2016年7月12日火曜日

とと姉ちゃん(86)関元から花山の過去を聞かされる常子~8月15日全てに気付いた…とは?

花山が出て行ってしまった店でコーヒーを飲む常子(高畑充希) 
「あの…お二人はどういう?」 
関元(寺田農)「うん?ああ…息子と彼がね戦友だったんだ」 
常子「戦友?」 
関元「うん、陸軍の同じ部隊でね…入隊以来なぜか気が合ったそうだ 
花山君はね、帝大出なのに幹部候補生を志願しなかった 
で、息子と同じただの二等兵から始めて相当大変だったそうだ
猛訓練でメチャクチャに…
兵隊たちが死んでもすぐに代わりの兵隊が来る 
一銭五厘の葉書一枚で替えはいくらでも集まると…
とことんひどい扱いを受けたそうだ 
そんな中で息子と花山君は絆を深めていったらしいが
彼は満州で結核にかかってね、病気除隊になったんだよ 
その時、息子や戦友たちを残して一人帰国する事に
後ろめたさを感じていたらしい…
戻ってくると少しでもお国のために役立とうと
内務省の宣伝の仕事を引き受けたと言っていた 
花山君が内地に戻ったあと
息子も満期除隊になってひとたびは帰ってきたんだ 
そんな縁で戦争が終わったあと
この店を手伝ってくれないかと言われて…
きっと身寄りのない僕を案じて声をかけてくれたんだろう 
あっ…ハハッ…息子は結局戦死したんだ
除隊後1年で再召集され南方で…
一銭五厘の命だが僕にとっては掛けがえのないただ一人の息子だった
終戦後花山君はすぐに弔問に来てくれてね…
息子の遺影を前にずっと泣いていたよ
泣いてる姿を見たのはあれが初めてだった
その時に彼が言ったんだ
8月15日全てに気付いた…と」
常子「8月15日…何に気付いたんですか?」
関元「その時は…とても聞く気になれなかった」

厳しい顔つきで闇市を歩く花山(唐沢寿明) 

自室で花山の描いたイラストを眺め何かを思う常子 

<鞠子と美子は闇市の一角に場所を見つけ
売れ残った雑誌を売り出したのですが…>

美子(杉咲花)「まさか半額近く値下げしても売れないなんて…」
鞠子(相楽樹)「まだ定着してないからよ
ここで売り続けたらいずれお客さんも…」
美子「そうかなあ…」
鞠子「これなら手間賃も払わないで済むし」
と、2人組の闇市の男が現れショバ代を要求してくるのだが
露天商組合の水田(伊藤淳史)が頭を下げてその場を切り抜ける
水田「駄目じゃないですか、勝手に店出しちゃ」
鞠子「すみません、知らなかったもので」
水田「いいですか?まず露店組合の入会金として10円かかります
そこに組合費が月3円、支部費月2円、1日のゴミ銭として1円、
道路占有税1円で直接税が50銭から2円
つまり最低でも37円が月々かかる訳です」
美子「37円?」
水田「別の輩に絡まれないうちに引きあげて下さい」
美子「でも…この本売らないと…」
水田「そうは言っても…」
鞠子「お金を作らないと次の雑誌を出せないんです
なんとかなりませんか?」
目をのぞき込み懇願する鞠子に水田「分かりました!
格安で置かせてくれる露店を探してみましょう」
「ありがとうございます」と、笑顔になった鞠子に
「あっ、いえ…」と水田が相好を崩す

おでん屋のような店
五反田(及川光博)「戦争が終わって花山さんは思うところあって
ペンをおく事にしたのか」
常子「おそらくそういう事だと思います」
五反田「それでどうするつもり?花山さんの事はもう諦めるの?
…僕はあの人にこの業界に残ってほしいんだ
だから花山さんに助言をもらうように言ったのさ」
常子「えっ?」
五反田「いや、もちろん君の役に立つと思ったからでもある
だけど花山さんの心を変えるきっかけにもなると思ったんだ」
常子「どうして私が行ったら花山さんが変わるんですか?」
五反田「君の事…覚えてたんだ
人をけなす事しか知らないあの人は
昔から興味のない人間にはとことん冷たいんだよ
それが君の事は覚えてたんだよ
裸足で走るなんて面白い女だってさ」
常子「ああ…その事ですか」
五反田「いや、他にも
私の意地悪にめげず食らいついてきた、いい根性をしてる…ってさ」
常子「そうでしたか…」
五反田「だからまだ諦めるのは早いんじゃない?
花山さんも心のどこかでは君が食らいついてくるのを待ってるんじゃない?」
常子「いや…今回は本気で帰れとおっしゃってました…
でも…私、諦めたくありません」

少し小高い場所からバラック造りの貧しい暮らしを眺めている花山

三枝子(奥貫薫)が木箱の蓋を開け
中にある筆記用具(おそらく花山のもの)を見て何かを思う

珈琲屋
例によって絵の額縁やテーブルの位置を微調整している花山
関元「後でやっておくよ」
花山「いえ、すぐやらないと落ち着かないんです
傾いていたり配置が乱れていると気になってしまって」
関元「昨日のあの娘…」
花山「はい?」
関元「なかなか面白い娘だね」
顔をそむける花山
関元「フフッ、花山君もそう思ってんだろう?」
花山「いえ私は…」
「フフフ…じゃあ」と関元が買い出しに出かける

花山がテーブルの調整を続けているとドアの開く音がする
外に立っているのは常子だ
頭を下げて挨拶する常子
花山「どうしてここにいる?何しに来た?」
店に入りドアを閉める常子「もう一度お話しさせて頂けませんか?」
花山「君が粘り強い根性の持ち主なのは知っている
だがこんな時に発揮せんでいい!」
常子「昨日ご老人から伺いました」
花山「ご老人?」
常子「8月15日全てに気付いた…って」
常子を睨んでいた花山が後ろを向く
常子「一体何に気付かれたんですか?」
棚の食器を調整しているような花山
常子「教えて下さい!なぜペンを握らないのか」
「…うるさい女だな君は」と振り向いた花山
「帰れと怒鳴りつけたいところだがそれでは君は帰らない分かってる」
常子(照れたように笑って)「随分お詳しい…」
花山「うれしそうにするんじゃない!」
常子「すみません」
花山「はぁ…いいか?理由を聞いたら帰ると約束しろ、ならば教えてやる」
常子「…」
花山「では言わん!ずっとそこで待つがいい、コーヒーをどんどん頼め!」
カップを「はい、はい、」とカウンターに並べる花山
常子「分かりました!…教えて下さい、お聞きしたら帰ります」
対峙する花山と常子

(つづく)

今回は何だか説明回だった
関元が花山の過去を語り
水田が露店を出す決まりを語り
五反田が常子に花山を薦めた理由を語った

あの賢い鞠子が場所代の事を知らなかったとか絶対不自然だろw
もしかしたらすっ呆けて嘘ついてるのかな?
まあでも鞠子のやる気モードは継続中みたいで安心した

五反田が語る花山の人物像
「人をけなす事しか知らない…昔から興味のない人間にはとことん冷たい」
これってただのイヤな奴じゃないのw
まあ本人も「私の意地悪にもめげず…」と語っているから
性格が悪いという自覚はあるみたい

常子が照れて花山のツッコミ「うれしそうにするんじゃない!」に笑った

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