2016年9月1日木曜日

とと姉ちゃん(130)商品試験の記事についてアカバネ電器製造から圧力を受ける常子

酒井(矢野聖人)「全くですね」 
村山(野間口徹)「電気釜はアイロン、洗濯機と並ぶ我が社の主力商品です
再び粗悪品として記事を出されてしまうと大きな損失を生む…」 
赤羽根(古田新太)「そういう事はさせなければいいだろう…
そういう記事は書かせないようにしろ」 

タイトル、主題歌イン 

三週間後 

キッチン森田屋で食事をする常子と星野一家 
常子(チキンライス)星野(スパゲティ)大樹(カレーライス)青葉(オムライス)
それぞれに卵焼きとコロッケの小皿がつく
常子(高畑充希)「おいしい?」
青葉「うん」
常子がうなずく
青葉「コロッケもう一つ食べたいなぁ…」
常子が自分の食べかけのコロッケを見る
「じゃあお父さんのを食べなさい」と星野(坂口健太郎)が
まだ手をつけていないコロッケの小皿を青葉の前に置く
青葉「いいの?ありがとう!」
青葉の世話をする常子
星野が目頭のあたりを手でつまむ
常子「お疲れですか?」
星野「えっ?」
常子「何となくお顔の色がすぐれなかったので
このところお休みの日もお仕事でしたものね」
星野「日曜日くらいずっと一緒にいてやりたいんですけどね
常子さんとお会いできるのも週に一度くらいしかないですし」
常子「フフフ…」

空になった皿
常子「おいしかった?」
青葉「うん」
と、「は~いどうぞ、アイスクリーム」と南(上杉柊平)が皿を2つ置く
アイスクリームを見て大樹「わぁ~すごい」
青葉「わぁ~」
星野「頼んでないですよ」
南「大将からです」
厨房から顔を出す宗吉(ピエール瀧)「子どもにはサービスだよ」
星野「すみません(と頭を下げ子どもたちに)ほらおじちゃんにお礼は?」
大樹「ありがとう」
星野「青葉」
青葉「おじちゃんありがとう!」
宗吉「おう、溶けねえうちに食いな」
(大樹と青葉)「頂きます!」
星野「…常子さんの方はお仕事順調ですか?」
常子「あっ、はい、電気釜の試験も順調です
今からどんな記事になるのか楽しみです」
星野「なぜ雑誌を作ろうと思ったんですか?」
常子「えっ?」
星野「あ~すいません急に」
常子「いや…」
星野「ただ僕はタイピストだった常子さんしか知らなかったので
出版社の経営をしていると聞いてからすごく不思議な感じで」
常子「女の人の役に立つ雑誌を作りたかったんです
暮らしを守っている女の人を少しでも手助けできればと…
今はあなたの暮しでもっともっと暮らしのためになるような事を
提案していきたいんです」
星野「…夢を持てたんですね」
常子「夢?」
星野「僕は以前、新種を発見し両親の名をつけるという夢を追っていました
結局叶いはしませんでしたがその時はあの夢を追いかける事に夢中だった
でも常子さんはいつも家族や人のためで
自分のやりたい事は二の次になさっていた
そんな常子さんが自分のために自分の夢を追っているのだとしたら
僕はとてもうれしいです」
常子「夢…そうかもしれませんね…はい…私の夢です」
星野が微笑む
常子「でも私一人では到底ここまでの雑誌を作る事はできませんでした
花山さんがいて下さったから…
厳しい方ですが女性のような視点を持っていて
女性とも真剣に向き合って下さる方なんです」
星野「僕もお会いしてみたいなあ」
常子「いや、お会いしないほうが…すごい方なんですが
機嫌が悪いとものすごく怖いですし」
星野「そんな人なんだ」
常子「はい」
星野「へえ~」

雨の中を2人の男が住吉ビルの前に立つ

緑(悠木千帆)「常子さん、ご来客です」
常子「はい」
男たちが階段を上がってくる
村山「アカバネ電器製造の村山と申します
小橋社長でいらっしゃいますか?」
常子「はい、そうですが」
村山「事前にご連絡もせず申し訳ございません
本日は少々お話がございまして」
「…かしこまりました、あちらへどうぞ」と案内する常子
「緑さん、お茶お願いします」
常子たちが別室に消えて美子(杉咲花)「アカバネってあのアイロンの試験で…」
松永「そうです、一番評価の低かった…」
スタッフが集まってくる
島倉「確か電気釜の試験の時もアカバネの製品があったよな?」
寿美子(趣里)「何の用ですかね…」

別室
改めて挨拶を交わす一同
常子「お掛けになって下さい」
「失礼致します」と着席した2人に常子「…で、今日はどういった?」
と、突然「うっ、うっ…」と酒井が嗚咽を漏らしはじめる
村山「おい、泣くやつがあるか(常子に向かって)すみません」
(よく分かりませんが…)という顔の常子「いえ…」
酒井「今年4人目の子が生まれるんです」
常子「はあ…」
「今…会社が倒産したら…」と、椅子から降り土下座をする酒井
「お願いします!アカバネを潰さないで下さい!」
常子「えっ?」
酒井「子ども4人抱えて職を失う訳にはいかないんですよ!
お願いします!お願いします!」
床に頭をつける酒井を止めようとして常子が立ち上がる「お話…お話が…」
村山(酒井に)「よしなさい!」
村山を見る常子「えっ?」
村山「今日は会社と会社の話し合いに来ているんだ
それをそんなに取り乱してみっとないと思わんのか」
(と村山が酒井を立ち上がらせる)
村山「座れ」
「すみません…」と酒井もうなだれたまま席に着く
2人の真意を測りかねる表情の常子も席に座り「あの…」
村山「失敬…実は彼が口にしたとおり今我が社は窮地に立たされておりまして」
常子「それが私たちの記事のせいだと?」
村山「はっきりとした因果関係は分かりませんがね
あなたの暮しの記事によりアイロンの売り上げが激減した事は確かです
もしもこの上電気釜も商品試験で低い評価を受けたら我が社は立ち行かなくなる
(酒井が泣き声を漏らす)どうか我が社の電気釜に低評価をつけるのは
やめて頂けませんか?お願いします」
常子「待って下さい」
村山「230人もの我が社の社員を路頭に迷わせる訳にはいかないんです
あなたも経営者ならそのつらさお分かり頂けますよね?」
部屋の外に花山(唐沢寿明)がやってきて中の話に足を止める
村山「どうかどうかご検討をお願い致します!」
酒井「お願いします!うちの子のためにも!」
常子(語気強く)「ちょっと待って下さい、頭を上げて下さい」
2人「お願いします!」
常子「頭を上げて下さい」
2人「お願いします!」
どうしていいか分からず困り果てた表情の常子
と、ドアを開けて花山「何なんだ君たちは
泣いている暇があったら商品開発でもしたまえ!
うちの記事が原因で会社が倒産したとしてもそれは自分たちの責任だ
恨むなら会社を恨むんだな、さっさと帰りなさい」
村山「いや、待って下さい」
花山「これ以上君たちの泣き言を聞くつもりはない!」
村山「…」

ビルの前で傘を広げ歩き始める2人
酒井「クソッ、あれがうわさの編集長か
情で動く人間じゃなさそうですね」
村山「女社長はあと一押しだったのにな」
と、雷鳴が鳴り響く中2人が一人の男とすれ違う
その男・国美恒一(石丸幹二)は立ち止まり2人の後ろ姿に目をやってから
あなたの暮し出版社を見上げる

アカバネ電器製造の電気釜
部屋に入る花山と常子
花山「どれがアカバネの電気釜だ?」
趣里「これです」
「これが試験の結果です」と扇田が花山に資料を渡す
資料を覗く常子「4回炊いて一度もうまくいってないんですね」
美子「メーカーの指定した水加減では焦げ付くし
ちょうどいい水加減を探ってるんだけどどうにもうまくいかなくて」
常子「スイッチひとつでお米が炊けるといっても
スイッチを入れるまでに大変な苦労があったのね」
花山「誇大広告だな」
電気釜がカチッと音をたてる
「あっ、炊けたみたい」と寿美子が蓋をつまもうとする
美子「あっ、駄目…アカバネのは蓋のつまみが熱くなりやすいの
今まで何人もの人がうっかり触ってやけどしたんだから」
常子が顔を曇らせる
寿美子がふきんを持って蓋と中蓋を開ける
扇田「あ~ベチャベチャだ、今度は水が多すぎか」
美子「あれ?アカバネってアイロンにも問題がなかった?」
常子「ええ」
美子「アカバネという会社自体に問題があるのかもしれないわね」
松永「そうですね…安いから売れてるらしいんだけど商品は決して…」
扇田「それに…さっきのあの連中も気になるしなあ」
常子と花山が顔を見合わせる

電話で報告を受ける赤羽根「そうか、泣き落としはきかんかったか」
と受話器を置き「冷たいやつらだなあ…(とせんべいを手に取る)
自分たちにも大切な家族がいるだろうに…」(せんべいをバリバリと齧る)

夜、星野家のブザーを押す常子
大樹と青葉が出てくる
常子「ん~!こんばんは」
(2人それぞれ)「お帰りなさい」
常子「…うん…」
青葉「おばちゃま『ただいま』は?」
常子「フフフ…ただいま…
ごめんね、『お帰り』って言われてちょっとうれしくなっちゃった…
さあ、今日は何して遊ぼうか?」
青葉「う~んとね…」

ちゃぶ台でお絵描きをしている大樹と青葉
大樹は図鑑を見ながらシロクマを、青葉は家をそれぞれ描いている
常子「おうち?」
青葉「大きくなったら建てるの」
常子「おばちゃまもね、将来おうちを建てるのが夢なの」
青葉「そこに家族で住むの?」
常子「そうねえ…」
大樹「おばちゃんの家族って?」
常子「あ…私の家はお母さんと妹が2人いるわ
上の妹は結婚してたまきちゃんっていう女の子がいるの
青葉ちゃんともきっと仲よくなれると思う」
青葉「へえ~」
大樹「女ばっかりなんだね」
常子「フフフ、そうね…小さい頃にお父さんは亡くなって今は女だけ
下の妹は今も一緒の会社で働いていてかかは…」
大樹「かか?」
常子「あ…私のおうちはお母さんの事をかか
お父さんの事をととって呼ぶの」
大樹「へえ~」
常子「かかはとっても優しい人よ
いつも大樹君と青葉ちゃんと会ってみたいなあって話してるわ」
大樹「そうなんだ」
と、「ただいま」と星野の声が聞こえる
青葉「あっ、ととだ」
常子「フフフ、ととだね」
障子を開けて星野が部屋に入ってくる
大樹と青葉「お帰りなさい」 星野「ただいま」
常子「お帰りなさい」
星野「…ただいま」
常子が微笑む
常子の肩をさする青葉「ねえおばちゃまもおうち描いて」
常子「おうち?おうち描こうかじゃあ」
大樹「お父さんも絵描いて」
星野「ん?お絵描きしてるの?」
大樹「そお」
常子「星野さんも描きますか?」(と画用紙を渡す)
星野「ありがとうございます」
常子「青葉ちゃんはおうちです」(と星野に説明する)
青葉「大きくなったら建てるんだ」
幸せそうに笑う常子

(つづく)

コロッケをもらって「いいの?ありがとう!」と言う青葉がちょっと憎たらしかったw
53話でイチゴを一人で全部食べてしまった美子を思い出してしまったが
このとと姉ちゃんの世界では末っ子は食いしん坊でわがままな生き物のようだ

星野の体調が悪そうだったのが気になる
忙しくて常子とは週に一度くらいしか会えないと
説明するためだけの描写だったらいいのだけれど
重病にでもなって…みたいな展開はほんとにやめてほしい

今週のタイトルは「常子、星野に夢を語る」だが
実際は雑誌を作ろうと思った理由を説明した常子に
星野がそれは常子にとっての夢なのだと教えてくれたという事だったね

村山と酒井は笑わせてくれた
突然泣き始める酒井に常子もキョトンとしてたよね
「お願いします」を連呼されて常子も弱っていたけど花山がいい時に来た
帰り道の村山の「女社長はあと一押しだったのにな」には爆笑した
そんな訳ないだろwいくらなんでも常子をなめすぎ
この2人の次回の登場が楽しみだ

赤羽根はステーキとかせんべいとかいっつも何か食べてるよねw
貪欲さ…みたいなものを描写しているのだろうか?

常子は青葉に合わせて自分を「おばちゃま」と呼んでいるが
大樹はずっと「おばちゃん」と呼んでいる
自分も男の子だったからわかるが「おばちゃま」と呼ぶのは
幼児っぽくてなんだか恥ずかしいからだと思う

大樹がシロクマを描いていたのにちょっと笑った
NHKのドキュメンタリーってシロクマの子育てを追ったものが多いよね
たぶんシロクマ好きな人が局内にいるんだと思うけどそれを思い出した

0 件のコメント:

コメントを投稿