2016年9月2日金曜日

とと姉ちゃん(131)再び現れたアカバネの2人組は常子たちを買収しようとするが…

星野(坂口健太郎)にお茶をいれる常子(高畑充希) 
星野「今日もすみません、お仕事お忙しいのに」 
常子「いえいえ、星野さんも残業続きで大変ですね」 
星野「繁忙期は過ぎたんですがいろいろ立て込んでしまって」 
青葉「ねえ今度おばちゃまのおうちに遊びに行きたい」 
大樹「僕も行きたい、次の日曜日は?」 
星野「あのね、そんなに勝手に決めては…」 
常子「是非いらして下さい」 
星野「いいんですか?」 
常子「私も来てほしいです、じゃあ次の日曜日に遊びに来てね」 
大樹と青葉「やった~!」 
大樹「青葉、おばちゃまのかかにも会えるね」 
青葉「会えるね」 
大樹「楽しみだなあ…おばちゃまってどんな家なの?」 
はしゃぐ子どもたちに笑顔になる星野と常子 

タイトル、主題歌イン 

君子(木村多江)「星野さんたちがうちに?」 
常子「はい、すみません勝手にお呼びしてしまって」
君子「ううん、いいの、大歓迎よ」
美子(杉咲花)「私も…だったらまり姉ちゃんたちも呼ぼうよ」
常子「そうね」
美子(遠慮がちに)「大昭さんも呼んでもいい?」
常子「フフフ、もちろん」
君子「ああ…楽しみね」
常子「はい」
君子「何作ろうかしら…いなり寿司なら子どもたちも好きよね
ああ…でもやっぱり大勢いらっしゃるからちらし寿司かしら
あ~でも鞠子がかんぴょう好きだから手巻き寿司もいいけど…あ~…」
君子の様子を見て笑う娘たち
美子「とりあえずお寿司は決まりなんですね」
君子「あらやだ」 

あなたの暮し出版
忙しく働く一同
今しがた出かけたばかりの美子が戻ってくる
常子「どうしたの?」
美子「それが…お客様が…」
「どうもこんにちは」「こんにちは」と村山(野間口徹)と酒井(矢野聖人)が現れる
常子「…」

別室
花山(唐沢寿明)「何の用だ?何度泣きつかれても
君たちの要求を受け入れる事はできんぞ」
村山「承知しております、先日は感情的になって
お見苦しいところをお見せした事、猛省しております(と頭を下げる)
本日は我が社の誠意をお見せしようと思って参りました」
花山「誠意?」
村山に合図された酒井が包みをテーブルに置き中の札束を見せる
常子の顔が強張る
村山「私どもも御社の商品試験は画期的な企画だと感心しております
ですので我が社にできうる最大限の支援を…」
花山「断る!金でお宅に都合のいい記事を書けと言いたいようだが
あんたらの支援など我々には必要ない
村山の合図で酒井がさらに金を積み増す
村山「これでいかがでしょう?」
花山があきれて「話にならんな」と立ち上がりそっぽを向く
村山「しかしこれなら…」(と酒井がさらに金を積もうとする)
机を叩いて立ち上がる常子「バカにするのもいい加減にして下さい!」
花山が驚いて振り向く
常子「あなた方はいい商品を作ろうという生産者としての矜持はないんですか?
商品試験はまだ終わっていませんが今のところあなた方の製品は
とても褒められたものではありません」
村山「…」
常子「粗悪品を売ってお金で評価を操作しようとするなんて
恥ずかしくないんですか!」
酒井「ひどい言われようだな」
村山「(酒井に)おい…いいでしょう、お言葉に従い帰ります
(と立ち上がり常子を見て)ただ…拒んだ事をきっと後悔する事になりますよ」
2人が帰って花山「常子さんがあそこまで言うとはな」
常子「すみません、ちょっと腹が立ったので」
花山「いや、拍手を送りたくなったよ、スカッとした!ハハハハハ!うん!」
常子も笑顔になる

小橋家の小さな庭で大樹・青葉・たまきにボール遊びをさせる南(上杉柊平)

台所と居間では大人たちが料理と卓の準備をしている
鞠子の結婚式で常子の挨拶が花山のものと被ってしまった話から
常子の女学校の卒業祝いでの宗吉の裸踊りの思い出話になり
大笑いする一同に水田「いいなあ…知らないの僕だけか…」
鞠子(相楽樹)「もう…いい年してひがまないの」
星野「宗吉さんに頼んだら今度見せてくれるんじゃないですか?」
首を傾げる水田「あっ、いやあの…皆さんの共通の思い出が羨ましいだけで
宗吉さんの裸踊りが見たい訳じゃ…」
星野「ああ、そうか」
(一同の笑い)
常子「そうですよね」

縁側のガラス戸を開ける常子「は~い、皆さんごはんですよ~」
南「ごはんだ」
子どもたち「は~い」
大樹「よし、みんな手洗おう」
星野「南さん、面倒見て頂きありがとうございます」
南「いいえ」
水田「うちのもすみません」
「俺も楽しいですから」とさらっと答える南をうっとりと見つめる美子
手を洗い終わり手拭いを使う子どもたち
常子が大樹の足のやけどの痕を見て少し切ない表情になる

竹蔵の写真のある仏壇にもちらし寿司が供えられている

全員が揃った食卓で常子「では…頂きます」
(一同)「頂きます」
星野が大樹のためにコロッケを取る
水田はたまきにやはりコロッケを
常子は青葉の世話をしている
君子「こんな大勢でごはん食べるなんていつ以来かしら」
常子「本当ですね」
美子「森田屋さんにいた頃まで振り返らないといけないんじゃない?」
鞠子「やっぱり宗吉さんと照代さんにも来て頂きたかったわ」
南「でも今日も店ありますから」
水田「ああ、そうか」
南「俺だけ楽しんでこいってお休みを」
君子「愛されてるのね」
南(照れ笑い)「そうですかね…」
青葉「おばちゃま、ねえ、あ~んして」
星野「ほら青葉、すぐに甘えるのはよしなさい」
常子「いいんですいいんです、はい青葉ちゃん、あ~ん」(と青葉に食べさせる)
「あ~ん」と口を開ける青葉
常子「おいしい?」
青葉「うん」
たまき「ねえお母さん」
鞠子「何?」
たまき「青葉ちゃんはとと姉おばちゃんの子どもじゃないのにどうして甘えるの?」
鞠子「えっ?」
食卓が静かになる
常子「それは…」
星野「何て言えば…」
思案するたまき「あっ、そっか、きっととと姉おばちゃんと星野おじちゃんの
仲がいいからだね」
(一同)「……あぁ…」
鞠子(たまきに)「そう…かもね」
微妙な表情の常子と照れ笑いしているような星野
鞠子(悪戯っぽく)「とと姉照れてるの?」
常子「照れてないわよ」
水田が常子を指さし「あれ?照れてません?」
「照れてません!もう…もういいですからこの話…」と顔を手で覆う常子
と、大きな音をたてて戸のガラスが割れて飛び散る
子どもを抱いて庇う大人たち
美子「何なの?」
鞠子「石?」
子どもたちが泣き声を上げる
廊下に砕けたガラス片と石
南「誰かが投げ込んだようですね」
「誰が?」と立ち上がり表に出る水田(南も続く)
泣く子どもを慰める常子たち
戻ってきた南に美子「誰かいた?」
南「いや、すぐ逃げたらしい」

常子と美子を台所に呼び出す水田「ひょっとしてアカバネの仕業じゃ…」
常子「そんな…」
美子「そうかも…だってこの前
後悔する事になる…って捨て台詞吐いたんでしょ?」
常子「いや…だからってこんなひどい事…」

電気店前
赤羽根(古田新太)「いや~社長、えらいにぎわいですねえ」
店主「ええ、週末にもなればみんな家族総出で電化製品を買いに来ますからねえ
赤羽根さんの製品も売れ行き上々ですよ~
何せアカバネは他社の七掛けほどの値段ですからねえ
みんな手に取りやすいんでしょう
ただ…ここのところ少し…」
赤羽根「あなたの暮しですか」
店主「ええ…あの雑誌を手に商品を見て回る客が結構いるんですよ
あれの評価を真に受けている人がほとんどで…」
赤羽根「で、低評価のうちの商品を敬遠すると」
店主「アイロンの売り上げがひどく落ちています」
赤羽根「困ったねえ村山君」
村山「ええ…」
赤羽根「取り急ぎ粗品でもつけなさい
うちの商品を買ってくれた人には石けんをつけます
(店主に)こちらにもすぐにお持ちします」
店主「よろしくお願いします」
「では失礼します」と歩き始める赤羽根「おい」
村山「はい」
赤羽根「目障りなあなたの暮しはいつ俺の前から消え失せる?」
村山「今、酒井が動いております、いずれ効果は現れるかと」
赤羽根「そうか、徹底的にやれと伝えろ」

編集長室に集まった面々
常子「花山さんのおうちにも石が?」
花山「幸い三枝子にも茜にもけがはなかった」
水田「やっぱりアカバネの仕業ですよ」
美子「そうとしか思えないです」
花山「警察には通報したがアカバネの仕業だという証拠がないので
取り合ってはくれなかった」
美子「そんな…」
寿美子(趣里)「何だか怖いですね
これからもそんな事があるんでしょうか?」
不安気な一同

退社時、1階の戸を開け表の様子をうかがってから出てくる一同
常子「何をされるか分からないので皆さん気を付けて帰って下さいね」
(一同)「はい」
緑(悠木千帆)「常子さんも美子さんもお気を付け下さい」
(2人)「ありがとうございます」
常子「それではまた明日」
「また明日、失礼します」と帰っていく一同
常子「私たちも急ぎましょうか、ねっ」
美子「うん」
と帰っていく常子と美子の後ろ姿を見て
メモに何かを記入している謎の男・国実(石丸幹二)

(つづく)

前回は大笑いさせてくれたアカバネの2人組(村山と酒井)は
今回は感じが悪いだけだった…
花山が断っているのにどんどん金を積み増していくなんて
相手をバカにして怒らせようとしているとしか思えず(普通に考えれば)
無能なところは前回と同じだが笑えなかった

南がイケメンすぎる
男らしくて長身で空気も読めて子どもの扱いまでそつなくこなし
美子がうっとりと見つめるのも無理はない
宗吉からも信頼され忙しいはずの日曜日に楽しんでこいと
休みをもらえるほど愛されてもいる

だが宗吉を見ているとどうしてこうも
かつての長谷川との扱いに差があるのかと思う
長谷川と南では出来が違いすぎるからだろうか?
時代が違うからだろうか?
あるいは宗吉自身が年をとったからだろうか?

たまきの「~どうして甘えるの?」は無邪気な幼児の残酷なひと言だ
黙り込む大人たちに場を和ませる最良の答えで自己解決したね
常子が照れて幸せのピークに悪い事がやってきた

石を投げ込んだのはアカバネの酒井だと思わせるような演出だが
本当にそうなのだろうか?
もしそうならこれほどハッキリとした悪人達が
このドラマに登場するとは思わなかった

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