2016年8月30日火曜日

とと姉ちゃん(128)亡き妻の思いを知る星野~常子は青葉から連絡を受け…

星野(坂口健太郎)「こちらこそ御無沙汰してしまって…」 
弓岡(志賀廣太郎)「ああ、いや…」 
星野「ほら、おじいさんだよ…青葉」 
しかし青葉は星野の後ろに隠れてしまい大樹もどこかぎこちない 
「ほら、おもちゃだよ」と弓岡がお土産を見せ
星野も「ほら青葉、おじいちゃんがおもちゃを買って下さったよ、おいで」
と促すのだが青葉は星野の背中から出て来ようとはしない 
弓岡「まぁいいんだ、3年ぶりだ…覚えとらんだろう」 
星野「…」 

タイトル、主題歌イン 

隣の間でお土産のおもちゃで遊んでいる大樹と青葉
弓岡「大きくなったなあ…大樹も青葉も」
星野「ええ、大樹なんて去年の服がほとんど入りませんから」
弓岡「そうか…武蔵君も一杯つきあわないか」(と徳利をつかむ)
「では一杯だけ、おちょこ取ってきます」と台所に立つ星野
弓岡「少し驚いたよ」
星野「何がですか?」
弓岡「来てみたら突然女の人が出てきて」
星野「ああ、家政婦のなみさんですか?」
弓岡「てっきりそういうお相手なのかと思ったが…」
星野(少し笑いながら)「そういう相手って…何ですか?」
席に戻った星野に弓岡「再婚だよ」
星野「…」
弓岡「そろそろ考えてもいいんじゃないか?
加奈子もそう願っていたよ…死ぬ間際言われたんだ…
あの人は私が死んでもずっと一人でいるだろうけど
あんな不器用な人が仕事も家事もなんてできっこない
子どもにも母親がいた方がいい、だからもし数年たっても
あの人が一人だったら再婚するよう勧めてほしい…とな
…ちゃんと君に伝えたからな」
星野「…」
徳利を持ち上げている弓岡に星野が盃を差し出す
注がれた酒を飲み干す星野

スタッフや主婦のテスターの前に立つ常子(高畑充希)
「え~これでアイロンの試験、全て終了しました、ご協力ありがとうございました」
(一同)「ありがとうございました!」(拍手)
常子「もう本当に康恵さんと皆さんのおかげです」
康恵(佐藤仁美)「私たちの頑張りを無駄にしないようにいい記事にしておくれよ」
常子「もちろんです」

編集長室で帆船の模型を作っている花山(唐沢寿明)
ノックをして「失礼します」と常子が入ってくる
「アイロンの試験資料全てそろいました、ここに置いておきますね」
花山「ああ」
部屋を出ようとするが振り返り原稿に目を落とす花山を見つめる常子
「原稿楽しみにしています」

花山が机の周りに試験資料を貼り付けたボードを何台も配置している
席に座りその資料に囲まれ瞑想するように目を閉じる
時計の秒針の音だけが聞こえる
どれくらい時間がたったのだろう?
と、花山がペンを取り原稿を書き始める
『アイロンを試験する
洋服全盛の現在ではミシンと並んで、あるいはそれ以上に
アイロンは私たちの生活になくてはならないものになっています
ほとんどの家庭で毎日のように使うものだからこそ
安全で使いやすく長もちするものでなくてはなりません
アイロンの試験を行うにあたって10人の主婦に協力してもらい
2か月毎日50枚のワイシャツにアイロンをかけてもらいました
使っているうちに柄の部分が熱くなってきて
ハンカチを巻かないと持てないという事が試験の間主婦たちを悩ませ続けました
そこでアイロンのスイッチを入れてから10分、20分、30分ごとに
どれくらい熱くなっているか測ってみました
20分もすると半分のアイロンはハンカチどころか
大きなタオルを巻かなければ持てなくなるほど温度が高くなりました
その中でもアカバネはむやみに熱くなり
30分後には熱で柄の塗料が溶けてしまいました
これは想定される到達温度に対して
全く耐久度の合わない塗料で加工しているから起こる訳で
メーカーの完全な設計ミスと言わざるをえません(総じて国産のアイロンは…)』

花山の原稿を読み上げる常子「総じて国産のアイロンは外国製品に比べて
設定温度が不正確でコードなどの故障も多く改善点が多く残っています
いくつかのアイロンは使っている人に危険を及ぼす可能性があります
メーカーは安く売る事よりも購入者にとって安全で使いやすい事を
第一に考えてほしいと心より願います」
テスターの主婦たちから拍手が起こる
「頑張ってよかったわね」
「本当にね」
編集長室から花山が出てくる「朝から騒がしいな」
常子「花山さん、文句なしの原稿です、ありがとうございます」
花山「礼を言うなら私ではなくこちらにだ(と主婦たちの方を見る)
その原稿を書けたのもあなたたち主婦の皆さんのご尽力のおかげですよ」
康恵「礼を言うのはこっちの方だよ
たくさんの人に読まれてるあなたの暮しに関われて
責任ある仕事を任せてもらえるなんて
私たちみたいなただの主婦にとっては
こんな気持ちを味わえるなんて思ってもなかったよ」
常子「ただの主婦ではありません
主婦の皆さんが暮らしの中で得たアイデアやこまやかな感性があったからこそ
今回のアイロンの試験もいい結果が導き出せたんだと思います」
康恵「そうかい?そんなふうに言われちゃ悪い気はしないけど」
主婦1「あんたまた調子に乗って!」
(一同の笑い)
美子(杉咲花)「やっぱり主婦の方々の意見は
商品試験にとって欠かせないものなのかもしれないですね」
常子「だったら主婦の方限定でテスターを募集したらどうかしら…
主婦の方にだからこそ見えるものがある
その目を大切にしたいんです…だから主婦のテスターさんです」
花山「そりゃいいな」
常子「ですよね」
「私やりたいです」
「私もやりたい!」と主婦たちから次々に声が上がる
常子「じゃあ皆さんにご協力お願いします」

昭和三十二年一月
あなたの暮し39号が発刊される

<アイロンの商品試験を特集した最新号は30万部以上を売り上げました
更に全国の読者からテスターへの応募が殺到し
1万を超える葉書が届いたのです>

葉書を読んでいるスタッフ一同
「笑顔をくれるあなたの暮し」
水田(伊藤淳史)「どの葉書も必ず、いつも楽しみにしています…とか
ひと言添えてありますね」
松永「この会社で働ける事は光栄な事だって改めて思いますね
こうやって読者から感謝してもらえるし売れれば売れるほど給料も増えるし」
水田「うちは常子さんが売り上げをちゃんと社員に還元しようって考えだからね」
松永「まあおかげで買い物ばかりしちゃうんですよね
金があるとあれも欲しいこれも欲しいって
実はこの間、最新のトランジスタラジオ買っちゃったんです」
扇田「また?」
寿美子(趣里)「前に電気蓄音機を買ったって言ってませんでした?」
松永「うん…電気屋の前を通る時つい足が止まっちゃってさ」
島倉「分かる分かる」
扇田「あの光景こそが希望っていうんだろうね」
趣里「今日は何だか詩的ですね」
扇田「いやいや本当にそう思うんだよ
焼け野原だった東京がここまで復興できて
今や戦争以前より便利な商品が売られてるんだぜ
まさに希望そのものじゃないか!」
松永「そっか、僕が買っているのはただの商品じゃなくて希望だったのか
じゃあこれからも買い物しなくちゃ、ねえ」
扇田「松永!」
美子「もうそんな事言ってすってんてんにならないでよ」
と、常子が「ただいま帰りました」と出先から戻り
「では皆さん今日はそろそろ上がりましょうか」
(一同)「はい」
すると電話が鳴り緑(悠木千帆)が受けるのだが
「はい?え~…おしゃれおばちゃま?うん…ちょっと待ってね」
それを聞いて「ちょっとごめんなさい」と受話器をもらう常子
「もしもし…もしかして青葉ちゃん?常子です」
(青葉の声)「あっ、おばちゃま、あのね」
常子「うん」
(青葉)「お兄ちゃんがまた具合悪いって」
常子「えっ?」
(青葉)「お父さんいないの、おばちゃま早く来て!」
常子「分かった、おばちゃますぐ行くからお外に出ないで待っててね、ねっ
後でね、すぐにね、はい」

ビルを飛び出し駆けていく常子

アカバネ電器製造のロゴ
あなたの暮し最新号のアイロンの試験記事を読んでいる男が激怒して
雑誌を壁に投げつける
男・アカバネ電器製造社長赤羽根憲宗(古田新太)

(つづく)

やったね!
亡き妻が星野の再婚を望んでいたという事で星野の気持ちも変わるかも

花山はもう知恵の輪には飽きたのか模型を作っていたね

常子が花山の原稿を絶賛して主婦たちにも「試験でいい結果を導き出せた」
と感謝しているのに少し違和感があった
いや、商品試験そのものの存在意義についてはドラマ内で語られている通り
すばらしいものだと思うのだが今回の原稿はダメだししているようにしか思えず
常子の言う「いい結果」も
製品の不具合をたくさん発見できたぜ…というふうにしか感じないのだ
これは例えば痴漢常習者をマークしている刑事が犯行を願ってしまうように
常子は製品に不具合がある事を願ってしまっているのではないだろうか?
確かに試験してもどの製品も横並びで不具合もなければ記事にはならない
だからといって製品の不具合を「いい結果」と言ってしまうのは違う気がする
もちろんドラマの作り手は
主婦ならではの細やかな視点からのアイロンの使い心地の評価に対して
常子が「いい結果」と述べたというつもりなのだろうが分かりにくかった
花山がボードに貼った資料の数々がそれらの材料なのかもしれないが
ざっとドラマを見て
前述したように常子は製品の不具合を願っていると感じてしまったのだ

美子の発言から常子の「だったら主婦の方限定で
テスターを募集したらどうかしら…」も少し違和感があった
ナレでテスターだと紹介されていたせいかもしれないが
「主婦のテスター」と2か月も一緒に仕事をしてきた後なのに今更…
もしかしたら今は康恵の顔で集まっている10人(康恵を除くと9人)を
康恵を介さずに直接契約できるようにするためにあえて言ったのかと
ちょっと思ってしまったw(もちろん常子はそんな悪い子じゃありません)

扇田の「希望」の件はとてもいいお話だったと思うけど
美子が「すってんてんにならないでよ」で軽く締めちゃったねw

赤羽根は顔が怖すぎ
古田新太とマツコはテレビで初めて見た時インパクトあったなぁ…
こんなんテレビに出していいのかよ…と本気で思った






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