁側に座る
「もっと品のある名前がいいんじゃない?」
姉妹「品?」
君子「私くらいの年の人が手に取っても恥ずかしくないものがいいわ」
常子「どうしたもんじゃろのぉ…」
鞠子「装ひ…ってどう?」
3人が鞠子を見る
鞠子「あ…駄目?やっぱり」
君子「いいわね」
鞠子「えっ?」
美子「うん」
常子「いい、すごくいい」
鞠子「本当?」
「いいや、それじゃあ地味すぎる!」と、横の戸を開ける寝間着姿の鉄郎
常子「聞いてたんですか?」
鞠子「叔父さんもうお昼ですよ…何時まで寝るつもりだったん…」
それを手で制する鉄郎
「いつの時代も映画でも歌でもスタアがもてはやされてるだろ?
だったらその流行に乗っかるべきだ」
常子「どうやって?」
鉄郎「簡単な話だ、スタアって文字を入れりゃいいんだ」
常子「え?」
鉄郎「雑誌、スタアの装ひ」
(一同)「え~」
鉄郎「いいか、KT出版が放つ雑誌第1号は スタアの装ひ だ」
常子「ちょちょちょ…ちょっと待って下さい
今サラッと出版社の名前決まってませんでした?」
鉄郎「お前が出す本なんだからKT出版でいいだろ」
常子「勝手に決めないで下さい」
鉄郎「いいじゃねえか」
常子「名前が会社だなんて恥ずかしいわぁ…」
鞠子「私はKTでいいと思う」
常子「えっ?」
美子「私も」
常子「えっ?」
君子「そうね」
「…そう?」と少し笑う常子
美子「まんざらでもなさそう」
君子「フフフフ」
「何か スタアの装ひ もよく思えてきた」
と、ご機嫌な常子と家族の笑い声

<このころ街なかでは米軍将校や外交官の家族が闊歩し
外国から来た目新しいファッションに人々は憧れを抱いていました
美子はおしゃれなファッションを見つけてはすかさずスケッチしていきました>

美子に「引き止めて」と頼まれ
歩き出した外国人に適当な英語で話しかける常子「ハ~イハ~イ…ハロー」

ちゃぶ台でそれぞれの作業をしている3姉妹
洋服のイラストを眺めていた鞠子がはたとペンを走らせる
常子「どう?見出し思いついた?」
鞠子「自信作よ…」とノートに書き込む
それを読む美子「その一瞬は永遠だから」
腕を組みドヤ顔でうなずく鞠子
湯飲みを運んできた君子「どういう意味?」
嬉々と説明する鞠子「この服、若い人向きな感じがしたので
少しでも若々しさが続くように願いを込めてみたんです」
3人の反応は鈍い「ふ~ん…」
鞠子「いや、これは対義結合っていってね
相反する言葉を結び付けて興味をかきたてる手法なの」
(3人)「ふ~ん…」
常子「…さすがね、鞠ちゃん」
美子「うん、あ…じゃあこの服の見出しは?」と別のイラストを見せる
鞠子「これは…これ」
読んでみる常子「その彩りが時を止める」
またも微妙な反応の3人
君子「えっと…意味は?」
鞠子「意味?…意味は…気にしないで下さい
言葉の響きと美しさが大事だと思うの」
(一同)「あ~」
美子「言われてみるとそうかもね」
鞠子「うん」
常子「うん、さすがね鞠ちゃん」
腕を組み笑う鞠子「でしょ?」
君子「うん、何より鞠子が生き生きしてるのがうれしいわ」
「私もとてもやりがいを感じています
今まで学んできた全てを出すつもりだから」と家族の顔を見渡す鞠子
(一同)「ふ~ん」
鞠子「ちょおっとぉ!冷やかさないで」
常子も幸せそうに笑っている

闇市、新生マーケットの看板
露店の男を再び訪ねる3姉妹と鉄郎だが紙の値段が500円だと聞き驚く
値引きはできないという言う男に常子たちが困っていると
水田が現れそれは正規でも売っている仙花紙だと説明する
水田「わざわざここで10倍の値段で買う必要なんてないんです」
じゃあ正規ルートで買うかと一同が立ち去ろうとすると男が慌てる
泣きが入ったように「仕入れたもんは買ってもらわねえと困るんだよ…」
今度は逆に笑顔で足元をみる常子「う~ん…それは…値段次第です」

帰り道、紙の束を抱いて歩く姉妹たち
鞠子「まさか40円とは
言い値で売ってもらえるなんてありがとうございました」
水田「あっ、いやいやこの前は僕が助けて頂いたんで」
鞠子「助けたなんてそんな…」
水田「えっと…じゃあ」
鉄郎「おう」
会釈する3姉妹

<この水田、常子たちを大いに助けると言いましたが
この事ではありません、それはまだまだ先の話>

荷物を抱え陽気に歩く常子たち

(つづく)

冒頭の君子の「やりなさい!」が良い感じ
常子が楽天的な分鞠子と美子は心配性なところがあるが
常子の大胆なところは母親譲りなのかもね
なんたって君子は駆け落ちして家を捨てたほどの人だから

水田と出会うシーンの鞠子がキュートだ
水田が一目惚れするシーンなので男が好きそうな感じを考えた
演技プランなのだろうが話し方から歩き方まで子どもっぽくなっている
男はやっぱりああいうのに弱いよねw
自分も水田と一緒にやられてしまったよ…

水田はいい人そうだ
鞠子のお相手になるのかどうかは知らないが
もしそうなってもまあ…許そう

会議する3姉妹のシーンが楽しそうだった
対義結合って難しい言葉だねえ
つまり「一瞬」と「永遠」が相反する言葉という事か…
勉強になりますっ

常子が鞠子に「さすがね」を連発していたのは
ネガティブから復活した妹を大事に育てたいという思いからだろうか?
君子も鞠子が生き生きしてるのが何より嬉しいと言ってたね
戦中戦後と悲惨な時代の描写でネガい役回りだった鞠子には
また少女の頃のような常子を支える参謀のようになってほしい





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