2016年4月9日土曜日

とと姉ちゃん(6)とと姉ちゃん誕生

前回の、竹蔵(西島秀俊)と常子(内田未来)の約束のシーン 

<竹蔵は、こうして常子に家族を託しこの世を去ったのでした> 

タイトル、主題歌イン 

仏壇の前に骨壺 
沈んだ面持の君子(木村多江)、鞠子(須田琥珀)、美子(川上凛子) 
その中で、ひとり気丈に振る舞う常子がいる 

<皆が悲しみに暮れる中、常子は涙を見せませんでした> 

そんな常子を横目で見る鞠子 

焼香に来た、杉野(田山涼成)と山田(田中幸太郎)を玄関で見送る小橋一家 
杉野「常子ちゃんは偉いのう、ずっと立派だと感心してただに 
お葬式ん時も涙一つ流さずに気丈だった、立派だよ」 
山田「ええ」
常子「恐れ入ります」と、神妙に頭を下げる 
杉野「うん、じゃあ」 
山田「あの…社長」 
杉野「えっ?…ああ、あ~奥さん…落ち着いたらの話だけど
会社に小橋君の私物がいろいろありますんで…一度、あの…
勝手に整理するのも、気が引けたもんでね」 
君子「ありがとうございます、では落ち着きましたら」 
常子「私が伺います、よろしければ今からでも」 
杉野「ああ、そおけぇ?」

遠州浜松染工の事務所、父の机を整理する常子

鞠子「平気なのかな」
君子「うん?」
鞠子「つん姉ちゃん、ととが亡くなって何で悲しくないのかな?」
君子「悲しくない訳ないじゃない、あの子なりに…」
鞠子「全然、悲しそうなそぶり見せないよ!つん姉ちゃんは冷たいんだよ!」
「ただいま帰りました」と、常子が戻る
君子に遺品の仕分けを頼む常子に、鞠子が食って掛かる
「どうしてそんなに冷たいの?何で何も言わないの?ととが死んで悲しくないの!」
家族の沈黙
常子「悲しいからって何もしないんじゃ、毎日暮らしていけないじゃない」
鞠子「ととがかわいそうだよ!」

書斎に行く…と言って、遺品を置きにいった常子は盆の上のみかんを見る
みかんを揉んでいた、父の笑顔を想い出す常子
許してください…と言う父に、家族皆で笑ったあの時…
堪らず涙が溢れてくる
慌てて外へ飛び出す常子
君子「常子?」

走る常子 畑の中の道を駆ける 
立ち止まり、ひとり泣いている常子に追いつく君子
常子「泣きたくなかったのに、泣いてる場合なんかじゃないから…」
君子「どうして?」
常子「ととと、約束したんです…私がととの代わりになって、かかと鞠子と美子を守るって
だから強くならなきゃいけないと思ったんです…でも、やっぱり悲しいです
ととがいないなんて…」
君子が常子を抱きしめる
母の胸の中で、声を上げて大泣きする常子

それを遠くから見ている、鞠子と美子

朝、常子が家族全員を茶の間に座らせる
常子「え~本日から私、小橋常子は皆さんのととになります」
美子「ととって、ととの事?」
常子「そうだよ」
美子「つん姉ちゃんはつん姉ちゃんでしょ?」
常子「そうなんだけど…」
君子「常子がととの代わりに、ととになってくれるんだって」
常子「精いっぱい、ととの代わりを務めさせて頂きます!」
と、ちゃぶ台の下から「家族を守る」と書かれた半紙を取りだし掲げる
美子「じゃあ、とと姉ちゃんだ!」
笑顔になる常子「いいね、そう、それ、とと姉ちゃん!」
鞠子「バカみたい、大体とと姉ちゃんになったとして具体的にととの代わりに何するの?」
常子「それは…」
君子が立ち上がり、引き出しから竹蔵が撮った家族の写真を取りだしちゃぶ台に並べる
写真を見た常子「ふだんの私たちばっかり、
どうしてととは写真館で撮るようなのは撮らなかったんだろう」
君子「それが、ととが大事にしてた事だからじゃない?
何気ない暮らしの中の、一瞬一瞬を大事にしてた人だったから
ととになるって、そういう事なんじゃない?」
常子「…そうですね、うん…
という事で鞠ちゃんよっちゃん、毎日を大事にやっていこうエイエイオ~!」
美子「エイエイオ~!エイエイオ~!」

<こうして何となく、とと姉ちゃんは誕生したのです>

四年後、昭和十年四月

仏壇に手を合わせ、父に新学期の報告をする常子(高畑充希)
外では鞠子(相良樹)と美子(根岸姫奈)が、常子を待っている
常子「はい、それでは今日も…」
一同「行ってらっしゃい!行ってきます!」
常子「走れ!」
学校までの道を、並んで駆けていく常子と鞠子

<竹蔵が亡くなって4年、小橋家は大きな転機を迎える事になるのです>

(つづく)

今回はなんといっても、家族に涙を見せまいとする常子がいじらしかった
葬式からずっと我慢していたのだろう
でもみかんのエピソードを想い出して堪えきれなくなったんだね

ととになるという決意表明のシーン
鞠子の「具体的に~」のツッコミは9歳児とは思えん
さすがオール甲だ
とにかく何かを思いついたら走り出す常子に
的確に突っ込むのが鞠子の役どころなのだろう

ナレーションの<何となく…誕生した…>は
とと姉ちゃんのネーミングが、常子が考えたものではなく美子の思いつきであり
鞠子のツッコミにも窮して君子に助けられた事など
全体的にグダグダ感を否めないといったところなのかな






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