2016年7月27日水曜日

とと姉ちゃん(99)常子と花山のアイデア対決!~常子の細やかな気遣いに感心した花山は…

事務所に運び込んだリンゴ箱を並べて配置している花山(唐沢寿明) 
常子(高畑充希)「花山さん…あんな箱どうするつもりかしら?」 
人差し指を唇に当て美子(杉咲花)「し~っ!きっとこれから驚くような事が」 
花山「よしっ、完成だ」 
(一同)「えっ?」 
鞠子(相楽樹)「これで完成ですか?」 
並べた箱に座り花山「これがソファーで」と、別の箱に座り「こっちが机だ」 
水田(伊藤淳史)「いやあの…
確かにソファーや机にはなりましたがこれでは寝る場所が…」 
花山「頭が固いね水田君は、いいかい?いや…秘密にしておこう」 
(一同)「えっ?」 
花山「自分で考える事も大切だからな、ハハハハハ!」 
美子「じゃあ我慢しますけど…」 
と、何だか思案顔の常子が箱に座り
「花山さんは何らかの方法でこの箱30個全部使うんですよね?」 
花山「そうだ」 
常子「何か手は加えますか?」 
花山「釘を使うだけだな」 
常子「そうですか、うんうんうん…」 
花山「私が何をするか分かったかね?ハハハハ!」 
常子「その事ではなく別のアイデアが浮かびました」 
花山「別のアイデア?」 
常子「先生のおうちをより快適にするためのアイデアです」 
花山「何だ?何をする?」 
常子「私も明日まで秘密にする事にします」 
花山「ん?」 
常子(憎たらしい感じで)「自分で考える事も大切なんですよね?」 
花山が顔をしかめる 
「フフフ」と楽しそうな常子「では女性陣の皆さん手伝って頂けますか?」 

タイトル、主題歌イン 

闇市に繰り出す常子たち

<この日常子たちは闇市で何かを手に入れ
翌日の模様替えに備えたのでした>

小橋家では君子(木村多江)が糊を煮ているようだ
3姉妹はちゃぶ台で作業している 

翌、社員総出+大工2名で東堂宅を訪れる一同
東堂夫妻が出迎える
チヨ(片桐はいり)「大工さんもいらっしゃるなんて随分大がかりなんですね」
花山「よりよい仕事にするためです、ちなみに釘を使っても?」
泰文(利重剛)「あ…どうぞ」
花山「ありがとうございます、では作業に入りますのでお二人はしばらく外で」
と、水田と大工たちが部屋へ入るが常子たちが入ろうとすると
「おっとっとっとっと」と花山が立ちふさがり「君たちも出来てからのお楽しみだ」

部屋の中から釘を叩く音が聞こえる
緑(悠木千帆)「一体何をしているのかしら」
鞠子「考えたけど分からなかったです」
美子「大きな棚にしてるんじゃない?釘でいくつもつないで」
常子「う~ん…でもそうすると部屋が狭くなってしまうわ」
美子「そっか…」
と、部屋から花山が顔を出し「よし、まずは君たち見ておくれ」

室内を見た常子が微笑む
緑「背もたれに収納できるんですね」
鞠子「箱の中の空間を利用するんですね」
花山「これなら無駄のない収納ができるだろう」
美子「はい、まさかリンゴ箱でこんな事ができるとは…」
箱に焼かれた刻印や貼られたラベルを確認する常子
花山「どうだい?常子さん」
常子「すばらしいです…が、やはり準備しておいてよかったわ」
鞠子と美子がうなずく (緑も「はい」)
常子「次は私たちのアイデアをご覧頂きたいんです
30分ほどお待ち頂けますか?」
花山「お手並み拝見といこうじゃないか」

水田が空のリヤカーを曳いて帰る大工たちを見送る

部屋の前のベンチに腰掛ける東堂夫妻
チヨ「どんな部屋になるのかしら?」
泰文「僅か六畳だ、たかが知れている」

戸を開ける美子「お待たせ致しました、皆さん中へどうぞ」

鞠子「どうですか?先生」
チヨ「これが…あの部屋?」
箱には模様のあるきれいな紙が貼られている
チヨ「これはどういう…?」
花山「ああ…変化できる家具です」
チヨ「変化?」
花山「ええ、こうすればソファーとして座る事もできる
ちょっと失礼(と背もたれの箱を前に出して並べて)
平らにして布団を敷けばベッドにもなる」
チヨ「この箱もお作りになったの?」
花山「いえ、果物箱を利用しました
タダ同然で売られているものを利用したのでかなり安く抑えられます
これなら雑誌の読者もまねできるかと」
チヨ「ええ、それにこの箱きれいな紙が貼ってあるんですね…まあすてき
アハハハハ…」と箱を重ねてみて「ほら、フフフ」と夫に振り向く
泰文も笑顔になっている
常子が花山に囁く「驚いて頂けました?」
眉をしかめて花山「まあな」
常子「フフフ、よかった」
花山「しかし君はよくこういう事に気が付くねえ」
常子「あっ、それは…」
チヨ「常子さん…ありがとう皆さん
少しの工夫でこんなに気持ちが豊かになるんですね
貧しくても不自由でも心がけ次第なのね」
3姉妹が顔を見合わせて笑い出す
チヨ「何かおかしな事言ったかしら?」
常子「先生、お忘れなんですね
それは先生が教えて下さった事じゃないですか
デパートの包装紙を本のカバーにして…」

(回想シーン)チヨ「きれいな包装紙を頂いた時は
工夫して本のカバーにしているの
ささやかですがこうした心がけが小さな幸せを生むと私は思っています」

チヨ「そうだったわね、フフフ…毎日の暮らしに追われてすっかり忘れていたわ
フフフ…(泰文に)あなたいかが?お気に召しまして?」
「ああ」と笑顔でうなずく泰文
常子「このお部屋は先生からご主人への贈り物です」
チヨ「そんな…私はお願いしただけです、皆さんがなんとか…」
常子「いえ、ご主人のお体を気遣って椅子と机と
本好きのご主人のために本棚
先生の言葉がなければこのお部屋は完成しませんでした」
泰文「そうか…ありがとうな」
チヨが少し涙ぐんだようにうつむき首を振る
泰文がチヨに並び一同に
「皆さんも手を尽くして下さり恩に着ます」と頭を下げる
一同も礼を返す
泰文「チヨ…この棚に荷物を片づけ終わったらお茶にしようか」
チヨ「ええ」

花山が部屋の模様と仲睦まじくお茶をする夫妻を写真に収める
(「あなたの暮し」第二号掲載)

事務所
常子「皆さんご苦労さまでした
おかげさまで東堂先生ご夫妻には大変満足頂く事ができました
早速、明日から記事の執筆に取りかかっていきましょう」
(一同)「はい」
常子「はい」
と、「ごきげんよう皆さん」と事務所に現れた花山を見て驚く美子「花山さん!」
水田「何なんです?その格好…」
自らの下半身を見て花山「うん?ただのスカートだが?」
(一同)「…」
花山「今日はお手柄だったね常子さん」
常子「えっ?」
花山「飾り紙で華やかに見せるとは盲点だったよ
あ~…時間に追われどこか雑になっていたんだな
ああいう女性らしいこまやかな気遣いに救われた」
常子「いえぃぇそんな…」
花山「多くの女性に向けた雑誌を作っている以上
編集長は女性の感覚を理解していなければ話にならん
そこで少しでも女性とは何を感じどう生きているのか学ぼうとこの格好をね
いや驚いたよ、こんなにも感覚が違うものなんだね
股がスカスカで不安定だ、ハハハハ
いや結局私はこれまで男の感覚でしか女性を見ていなかったんだ
しゃがむ事一つとっても男と女の所作が違う
それは家の中にある物の配置にも影響が出るかもしれない
背が高い男が取れるものを背が低い女が取れないような事だ
いや考えた事もなかった
うん、今日一日この姿で過ごしてみようと思う、ハハハハ」(と編集長室に入る)

<とても頼りになるけどやっぱりちょっと変わった人だと
改めて思う常子たちでした>

花山の女装に驚いて口が少し開いたままの常子と
なぜか何も見なかったかのように仕事に入っている一同

(つづく)

今回は何だかいいお話だった
回想シーンの「ささやかな心がけ」は46話のエピソードだね
いろんな意味で常子たちはチヨにいい恩返しができたと思う

このドラマでは花山が登場するまでは
アイデアを思いつくのは常子の役割だったから
2人のアイデア対決は自然といえば自然だろうか
花山との出会いでも常子はとんちで勝利しているし

今回はどちらが勝ったという訳ではないが
常子に感心した花山が女性の視点に立とうとスカートをはいてしまう
「今日一日」と花山が言っているから今後はもうなさそうなのでよかった
本物のオネエならともかく中途半端な女装はキツイ

ラストで一同が花山の女装の話題になるではなく仕事に没頭しているのは
早く忘れてしまいたいという事だろうか?
どうやら会社で花山は「ちょっと困った子」のポジションのようだ





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