2016年4月11日月曜日

とと姉ちゃん(7)美子に笑顔を

昭和十年四月 
男たちに混ざって、消防訓練のバケツリレーをする常子(高畑充希) 
それを応援している君子(木村多江)、鞠子(相良樹)、美子(根岸姫奈) 
女である常子に、不審に思った巡査が訳を訊ねるのだが
「あっ私が家長です、父代わりなんです」と明るく答える常子 

(語り・檀ふみ)<常子の父・竹蔵が亡くなったのは4年前 
幼い常子は竹蔵から、ある事を託されました…
竹蔵が亡くなってから、長女の常子は小橋家の戸主となり
父の期待どおり、たくましく成長していました> 

タイトル、主題歌イン 

<常子は高等女学校の四年生、鞠子は三年生、美子は尋常小学校の四年生 
家の事は君子一人に負担をかけず、家族全員で役割を分担しています。
そして竹蔵が大切にしていた家訓も、しっかりと守りつつ暮らしていました> 

仏壇の父の写真に挨拶して、戸締りをして外に出る常子
待っている家族に「はい、それでは今日も…」
(一同)「行ってらっしゃい!行ってきます!」
常子「走れ!」

<君子は竹蔵の会社から遺族援助を受けつつ、女工としても雇用され
布の品質を検査する検反という仕事をして、なんとか一家を支えていました>

教室に滑り込んだ常子に、級友が「いいのん思いついた?」と訊ねる
常子「あっ、田中先生のあだ名?」
級友「そうそう、ヒゲメガネって思ったんだけどやぁ、もひとつとんちが利いてなくて」
常子「う~ん…あっ、消防自動車はどう?だって鐘が鳴るとすぐに現れるでしょ?」
(級友一同)「ああ!」
鐘の音が鳴り、教室に現れた田中先生に笑う常子たち

<常子は、すっかりクラスの人気者に
鞠子は優等生で、学内でも一目置かれる存在に
皆、竹蔵の死を乗り越え前向きにやっている中…
美子だけは、ある悩みを抱えておりました>

学校帰り、常子と鞠子が物干し台を見上げると何やら手拭を丸めたものが投げられる
常子「ちょっと…危ない…あっ」
茂雄「小汚え顔して見上げてっからよ、それで拭いた方がええんじゃねえけぇ?」
正雄「ハハハッうまい事言うなあ、兄ちゃ」
茂雄「だろ~?」

<この3人、玉置三兄弟。奇しくも常子鞠子美子とそれぞれ同い年で
常子たちは気にも留めていないのに、やたらと突っかかってくるのです>

茂雄「おい、とと姉ちゃ~ん」
正雄「俺たちも、とと姉ちゃんみたいなととが欲しいやぁ~」
茂雄「うちのととになってくれよ~」
(声を合わせて)「くれよ~」
常子「私は、こんな小汚い弟は要りません」
鞠子「ほんっと、野蛮」
と、立ち去ろうとする常子たちに末弟が声を浴びせる
幹雄「おい、美子に言っとけよな、いっつも暗い顔してんなら学校来るなって!」
常子「暗い顔って何の事?」
鞠子「さあ?」

常子たちが家に戻ると、美子が外出しようとしている
夕飯の手伝いする約束でしょ…と言う常子に、困った様子の美子
そこに訪ねてくる、美子のクラスの渡辺先生
常子や鞠子とも、顔見知りの様子
どうやら美子は、渡辺の訪問を家族に隠していたようだ
その場から逃げ出す美子

常子は渡辺と面談するのだが、お母様は?…と渡辺
母は仕事中で私が父代わりですので…と言う常子に戸惑う渡辺
戸籍上でも戸主は私です、そのように扱って頂けませんか?と言う常子に
そうだよね、いや失礼…と、改めて一礼する二人
渡辺「今日、お伝えしたかったんは美子さんの事なんだ
実に素直で明るいんだけぇが、最近様子が気になっての~
誰とも話そうとせず暗い顔して、いつも一人でいるんだよ
訳を聞いても話してくれなくてね」
動揺する常子

部屋でひとり寝そべり、おはじきをする美子

夕刻、帰ってきた君子に鞠子が玄関前で「ちょっと待って」

縁側に並んで座る常子と美子
美子「最初は仲よくしてたんだけど…」
常子「うん」
美子「でも、みんなおうちの事話す時…かかの話やととの話をするの
でも、うちにはととがいないから話せる事がないの」
常子「でも美子にも、とととの思い出あるでしょ?
う~ん…あっ、紅葉狩りに行った事とか」
美子「話せば減ってくばかりでなくなっちゃうよ、とととの思い出はもう増えないもん
何も話せないから話さないようになって、一人になっちゃった
いいなあ、みんなととがいて」
常子「ん~…そうだよね、つらいよね
でもさ、よっちゃんにはかかも鞠ちゃんも私もいるでしょ?」
美子「そうだけど…」
常子「思い出はこれからたくさん作れるから、今は頑張ってお友達つくろう」
美子「でも、どうやって?」
常子「う~ん…どうしたもんじゃろのぉ…」
心配して見ていた君子と鞠子がそばにくる
工場で働き始めた頃は、自分も暗い顔をしていたが
無理にでも明るい顔でいるようにしたら、話しかけてもらえるようになった…と君子
楽しくないのに笑えない…と言う美子の肩をたたく常子
振り向いた美子に「妖怪おはじきばばあ!」と目におはじきをはさんだ変顔を見せる
美子「何それ」
鞠子「つまんない」
常子「えっ?でも、これ思い出したら笑えるでしょ?」
美子「えっ?」
常子「妖怪おはじきばばあ~!」
ついに笑ってしまう美子
鞠子「本当とと姉、つまんないよ」
常子「そんな事言うなら鞠ちゃんやってみてよ、はい!」
鞠子「いやよ、いや」
常子「はい!じゃあ、かか はい」
君子「しかたないわねえ」と笑う

<ととになると誓ってから、常子は目標を作りました。
一つ。家族を守る。
一つ。鞠子、美子を嫁に出す。
一つ。家を建てる。
大げさな目標ですが、常子は本気でかなえようと思っているのです>

翌日の教室、家族を思い出し笑顔を作ろうとする美子に
「何やってんだ?気持ちわり~」と、からかう幹雄

その頃、美子の弁当も持ってきた事に気づいた常子が走り出す「美子~!」

(つづく)

玉置三兄弟憎たらしいわ~
特に次男の子の眉毛が腹立つw
前週でバケツを持って立たされてたのが上の二人なのかな?
鞠子の初恋の相手にでもなるのかと思っていたら
あの軽蔑の視線のまんま、天敵のような存在なのかな?
でも常子たちにやたらと突っかかってくるのだから
向こうは常子たちのことが好きなのかもしれないね
浜松を離れるときには、そんな別れのエピソードもあるのかな?

女の常子が家長として世間に認められがたい描写が多かったね
あの時代ならそうなのだろう
というか家長制度、家制度みたいのが今とは違う社会システムだもんね
父親のいない子供への差別や偏見みたいのは凄いあったんだろうな~

鞠子は軽口を叩きながらも、結構常子を信頼している感じ
これからもしっかりと、常子をサポートしていくのだろう











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